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公開番号2025030336
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023135544
出願日2023-08-23
発明の名称ペプチド及び細胞増殖促進剤
出願人国立大学法人東海国立大学機構
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C07K 4/00 20060101AFI20250228BHJP(有機化学)
要約【課題】新規ペプチドを提供すること、また、細胞増殖促進活性を有するペプチドを含有する細胞増殖促進剤を提供することを目的とする。
【解決手段】次の(1)又は(2)のペプチドを含む細胞増殖促進剤:(1)N末端から順番にアミノ酸配列CX1aを有する、(2)N末端から順番にアミノ酸配列X0bCX1bを有する。次の(I)又は(II)のペプチド:(I)N末端から順番にアミノ酸配列CX1aを有し、アミノ酸残基長が2~21である、(II)N末端から順番にアミノ酸配列X0bCX1bを有し、アミノ酸残基長が3~22である。これらにおいて、X1a及びX1bは、それぞれ独立してK、A、G、F、W、Y、S、T、N、Q、C、D、E、R又はPであり、X0bは、Y、F又はWである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次の(1)又は(2)のペプチドを含む、細胞増殖促進剤:
(1)N末端から順番にアミノ酸配列CX
1a
を有する、
(2)N末端から順番にアミノ酸配列X
0b
CX
1b
を有する
(ここで、X
1a
及びX
1b
は、それぞれ独立してK、A、G、F、W、Y、S、T、N、Q、C、D、E、R又はPであり、X
0b
は、Y、F又はWである)。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記ペプチド(1)が、2~21アミノ酸残基長のペプチド、又は
前記ペプチド(2)が、3~22アミノ酸残基長のペプチドである、
請求項1に記載の細胞増殖促進剤。
【請求項3】
前記ペプチド(1)が、N末端から順番に次のアミノ酸配列(1)を含むかもしくは次のアミノ酸配列(1)からなり、又は
前記ペプチド(2)が、N末端から順番に次のアミノ酸配列(2)を含むかもしくは次のアミノ酸配列(2)からなる、
請求項1又は2に記載の細胞増殖促進剤:
アミノ酸配列(1)
CKNGGFF(配列番号17)、CK、CKN、CKNG(配列番号16)、CKNAGFF(配列番号18)、CKNGAFF(配列番号19)、CKNGGAF(配列番号20)、CKNGGFA(配列番号21)、CKKGGFF(配列番号34)、CKNGGFFLR(配列番号37)、CKNGGFFLRIH(配列番号39)又はCKNGGFFLRIHPD(配列番号41)
アミノ酸配列(2)
YCKNGGF(配列番号45)、YCK、YCKN(配列番号1)、YCKNG(配列番号44)、YCKNAGFF(配列番号46)、YCKNGAFF(配列番号47)、YCKNGGAF(配列番号48)、YCKNGGFA(配列番号49)、YCKNGGFF(配列番号50)、YCKKGGFF(配列番号51)、YCKNGGFFLR(配列番号52)、YCKNGGFFLRIH(配列番号53)又はYCKNGGFFLRIHPD(配列番号54)。
【請求項4】
塩基性線維芽細胞増殖因子と混合して使用される、請求項1又は2に記載の細胞増殖促進剤。
【請求項5】
前記細胞が、組織幹細胞、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞及び筋芽細胞からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の細胞増殖促進剤。
【請求項6】
次の(I)又は(II)のペプチド:
(I)N末端から順番にアミノ酸配列CX
1a
を有し、アミノ酸残基長が2~21である、
(II)N末端から順番にアミノ酸配列X
0b
CX
1b
を有し、アミノ酸残基長が3~22である
(ここで、X
1a
及びX
1b
は、それぞれ独立してK、A、G、F、W、Y、S、T、N、Q、C、D、E、R又はPであり、X
0b
は、Y、F又はWである)。
【請求項7】
前記ペプチド(I)が、N末端から順番に次のアミノ酸配列(I)を含むかもしくは次のアミノ酸配列(I)からなり、又は
前記ペプチド(II)が、N末端から順番に次のアミノ酸配列(II)を含むかもしくは次のアミノ酸配列(II)からなる、
請求項6に記載のペプチド:
アミノ酸配列(I)
