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公開番号2025040588
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-25
出願番号2023147486
出願日2023-09-12
発明の名称ブロモフルオロエチレン及びその精製方法並びにエッチングガス
出願人株式会社レゾナック
代理人個人,個人
主分類C07C 17/389 20060101AFI20250317BHJP(有機化学)
要約【課題】ブロモフルオロエチレンから不純物を除去することが可能なブロモフルオロエチレンの精製方法を提供する。
【解決手段】ブロモフルオロエチレンの精製方法は、不純物を含有するブロモフルオロエチレンを、細孔を有し且つ該細孔の平均細孔径が3Å以上50Å以下である吸着剤に接触させ、ブロモフルオロエチレン中の不純物を吸着剤に吸着させて、ブロモフルオロエチレン中の不純物の含有率を低減させる精製工程を備える。不純物は、分子内に窒素原子を有し且つ分子量が50以上である化合物である含窒素化合物と、分子内に炭素原子を有し且つ分子量が150以上である化合物である含炭素化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種である。含炭素化合物は、ブロモフルオロエチレンとは異なる化合物であり且つ含窒素化合物とは異なる化合物である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
不純物を含有するブロモフルオロエチレンを、細孔を有し且つ該細孔の平均細孔径が3Å以上50Å以下である吸着剤に接触させ、前記ブロモフルオロエチレン中の前記不純物を前記吸着剤に吸着させて、前記ブロモフルオロエチレン中の前記不純物の含有率を低減させる精製工程を備え、
前記不純物は、分子内に窒素原子を有し且つ分子量が50以上である化合物である含窒素化合物と、分子内に炭素原子を有し且つ分子量が150以上である化合物である含炭素化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記含炭素化合物は、前記ブロモフルオロエチレンとは異なる化合物であり且つ前記含窒素化合物とは異なる化合物であるブロモフルオロエチレンの精製方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記含窒素化合物がアルキルアミンである請求項1に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【請求項3】
前記アルキルアミンが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、及びトリ-n-ブチルアミンのうちの少なくとも1種である請求項2に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【請求項4】
前記含炭素化合物が、前記ブロモフルオロエチレンの環化重合体、前記ブロモフルオロエチレンのホモカップリング体、及び前記ブロモフルオロエチレンの多量体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1~3のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【請求項5】
前記精製工程に供される前記ブロモフルオロエチレン中の前記不純物の合計の含有率が2体積%以下である請求項1~3のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【請求項6】
前記ブロモフルオロエチレンが、1-ブロモ-1,2,2-トリフルオロエチレン、1-ブロモ-1-フルオロエチレン、1-ブロモ-2-フルオロエチレン、1-ブロモ-1,2-ジフルオロエチレン、及び1-ブロモ-2,2-ジフルオロエチレンのうちの少なくとも1種である請求項1~3のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【請求項7】
前記精製工程においては、前記ブロモフルオロエチレンと前記吸着剤とを0.5MPa以下の圧力下で接触させる請求項1~3のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【請求項8】
前記精製工程においては、前記ブロモフルオロエチレンと前記吸着剤とを0℃以上40℃以下の温度下で接触させる請求項1~3のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【請求項9】
前記精製工程において、前記ブロモフルオロエチレン中の前記不純物の合計の含有率を1000体積ppm以下に低減させる請求項1~3のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【請求項10】
前記精製工程において、前記ブロモフルオロエチレン中の前記含窒素化合物の合計の含有率を500体積ppm以下に低減させる請求項1~3のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ブロモフルオロエチレン及びその精製方法並びにエッチングガスに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ブロモフルオロエチレンは、例えば、ポリマーの原料やドライエッチングのエッチングガスとして利用される場合がある。ブロモフルオロエチレンの製造方法は種々知られているが、例えば、1-ブロモ-1,2,2-トリフルオロエチレン(CF
