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公開番号2024160293
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-13
出願番号2024130083,2021208592
出願日2024-08-06,2019-06-21
発明の名称免疫寛容を誘導する抗体、誘導されたリンパ球、また誘導されたリンパ球を用いる細胞治療剤治療法
出願人株式会社JUNTEN BIO
代理人個人,個人,個人
主分類C07K 16/28 20060101AFI20241106BHJP(有機化学)
要約【課題】免疫寛容を誘導する抗体、誘導されたリンパ球、また誘導されたリンパ球を用いる細胞治療剤治療法を提供すること。
【解決手段】本開示は、ある細胞の細胞表面に発現するCD80および/またはCD86と、他の細胞の細胞表面に発現するCD28との相互作用を阻害する抗体であって、免疫活性化により誘導されるサイトカインを実質的に誘導しない抗体を提供する。特定の実施形態では、抗体のFc部分が免疫活性化により誘導されるサイトカインを実質的に産生しない部分である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
図面に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、免疫寛容に関する新規技術に関する。より特定すると、本開示は、免疫寛容を誘導する抗体、誘導されたリンパ球、また誘導されたリンパ球を用いる細胞治療剤治療法に関する。
続きを表示(約 9,200 文字)【背景技術】
【0002】
肝臓移植は、末期の肝不全の患者に対する最終的な処置として広く使用されてきた。毎年、日本国外では20、000以上の症例があり、日本では500を超える症例がある。
【0003】
移植は、末期の腎臓、心臓、肝臓、膵臓、等の臓器不全に対して選択される主な処置の1つであり、近年における移植拒絶反応の処置の著しい進歩にもかかわらず、免疫抑制レジメン無しには移植の大部分は最終的には拒絶される。連続的な薬物療法に依存する現在の免疫抑制レジメンは、薬物では移植に対して明確に向けられた反応のみならず、全ての免疫反応を抑制するため、臓器移植患者に、感染症や癌に対する感受性の増加を生じやすくしてしまう。
【0004】
再生医療も注目されるが、誘導性多能性幹細胞(iPS細胞)等を用いても、最終的には自己由来の細胞で無い限りは免疫拒絶反応が起こり得るため、免疫寛容の技術は注目されている。
【0005】
この免疫寛容を誘導する技術として、T細胞の抗原特異的な不免疫応答(アナジー)の誘導がある。具体的には、抗原提示細胞上のCD80/CD86と未活性化(ナイーブ)T細胞上のCD28との相互作用を阻害する抗体を臓器移植患者に直接投与して生体内でドナー抗原特異的アナジーを誘導する技術(特許文献1)や、同じ抗体の存在下でレシピエント細胞と放射線照射したドナー細胞を共培養により体外でドナー抗原特異的アナジー細胞を誘導し、レシピエントに戻す技術が報告されている(特許文献2、特許文献3および非特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2002-504120号公報
特表2007-131598号公報
特表2016-520081号公報
【非特許文献】
【0007】
Satoru Todo et al.Hepatorogy、 64(vol.2)、632-643 (2016)
Teraoka S, Koyama I, Bashuda H, Uchida K, Tonsho M, et al. (2017) J Transplant Res 2(1) p1-8
Bashuda H et al., J. Clin. Invest. 115:1896-1902 (2005).