CKNGGFF(配列番号17)、CK、CKN、CKNG(配列番号16)、CKNAGFF(配列番号18)、CKNGAFF(配列番号19)、CKNGGAF(配列番号20)、CKNGGFA(配列番号21)、CKKGGFF(配列番号34)、CKNGGFFLR(配列番号37)、CKNGGFFLRIH(配列番号39)又はCKNGGFFLRIHPD(配列番号41)
アミノ酸配列(II)
YCKNGGF(配列番号45)、YCK、YCKN(配列番号1)、YCKNG(配列番号44)、YCKNAGFF(配列番号46)、YCKNGAFF(配列番号47)、YCKNGGAF(配列番号48)、YCKNGGFA(配列番号49)、YCKNGGFF(配列番号50)、YCKKGGFF(配列番号51)、YCKNGGFFLR(配列番号52)、YCKNGGFFLRIH(配列番号53)又はYCKNGGFFLRIHPD(配列番号54)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
ペプチド及び細胞増殖促進剤に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
細胞の減少抑制、増加、組織の形成等を行う上で、細胞増殖を活性化させることは重要である。また、今日、医療、飲食品等の分野を問わず、in vitroでの細胞増殖による組織形成等の技術が進んでいる。
【0003】
例えば、骨格筋は、ヒトでは体重の約40%を占めており、運動機能維持、姿勢維持、エネルギー代謝等の身体機能に大きく寄与する。骨格筋は、運動やケガ等により損傷が起きた際に再生する能力を有しており、該再生には筋幹細胞の一種であるサテライト細胞が大きな役割を担っている。サテライト細胞は通常、静止状態にあるが、筋損傷等の刺激によって活性化して細胞分裂周期を再開し、自己複製したり、筋芽細胞に分化し、分化した筋芽細胞は、既存の筋線維又は筋芽細胞同士で融合し、新しい筋線維を形成することで、損傷した骨格筋を再生する。しかし、サテライト細胞は、例えば加齢により減少する、糖尿病により増殖性が低下することが知られており、筋肉の再生遅延は筋量の減少(サルコペニア) 等を引き起こす。
【0004】
また、例えば、食料不足問題等の観点から、細胞を培養して製造される培養肉の開発も進みつつある。例えば、牛、豚、羊、魚等から採取した細胞や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を増殖、分化誘導して得た筋肉細胞を脂質等と混合等することによる培養肉の製造が試みられている。例えば、特許文献1には、成牛血液由来血漿と凝固剤とを含む細胞培養用ゲルを用いて細胞を培養して三次元組織を形成させることにより、培養肉を製造することが報告されている。
【0005】
このことから、医療、飲食品等の分野にかかわらず、細胞増殖を促進するための新たな技術を提供することは重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-47559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、新規ペプチドを提供すること、また、細胞増殖促進活性を有するペプチドを含有する細胞増殖促進剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、(1)N末端から順番にアミノ酸配列CX
1a
を有するペプチド、又は(2)N末端から順番にアミノ酸配列X
0b
CX
1b
を有するペプチド(ここで、X
1a
及びX
1b
は、それぞれ独立してK、A、G、F、W、Y、S、T、N、Q、C、D、E、R又はPであり、X
0b
は、Y、F又はWである)によれば、細胞増殖を促進できることを見出した。本発明は該知見に基づき更に検討を重ねて完成されたものであり、本開示は例えば以下に代表される態様を包含する。
項1.次の(1)又は(2)のペプチドを含む、細胞増殖促進剤:
(1)N末端から順番にアミノ酸配列CX
1a
を有する、
(2)N末端から順番にアミノ酸配列X
0b
CX
1b
を有する
(ここで、X
1a
及びX
1b
は、それぞれ独立してK、A、G、F、W、Y、S、T、N、Q、C、D、E、R又はPであり、X
0b
は、Y、F又はWである)。
項2.前記ペプチド(1)が、2~21アミノ酸残基長のペプチド、又は
前記ペプチド(2)が、3~22アミノ酸残基長のペプチドである、
項1に記載の細胞増殖促進剤。
項3.前記ペプチド(1)が、N末端から順番に次のアミノ酸配列(1)を含むかもしくは次のアミノ酸配列(1)からなり、又は
前記ペプチド(2)が、N末端から順番に次のアミノ酸配列(2)を含むかもしくは次のアミノ酸配列(2)からなる、
項1又は2に記載の細胞増殖促進剤:
アミノ酸配列(1)
