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公開番号2024162395
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077854
出願日2023-05-10
発明の名称通話制御装置、通話制御方法、およびプログラム
出願人ENEOS株式会社,NTTソノリティ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H04R 3/02 20060101AFI20241114BHJP(電気通信技術)
要約【課題】通話においてエコーキャンセル処理を行うことなく、音響エコーを低減させる。
【解決手段】通話制御装置は、送話信号を得るためのマイクロホンの使用の状態を判定するか、または、マイクロホンで集音された音響信号に基づいて発話の状態を判定する。さらに通話制御装置は、マイクロホンが使用されている時間区間、または、発話が行われている時間区間の何れかである制限区間では、第1スピーカからの第1受話信号の再生を制限し、第2スピーカから第2受話信号を再生し、制限区間以外の時間区間である非制限区間では、第1スピーカから第1受話信号を再生し、第2スピーカから第2受話信号を再生する。ここで、第2スピーカの音放出位置からマイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量は、第1スピーカの音放出位置からマイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量よりも大きい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
送話信号を得るためのマイクロホンの使用の状態を判定するか、または、前記マイクロホンで集音された音響信号に基づいて発話の状態を判定する判定部と、
前記マイクロホンが使用されている時間区間、または、前記発話が行われている時間区間の何れかである制限区間では、第1スピーカからの第1受話信号の再生を制限し、第2スピーカから第2受話信号を再生し、前記制限区間以外の時間区間である非制限区間では、前記第1スピーカから前記第1受話信号を再生し、前記第2スピーカから前記第2受話信号を再生する受話制御部と、を有し、
前記第2スピーカの音放出位置から前記マイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量は、前記第1スピーカの音放出位置から前記マイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量よりも大きい、通話制御装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1の通話制御装置であって、
前記判定部は、前記発話の状態を判定し、
前記制限区間は、前記発話が行われている時間区間である、通話制御装置。
【請求項3】
請求項2の通話制御装置であって、
前記制限区間において前記送話信号を送信し、前記非制限区間において前記送話信号の送信を制限する送話制御部をさらに有する、通話制御装置。
【請求項4】
請求項2の通話制御装置であって、
前記判定部は、
(1)前の時間区間が前記制限区間である場合、前記第1受話信号に基づく推定回り込み信号を考慮することなく、前記音響信号に基づく信号に基づいて前記発話の状態を判定し、
(2)前の時間区間が前記非制限区間である場合、前記音響信号に基づく信号から前記推定回り込み信号を減じて得られる推定送話信号に基づいて前記発話の状態を判定する、
通話制御装置。
【請求項5】
請求項2の通話制御装置であって、
前記判定部は、前記発話の状態と前記第1受話信号の大きさとを判定し、
前記制限区間は、前記発話が行われており、かつ、前記第1受話信号の大きさが第3基準値を超える時間区間である、通話制御装置。
【請求項6】
請求項2の通話制御装置であって、
前記マイクロホンは、身体を伝達した前記音響信号を集音するように構成されており、
前記判定部は、前記音響信号の高域周波数成分よりも低周波数成分を優先的に扱って前記発話の状態を判定し、
前記高域周波数は、前記低域周波数よりも高い、
通話制御装置。
【請求項7】
請求項2の通話制御装置であって、
前記マイクロホンは、身体を伝達した前記音響信号を集音するように構成されており、
前記判定部は、前記音響信号に基づく信号から前記第1受話信号に基づく推定回り込み信号を減じて得られる推定送話信号に基づいて前記発話の状態を判定し、
前記推定回り込み信号の低域周波数の成分が、高域周波数の成分よりも抑制されているか、または、前記推定回り込み信号の高域周波数の成分が、低域周波数の成分よりも増幅されており、
前記高域周波数は、前記低域周波数よりも高い、
通話制御装置。
【請求項8】
請求項7の通話制御装置であって、
前記音響信号に基づく信号は、前記音響信号の高域周波数成分よりも低周波数成分を優先的に扱って得られる信号である、通話制御装置。
【請求項9】
請求項1の通話制御装置であって、
前記マイクロホンは、身体を伝達した前記音響信号を集音するように構成されており、
前記送話信号は、前記音響信号の高域周波数の成分を低域周波数の成分よりも増幅して得られる信号に基づき、
前記高域周波数は、前記低域周波数よりも高く、
前記受話制御部は、前記制限区間において、前記第1受話信号の前記高域周波数の成分の再生を、前記第1受話信号の前記低域周波数の成分の再生よりも制限する、通話制御装置。
【請求項10】
請求項1の通話制御装置であって、
前記受話制御部は、前記制限区間では、さらに前記第2スピーカから前記第1受話信号を再生する、
通話制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、通話技術に関し、特に音響エコーを抑制する技術に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
スピーカとマイクロホンを有し通話可能なイヤホンやヘッドホンでは、スピーカからマイクロホンに回り込む音(音響エコー)をキャンセルする必要がある。従来、音響エコーをキャンセルは、エコーキャンセラによるエコーキャンセル処理で行うのが一般的であった(例えば、非特許文献1等参照)。また、騒音環境下で通話を行うために耳内マイクロホンを用いる方法がある(例えば、非特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
