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公開番号2024148625
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061936
出願日2023-04-06
発明の名称IP放送の停止、切替制御
出願人TOA株式会社
代理人
主分類H04N 21/439 20110101AFI20241010BHJP(電気通信技術)
要約【課題】上位優先放送との共存性を高めるために放送の停止や回線切替を行える。
【解決手段】IP放送システム1と、その他の放送システム5とを含み、複数の音声送信端末がネットワークNを介して接続されるネットワーク拡声システムであって、複数の音声送信端末は、ネットワークを介して音声ストリーム又は音声再生コマンドを伝送する。音声受信端末は、再生動作により再生された音声の出力と、他の放送システムからスピーカーライン51を介して伝送される放送音声の出力とを切り替える。他の放送システムから放送が行われることを検知する代表的な1つの音声送信端末は、ネットワークを介して再生停止を指示するミュートメッセージを一斉送信する。音声受信端末20aは、ミュートメッセージに応答して再生動作を停止し、回線切替機能を有する音声受信端末20bはミュートメッセージ応答して、音声を切り替え、スピーカライン22に出力する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数の端末がネットワークを介して接続されるネットワーク拡声システムであって、
前記複数の端末は、前記ネットワークを介して音声ストリーム又は音声再生コマンドを伝送する少なくとも1つの音声送信端末と、受信した前記音声ストリームの再生又は前記音声再生コマンドに応じた内蔵音源の再生を含む再生動作を行う少なくとも1つの音声受信端末とを含み、
前記音声受信端末は、少なくとも1つの第1音声受信端末と、少なくとも1つの第2音声受信端末とを含み、
前記第1音声受信端末は、スピーカーラインを介して他の放送装置と接続されており、前記再生動作により再生された音声の出力(第1出力)と、前記他の放送装置から前記スピーカーラインを介して伝送される放送音声の出力(第2出力)とを切り替える回線切替機能を備え、
前記第2音声受信端末は、前記回線切替機能を備えず、
前記複数の端末の中で、前記他の放送装置から放送が行われることを検知する代表端末を備え、
前記代表端末は、前記他の放送装置から放送が行われることを検知すると、前記ネットワークを介して再生停止を指示するミュートメッセージを一斉送信し、
前記第2音声受信端末は、前記ミュートメッセージに応答して、再生動作を停止し、
前記第1音声受信端末は、前記ミュートメッセージ応答して、前記回線切替機能により、前記第1出力から前記第2出力に切り替える、ネットワーク拡声システム。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
ネットワークを介して音声の拡声を行うネットワーク拡声システムを構成する端末であって、
前記ネットワーク拡声システムは、前記ネットワークを介して受信した音声ストリームの再生又は音声再生コマンドに応じて内蔵音源の再生を含む再生動作を行う少なくとも1つの音声受信端末を含み、
前記音声受信端末は、(i)スピーカーラインを介して他の放送装置と接続されており、前記再生動作により再生された音声の出力(第1出力)と、前記他の放送装置から前記スピーカーラインを介して伝送される放送音声の出力(第2出力)とを切り替える回線切替機能を備える第1音声受信端末と、(ii)前記回線切替機能を備えない第2音声受信端末とを含み、
前記スピーカーラインを介して前記他の放送装置から放送が行われることを検知する検知手段と、
前記検知手段による検知に応じて、前記ネットワークを介して再生停止を指示するミュートメッセージを一斉送信する送信手段とを備え、
前記ミュートメッセージは、前記第2音声受信端末に対して再生動作を停止させ、前記第1音声受信端末に対して前記回線切替機能により前記第1出力から前記第2出力に切替させるメッセージである、端末。
【請求項3】
ネットワークを介して音声の拡声を行うネットワーク拡声システムを構成する音声受信端末であって、
前記ネットワークを介して受信した音声ストリームの再生又は音声再生コマンドに応じて内蔵音源の再生を含む再生動作を行う再生手段と、
スピーカーラインを介して他の放送装置と接続され、前記再生動作により再生された音声の出力(第1出力)と、前記他の放送装置から前記スピーカーラインを介して伝送される放送音声の出力(第2出力)とを切り替える回線切替手段とを備え、
前記回線切替手段は、前記ネットワークを介して一斉送信されるミュートメッセージに応答して、前記第1出力から前記第2出力に切り替え、
前記ミュートメッセージは、前記他の放送装置から放送が行われることの検知に応じて前記再生動作の停止を指示するために前記ネットワークを介して一斉送信されるメッセージである、音声受信端末。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インターカムやIPスピーカーを用いたIP放送において、非常放送などより上位の放送システムと併存するために放送の停止や回線切替を行う技術に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
出願人は、インターカムやIPスピーカーを用いたIP放送システムを提案し、特許出願を行っている(特許文献1~3)。特許文献1~3に記載のIP放送システムは、音声を送信し放送源となる端末(音声送信端末)と、音声を受信して再生し拡声を行う端末(音声受信端末)とを含み、1つ以上の音声送信端末と1つ以上の音声受信端末とがネットワークを介して接続される。ネットワークを介して、音声送信端末から、特定の1つ以上の音声受信端末に対してユニキャストで音声が送信され、また、ネットワーク下の音声受信端末全てに対してマルチキャストで音声が送信される。音声受信端末は個別にアンプを備え、ユニキャスト又はマルチキャストで送信された音声データを受信して再生し、増幅した音声をスピーカーから拡声する。音声受信端末の典型は、IPスピーカーである。
【0003】
