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公開番号2024162500
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023078053
出願日2023-05-10
発明の名称シャッタ装置
出願人澁谷工業株式会社
代理人個人,個人
主分類A61L 2/20 20060101AFI20241114BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 内部空間が駆動源によって占拠されず、かつ内部空間の清掃性や無菌性を確保しやすくする。
【解決手段】 チャンバを複数の内部空間S1に区画する仕切り壁11に形成された開口部11aを開閉するシャッタ21と、上記シャッタ21を上記仕切り壁11に沿って移動させる第1移動機構22と、シャッタ21を仕切り壁11に向けて進退動させる第2移動機構23と、上記シャッタ21と開口部11aとをシールするシール手段24とを備えたシャッタ装置12に関する。
上記第1、第2移動機構22、23の駆動源(昇降用シリンダ22a、モータ31)を外部空間S2に設け、上記第2移動機構23は、上記モータ31によって回転し、チャンバの外部空間S2から内部空間S1に貫通して設けられた回転軸32と、内部空間S1に設けられるとともに上記シャッタ21と回転軸32とを連結するリンク機構33とを備えている。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
内部が密閉されたチャンバを複数の内部空間に区画する仕切り壁に形成された開口部を開閉するシャッタと、上記シャッタを上記仕切り壁に沿って移動させる第1移動機構と、シャッタを仕切り壁に向けて進退動させる第2移動機構と、上記シャッタと開口部との間隙をシールするシール手段とを備えたシャッタ装置において、
上記第1、第2移動機構の駆動源をそれぞれ上記チャンバの外部空間に設け、
上記第2移動機構は、上記チャンバの外部空間から内部空間に貫通して設けられるとともに、当該第2移動機構の駆動源によって回転する回転軸と、内部空間に設けられるとともに上記シャッタと回転軸とを連結するリンク機構とを備え、
上記第2移動機構の駆動源が回転軸を回転させることにより、上記リンク機構を介してシャッタが仕切り壁に向けて進退動することを特徴とするシャッタ装置。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
上記シャッタの外周縁を上記開口部の開口縁よりも小さく形成し、
上記シール手段は、開口部の内周に沿って設けた中空のシール部材と、当該シール部材の内部にエアを供給するエア供給手段とを備え、
上記第2移動機構によって上記シャッタが上記開口部の内側に位置すると、上記エア供給手段がシール部材にエアを供給して当該シール部材を膨張させ、シール部材をシャッタの外周縁に密着させることを特徴とする請求項1に記載のシャッタ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はシャッタ装置に関し、詳しくはチャンバを複数の内部空間に区画する仕切り壁の開口部を、移動機構によって移動するシャッタによって開閉させるシャッタ装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、内部が密閉されたチャンバを仕切り壁によって複数の内部空間に区画し、内部空間と内部空間との間で物品を移載する際に、上記仕切り壁に形成された開口部をシャッタ装置によって開閉させるシステムが知られている(特許文献1)。
このようなシャッタ装置として、シャッタを上記仕切り壁に沿って移動させる第1移動機構と、シャッタを仕切り壁に向けて進退動させる第2移動機構と、上記シャッタと開口部との間隙をシールするシール手段とを備えたものが知られている(特許文献2)。
特許文献2のシャッタ装置では、第1移動機構によってシャッタが開口部の前方に位置すると、第2移動機構がシャッタを仕切り壁に接近させ、これにより上記シール手段がシャッタと開口部との間をシールするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-183845号公報
特許第4524886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献2のシャッタ装置の場合、上記第1移動機構および第2移動機構を駆動する駆動源が上記チャンバの内部空間に設けられており、駆動源が内部空間のスペースを占拠するという問題がある。
また、チャンバの内部空間を清掃する場合には、当該内部空間に設けた駆動源の清掃が煩雑であり、内部空間を殺菌する場合には、駆動源を殺菌剤から防護しなければならないという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は内部空間が駆動源によって占拠されず、かつ内部空間の清掃性や無菌性を確保しやすいシャッタ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかるシャッタ装置は、内部が密閉されたチャンバを複数の内部空間に区画する仕切り壁に形成された開口部を開閉するシャッタと、上記シャッタを上記仕切り壁に沿って移動させる第1移動機構と、シャッタを仕切り壁に向けて進退動させる第2移動機構と、上記シャッタと開口部との間隙をシールするシール手段とを備えたシャッタ装置において、
