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公開番号
2024161074
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-15
出願番号
2024141914,2022119272
出願日
2024-08-23,2011-05-12
発明の名称
陽イオン性脂質およびその使用方法
出願人
アービュタス バイオファーマ コーポレイション
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
229/12 20060101AFI20241108BHJP(有機化学)
要約
【課題】核酸などの有効成分又は治療剤のインビボ送達のために有利な、新規な陽イオン性(アミノ)脂質及びこれらの脂質を含む脂質粒子、並びにインビボ治療用途に適した核酸-脂質粒子組成物などの脂質粒子の提供。又、これらの脂質組成物を製造する方法、及びこれらの脂質組成物を使用して、例えば様々な疾患の処置のために、細胞内に核酸などの有効成分又は治療剤の導入方法の提供。
【解決手段】式Iの陽イオン性脂質又はその塩。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024161074000143.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">32</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">128</com:WidthMeasure> </com:Image> (R1及びR2は各々独立にH又はC1-C6アルキル等;R3は、存在しないか、又はHもしくはC1-C6アルキルであって4級アミンを提供し;R4及びR5は各々独立にC10-C24アルキル等;Xは、O、S、C(O)、C(O)O等;Yは、存在しないか、又は置換されていてもよいC1-C6アルキル等)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の構造を有する式Iの陽イオン性脂質またはその塩:
TIFF
2024161074000138.tif
32
128
式中:
R
1
およびR
2
は同じであるかまたは異なっており、かつ独立に、水素(H)または置換されていてもよいC
1
-C
6
アルキル、C
2
-C
6
アルケニル、もしくはC
2
-C
6
アルキニルであるか、あるいは、R
1
およびR
2
は一緒になって、置換されていてもよい複素環を形成してもよく;
R
3
は、存在しないか、または、水素(H)もしくはC
1
-C
6
アルキルであって4級アミンを提供し;
R
4
およびR
5
は同じであるかまたは異なっており、かつ独立に、置換されていてもよいC
10
-C
24
アルキル、C
10
-C
24
アルケニル、C
10
-C
24
アルキニル、またはC
10
-C
24
アシルであり;
Xは、O、S、N(R
6
)、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)N(R
6
)、N(R
6
)C(O)、OC(O)N(R
6
)、N(R
6
)C(O)O、C(O)S、C(S)O、S(O)、S(O)(O)、C(S)、または置換されていてもよい複素環であり、ここで、R
6
は、水素(H)または置換されていてもよいC
1
-C
10
アルキル、C
2
-C
10
アルケニル、もしくはC
2
-C
10
アルキニルであり;かつ
Yは、存在しないか、または置換されていてもよいC
1
-C
6
アルキル、C
2
-C
6
アルケニル、もしくはC
2
-C
6
アルキニルである。
続きを表示(約 960 文字)
【請求項2】
R
1
およびR
2
が、メチル基およびエチル基からなる群より独立に選択される、請求項1記載の陽イオン性脂質。
【請求項3】
R
1
およびR
2
の両方がメチル基である、請求項1または2記載の陽イオン性脂質。
【請求項4】
R
1
およびR
2
が一緒になって、2~5個の炭素原子、ならびに窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい複素環を形成する、請求項1~3のいずれか一項記載の陽イオン性脂質。
【請求項5】
Xが、O、C(O)O、C(O)N(R
6
)、N(R
6
)C(O)O、またはC(O)Sである、請求項1~4のいずれか一項記載の陽イオン性脂質。
【請求項6】
R
6
が、水素(H)および、置換されていてもよいメチル基、エチル基、またはC
3
-C
10
アルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基からなる群より選択される、請求項1~5のいずれか一項記載の陽イオン性脂質。
【請求項7】
Xが、2~5個の炭素原子、ならびに窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい複素環である、請求項1~4のいずれか一項記載の陽イオン性脂質。
【請求項8】
Yが、(CH
2
)
n
であり、nが、0、1、2、3、4、5、または6である、請求項1~7のいずれか一項記載の陽イオン性脂質。
【請求項9】
nが、2、3、または4である、請求項8記載の陽イオン性脂質。
【請求項10】
R
4
およびR
5
の少なくとも一方が、少なくとも1個の不飽和部位を含む、請求項1~9のいずれか一項記載の陽イオン性脂質。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年5月12日に出願された米国仮特許出願第61/334,104号および2010年9月17日に出願された米国仮特許出願第61/384,050号の優先権を主張し、それらの仮特許出願の開示は、全ての目的についてその全体が本明細書に参照により組み入れられる。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
発明の背景
治療用核酸には、例えば低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、プラスミド、および免疫刺激性核酸が含まれる。これらの核酸は、多様なメカニズムによって作用する。siRNAおよびmiRNAなどの干渉RNA分子の場合、これらの核酸は、RNA干渉(RNAi)と称される過程を経て特異的タンパク質の細胞内レベルを下方調節することができる。細胞質内に干渉RNAを導入した後に、これらの二本鎖RNA構築物は、RISCと称されるタンパク質に結合することができる。干渉RNAのセンス鎖は、RISC複合体から外れ、結合している干渉RNAの配列に相補的な配列を有するmRNAを認識してそれと結合できるRISC内テンプレートを提供する。相補的mRNAに結合すると、RISC複合体はmRNAを切断し、切断された鎖を放出する。RNAiは、タンパク質合成をコードする対応するmRNAの特異的破壊を標的とすることによって特異的タンパク質の下方調節を提供することができる。