IP放送システムは、各端末をネットワークスイッチに接続するだけで、当該ネットワークスイッチで構築されたLAN(ローカルエリアネットワーク)内で多様な放送を行うことができる。このため、マトリクススイッチや大規模なオーディオパワーアンプ等の機器を接続して構築する必要があった従来のアナログの校内放送に比べて、容易に構築でき、大規模化も容易である。
特願2021-157990号
特願2021-158011号
特願2022-063423号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビル、オフィス、工場、商業施設等の物件内で、各所に音声受信端末(例えば、IPスピーカー)を複数設置して構内放送システムとしてIP放送システムを構築する場合、優先度の高い他の放送システムと共存するために課題が生じることがある。例えば、こういった物件では、火災や地震等の災害発生時に在館者への報知や避難誘導放送を行うための緊急放送システムが設置されることがある。一例として、消防法令により一定規模以上の施設で設置が義務付けられる非常放送設備がある。こういった緊急性のある放送は、人命にかかわるため優先度が高いため、非常時に放送を行う際には競合する他の構内放送が流れないように配慮する必要がある。例えば、オーディオパワーアンプから複数のスピーカーに音声信号を伝送する従来の構内放送システムと非常放送設備とが共存する場合、非常放送設備の起動に応じてオーディオパワーアンプへの電源供給を強制的に遮断する手段(例えば、カットリレーコンセント)が用いられてきた。構内放送システムのオーディオパワーアンプへの電源供給を手段すれば、構内放送を一斉に停止させることができる。
【0005】
ところが、IP放送システムの場合、ネットワークスイッチに各端末を接続して構築する仕組み上、システム内の放送を一斉に停止させることが難しい。ネットワークスイッチへの電源供給を遮断することが考えられるが、ネットワークスイッチにはIP放送システムとは無関係の他のIP機器が接続されることもあり、安易に電源遮断することは好ましくない。一方、端末一台一台にカットリレーコンセントのような手段を設けることは現実的ではない。
【0006】
以上のような背景から、本発明は、上位優先放送との共存性を高めるために放送の停止や回線切替を行えるIP放送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るネットワーク拡声システムは、複数の端末がネットワークを介して接続される。前記複数の端末は、前記ネットワークを介して音声ストリーム又は音声再生コマンドを伝送する少なくとも1つの音声送信端末と、受信した前記音声ストリームの再生又は前記音声再生コマンドに応じた内蔵音源の再生を含む再生動作を行う少なくとも1つの音声受信端末とを含む。前記音声受信端末は、少なくとも1つの第1音声受信端末と、少なくとも1つの第2音声受信端末とを含む。前記第1音声受信端末は、スピーカーラインを介して他の放送装置と接続されており、前記再生動作により再生された音声の出力(第1出力)と、前記他の放送装置から前記スピーカーラインを介して伝送される放送音声の出力(第2出力)とを切り替える回線切替機能を備える。前記第2音声受信端末は、前記回線切替機能を備えない。前記複数の端末の中で、前記他の放送装置から放送が行われることを検知する代表端末は、前記他の放送装置から放送が行われることを検知すると、前記ネットワークを介して再生停止を指示するミュートメッセージを一斉送信する。前記第2音声受信端末は、前記ミュートメッセージに応答して、再生動作を停止する。前記第1音声受信端末は、前記ミュートメッセージ応答して、前記回線切替機能により、前記第1出力から前記第2出力に切り替える。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、上位優先放送との共存性を高めるために放送の停止や回線切替を行えるIP放送システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係るIP放送システムとその他の放送システムとを示す図である。
図2は、本発明の実施形態に係るIP放送システムの接続の一例を示す図である。
図3は、本発明の実施形態に係るIP放送システムとその他放送システムとの接続の一例を示す図である。
図4は、本発明の実施形態に係る音声送信端末の構成例を示すブロック図である。
図5は、本発明の実施形態に係る音声受信端末の構成例を示すブロック図である。
図6は、本発明の実施形態に係る音声受信端末の構成例を示すブロック図である。
図7は、本発明の実施形態に係る音声送信端末の動作の一例を示すフローチャートである。
図8は、本発明の実施形態に係る音声受信端末の動作の一例を示すフローチャートである。
図9は、本発明の実施形態に係る音声受信端末の動作の一例を示すフローチャートである。
図10は、本発明の実施形態に係るシステムミュートメッセージと放送再開メッセージの送信態様の一例を示す図である。
図11は、本発明の実施形態に係る音声送信端末の動作の一例を示すフローチャートである。
図12は、本発明の実施形態に係る音声受信端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係るシステムを示す。実施形態に係るシステムは、IP放送システム1と、その他の放送システム5とを含む。IP放送システム1は、IP(インターネットプロトコル)に従って各端末を個別のIPアドレスで識別し、IPアドレスを指定して端末間でデータパケットを送受信する構成を有している。IP放送システム1は、1つ以上の音声送信端末10と、1つ以上の音声受信端末20とを有し、各端末10、20がネットワークNに接続される。音声送信端末10は、内蔵音源やマイク等から入力された音声から音声ストリームを生成し、ネットワークNを介して音声受信端末20に送信する機能を有する。音声受信端末20は、ネットワークNを介して音声送信端末10から受信した音声ストリームを再生して増幅し、音声を出力する機能を有する。また、音声受信端末20は、自端末内に音源(内蔵音源)を予め保持することもでき、音声送信端末10は、音声受信端末20に対して内蔵音源を再生させるメッセージを生成して送信する。音声受信端末20は、音声送信端末10から受信したメッセージに応じて、内蔵音源を再生して増幅し、音声を出力する機能を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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