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公開番号2024164581
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080174
出願日2023-05-15
発明の名称口元コーキング装置、口元コーキング構造及びその構築方法
出願人株式会社ケー・エフ・シー
代理人個人
主分類E02D 3/12 20060101AFI20241120BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】地山穿孔に打設された長尺補強管に複数本の注入管で注入材を注入する場合に、穿孔の口元部を簡単、安全且つ確実にコーキングすることができる。
【解決手段】地山100の穿孔101に打設された長尺補強管104に内挿され、注入後に膨張する注入材105を注入する複数本の注入管2と、複数本の注入管2を束ねるようにして穿孔101の口元近傍位置に対応する位置に周設される筒状パッカー3と、筒状パッカー3の内部の位置で、少なくとも1本の注入管2に形成されている注入材吐出孔21と、注入材吐出孔21を覆うメッシュ材4を備え、注入材吐出孔21とメッシュ材4を介して内部に注入された注入材105の発泡膨張で筒状パッカー3が膨張する口元コーキング装置1。
【選択図】図3

特許請求の範囲【請求項1】
地山の穿孔に打設された長尺補強管に内挿され、注入後に膨張する注入材を注入する複数本の注入管と、
前記複数本の注入管を束ねるようにして前記穿孔の口元近傍位置に対応する位置に周設される筒状パッカーと、
前記筒状パッカーの内部の位置で、少なくとも1本の前記注入管に形成されている注入材吐出孔と、
前記注入材吐出孔を覆うように設けられるメッシュ材とを備え、
前記注入材吐出孔と前記メッシュ材を介して内部に注入された前記注入材の発泡膨張で前記筒状パッカーが膨張することを特徴とする口元コーキング装置。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記筒状パッカーが布製であることを特徴とする請求項1記載の口元コーキング装置。
【請求項3】
地山の穿孔に打設された長尺補強管に内挿された複数本の注入管と、
前記複数本の注入管を束ねるようにして前記穿孔内の前記穿孔の口元近傍位置に周設された筒状パッカーと、
前記筒状パッカーの内部の位置で、少なくとも1本の前記注入管に形成されている注入材吐出孔と、
前記注入材吐出孔を覆うように設けられるメッシュ材とを備え、
前記注入材吐出孔と前記メッシュ材を介して内部に注入された前記注入材の発泡膨張で前記筒状パッカーが膨張し、
膨張状態の前記筒状パッカーが前記穿孔の周壁に押圧されていることを特徴とする口元コーキング構造。
【請求項4】
地山に穿孔を形成するようにして長尺補強管を打設し、前記長尺補強管の端末補強管を前記穿孔の孔口よりも奥に配置する第1工程と、
前記長尺補強管に複数本の注入管を内挿すると共に、前記複数本の注入管を束ねるように周設された筒状パッカーを前記端末補強管の後端よりも後側に配置する第2工程と、
前記複数本の注入管に注入材を圧送し、前記筒状パッカーの内部の位置で少なくとも1本の前記注入管に形成された注入材吐出孔と前記注入材吐出孔を覆うように設けられたメッシュ材とを介して前記筒状パッカーの内部に前記注入材を注入し、注入された前記注入材の発泡膨張で前記筒状パッカーを膨張させて前記穿孔の口元近傍位置の周壁に押圧する第3工程とを備えることを特徴とする口元コーキング構造の構築方法。
【請求項5】
前記注入材としてウレタン系注入材、前記筒状パッカーとして織布製筒状パッカーを用いることを特徴とする請求項4記載の口元コーキング構造の構築方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば注入式長尺先受け工法(AGF工法)の長尺補強管に注入管で注入材を注入する際に穿孔の口元部をコーキングする口元コーキング装置、口元コーキング構造及びその施工方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、注入式長尺先受け工法(AGF工法)の長尺補強管に注入材を注入する場合、例えば図4に示すように、地山201に吐出孔が形成された複数の補強管を連結した長尺補強管203を地山201の穿孔202に打設し、注入材吐出部205が長さ方向で異なる位置に設けられた複数の注入管204をキャップ206で保持し、キャップ206に形成されたねじ部を長尺補強管203の端末管207の端末に形成されたねじ部に螺着し、各々の注入管204の注入材吐出部205を長尺補強管203の内部で長尺補強管203の長手方向の異なる位置に配置している。
【0003】
そして、AGF工法では、先頭管に設けられた管外径より僅かに大きいビットで掘り進めながら補強管を引っ張り込んで打設していくという特性上、穿孔の孔径は長尺補強管203の外径よりも大きくなり、又、穿孔202の口元部の周辺の地山201は荒れるため、穿孔202の口元部と長尺補強管203の端末管207との間の隙間208に作業員が人力でウェス等を詰めて口元コーキング209を形成し、注入管204で注入する注入材が隙間208から漏れ出さないように口元コーキング209で隙間208を塞いている。