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、CD80/CD86とCD28との相互作用を阻害するある特定のヒトFc領域を有する抗体を用いた不免疫応答(アナジー)の誘導を試みた結果、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞のような免疫系に関与する細胞と結合することにより、これらの細胞を活性化し、免疫反応をつかさどるインターロイキンやインターフェロン(IFN)などの液性因子放出を誘導することを見出した。本発明者らは、これらの液性因子の放出は免疫寛容とは逆の好ましくない免疫系の活性化を誘導することから、これらの細胞に結合しないヒトFc領域を有する抗体を用いて不免疫応答(アナジー)の誘導を調整することにより、免疫寛容の効果を改善または免疫寛容の効果の減弱を抑制することができることを新たに発見した。これにより、本発明者らは、免疫寛容の効果を改善する、または免疫寛容の効果を減弱させない特徴を有する構造をもつ抗体を提供する。
【0009】
したがって、本開示は以下を提供する。
(1)ある細胞の細胞表面に発現するCD80および/またはCD86と、他の細胞の細胞表面に発現するCD28との相互作用を阻害する抗体またはその改変体であって、免疫活性化によるサイトカインの産生を実質的に誘導しない抗体またはその改変体。
(2)前記サイトカインがインターフェロンγを含む、上記項目に記載の抗体またはその改変体。
(3)キメラ抗体である、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(4)前記抗体のサブクラスがIgG1である、上記項目のいずれかのいずれか一項に記載の抗体またはその改変体。
(5)配列番号38または42に記載のアミノ酸配列を有する重鎖、および配列番号40または44に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖を有する、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(6)(a)配列番号53に記載のアミノ酸配列のCDRH1、配列番号54に記載のアミノ酸配列のCDRH2、および配列番号55に記載のアミノ酸配列のCDRH3を含むVH、ならびに配列番号56に記載のアミノ酸配列のCDRL1、配列番号57に記載のアミノ酸配列のCDRL2、および配列番号58に記載のCDRL3を含むVL、または
(b)配列番号59に記載のアミノ酸配列のCDRH1、配列番号60に記載のアミノ酸配列のCDRH2、および配列番号61に記載のアミノ酸配列のCDRH3を含むVH、ならびに配列番号62に記載のアミノ酸配列のCDRL1、配列番号63に記載のアミノ酸配列のCDRL2、および配列番号64に記載のCDRL3を含むVL
を含む、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(7)(a)配列番号46に記載のアミノ酸配列またはその改変配列を有するVHおよび配列番号48に記載のアミノ酸配列またはその改変配列を有するVL、あるいは
(b)配列番号50に記載のアミノ酸配列またはその改変配列を有するVHおよび配列番号52に記載のアミノ酸配列またはその改変配列を有するVL
を含む、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(8)前記抗体のFc部分が、免疫活性化によるサイトカインの産生を実質的に誘導しない部分である、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(9)前記抗体のサブクラスがIgG2またはIgG4である、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(10)前記抗体のサブクラスがIgG4である、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(11)前記抗体の改変体が、前記抗体のFc部分を欠いている改変体である、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(12)前記抗体の改変体が、Fab抗体、F(ab’)

抗体、Fab’抗体、Fv抗体またはscFv抗体である、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(13)免疫寛容を誘導する能力を有する、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(14)CD80および/またはCD86を発現する前記細胞が抗原提示細胞であり、CD28を発現する前記他の細胞がT細胞である、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(15)前記抗体またはその改変体は、アンタゴニスティック抗CD80抗体、アンタゴニスティック抗CD86抗体、アンタゴニスティック抗CD28抗体、またはCD80およびCD86に対するアンタゴニスティック二重特異性抗体、あるいはそれらの改変体である、上記項目のいずれかに記載の抗体。
