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公開番号2024164633
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080258
出願日2023-05-15
発明の名称係止具及び前記係止具を備えた鉄筋籠
出願人テクノパワー株式会社
代理人弁理士法人小倉特許事務所
主分類E02D 27/12 20060101AFI20241120BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】柱状構造物50の頭部中空空間52内に取り付けられる鉄筋籠本体10に対し,補強用縦筋20を取り付けるための係止具30を提供する。
【解決手段】前記係止具30として,補強用縦筋20を挿嵌可能な開放端32を有すると共に,該開放端32を介して挿嵌された前記補強用縦筋20を挟持する縦筋挟持部31と,前記縦筋挟持部31より下向きに突設された係止爪33を備え,前記縦筋挟持部31に前記補強用縦筋20を挟持させた状態で前記係止爪33と前記補強用縦筋20の間に,前記鉄筋籠本体10に設けたフープ筋12を挿嵌可能な間隔Sが形成されるように構成されたものを使用する。これにより,鉄筋籠本体10側に補強用縦筋20を係止するための特別な構造を設ける必要がなくなることで,鉄筋籠本体10の構造の簡略化が可能となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
柱状構造物の頭部中空空間内に取り付けられる鉄筋籠本体に対し,補強用縦筋を取り付けるための係止具において,
前記補強用縦筋を挿嵌可能な開放端を有すると共に,該開放端を介して挿嵌された前記補強用縦筋を挟持する縦筋挟持部と,
前記縦筋挟持部より下向きに突設された係止爪を備え,
前記縦筋挟持部に前記補強用縦筋を挟持させた状態で前記係止爪と前記補強用縦筋の間に,前記鉄筋籠本体に設けたフープ筋を挿嵌可能な間隔が形成されるように構成されていることを特徴とする係止具。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
曲折された金属棒により形成されており,
前記金属棒の長手方向の中央を半円弧状に湾曲させて形成された,平面視においてU字状の水平ループ部と,該水平ループ部の両端を下向きに半円弧状に湾曲させて形成された,正面視において横向きU字状である一対の垂直ループ部と,前記垂直ループ部のそれぞれの下側端部から前記金属棒の両端に至る部分を下向きに曲折させて形成された一対の直線部を有し,
前記水平ループ部と前記一対の前記垂直ループ部によって前記縦筋挟持部が形成されていると共に,
前記直線部によって前記係止爪が形成されていることを特徴とする請求項1記載の係止具。
【請求項3】
前記縦筋挟持部の前記開放端間を拘束する拘束具を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の係止具。
【請求項4】
複数本の吊鉄筋をフープ筋によって拘束して形成された籠状であり,柱状構造物の頭部中空空間内に取り付ける鉄筋籠本体と,
前記鉄筋籠本体に取り付ける補強用縦筋と,
前記補強用縦筋を前記鉄筋籠本体に取り付けるための係止具を備え,
前記係止具に,前記補強用縦筋を挿嵌可能な開放端を有すると共に該開放端を介して挿嵌された前記補強用縦筋を挟持する縦筋挟持部と,前記縦筋挟持部より下向きに突設された係止爪を設け,
前記係止具の前記縦筋挟持部に前記補強用縦筋を挟持させて,前記補強用縦筋に前記係止具を取り付けると共に,
前記係止具の前記係止爪と前記補強用縦筋間に形成された間隔内に,前記鉄筋籠本体に設けた前記フープ筋を挿嵌して前記鉄筋籠本体に対し前記補強用縦筋を取り付けたことを特徴とする鉄筋籠。
【請求項5】
前記係止具が,
曲折された金属棒により形成されており,
前記金属棒の長手方向の中央を半円弧状に湾曲させて形成された,平面視においてU字状の水平ループ部と,該水平ループ部の両端を下向きに半円弧状に湾曲させて形成された,正面視において横向きU字状である一対の垂直ループ部と,前記垂直ループ部のそれぞれの下側端部から前記金属棒の両端に至る部分を下向きに曲折させて形成された一対の直線部を有し,
前記水平ループ部と前記一対の前記垂直ループ部によって前記縦筋挟持部が形成されていると共に,