2
=CBrF)の製造方法としては、塩基を用いた1,2-ジブロモ-1,1,2-トリフルオロエタンの脱臭化水素反応によって製造する方法が知られている(特許文献1を参照)。
ブロモフルオロエチレンは安定性が不十分な化合物であるため、ブロモフルオロエチレン同士が反応して自己重合反応、ホモカップリング反応等が生じるおそれがある。その結果、ブロモフルオロエチレンの多量体(例えば三量体)、環化重合体、ホモカップリング体等の自己反応生成物が生成するおそれがある。
【0003】
例えば1-ブロモ-1,2,2-トリフルオロエチレンからは、環化重合体である1,2-ジブロモ-1,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロシクロブタン(C
4

6
Br
2
)や、ホモカップリング体であるヘキサフルオロブタジエン(CF
2
=CFCF=CF
2
)又はその異性体が生成するおそれがある。その結果、1-ブロモ-1,2,2-トリフルオロエチレン中に上記の環化重合体やホモカップリング体が混入するおそれがある。
このようなブロモフルオロエチレン同士の反応を抑制するために、ブロモフルオロエチレンにはアルキルアミン等の重合禁止剤が添加されている場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2006/026400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ブロモフルオロエチレンをドライエッチングのエッチングガスとして使用する場合は、上記の多量体、環化重合体、ホモカップリング体等の自己反応生成物や重合禁止剤が不純物となり、エッチング装置の損傷やパーティクル発生による歩留まり低下やエッチング速度の低下を招くおそれがあった。そのため、これらの不純物をブロモフルオロエチレンからできるだけ除去することが望ましかった。特に、重合禁止剤として使用されるトリ-n-ブチルアミンは、エッチング装置内で詰りを引き起こす要因となるため、ブロモフルオロエチレンをエッチング装置に導入する前に取り除くことが好ましかった。
【0006】
本開示は、ブロモフルオロエチレンから不純物を除去することが可能なブロモフルオロエチレンの精製方法を提供することを課題とする。また、本開示は、不純物の含有率が低い高純度なブロモフルオロエチレン及びエッチングガスを提供することを併せて課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本開示の一態様は以下の[1]~[13]の通りである。
[1] 不純物を含有するブロモフルオロエチレンを、細孔を有し且つ該細孔の平均細孔径が3Å以上50Å以下である吸着剤に接触させ、前記ブロモフルオロエチレン中の前記不純物を前記吸着剤に吸着させて、前記ブロモフルオロエチレン中の前記不純物の含有率を低減させる精製工程を備え、
前記不純物は、分子内に窒素原子を有し且つ分子量が50以上である化合物である含窒素化合物と、分子内に炭素原子を有し且つ分子量が150以上である化合物である含炭素化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記含炭素化合物は、前記ブロモフルオロエチレンとは異なる化合物であり且つ前記含窒素化合物とは異なる化合物であるブロモフルオロエチレンの精製方法。
【0008】
[2] 前記含窒素化合物がアルキルアミンである[1]に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
[3] 前記アルキルアミンが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、及びトリ-n-ブチルアミンのうちの少なくとも1種である[2]に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【0009】
[4] 前記含炭素化合物が、前記ブロモフルオロエチレンの環化重合体、前記ブロモフルオロエチレンのホモカップリング体、及び前記ブロモフルオロエチレンの多量体からなる群より選ばれる少なくとも1種である[1]~[3]のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
[5] 前記精製工程に供される前記ブロモフルオロエチレン中の前記不純物の合計の含有率が2体積%以下である[1]~[4]のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
【0010】
[6] 前記ブロモフルオロエチレンが、1-ブロモ-1,2,2-トリフルオロエチレン、1-ブロモ-1-フルオロエチレン、1-ブロモ-2-フルオロエチレン、1-ブロモ-1,2-ジフルオロエチレン、及び1-ブロモ-2,2-ジフルオロエチレンのうちの少なくとも1種である[1]~[5]のいずれか一項に記載のブロモフルオロエチレンの精製方法。
(【0011】以降は省略されています)

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