(16)ヒト化抗体またはヒト抗体、あるいはそれらの改変体のいずれかである、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(17)ヒト抗体のIgG2またはIgG4のFc部分を含む、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(18)ヒト抗体のIgG4のFc部分を含む、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(19)(a)配列番号25に記載のアミノ酸配列のCDRH1、配列番号26に記載のアミノ酸配列のCDRH2、および配列番号27に記載のアミノ酸配列のCDRH3を含むVH、ならびに配列番号28に記載のアミノ酸配列のCDRL1、配列番号29に記載のアミノ酸配列のCDRL2、および配列番号30に記載のCDRL3を含むVL、または
(b)配列番号31に記載のアミノ酸配列のCDRH1、配列番号32に記載のアミノ酸配列のCDRH2、および配列番号33に記載のアミノ酸配列のCDRH3を含むVH、ならびに配列番号34に記載のアミノ酸配列のCDRL1、配列番号35に記載のアミノ酸配列のCDRL2、および配列番号36に記載のCDRL3を含むVL
を含む、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(20)(a)配列番号18に記載のアミノ酸配列またはその改変配列を有するVHおよび配列番号20に記載のアミノ酸配列またはその改変配列を有するVL
(b)配列番号22に記載のアミノ酸配列またはその改変配列を有するVHおよび配列番号24に記載のアミノ酸配列またはその改変配列を有するVL
を含む、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体。
(21)上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体のアミノ酸配列またはその一部をコードする核酸分子。
(22)(a)配列番号17もしくは配列番号45に記載のヌクレオチド配列を有する、VHをコードするポリヌクレオチド、および配列番号19もしくは配列番号47に記載のヌクレオチド配列を有する、VLをコードするポリヌクレオチド、または
(b)配列番号21もしくは配列番号49に記載のヌクレオチド配列を有する、VHをコードするポリヌクレオチド、および配列番号23もしくは配列番号51に記載のヌクレオチド配列を有する、VLをコードするポリヌクレオチド
を含有する、上記項目のいずれかに記載の核酸分子。
(23)上記項目のいずれかに記載の核酸分子を有するベクター。
(24)上記項目のいずれかに記載の核酸分子あるいは項目23に記載のベクターを含む細胞。
(25)上記項目のいずれかの細胞を培養することを含む、上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体の製造方法。
(26)上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体で免疫寛容を誘導された細胞。
(27)前記免疫寛容は、前記抗体またはその改変体と、被験体由来の細胞と、該被験体に由来しない抗原または該抗原の含有物とを混合することによって誘導される、上記項目のいずれかに記載の細胞。
(28)上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体のうちの少なくとも1つを含む、免疫寛容が誘導された細胞を作製するための組成物。
(29)アンタゴニスティック抗CD80抗体、アンタゴニスティック抗CD86抗体、アンタゴニスティック抗CD28抗体、もしくはCD80およびCD86に対するアンタゴニスティック二重特異性抗体、またはそれらの改変体、あるいはこれらの任意の組み合わせを含む、上記項目のいずれかに記載の組成物。
(30)上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体と、被験体由来の細胞と、該被験体に由来しない抗原または該抗原の含有物とを混合するステップを含む、該被験体に由来しない抗原によって生じる疾患、障害または状態を処置または予防するための細胞を製造するための方法。
(31)前記疾患、障害または状態は、移植免疫拒絶反応、アレルギー、自己免疫疾患、移植片対宿主病、ならびにiPS細胞またはES細胞およびそれらの細胞由来の細胞、組織または臓器の移植によって引き起こされる免疫拒絶反応からなる群より選択される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(32)前記抗原の含有物は細胞である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(33)上記項目のいずれかに記載の方法で製造される細胞。
(34)T細胞を含む、上記項目のいずれかに記載の細胞。
(35)上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体で免疫寛容を誘導された細胞、上記項目のいずれかに記載の方法によって製造される細胞、あるいは上記項目のいずれかに記載の細胞を含む、細胞治療剤。