前記直線部によって前記係止爪が形成されていることを特徴とする請求項4記載の鉄筋籠。
【請求項6】
前記鉄筋籠本体が,前記吊鉄筋を拘束する前記フープ筋を該吊鉄筋の長手方向に間隔を介して複数備えていると共に,
前記補強用縦筋のそれぞれに複数の前記係止具を取り付けて,各係止具の前記係止爪と前記補強用縦筋間に形成された前記間隔のそれぞれに,前記鉄筋籠本体の前記フープ筋を挿嵌したことを特徴とする請求項4又は5記載の鉄筋籠。
【請求項7】
前記係止具が,前記縦筋挟持部の前記開放端間を拘束する拘束具を更に備えることを特徴とする請求項4又は5記載の鉄筋籠。
【請求項8】
前記補強用縦筋が下端部にフック部を備えることを特徴とする請求項4又は5記載の鉄筋籠。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は,杭や柱等の柱状構造物の頭部と,これらの頭部上に構築される基礎や梁等の鉄筋コンクリート(RC)製の上部構造物を連結する際に,柱状構造物の頭部に杭頭補強筋等の補強用縦筋を取り付ける際に使用する係止具,及び,前記係止具を備えた鉄筋籠に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
家屋,集合住宅,その他の構造物の基礎工法において,支持層等に達する杭を設け,この杭の頭部上に基礎を形成する杭基礎工法が,例えば軟弱地盤,液状化地盤等に構造物を構築する際に広く用いられている。
【0003】
このような杭基礎工法では,杭頭上に基礎部分を形成すると共に,杭の頭部と基礎部分とを一体化するために,杭頭と基礎の底版部であるフーチングとを連結する作業が行われる。
【0004】
この杭頭と基礎部分との連結は,杭頭部に杭頭補強筋と呼ばれる補強用の縦筋を取り付け,この杭頭補強筋と共に杭頭部を基礎のフーチング内に所定深さ埋め込むことにより行われる。
【0005】
このように杭の頭部に杭頭補強筋を取り付ける方法の一つに,杭頭補強筋の下端部を杭頭部の中空空間内に打設するコンクリート内に埋没させて取り付ける,中詰め方式と呼ばれる方法がある。
【0006】
この中詰め方式では,図7に示すように周方向に一定の間隔を置いて並べた異形鉄筋等からなる縦筋120と,前記縦筋120を拘束するスパイラルフープ160とを工場等で予め溶接して形成された鉄筋籠100を基礎杭150の頭部中空空間152内に挿入した後,この頭部中空空間152内にコンクリートを打設することで,杭頭部より突出した縦筋120を前述した杭頭補強筋として杭頭部と共に基礎フーチング内に埋め込んでいる(特許文献1及び2参照)。
【0007】
このようにして杭頭部に取り付ける杭頭補強筋(縦筋120)は,基礎フーチング内の配筋(横筋)と干渉しないようにフーチング内に埋め込む必要があるところ,図7を参照して説明した鉄筋籠100を使用した中詰め方式によって杭頭補強筋の取り付けを行う場合,墨出し等によって杭頭補強筋となる縦筋120のうちの一部が基礎フーチング内の配筋と干渉することが判明した場合でも,縦筋120の一部のみを移動させて干渉を回避することができない。
【0008】
その結果,墨出しによってこのような干渉が生じることが判明した場合には,例えば基礎フーチング側の配筋を鉄筋籠100の縦筋120と干渉しない位置に移動させるか,又は,縦筋(杭頭補強筋)120を加熱や機械的な外力を加えて変形させることにより基礎フーチング側の配筋と干渉しないように矯正する,所謂「台直し」と呼ばれる作業が必要となる。
【0009】
しかしながら,基礎フーチング側の配筋を変更すれば,コンクリートの打設後に必要なかぶり厚が確保出来なくなる等の構造上の問題が発生するおそれがあり,また,前述の台直しにより杭頭補強筋120を矯正すると,同様にかぶり厚を確保できない場合があるだけでなく,加熱や変形によって矯正後の杭頭補強筋120の強度が低下することで,必要な強度を確保できなくなる場合がある。
【0010】
しかも,いずれの方法で処理を行った場合においても干渉を回避する作業が完了するまでは基礎フーチングの配筋やコンクリートの打設等の後続する作業が停滞するため,工期を圧迫することになる。
(【0011】以降は省略されています)

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