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公開番号2024160750
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2023076050
出願日2023-05-02
発明の名称ウェーハチャック、温度制御システム及び温度制御方法
出願人株式会社東京精密
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01L 21/683 20060101AFI20241108BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】設置する温度センサの数を多くすることなく温度が測定可能なウェーハチャックと、ウェーハチャックの温度を適切に制御することができる温度制御システム及び温度制御方法と、を提供する。
【解決手段】ウェーハチャック18を加熱又は冷却する加熱冷却部40と、ウェーハチャック18に配置された少なくとも1つの温度センサ52と、ウェーハチャック18に配置され、複数の熱電対56を直列に接続して、且つ互いに隣接する熱電対56の接続部分が、保持面18Aから第1深さ位置と、第1深さ位置よりも深い第2深さ位置と、に交互に配置されている熱流センサ54と、を備え、熱流センサ54は、熱電対56毎に設けられた複数の測温点60を有し、ウェーハチャック18を平面視した場合に、複数の測温点60がウェーハチャック18の全体にわたって配置される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ウェーハを保持する保持面を有するウェーハチャックであって、
前記ウェーハチャックを加熱又は冷却する加熱冷却部と、
前記ウェーハチャックに配置された少なくとも1つの温度センサと、
前記ウェーハチャックに配置され、複数の熱電対を直列に接続して、且つ互いに隣接する前記熱電対の接続部分が、前記保持面から第1深さ位置と、前記第1深さ位置よりも深い第2深さ位置と、に交互に配置されている熱流センサと、
を備え、
前記熱流センサは、前記熱電対毎に設けられた複数の測温点を有し、前記ウェーハチャックを平面視した場合に、前記複数の測温点が前記ウェーハチャックの全体にわたって配置される、ウェーハチャック。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
複数の前記温度センサが分散して配置されている請求項1に記載のウェーハチャック。
【請求項3】
請求項1に記載の前記ウェーハチャックと、
前記温度センサの検出結果と前記熱流センサの検出結果とに基づいて制御温度を算出する温度制御部と、
を備える温度制御システム。
【請求項4】
前記温度制御部が、
前記ウェーハチャックにおける前記ウェーハの発熱部分に対応した部分を対応部分とした場合に、前記温度センサの検出結果に基づいて、前記対応部分での前記第2深さ位置の温度である基準温度を検出する処理と、
前記熱流センサの検出結果に基づいて、前記対応部分での前記第1深さ位置と前記第2深さ位置との上下温度差を算出する処理と、
前記基準温度と前記上下温度差とに基づいて、前記対応部分の温度である発熱部測温点の温度を算出する処理と、
前記発熱部測温点の温度を前記制御温度として前記加熱冷却部を制御する処理と、
を実行する請求項3に記載の温度制御システム。
【請求項5】
前記温度制御部が、
前記ウェーハチャックにおける前記ウェーハの発熱部分に対応した部分を対応部分とした場合に、前記温度センサの検出結果に基づいて、前記対応部分での前記第2深さ位置の温度である基準温度を検出する処理と、
前記熱流センサの検出結果に基づいて、前記対応部分での前記第1深さ位置と前記第2深さ位置との上下温度差を算出する処理と、
前記基準温度と、前記上下温度差と、前記ウェーハ及び前記ウェーハチャックの物性値及び寸法を含むデータと、に基づいて、前記ウェーハの発熱部分の温度であるデバイス温度を算出する処理と、
前記デバイス温度を前記制御温度として前記加熱冷却部を制御する処理と、
を実行する請求項3に記載の温度制御システム。
【請求項6】
前記ウェーハチャックには、複数の前記温度センサが分散して配置され、
前記温度制御部が、複数の前記温度センサがそれぞれ検出した温度から、最も低い温度、平均もしくは中央値を前記基準温度として検出する請求項4又は5に記載の温度制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載の前記ウェーハチャックの温度を制御する温度制御方法において、
少なくとも1つの前記温度センサが前記ウェーハチャックの基準温度を検出する基準温度検出ステップと、
前記熱流センサが、前記保持面に保持された前記ウェーハの部分的な発熱により生じた熱流を検出する熱流検出ステップと、
前記温度センサの検出結果と、前記熱流センサの検出結果とに基づいて制御温度を算出する温度制御ステップと、
を含む温度制御方法。
【請求項8】
前記基準温度検出ステップでは、前記ウェーハチャックにおける前記ウェーハの発熱部分に対応した対応部分での前記第2深さ位置の温度を前記基準温度として検出し、
前記温度制御ステップが、