(36)上記項目のいずれかに記載の抗体またはその改変体で免疫寛容を誘導された細胞、上記項目のいずれかに記載の方法によって製造される細胞、あるいは上記項目のいずれかに記載の細胞を含む、被験体に由来しない抗原によって生じる疾患、障害または状態を処置または予防するための組成物。
(37)前記疾患、障害または状態は、移植免疫拒絶反応、アレルギー、自己免疫疾患、移植片対宿主病、iPS細胞またはES細胞およびそれらの細胞由来の細胞、組織または臓器の移植によって引き起こされる免疫拒絶反応からなる群より選択される、上記項目のいずれかに記載の組成物。
(38)前記免疫拒絶は、移植を受ける臓器が、腎臓、肝臓、心臓、皮膚、肺、すい臓、食道、胃、小腸、大腸、神経、血液、免疫系細胞を含む血球細胞、骨、軟骨、血管、角膜、眼球または骨髄であることを特徴とする、上記項目のいずれかに記載の組成物。
【0010】
本開示は、さらに以下の発明にも関する。
(B1) ヒトFc領域を有する抗体であって、細胞表面に発現するCD80またはCD86と、他の細胞表面に発現するCD28との相互作用を阻害することができ、かつ、ヒトPBMCによるサイトカイン産生を促進しないことを特徴とする抗体。
(B2) 抗原提示細胞表面に発現するCD80またはCD86とT細胞表面に発現するCD28との相互作用を阻害することができる、(B1)に記載の抗体。
(B3) 抗原または抗原を表面に有する細胞と共にPBMCに接触させることにより、当該抗原に対する免疫寛容を誘導することができる、(B1)または(B2)に記載の抗体。
(B4) サイトカインがIFNγであることを特徴とする、(B1)~(B3)のいずれか1項に記載の抗体。
(B5) 抗CD80抗体または抗CD86抗体である、(B1)~(B4)のいずれか1項に記載の抗体。
(B6) キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である、(B1)~(B5)のいずれか1項に記載の抗体。
(B7) モノクローナル抗体である、(B1)~(B6)のいずれか1項に記載の抗体。
(B8) サブクラスがIgG2またはIgG4である、(B1)~(B7)のいずれか1項に記載の抗体。
(B8A) サブクラスがIgG1である、(B1)~(B7)のいずれか1項に記載の抗体。
(B8B) 配列番号38、配列番号42から選択される1つの配列番号に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を有する、(B8A)に記載の抗体。
(B8C) 配列番号38に記載のアミノ酸配列を有する重鎖、配列番号40に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖を有するか、または
配列番号42に記載のアミノ酸配列を有する重鎖、配列番号44に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖を有する、(B8B)に記載の抗体。
(B8D) 配列番号55または配列番号61に記載のアミノ酸配列のCDRH3を有する、(B1)~(B7)、(B8A)~(B8C)のいずれか1項に記載の抗体。
(B8E) (B8D)に記載の抗体であって、
(Bi)配列番号53に記載のアミノ酸配列のCDRH1、配列番号54に記載のアミノ酸配列のCDRH2、配列番号55に記載のアミノ酸配列のCDRH3を有する抗体、あるいは、
(Bii)配列番号59に記載のアミノ酸配列のCDRH1、配列番号60に記載のアミノ酸配列のCDRH2、配列番号61に記載のアミノ酸配列のCDRH3を有する抗体。
(B8F) (B8E)の(Bi)に記載の抗体であって、配列番号56に記載のアミノ酸配列のCDRL1、配列番号57に記載のアミノ酸配列のCDRL2、配列番号58に記載のアミノ酸配列のCDRL3を有する抗体、あるいは、
(B8E)の(Bii)に記載の抗体であって、配列番号62に記載のアミノ酸配列のCDRL1、配列番号63に記載のアミノ酸配列のCDRL2、配列番号64に記載のアミノ酸配列のCDRL3を有する抗体。
(B8G) 配列番号46または配列番号50に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(VH)を有する、(B8D)に記載の抗体。
(B8H) 配列番号46に記載のアミノ酸配列を有するVHを有し、かつ、配列番号48に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(VL)を有するか、または、配列番号50に記載のアミノ酸配列を有するVHを有し、かつ、配列番号52に記載のアミノ酸配列を有するVLを有する、(B8G)に記載の抗体。
(B8I) 配列番号38または配列番号42から選択される1つの配列番号に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を有する、(B8G)に記載の抗体。
(B8J) 配列番号38に記載のアミノ酸配列を有する重鎖、配列番号40に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖を有するか、または
配列番号42に記載のアミノ酸配列を有する重鎖、配列番号44に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖を有する、(B8I)に記載の抗体。(B9) 配列番号27または配列番号33に記載のアミノ酸配列のCDRH3を有する、(B1)~(B8)のいずれか1項に記載の抗体。