CKNGGFF(配列番号17)、CK、CKN、CKNG(配列番号16)、CKNAGFF(配列番号18)、CKNGAFF(配列番号19)、CKNGGAF(配列番号20)、CKNGGFA(配列番号21)、CKKGGFF(配列番号34)、CKNGGFFLR(配列番号37)、CKNGGFFLRIH(配列番号39)又はCKNGGFFLRIHPD(配列番号41)
アミノ酸配列(2)
YCKNGGF(配列番号45)、YCK、YCKN(配列番号1)、YCKNG(配列番号44)、YCKNAGFF(配列番号46)、YCKNGAFF(配列番号47)、YCKNGGAF(配列番号48)、YCKNGGFA(配列番号49)、YCKNGGFF(配列番号50)、YCKKGGFF(配列番号51)、YCKNGGFFLR(配列番号52)、YCKNGGFFLRIH(配列番号53)又はYCKNGGFFLRIHPD(配列番号54)
項4.塩基性線維芽細胞増殖因子と混合して使用される、項1~3のいずれか一項に記載の細胞増殖促進剤。
項5.前記細胞が、組織幹細胞、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞及び筋芽細胞からなる群より選択される少なくとも1種である、項1~4のいずれか一項に記載の細胞増殖促進剤。
項6.前記細胞が、間葉系幹細胞、サテライト細胞、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞及び筋芽細胞からなる群より選択される少なくとも1種である、項1~5のいずれか一項に記載の細胞増殖促進剤。
項7.次の(I)又は(II)のペプチド:
(I)N末端から順番にアミノ酸配列CX
1a
を有し、アミノ酸残基長が2~21である、
(II)N末端から順番にアミノ酸配列X
0b
CX
1b
を有し、アミノ酸残基長が3~22である
(ここで、X
1a
及びX
1b
は、それぞれ独立してK、A、G、F、W、Y、S、T、N、Q、C、D、E、R又はPであり、X
0b
は、Y、F又はWである)。
項8.前記ペプチド(I)が、N末端から順番に次のアミノ酸配列(I)を含むかもしくは次のアミノ酸配列(I)からなり、又は
前記ペプチド(II)が、N末端から順番に次のアミノ酸配列(II)を含むかもしくは次のアミノ酸配列(II)からなる、
項7に記載のペプチド:
アミノ酸配列(I)
CKNGGFF(配列番号17)、CK、CKN、CKNG(配列番号16)、CKNAGFF(配列番号18)、CKNGAFF(配列番号19)、CKNGGAF(配列番号20)、CKNGGFA(配列番号21)、CKKGGFF(配列番号34)、CKNGGFFLR(配列番号37)、CKNGGFFLRIH(配列番号39)又はCKNGGFFLRIHPD(配列番号41)
アミノ酸配列(II)
YCKNGGF(配列番号45)、YCK、YCKN(配列番号1)、YCKNG(配列番号44)、YCKNAGFF(配列番号46)、YCKNGAFF(配列番号47)、YCKNGGAF(配列番号48)、YCKNGGFA(配列番号49)、YCKNGGFF(配列番号50)、YCKKGGFF(配列番号51)、YCKNGGFFLR(配列番号52)、YCKNGGFFLRIH(配列番号53)又はYCKNGGFFLRIHPD(配列番号54)。
項9.前記ペプチド(I)が、N末端から順番にアミノ酸配列CKNを有する、項7又は8に記載のペプチド。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば新規ペプチドを提供することができる。また、本開示によれば、細胞増殖促進活性を有するペプチドを含有する細胞増殖促進剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施例1のペプチド、実施例2のペプチドが細胞増殖促進活性を有することを示す。
図2は、実施例1のペプチドを構成する各アミノ酸をA(アラニン)に置換した場合の細胞増殖活性を示す。
図3は、実施例1のペプチドのN末端から第1~3番目のアミノ酸を別のアミノ酸に置換した場合の細胞増殖活性を示す。
図4は、実施例1のペプチドを短鎖化したペプチド(実施例3、実施例4、実施例6)、実施例2のペプチドを短鎖化したペプチド(実施例5、実施例7)も良好な細胞増殖促進活性を有することを示す。
図5は、実施例1のペプチドのC末端側において長鎖化させたペプチドが、実施例1のペプチドと同等以上の細胞増殖促進活性を有することを示す。
図6は、細胞増殖促進活性がペプチド用量に依存することを示す。
図7は、本開示のペプチドとFGF2とを共存させた場合の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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