上記第1、第2移動機構の駆動源をそれぞれ上記チャンバの外部空間に設け、
上記第2移動機構は、上記チャンバの外部空間から内部空間に貫通して設けられるとともに、当該第2移動機構の駆動源によって回転する回転軸と、内部空間に設けられるとともに上記シャッタと回転軸とを連結するリンク機構とを備え、
上記第2移動機構の駆動源が回転軸を回転させることにより、上記リンク機構を介してシャッタが仕切り壁に向けて進退動することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、第1、第2移動機構の駆動源をチャンバの外部空間に設けているため、チャンバの内部空間の構造を簡素化することができ、また内部空間の清掃が容易となり、殺菌剤に対する駆動源の防護が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施形態にかかるシャッタ装置を備えた凍結乾燥製剤製造システムの平面図
シャッタ装置を説明する正面図
第2移動機構を説明する平面図
シャッタ装置の動作を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施形態について本発明を説明すると、図1はバイアルに薬液を充填する処理と、当該薬液を凍結乾燥して粉末化する処理と、バイアルを密閉する処理とを行う凍結乾燥製剤製造システム1を示している。
凍結乾燥製剤製造システム1は、内部が無菌状態に維持されたアイソレータ2と、薬液を凍結乾燥するための凍結乾燥機3と、これらの間に設けられた断熱室4とを備え、これら上記アイソレータ2、凍結乾燥機3および断熱室4によって、本発明にかかるチャンバが構成されている。
上記アイソレータ2の内部には、図示しないがバイアルに薬液を充填する充填装置および、上記バイアルを密閉する打栓装置が設けられており、上記バイアルは図示しない移載装置によって上記アイソレータ2と凍結乾燥機3との間で自動的に移載されるようになっている。そして凍結乾燥製剤製造システム1は図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
上記断熱室4は、アイソレータ2と凍結乾燥機3との温度差を軽減するために設けられ、上記アイソレータ2と断熱室4との間は第1仕切り壁11Aによって区画され、また凍結乾燥機3と断熱室4との間は第2仕切り壁11Bによって区画されている。
そして、これら第1、第2仕切り壁11A、11Bにはそれぞれ開口部11aが形成され、これらの開口部11aは制御手段によって制御される第1、第2シャッタ装置12A、12Bによって自動的に開閉されるようになっている。
【0009】
上記アイソレータ2、凍結乾燥機3、断熱室4は、それぞれ内部が無菌状態に維持されるようになっており、アイソレータ2、断熱室4にはそれぞれ給気配管13が接続され、給気ポンプ14によって無菌エアが供給されるようになっている。
これと同様、上記アイソレータ2、凍結乾燥機3、断熱室4には、それぞれ排気配管15が接続され、排気ポンプ16によって内部のエアが排出されるようになっている。
さらに、上記給気配管13と排気配管15との間には循環配管17が接続されるとともに循環ポンプ18が設けられており、当該循環ポンプ18を作動させることにより、上記排気配管15を流通するエアを給気配管13へと送気し、上記アイソレータ2、凍結乾燥機3、断熱室4に供給された無菌エアを循環させるようになっている。
そして、上記給気配管13には過酸化水素蒸気などの除染ガスを供給する図示しない殺菌剤供給手段が設けられており、必要なタイミングでアイソレータ2や断熱室4に除染ガスを供給してそれらの内部を除染することができるようにしてある。
なお凍結乾燥機3については、当該凍結乾燥機3に連通している給気配管13の開閉弁を閉鎖して、除染ガスを用いた除染を行わずに、蒸気による滅菌(SIP)を行うようになっている。
【0010】
上記構成を有する凍結乾燥製剤製造システム1によれば、アイソレータ2と凍結乾燥機3との間でバイアルを移載する場合には、上記第1、第2シャッタ装置12A、12Bによって、上記第1、第2仕切り壁11A、11Bに設けた開口部11aを同時に開放させるようになっている。
この状態となると、薬液が充填されたバイアルをアイソレータ2から断熱室4を通過して凍結乾燥機3の内部に移載することができ、また凍結乾燥された薬剤を収容したバイアルを凍結乾燥機3からアイソレータ2へと移載することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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