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公開番号
2024160440
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-14
出願番号
2023075415
出願日
2023-05-01
発明の名称
ワイヤハーネスの接続構造
出願人
マツダ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01R
4/20 20060101AFI20241107BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】車両の衝突時において、ワイヤハーネスを切断可能であり、且つ、ワイヤハーネスの重量増加を抑制することが可能な、ワイヤハーネスの接続構造を提供する。
【解決手段】電線10,20の端部には、端部の導体11,21がヒュージング加工された接続端部13,23がそれぞれ設けられ、接続端部13は、延長部14と凹部15を有し、接続端部23は、延長部24と凸部25を有し、凸部25は、テーパー部26を少なくとも部分的に備えており、接続端部13及び23は、延長部14及び24が径方向外側から連結部材30により加締められて一体に接続されており、接続端部13では、凹部15に挿入されたテーパー部26を延長部14が押圧するように加締められることにより、電線10及び20に張力が掛かったとき、延長部14と連結部材30との間の係合力が、延長部24と連結部材30との間の係合力よりも弱くなる。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
第1電線と第2電線とが連結部材により接続されたワイヤハーネスの接続構造であって、
前記第1電線及び前記第2電線の端部には、前記端部の導体がヒュージング加工された第1接続端部及び第2接続端部がそれぞれ設けられ、
前記第1接続端部は、前記第1電線の軸方向に延びる第1延長部と、前記第1延長部の端面から前記第1延長部内に延びる凹部と、を有し、
前記第2接続端部は、前記第2電線の軸方向に延びる第2延長部と、前記第2延長部から軸方向先端に向けて延びる凸部と、を有し、前記凸部は、軸方向先端に向かって先細りとなるテーパー部を少なくとも部分的に備えており、
前記第1接続端部と前記第2接続端部は、前記凹部内に前記凸部が挿入された状態で、前記第1延長部及び前記第2延長部が径方向外側から前記連結部材により加締められて一体に接続されている、ワイヤハーネスの接続構造。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
前記第1電線及び前記第2電線に張力が掛かったとき、前記第1延長部と前記連結部材との間の係合力が、前記第2延長部と前記連結部材との間の係合力よりも弱くなるように、前記第1接続端部において前記第1延長部が前記連結部材により加締められ、前記凹部に挿入された前記テーパー部が前記第1延長部により径方向内側へ押圧されるように構成されており、
前記第1電線と前記第2電線に軸方向に所定の張力が掛かったとき、前記テーパー部と前記凹部とが軸方向に離間すると共に、前記第1延長部と前記連結部材との係合が外れるように構成されている、請求項1に記載のワイヤハーネスの接続構造。
【請求項3】
前記第1接続端部を覆う第1カバー部材と、前記第2接続端部を覆う第2カバー部材と、を更に備え、
前記第1カバー部材は、前記第1電線から前記第1延長部を越えて延びており、前記第2カバー部材は、前記第2電線から前記連結部材を越えて延びている、請求項1に記載のワイヤハーネスの接続構造。
【請求項4】
前記第1延長部は、断面多角形又は断面星形多角形であり、前記連結部材により加締められた状態で、断面視において前記連結部材と複数の部位で接触している、請求項1に記載のワイヤハーネスの接続構造。
【請求項5】
断面視において前記連結部材と前記第1延長部との非接触部位に、導電性接着剤が充填されている、請求項4に記載のワイヤハーネスの接続構造。
【請求項6】
前記テーパー部は、軸方向先端に向かって先細りとなるように軸方向先端ほど縮径している、請求項1に記載のワイヤハーネスの接続構造。
【請求項7】
前記凹部と前記凸部は、少なくとも前記凸部の先端領域において相補的に係合するような形状を有する、請求項1に記載のワイヤハーネスの接続構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネスの接続構造に係り、特に2本の電線が接続されたワイヤハーネスの接続構造に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、車両の電気部品同士を接続するために、ワイヤハーネスが車両内に配策されている。このようなワイヤハーネスにおいて、2本の電線同士が接続される場合がある。例えば、特許文献1には、2本の電線の端面が突き当てられた状態で筒状部材により、これら電線を接続するワイヤハーネスの接続構造が提案されている。