羽田陽一,“:5-1 通信における音響エコー”,2011年11月,電子情報通信学会,「知識ベース 知識の森 2群-6編-5章」,[2023年3月20日検索],インターネット<https://www.ieice-hbkb.org/files/02/02gun_06hen_05.pdf>
“三洋・日鉄エレ、「耳でしゃべる」イヤホンマイク“e耳くん”を発売”,[online],2007年12月18日,日鉄エレックス,[2022年12月8日検索],インターネット<https://www.phileweb.com/news/d-av/200712/18/19995.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、騒音環境下で耳内マイクロホンを使う場合、耳内マイクロホンで集音される音響エコーのレベル(大きさ、例えば、振幅やパワー)は非常に大きく、これに比べて集音される装着者の音声のレベルは小さい。そのため、このような場合にエコーキャンセル処理を行うと、集音された音声に基づく送話信号が大きく劣化してしまう。また、エコーキャンセル処理の演算量は大きい。このような問題は、イヤホンやヘッドホンを使用したり、耳内マイクロホンを使用したりする場合に限定されるものではなく、通話においてエコーキャンセル処理を行う場合に共通するものである。
【0005】
このような点に鑑み、本発明では、通話においてエコーキャンセル処理を行うことなく、音響エコーを低減させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
通話制御装置は、送話信号を得るためのマイクロホンの使用の状態を判定するか、または、マイクロホンで集音された音響信号に基づいて発話の状態を判定する。さらに通話制御装置は、マイクロホンが使用されている時間区間、または、発話が行われている時間区間の何れかである制限区間では、第1スピーカからの第1受話信号の再生を制限し、第2スピーカから第2受話信号を再生し、制限区間以外の時間区間である非制限区間では、第1スピーカから第1受話信号を再生し、第2スピーカから第2受話信号を再生する。ここで、第2スピーカの音放出位置からマイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量は、第1スピーカの音放出位置から当該マイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
これにより、通話においてエコーキャンセル処理を行うことなく、音響エコーを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施形態の通話システムを例示するための図である。
図2Aは、一方の耳(左耳)に装着されるように構成された実施形態の通話装置の構成を例示するための透過図である。図2Bは、他方の耳(右耳)に装着されるように構成された実施形態の通話装置の構成を例示するための透過図である。
図3は、実施形態の通話制御装置の機能構成を例示するためのブロック図である。
図4は、利用者の口元に装着された外部マイクロホンで観測された音声信号の感度X、当該利用者の耳元に装着された外部マイクロホンで観測された音声信号の感度Y、および、当該利用者の外耳道またはその近傍に装着された耳内マイクロホンで観測された音声信号の感度Aを例示した図である。音声信号の「感度」とは、利用者の口元に装着された外部マイクロホンで観測された当該利用者の音声信号の周波数スペクトルで正規化された音声信号の周波数スペクトルを意味する。図6の横軸は周波数(Frequency [Hz])を表し、縦軸は感度(Sensitivity [dB])を表す。
図5は、実施形態の判定ステップを例示するためのフロー図である。
図6は、他方の耳(右耳)に装着されるように構成された実施形態の通話装置の構成を例示するための透過図である。
図7は、実施形態の通話制御装置の機能構成を例示するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
以下で説明する各実施形態では、通話制御装置が、送話信号を得るためのマイクロホンの使用の状態を判定するか、または、マイクロホンで集音された音響信号に基づいて発話の状態を判定する。さらに通話制御装置は、マイクロホンが使用されている時間区間、または、発話が行われている時間区間の何れかである制限区間では、第1スピーカからの第1受話信号の再生を制限し、第2スピーカから第2受話信号を再生し、制限区間以外の時間区間である非制限区間では、第1スピーカから第1受話信号を再生し、第2スピーカから第2受話信号を再生する。ここで、第2スピーカの音放出位置(例えば、振動板の位置)からマイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量は、第1スピーカの音放出位置から当該マイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量よりも大きい。
【0010】
ここで、マイクロホンが使用されていたり、発話が行われていたりする場合に、第1スピーカの再生を制限するため、第1スピーカからマイクロホンに回り込む音(音響エコー)を抑制することができる。このような場合でも、他方の第2スピーカからは第2受話信号が再生される。なお、第2スピーカの音放出位置からマイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量は、第1スピーカの音放出位置からマイクロホンの受音位置までの間での音の減衰量よりも大きい。そのため、第2スピーカから第2受話信号が再生されていても、第2スピーカからマイクロホンに回り込む音は小さい。これにより、通話においてエコーキャンセル処理を行うことなく、音響エコーを低減させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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