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公開番号2024161053
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2024140941,2020180460
出願日2024-08-22,2020-10-28
発明の名称黒鉛粒子と硫化物固体電解質とを含んだ負極合材の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人
主分類H01M 4/1393 20100101AFI20241108BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高い放電容量を実現することが可能な全固体電池用の負極合材の製造方法を提供する。
【解決手段】負極合材の製造方法であって、リチウム、硫黄、及びリンから構成されたイオン伝導性化合物からなる2次凝集体の形態を有する硫化物全固体電解質と、黒鉛粒子とを所定の配合割合となるようにそれぞれ秤取る工程と、前記秤取った黒鉛粒子の全量と、前記秤取った硫化物全固体電解質のうちの20質量%以上40質量%以下の範囲内の量とを5分間以上の混合時間で乾式混合する工程と、前記乾式混合された混合物に、前記秤取った硫化物全固体電解質の残りを20質量%以上40質量%以下の範囲内の量ずつ投入して各々1分間以内の混合時間で乾式混合する工程とからなる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リチウム、硫黄、及びリンから構成されたイオン伝導性化合物からなる2次凝集体の形態を有する硫化物全固体電解質と、黒鉛粒子とを所定の配合割合となるようにそれぞれ秤取る工程と、前記秤取った黒鉛粒子の全量と、前記秤取った硫化物全固体電解質のうちの20質量%以上40質量%以下の範囲内の量とを5分間以上の混合時間で乾式混合する工程と、前記乾式混合された混合物に、前記秤取った硫化物全固体電解質の残りを20質量%以上40質量%以下の範囲内の量ずつ投入して各々1分間以内の混合時間で乾式混合する工程とからなる負極合材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、黒鉛粒子と硫化物固体電解質とを含んだ負極合材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
携帯電話、タブレット端末、ノート型パソコン等の電子機器においては、近年ますます高性能化や高機能化が進められており、これに伴いこれら電子機器に搭載される二次電池には更なる小型軽量化や高容量化への要望が高まっている。このような状況の下、リチウム二次電池に代表される非水系電解質(液系)二次電池は、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に比べて電池電圧が高く、エネルギー密度も高くできることから、上記の電子機器の分野で急速に普及している。
【0003】
また、非水系電解質二次電池は、昨今の環境問題を背景に、電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用電源の用途においても主流になっている。しかしながら、非水系電解質二次電池は、一般的に可燃性の有機溶媒を含んでいるため、該二次電池に熱暴走等の異常が生じた際に発火する等の安全性の問題を抱えており、その早急な改善が望まれている。かかる安全性の問題を改善する技術のひとつとして、有機溶媒を用いた電解質に代えて固体電解質を用いる全固体型リチウム二次電池の研究開発が活発に進められている。
【0004】
上記の全固体型リチウム二次電池の主な構成は、正極活物質及び固体電解質を含んだ正極合材(層)、In金属やLi-In合金又はカーボンを用いた負極材及び固体電解質を含んだ負極合材(層)、並びにこれら正極合材と負極合材との間に設けられた固体電解質(層)からなる積層された3層構造を有している。上記の構成材料に含まれる固体電解質は、酸化物系と硫化物系とに大別することができ、前者の酸化物系の代表例としては、Li

La

Zr


12
やLi

La

Nb


12
を挙げることができる。
【0005】
しかし、酸化物系の固体電解質は、つぶれ性に劣るため、全固体型リチウム二次電池の製造に際して粉状の原料を圧縮して成形する圧粉成形工程において、緻密な組織が得られなくなることがあった。また、酸化物系の固体電解質は、高イオン伝導性を発現させるには高温条件下での焼結処理を必要とするなどの課題も抱えていた。これに対して、硫化物系の固体電解質は上記の酸化物系の固体電解質の課題は特に有しておらず、とりわけ特許文献1に開示されているようなLi

PS

相、Li





相、又はLi

PS

相を有する代表的な硫化物系の固体電解質(以降、LPSとも称する)は、硫化物特有の柔軟性や粘着性を有しているため、上記圧粉成形時に容易に変形させることができる。更に、硫化物系の固体電解質は組成によっては熱処理を施さなくても高イオン伝導性が得られるという利点も有しているため、酸化物系よりも有望な材料として期待されている。
【0006】
上記LPSは五硫化二リンと硫化リチウムを原料に用いて合成した合成物であり、その合成方法としては、不活性ガスを充填した遊星ボールミル(メカニカルミリング装置)を用いて長時間に亘るボールの衝撃による熱で反応合成させる方法か、更に必要に応じて熱処理することにより結晶相(準安定相)を析出させる方法が一般的に用いられている。また、特許文献2には、上記の方法により合成したLPSを用いて負極合材を作製する場合は、コスト面で有利で且つ電気化学的な作用によりイオンを挿入及び脱離可能な黒鉛(グラファイト)粒子を活物質として配合する技術が開示されている。この技術は、黒鉛粒子とLPS粒子とを機械的に混合し、得られた混合粉末を圧粉成形することで負極合材層として利用するものである。なお、負極合材層中に含まれるLPSは、Liイオンの伝導パスの役割を担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-155087号公報
特開2014-203545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の全固体型リチウムイオン電池(以下、全固体電池とも称する)においては、高容量化の観点から負極合材中の黒鉛粒子の含有量を多くすることが好ましいと考えられる。その理由は、黒鉛粒子の含有量が多いと正極から移動してきたLiイオンを負極においてより多く受け入れることができるからである。しかしながら、黒鉛粒子を多く含むように負極合材を調製すると、黒鉛粒子の種類によっては、黒鉛粒子とLPS粒子とを均一に混合させることが困難になることがあった。
【0009】
特に、乾式法により負極合材を調製する場合は黒鉛粒子及びLPS粒子の混合性が不十分になりやすく、その混合性の良否によって電池特性の優劣が左右されることがあった。従って、上記の混合性を改善しない限り、単純に黒鉛粒子の含有量を多くしただけではLPSの伝導パスとしての役割を十分に発揮させることができず、所望の放電容量が得られないことがあった。本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、高い放電容量を実現することが可能な全固体電池用の負極合材の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る全固体電池用の負極合材の製造方法は、リチウム、硫黄、及びリンから構成されたイオン伝導性化合物からなる2次凝集体の形態を有する硫化物全固体電解質と、黒鉛粒子とを所定の配合割合となるようにそれぞれ秤取る工程と、前記秤取った黒鉛粒子の全量と、前記秤取った硫化物全固体電解質のうちの20質量%以上40質量%以下の範囲内の量とを5分間以上の混合時間で乾式混合する工程と、前記乾式混合された混合物に、前記秤取った硫化物全固体電解質の残りを20質量%以上40質量%以下の範囲内の量ずつ投入して各々1分間以内の混合時間で乾式混合する工程とからなることを特徴としている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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