【0004】
尚、特許文献1の図10及び段落[0004]には、長尺補強管を長さ方向に複数のゾーンに分け、各ゾーンにおいて開口するように長さが異なる複数の注入管を長尺補強管に内挿し、地山と補強管の口元部の隙間を口元コーキングで塞ぎ、各注入管で長尺補強管の内部に注入材を注入して補強管の吐出孔から注入材を吐出させ、周辺地山に固結領域を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-106133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、穿孔202の口元部と長尺補強管203の端末管207との間の隙間208に作業員が人力でウェス等を詰めて口元コーキング209を形成する作業は非常に労力と時間を要する作業である。また、例えばAGF工法の長尺補強管は切羽のアーチ形状に沿って斜め上向きに打設してあるため、人力でウェス等を詰めて口元コーキング209を形成する作業は高所で危険な作業となる場合もある。また、作業員の人力に依拠する口元コーキングは不十分な口元コーキングになり易い。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、地山穿孔に打設された長尺補強管に複数本の注入管で注入材を注入する場合に、穿孔の口元部を簡単、安全且つ確実にコーキングすることができる口元コーキング装置、口元コーキング構造及びその構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の口元コーキング装置は、地山の穿孔に打設された長尺補強管に内挿され、注入後に膨張する注入材を注入する複数本の注入管と、前記複数本の注入管を束ねるようにして前記穿孔の口元近傍位置に対応する位置に周設される筒状パッカーと、前記筒状パッカーの内部の位置で、少なくとも1本の前記注入管に形成されている注入材吐出孔と、前記注入材吐出孔を覆うように設けられるメッシュ材とを備え、前記注入材吐出孔と前記メッシュ材を介して内部に注入された前記注入材の発泡膨張で前記筒状パッカーが膨張することを特徴とする。
これによれば、注入材吐出孔が形成されている注入管に注入材を注入すれば自動的に筒状パッカーが膨張して穿孔の口元部に口元コーキングを形成することができ、口元コーキングを形成する作業に要する労力を飛躍的に削減し、作業時間を大幅に短縮することができる。また、高所で人力で行う口元コーキングを形成する危険な作業を無くすことができる。また、作業員の人力に依拠せずに口元コーキングを形成することができので、確実性の高い口元コーキングを形成することができる。即ち、地山穿孔に打設された長尺補強管に複数本の注入管で注入材を注入する場合に、穿孔の口元部を簡単、安全且つ確実にコーキングすることができる。
【0009】
本発明の口元コーキング装置は、前記筒状パッカーが布製であることを特徴とする。
これによれば、筒状パッカーを布製とすることにより、注入材の発泡膨張で筒状パッカーが膨張する際に筒状パッカー内のエアを外に逃がし、筒状パッカーをスムーズに膨張させることができると共に、発泡膨張した注入材を通過させて口元付近の荒れた地山にリークさせる懸念なく筒状パッカーを安定して膨張させることができる。また、穿孔の孔壁に凹凸があってもしっかりと密着させることができると共に、注入材が孔口から漏れ出すことをより確実に防止することができ、地山補強効果の確実性も高めることができる。また、
【0010】
本発明の口元コーキング構造は、地山の穿孔に打設された長尺補強管に内挿された複数本の注入管と、前記複数本の注入管を束ねるようにして前記穿孔内の前記穿孔の口元近傍位置に周設された筒状パッカーと、前記筒状パッカーの内部の位置で、少なくとも1本の前記注入管に形成されている注入材吐出孔と、前記注入材吐出孔を覆うように設けられるメッシュ材とを備え、前記注入材吐出孔と前記メッシュ材を介して内部に注入された前記注入材の発泡膨張で前記筒状パッカーが膨張し、膨張状態の前記筒状パッカーが前記穿孔の周壁に押圧されていることを特徴とする。
これによれば、注入材吐出孔が形成されている注入管に注入材を注入すれば自動的に筒状パッカーが膨張して穿孔の口元部に口元コーキングを形成することができ、口元コーキングを形成する作業に要する労力を飛躍的に削減し、作業時間を大幅に短縮することができる。また、高所で人力で行う口元コーキングを形成する危険な作業を無くすことができる。また、作業員の人力に依拠せずに口元コーキングを形成することができので、確実性の高い口元コーキングを形成することができる。即ち、地山穿孔に打設された長尺補強管に複数本の注入管で注入材を注入する場合に、穿孔の口元部を簡単、安全且つ確実にコーキングすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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