【0003】
特許文献1には、2本の電線(多数の素線を撚って形成された撚線導体を有する電線と、中実な金属からなる単芯導体を有する電線)が、導体からなる筒状部材により加締め接続される構造が記載されている。すなわち、両電線の端部がそれぞれ筒状部材に差し込まれ、両電線の端面が互いに軸方向に突き当てられた状態で、筒状部材が全周方向外側から内側へ向けて加圧される。これにより、筒状部材が変形して両電線の端部が加締め接続される。
【0004】
また、2本の電線同士を接続させるコネクタにおいて、接触面積を増大させる目的で双曲線形状の格子に多くの接触点を発生させて大電流を流すことができる、ソケットコンタクトの技術なども知られている(例えば、アンフェノール社製のソケットコンタクトであるRADSOK(登録商標)等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-130254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような接続構造では、2本の電線は、軸方向に略垂直な端面同士が単に突き合わされているだけなので、端面の凹凸により接触が不確実であり且つ接触面積が小さかった。このため2本の電線は接触抵抗が比較的高く、接続部位において、電流は2本の電線の端面間を通じて流れるよりも、むしろ外側の筒状部材を流れ易かった。特許文献1の接続構造において端面の接続面積を増加させるには、2本の電線の径をより太くしなければならないが、これはワイヤハーネス全体の重量増加を招いてしまう。また、前述したソケットコンタクトを用いることにより接触面積自体は大きくすることができるものの、特許文献1に比して構造が複雑になることから、接続構造が大型化してしまう。
【0007】
更に、近年、電気自動車では電気モータ等を高電圧及び大電流で駆動するようになってきている。このため、ワイヤハーネスには、導体部分がより大きな径を有する電線が用いられるようになっている。したがって、このようなワイヤハーネスの大型化が、益々、車両の重量増加を招くという問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ワイヤハーネスの重量増加を抑制することが可能な、ワイヤハーネスの接続構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、第1電線と第2電線とが連結部材により接続されたワイヤハーネスの接続構造であって、第1電線及び第2電線の端部には、端部の導体がヒュージング加工された第1接続端部及び第2接続端部がそれぞれ設けられ、第1接続端部は、第1電線の軸方向に延びる第1延長部と、第1延長部の端面から第1延長部内に延びる凹部と、を有し、第2接続端部は、第2電線の軸方向に延びる第2延長部と、第2延長部から軸方向先端に向けて延びる凸部と、を有し、凸部は、軸方向先端に向かって先細りとなるテーパー部を少なくとも部分的に備えており、第1接続端部と第2接続端部は、凹部内に凸部が挿入された状態で、第1延長部及び第2延長部が径方向外側から連結部材により加締められて一体に接続されていることを特徴としている。
【0010】
従来は、2本の電線の軸方向に略垂直な端面同士を単に突き合わせて連結部材により加締め接続していただけであったので、2本の電線の直接的な物理的接触が不十分であり且つ接触面積が小さかった。これに対して、本発明では、ヒュージング加工された第1延長部の凹部内に、同じくヒュージング加工された第2延長部の凸部が挿入された状態で第1電線の第1延長部と第2電線の第2延長部とが連結部材によって加締められている。これにより、本発明では、連結状態において、第1電線と第2電線とが、凹部と凸部との物理的接続により電気的に確実に接続されると共に、従来のような単に軸方向に垂直な端面同士の接触と比べて大きな接触面積を確保し易くなる。したがって、本発明では、2本の電線の接続部位において、電流が電線の外縁部のみではなく、導体部分の断面の略全体に分散して流れ易くなる。このため、本発明では、より太い径の導体部分を有する電線を使用するといった必要がなく、従来よりも細い径の電線を使用することが可能となり、ワイヤハーネスの重量を軽量化することが可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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