【0003】
干渉RNA構築物が、標的タンパク質に対する任意のヌクレオチド配列を有するように合成できるので、RNAiの治療応用は極めて広い。現在まで、siRNA構築物は、インビトロモデルおよびインビボモデルの両方で標的タンパク質を特異的に下方調節する能力を示している。加えて、siRNA構築物は、現在臨床試験で評価されている。
【0004】
しかし、干渉RNA構築物が現在直面する二つの問題は、第一に、血漿中のヌクレアーゼ消化に対してそれらが感受性であること、および第二に、遊離の干渉RNA分子として全身投与されたときにそれらがRISCと結合できる細胞内区画にアクセスする能力が限られることである。これらの二本鎖構築物は、分子内での化学的に修飾されたヌクレオチドリンカー、例えばホスホチオエート基の組込みによって安定化することができる。しかし、そのような化学的に修飾されたリンカーは、ヌクレアーゼ消化からの限定的な保護のみを提供し、構築物の活性を低下させる場合がある。干渉RNAの細胞内送達は、ポリマー、陽イオン性リポソームなどの担体系の使用により、または分子へのコレステロール成分の共有結合により促進することができる。しかし、siRNAおよびmiRNAなどの干渉RNA分子の効力を増大させるために、ならびに化学的に修飾されたヌクレオチドリンカーの要件を緩和または排除するために、改善された送達系が必要である。
【0005】
加えて、干渉RNAなどの治療用核酸が細胞膜を通過する能力が限定されているという問題(Vlassov et al., Biochim. Biophys. Acta, 1197:95-1082 (1994)(非特許文献1)参照)、ならびに補体媒介アナフィラキシー、凝固特性の変化、および血球減少などの全身毒性に関連する問題(Galbraith et al., Antisense Nucl. Acid Drug Des., 4:201-206 (1994)(非特許文献2))が残っている。
【0006】
効力を高めようと、研究者らは、化学的に修飾された治療用核酸または未修飾の治療用核酸を送達するために、脂質に基づく担体系も用いている。Zelphati et al.(J. Contr. Rel., 41:99-119 (1996)(非特許文献3))は、陰イオン性(従来型)リポソーム、pH感受性リポソーム、イムノリポソーム、膜融合性リポソーム、および陽イオン性脂質/アンチセンス凝集物の使用を記載している。同様にsiRNAが陽イオン性リポソームに入れられて全身投与されており、これらの核酸-脂質粒子は、非ヒト霊長類を含めた哺乳動物での標的タンパク質の下方調節の改善を提供することが報告されている(Zimmermann et al., Nature, 441: 111-114 (2006)(非特許文献4))。
【0007】
この進歩にもかかわらず、一般治療用途に適した、改良された脂質-治療用核酸組成物が当技術分野において未だ必要である。好ましくは、これらの組成物は、高い効率で核酸を封入し、高い薬物:脂質比を有し、封入された核酸を血清中での分解およびクリアランスから保護し、全身送達に適し、そして封入された核酸の細胞内送達を提供する。加えて、これらの核酸-脂質粒子は、核酸の有効用量での患者の処置が患者への顕著な毒性および/またはリスクと関連しないように、耐容性良好で、十分な治療指数を提供するべきである。本発明は、そのような組成物、その組成物の製造方法、および疾患の処置のために細胞内に核酸を導入するためにその組成物を使用する方法を提供する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Vlassov et al., Biochim. Biophys. Acta, 1197:95-1082 (1994)
Galbraith et al., Antisense Nucl. Acid Drug Des., 4:201-206 (1994)
Zelphati et al., J. Contr. Rel., 41:99-119 (1996)
Zimmermann et al., Nature, 441: 111-114 (2006)
【発明の概要】
【0009】
発明の簡単な概要
本発明は、核酸などの有効成分または治療剤のインビボ送達のために有利な、新規な陽イオン性(アミノ)脂質およびこれらの脂質を含む脂質粒子、ならびにインビボ治療用途に適した核酸-脂質粒子組成物などの脂質粒子を提供する。本発明は、また、これらの脂質組成物を製造する方法、およびこれらの脂質組成物を使用して、例えば様々な疾患の処置のために、細胞内に核酸などの有効成分または治療剤を導入する方法を提供する。
【0010】
一局面において、本発明は、以下の構造を有する式Iの陽イオン性脂質またはその塩
TIFF
2024161074000001.tif
29
128
を提供し、式中:
R
1
およびR
2
は同じであるかまたは異なっており、かつ独立に、水素(H)または置換されていてもよいC
1
-C
6
アルキル、C
2
-C
6
アルケニル、もしくはC
2
-C
6
アルキニルであるか、あるいは、R
1
およびR
2
は一緒になって、置換されていてもよい複素環を形成してもよく;
R
3
は、存在しないか、または、水素(H)もしくはC
1
-C
6
アルキルであって4級アミンを提供し;
R
4
およびR
5
は同じであるかまたは異なっており、かつ独立に、置換されていてもよいC
10
-C
24
アルキル、C
10
-C
24
アルケニル、C
10
-C
24
アルキニル、またはC
10
-C
24
アシルであり;
Xは、O、S、N(R
6
)、C(O)、C(O)O、OC(O)、C(O)N(R
6
)、N(R
6
)C(O)、OC(O)N(R
6
)、N(R
6
)C(O)O、C(O)S、C(S)O、S(O)、S(O)(O)、C(S)、または置換されていてもよい複素環であり、ここで、R
6
は、水素(H)または置換されていてもよいC
1
-C
10
アルキル、C
2
-C
10
アルケニル、もしくはC
2
-C
10
アルキニルであり;かつ
Yは、存在しないか、または置換されていてもよいC
1
-C
6
アルキル、C
2
-C
6
アルケニル、もしくはC
2
-C
6
アルキニルである。
(【0011】以降は省略されています)
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