前記熱流検出ステップの検出結果に基づいて、前記対応部分での前記第1深さ位置と前記第2深さ位置との上下温度差を算出する処理と、
前記基準温度と前記上下温度差とに基づいて、前記対応部分の温度である発熱部測温点の温度を前記制御温度として算出する処理と、
を含む請求項7に記載の温度制御方法。
【請求項9】
前記基準温度検出ステップでは、前記ウェーハチャックにおける前記ウェーハの発熱部分に対応した対応部分での前記第2深さ位置の温度を前記基準温度として検出し、
前記温度制御ステップが、
前記熱流検出ステップの検出結果に基づいて、前記対応部分での前記第1深さ位置と前記第2深さ位置との上下温度差を算出する処理と、
前記基準温度と、前記上下温度差と、前記ウェーハ及び前記ウェーハチャックの物性値及び寸法を含むデータと、に基づいて、前記ウェーハの発熱部分の温度であるデバイス温度を前記制御温度として算出する処理と、
を含む請求項7に記載の温度制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハチャック、温度制御システム及び温度制御方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
半導体製造工程では、半導体ウェーハに各種の処理を施して、半導体デバイスをそれぞれ有する複数のチップ(ダイ)を形成する。各チップは電気的特性が検査され、その後ダイサで分断された後、リードフレーム等に固定されて組み立てられる。電気的特性の検査は、プローバとテスタで構成されるウェーハテストシステムにより行われる。プローバは、ウェーハをウェーハチャックに固定し、各チップの電極パッドにプローブを接触させる。テスタは、プローブに接続される端子から、電源及び各種の試験信号を供給し、チップの電極に出力される信号を解析して、検査対象のチップの半導体デバイスが正常に動作するかを確認する。
【0003】
プローバでは、電気的特性の検査時の温度を設定された温度にし、且つ一定に維持する必要がある。そのため、ウェーハチャックは、検査対象のチップの半導体デバイス(測定デバイス)の発熱に対して、その温度や発熱量を検知するために、測温抵抗体や熱電対式温度センサ等の温度センサを設置し、温度センサの検出結果に基づいてウェーハチャックの温度制御が行われる。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されたプローバは、ウェーハチャック(プローバチャック)に複数の温度センサを配設し、複数の温度センサの中から検査対象となる測定デバイスに最も近い温度センサの検出結果に基づいてウェーハチャックの温度制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-294873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示されたプローバにおいて、測定デバイスの発熱部分に対応するウェーハチャックの温度を正確に測定するためには、ウェーハチャックに設置する温度センサの数を多くする必要がある。しかしながら、ウェーハチャック内部の構造的な制限から、その設置数や設置位置に制限があり、多くの温度センサを理想的な位置に組み込むことが困難である。また、多くの温度センサを設置した場合、温度センサの信号線のセットは温度センサの数だけ必要になり、その配線処理が非常に困難となる。
【0007】
特に、測定デバイスが、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等のSoC(System On Chip)系のデバイスである場合には、メモリデバイスと比べて、局部的に熱密度の大きい発熱となる。そのため、多くの温度センサをウェーハチャックに設置できない場合、測定デバイスの発熱に対してウェーハチャックの温度を適切に制御することが困難となる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、設置する温度センサの数を多くすることなくウェーハの発熱部分に対応するウェーハチャックの温度測定が可能なウェーハチャックと、ウェーハチャックの温度を適切に制御することができる温度制御システム及び温度制御方法と、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を達成するためのウェーハチャックは、ウェーハを保持する保持面を有するウェーハチャックであって、ウェーハチャックを加熱又は冷却する加熱冷却部と、ウェーハチャックに配置された少なくとも1つの温度センサと、ウェーハチャックに配置され、複数の熱電対を直列に接続して、且つ互いに隣接する熱電対の接続部分が、保持面から第1深さ位置と、第1深さ位置よりも深い第2深さ位置と、に交互に配置されている熱流センサと、を備え、熱流センサは、熱電対毎に設けられた複数の測温点を有し、ウェーハチャックを平面視した場合に、複数の測温点がウェーハチャックの全体にわたって配置される。
【0010】
このウェーハチャックによれば、設置する温度センサの数を多くすることなくウェーハの発熱部分に対応するウェーハチャックの温度測定が可能になる。
(【0011】以降は省略されています)

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