(B10) (B9)に記載の抗体であって、
(Bi)配列番号25に記載のアミノ酸配列のCDRH1、配列番号26に記載のアミノ酸配列のCDRH2、配列番号27に記載のアミノ酸配列のCDRH3を有する抗体、あるいは、
(Bii)配列番号31に記載のアミノ酸配列のCDRH1、配列番号32に記載のアミノ酸配列のCDRH2、配列番号33に記載のアミノ酸配列のCDRH3を有する抗体。
(B11) (B10)の(Bi)に記載の抗体であって、配列番号28に記載のアミノ酸配列のCDRL1、配列番号29に記載のアミノ酸配列のCDRL2、配列番号30に記載のアミノ酸配列のCDRL3を有する抗体、あるいは、
(B10)の(Bii)に記載の抗体であって、配列番号34に記載のアミノ酸配列のCDRL1、配列番号35に記載のアミノ酸配列のCDRL2、配列番号36に記載のアミノ酸配列のCDRL3を有する抗体。
(B12) 配列番号18または配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(VH)を有する、(B9)に記載の抗体。
(B13) 配列番号18に記載のアミノ酸配列を有するVHを有し、かつ、配列番号20に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(VL)を有するか、または、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有するVHを有し、かつ、配列番号24に記載のアミノ酸配列を有するVLを有する、(B12)に記載の抗体。
(B14) 配列番号2、配列番号6、配列番号10、配列番号14から選択される1つの配列番号に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を有する、(B12)に記載の抗体。
(B15) 配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する重鎖、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖を有するか、
配列番号6に記載のアミノ酸配列を有する重鎖、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖を有するか、
配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する重鎖、配列番号12に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖を有するか、または
配列番号14に記載のアミノ酸配列を有する重鎖、配列番号16に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖を有する、(B14)に記載の抗体。
(B16) (B1)~(B15)のいずれか1項に記載の抗体を含有する医療用組成物。
(B17) 抗CD80抗体抗CD86抗体を含有する、(B16)に記載の医療用組成物。(B18) 免疫寛容を誘導するために用いられる、(B16)または(B17)に記載の医療用組成物。
(B19) 臓器移植を受ける患者から採取された細胞の免疫寛容を誘導するために用いられる、(B18)に記載の医療用組成物。
(B20) 移植を受ける臓器が、心臓、腎臓または肝臓であることを特徴とする(B19)または(B20)に記載の医療用組成物。
(B21) 自己免疫疾患またはアレルギー性疾患の患者において免疫寛容を誘導するために用いられる、(B18)に記載の医療用組成物。
(B22) (B12)~(B15)のいずれか1項に記載の抗体のアミノ酸配列をコードする核酸分子。
(B23) 配列番号1、5、9、13から選択されるいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を有するVHをコードするポリヌクレオチド、配列番号3、7、11、15から選択されるいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を有するVLをコードするポリヌクレオチドを含有する、(B22)に記載の核酸分子。
(B24) (B22)または(B23)に記載の核酸分子を有するベクター。
(B25) (B24)に記載のベクターを有する宿主細胞。
(B26) (B25)の宿主細胞を培養することを含む、(B1)~(B15)のいずれか1項に記載の抗体の製造方法。
(B27) (B1)~(B15)のいずれか1項に記載の抗体と、免疫寛容を誘導しようとする抗原または該抗原を表面に有する細胞と、PBMCとを接触させることを含む、PBMCの前記抗原に対する免疫寛容の誘導方法。
(B28) ex vivoで行われることを特徴とする、(B27)に記載の誘導方法。
(B29) PBMCが臓器移植を受ける患者から採取された細胞である、(B27)または(B28)に記載の方法。
(B30) PBMCが自己免疫疾患またはアレルギー疾患の患者から採取された細胞である、(B27)または(B28)に記載の方法。
(【0011】以降は省略されています)

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