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公開番号
2025036069
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2024075515
出願日
2024-05-07
発明の名称
アナステリンバイオマーカー
出願人
ノルディック バイオサイエンス エー/エス
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07K
16/18 20060101AFI20250306BHJP(有機化学)
要約
【課題】生体試料中のアナステリンを検出するための競合イムノアッセイ、及び特発性肺線維症(IPF)に関連する状態を有する患者を同定する方法を提供する。
【解決手段】フィブロネクチンの第1のタイプIIIドメイン中の隠れたドメインの一部である、アナステリンネオエピトープN末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)を特異的に認識する、モノクローナル抗体、及びイムノアッセイの方法であって、i)N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)に特異的に結合するモノクローナル抗体と患者試料を接触させること;ならびにii)前記試料中の前記モノクローナル抗体とペプチドの間の結合の量を検出し決定することを含む、方法が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)を特異的に認識する、モノクローナル抗体。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)に特異的に結合しかつN末端アミノ酸配列HPIQWNAPQPS(配列番号2)を有するペプチドには特異的に結合しない、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
【請求項3】
前記N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)に特異的に結合しかつN末端アミノ酸配列IQWNAPQPS(配列番号3)を有するペプチドには特異的に結合しない、請求項1または2に記載のモノクローナル抗体。
【請求項4】
前記N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)を有する合成ペプチドに対し産生される、請求項1から3のいずれか一項に記載のモノクローナル抗体。
【請求項5】
イムノアッセイの方法であって、
i)N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)に特異的に結合するモノクローナル抗体と患者試料を接触させること;ならびに
ii)前記試料中の前記モノクローナル抗体とペプチドの間の結合の量を検出し決定すること
を含む、方法。
【請求項6】
患者における線維性疾患またはその重症度の特定のレベルを検出するおよび/またはモニターするためのイムノアッセイの方法であり、
iii)正常な健康被験者と関連する値および/または既知の疾患重症度と関連する値および/または以前の時点で前記患者から得られた値および/または所定のカットオフ値と前記結合の量を相関させること
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記線維性疾患が、特発性肺線維症である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記患者試料が、血液、血漿または血清から選択される、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記モノクローナル抗体が、前記N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)に特異的に結合しかつN末端アミノ酸配列HPIQWNAPQPS(配列番号2)を有するペプチドには特異的に結合しない、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記モノクローナル抗体が、前記N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)に特異的に結合しかつN末端アミノ酸配列IQWNAPQPS(配列番号3)を有するペプチドには特異的に結合しない、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料中のアナステリンを検出するための競合イムノアッセイ、および特発性肺線維症(IPF)に関連する状態を有する患者を同定することにおけるその使用に関する。本発明はまた、競合イムノアッセイを実行するためのキットに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【0002】
IPFは、健康に関連する生活の質への大きな影響および疾患の負担を伴う進行性間質性肺疾患であり、余命は、非処置のまま放置される場合、診断から2~3年である[1]。現在、2つの抗線維化処置の選択肢、ニンテダニブおよびピルフェニドンのみが、FDAにより承認されており、いずれも疾患の進行を完全に止めることはできない。
【0003】
IPFの特徴は、細胞外マトリックス(ECM)タンパク質の沈着および再構築による肺間質の瘢痕化である[2]。ECMの遍在し豊富な成分は、全体で3つのドメインユニット;12個のタイプI、2個のタイプII、および15~17個のタイプIIIドメインからなる、高分子量で二量体の約500~600kDaの糖タンパク質フィブロネクチン(FN)である[3]。各ドメインは、2つの逆平行βシートのモジュールであり、そこでタイプIIIドメインは、外力が周囲のECMおよび細胞環境から適用されると延長し、部分的に広がることができる[4]。FNの機械的伸展の際に、隠れたドメインが曝露されタンパク質相互作用または開裂に利用可能になり得る。アナステリンは、第1のタイプIIIドメイン中の隠れたドメインの一部であり、生物活性を有する部位として示されている[5]。他のFN分子との相互作用を可能にするFNの伸展およびその結果得られるアナステリンの曝露は、強化された接着性を有することが認められたいわゆるスーパーフィブロネクチンを生成する、FNの原線維形成を誘導することが示されている[6]。さらに、アナステリンペプチドフラグメントは、Ras/ERK経路によりリゾリン脂質シグナル伝達を選択的に阻害することが示されている[7]。したがって、アナステリンは、ヒト癌の前臨床齧歯動物モデルにおける腫瘍増殖および転移を阻害でき、かつインビトロで内皮細胞微小血管の増殖を阻害できることが示されている[8]~[10]。FNの原線維形成に対しアナステリンが有する効果にも関わらず、線維症におけるアナステリンの役割は、ほとんど知られておらず、依然として調査を必要としている。さらに、循環するアナステリンと疾患状態または臨床パラメータの関係は、これまで調査されていない。
【0004】
出願人は、アナステリンのネオエピトープを利用する、特定の競合イムノアッセイ、FN-ANAをデザインした。アナステリン由来ネオエピトープのレベルを、線維症、特にIPFを有する患者を評価するために使用できる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、FNタンパク質のドメイン内のアナステリンのN末端のネオエピトープであるペプチドを特異的に認識しそれに結合する、モノクローナル抗体に向けられる。好ましくは、上記ネオエピトープは、アミノ酸配列NH
2
-PIQWNAPQPS(配列番号1)に含まれる。したがって、第1の態様において、本発明は、遊離N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)(すなわちFN-ANA標的配列)に特異的に結合するモノクローナル抗体を提供する。
【0006】
第2の態様において、本発明はまた、生体試料においてアナステリン(FN-ANA)を検出するためのイムノアッセイを提供する。その方法は、アナステリンのネオエピトープに特異的に結合するモノクローナル抗体と患者試料を接触させること、ならびに試料中のそのモノクローナル抗体とペプチドの間の結合の量を検出し決定することを含み、ここでネオエピトープは、アナステリンのN末端配列からなる。
【0007】
好ましい実施形態において、イムノアッセイの方法は;
i)N末端アミノ酸配列PIQWNAPQPS(配列番号1)(本明細書では「FN-ANA」、または「FN-ANA標的配列」とも呼ばれる)に特異的に結合するモノクローナル抗体と患者試料を接触させること;ならびに
ii)試料中の上記モノクローナル抗体とペプチドの間の結合の量を検出し決定すること
を含む。
【0008】
好ましい実施形態において、イムノアッセイの方法は、患者におけるIPFまたはその重症度の特定のレベルを検出するおよび/またはモニターするためのイムノアッセイの方法であり、その方法はさらに、上記結合の量を、正常な健康被験者と関連する値および/または既知の疾患重症度と関連する値および/または以前の時点での上記患者から得られた値および/または所定のカットオフ値と相関させることを含む。
【0009】
好ましい実施形態において、患者試料は、ヒトの生物液試料である。好ましくは、試料は、血液ベースの試料、例えば血液(全血)、血漿または血清である。
【0010】
第3の態様において、本発明は、それを必要とする患者における線維症、特にIPFを処置する方法を提供し、方法は:
(a)患者由来の試料に対し本発明の第1の態様に従い線維症またはその重症度の特定のレベルを検出するためのイムノアッセイの方法を実行すること;および
(b)患者が線維症またはその重症度の上記特定のレベルを有するとステップ(a)において決定される場合、線維症の処置のための治療を患者に投与すること
を含む。
(【0011】以降は省略されています)
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