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公開番号2025058750
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023168881
出願日2023-09-28
発明の名称安定性に優れたセリシン組成物
出願人セーレン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07K 4/12 20060101AFI20250402BHJP(有機化学)
要約【課題】 安定性に優れたセリシン組成物の提供。
【解決手段】 重量平均分子量が3,000~45,000であり、z平均分子量が6,000~65,000であり、分子量45,000以下のセリシンが70~100重量%を占め、かつ、分子量50,000以上のセリシンが0~15重量%未満を占め、セリン含有量が30~40%のアミノ酸組成を有するセリシン組成物は、色、臭気、その他の物性において良好かつ経時的変化が生じ難い性質を有する。
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
重量平均分子量が3,000~45,000であり、
z平均分子量が6,000~65,000であり、
分子量45,000以下のセリシンが70~100重量%を占め、かつ、分子量50,000以上のセリシンが0~15重量%未満を占め、
セリン含有量が30~40%のアミノ酸組成を有する、セリシン組成物。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
重量平均分子量が10,000~30,000であり、z平均分子量が15,000~50,000である、請求項1に記載のセリシン組成物。
【請求項3】
色調変化率が1.0~1.8である、請求項1又は2に記載のセリシン組成物。
【請求項4】
濁度変化率が0.8~1.5である、請求項1又は2に記載のセリシン組成物。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のセリシン組成物を含んでなる、化粧品、食品、繊維加工剤、または医薬品。
【請求項6】
請求項1に記載のセリシン組成物の製造方法であって、
繭から水性媒体にセリシンを抽出する工程を含んでなり、
前記抽出が、0.14~0.31MPaの加圧下で行われ、かつ下記(1)乃至(3)のいずれかの条件を満たすものであることを特徴とする、方法:
(1)圧力が0.14MPa以上0.21MPa未満のとき、水性媒体の温度を110~120℃未満とし、360~600分間抽出する。
(2)圧力が0.21MPa以上0.27MPa未満のとき、水性媒体の温度を122~130℃未満とし、120~600分間抽出する。
(3)圧力が0.27MPa以上0.31MPa以下のとき、水性媒体の温度を130~135℃とし、60~600分間抽出する。
【請求項7】
水性媒体が水である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の方法によって得られた、セリシン組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、安定性に優れたセリシン組成物に関し、さらに詳しくは、色、臭気、その他の物性において良好かつ経時的変化が生じ難いセリシン組成物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
繭糸は、結晶性の高いフィブロインと、非結晶性のセリシンという2種類のタンパク質から主に構成され、繭糸からセリシンを除きフィブロインを主体とした繊維が絹糸である。一方、セリシンは、種々の生理活性を有することから近時注目され、多様な用途への利用が提案されている。
【0003】
繭糸のセリシンは水に不溶性の高分子タンパク質であることから、セリシンの抽出は一般的に、石鹸、アルカリによる処理、酵素処理、煮沸処理等により加水分解して、水に溶出させることで行われている。セリシンの抽出にあたり、その用途、性質等の観点から、その分子量への配慮も従来なされている。
【0004】
例えば、特開2005-272690号公報(特許文献1)は、セリシンによる多孔質体を構成するため、セリシンの平均分子量は30,000~400,000であることが求められるとしている。その抽出は煮沸処理によりなされるとし、オートクレーブを用いて105℃で30分間加熱処理した(段落0042)との条件を具体的に開示している。
【0005】
また、特開2001-039999号公報(特許文献2)は、90~130℃の高温水を10~180分間循環させることにより、50,000~300,000のセリシンを高純度で得ることができると記載し、具体的な抽出条件として、高圧パッケージ染色機を用いて、液流30リットル/kg/min、温度110℃の条件で120分間循環処理(段落0036)を開示する。
【0006】
また、特開平11-131318号公報(特許文献3)は、分子量100,000以上のセリシンを100℃~140℃の高温水で処理して得ることができるとし、具体的な条件としては高圧蒸気処理装置中で120℃、30分間処理した(段落0028)又は蒸留水で120℃、60分間処理した(段落0030)ことを記載する。また、特開2005-171218号公報(特許文献4)は、セリシンの抽出を、オートクレーブの中で、110~120℃の温度で、14ポンド/平方インチを超さない圧力で、25~30分間、煮沸し抽出する(段落0005、ここで14ポンド/平方インチは約0.1MPa)との条件を開示する。
【0007】
また、セリシンの利用にあたり、その安定性は重要な性質であり、例えばセリシンの保湿性や抗酸化作用などを期待して化粧品用材料として用いる場合、その色、臭気において組成全体に影響を与えない物性であり、さらに経時的にそれらが変化しないことが求められる。また経時的に澱など析出物を生じさせないなどの安定性も重要である。
【0008】
セリシンの安定を向上される提案としては、例えば、特開2008-094723号公報(特許文献5)は、水溶性シルクタンパク質の経時的褐変を抑制するためリポソームに内包する方法を提案する。なお、当該文献が開示するセリシンの分子量は3,000~200,000であり、抽出はアルカリにより行われている。また、特開2006-232787号公報(特許文献6)は、分子量は3,000~200,000のセリシンを含む水溶性シルクタンパク質含水組成物に、水溶性還元剤を添加することで経時による褐色を抑制するとの技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2005-272690号公報
特開2001-039999号公報
特開平11-131318号公報
特開2005-171218号公報
特開2008-094723号公報
特開2006-232787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、今般、含まれるセリシンの分子量を制御し、またアミノ酸組成を制御することで、安定性に優れたセリシン組成物が得られるとの知見を得た。また、このような安定性に優れたセリシン組成物を、繭からの抽出条件を細密に制御することで効率よく得ることができるとの知見を得た。本発明はこれら知見に基づくものである。
(【0011】以降は省略されています)

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