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公開番号2024159323
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023075249
出願日2023-04-28
発明の名称プリフォームの製造方法
出願人東洋製罐株式会社,東洋製罐グループホールディングス株式会社
代理人弁理士法人平和国際特許事務所
主分類B29C 45/18 20060101AFI20241031BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】ポリエステル系樹脂成形品を回収し、これをメカニカルリサイクルによるリサイクル材料として再利用して、リサイクル品としてプリフォームを製造するにあたり、当該プリフォームの品質低下を抑制する。
【解決手段】回収されたポリエステル系樹脂成形品をフレーク状に粉砕してなる樹脂フレークを用意し、円筒状の旋回容器800内で、流動媒体とともに樹脂フレークを旋回させて、これによって生じる旋回流S,Rを利用して、樹脂フレークに混入した不溶性異物を取り除く工程と、樹脂フレークを減圧条件下で加熱処理する工程とを経た後に、当該樹脂フレークを可塑化してなる溶融樹脂を射出成形装置500に供給してプリフォームを射出成形する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
回収されたポリエステル系樹脂成形品をフレーク状に粉砕してなる樹脂フレークを用意し、
円筒状の旋回容器内で、流動媒体とともに前記樹脂フレークを旋回させて、これによって生じる旋回流を利用して、前記樹脂フレークに混入した不溶性異物を取り除く工程と、
前記樹脂フレークを減圧条件下で加熱処理する工程と
を経た後に、
前記樹脂フレークを可塑化してなる溶融樹脂を射出成形装置に供給してプリフォームを射出成形することを特徴とするプリフォームの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
加熱処理が施された前記樹脂フレークを二軸押出機に投入して可塑化する請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項3】
前記二軸押出機がベント口を備え、前記ベント口を介して、前記二軸押出機内に滞留するポリエステル系樹脂由来の低分子量の不純物成分を含む気相成分を減圧吸引して系外に排出する請求項2に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項4】
可塑化された前記溶融樹脂から残留異物を除去し、残留異物除去後に、前記射出成形装置に供給されるまでの輸送距離を1~7mとする請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項5】
1000Pa以下に減圧された、160~240℃の温度雰囲気において、前記樹脂フレークを加熱処理する請求項1に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項6】
前記樹脂フレークを予熱室に投入し、前記樹脂フレークを所定の温度まで昇温させるとともに、前記予熱室内を所定の圧力に減圧してから、所定の温度及び所定の圧力に内部雰囲気が調整された処理室に、系外との気密性を維持した状態で前記予熱室から前記樹脂フレークを落下させる操作を繰り返しつつ、前記処理室内に前記樹脂フレークを堆積させて加熱処理を施す請求項5に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項7】
加熱処理が施された前記樹脂フレークを前記処理室内に堆積する下層側から順に、前記予熱室から落下させた分量と等量ずつ前記処理室から順次取り出して可塑化する請求項6に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項8】
加熱処理が施された前記樹脂フレークを前記処理室内に堆積する下層側から順に、前記予熱室から落下させた分量と等量ずつ前記処理室から順次取り出して、バッファータンクに貯留させ、しかる後に可塑化する請求項6に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項9】
前記処理室から取り出された前記樹脂フレークを前記バッファータンクに搬送する搬送路の途中に、リリーフタンクを設置して、搬送途中の前記樹脂フレークを前記リリーフタンクに退避可能としつつ、前記バッファータンクに搬送する請求項8に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項10】
前記樹脂フレークを複数の予熱室に順次投入し、投入された前記樹脂フレークが所定の温度まで昇温した予熱室から順に、前記処理室に前記樹脂フレークを落下させる請求項6~9のいずれか一項に記載のプリフォームの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プリフォームの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を用いて有底筒状のプリフォームを作製し、次いで、このプリフォームを二軸延伸ブロー成形などによってボトル状に成形してなる合成樹脂製の容器が、各種飲料品、各種調味料等を内容物とする容器として広い分野で利用されている。この種の容器は、一般に、PETボトルとして認知されており、近年にあっては、社会的な要請により、使用済みのPETボトルを回収し、これをリサイクル材料として再利用してPETボトルを製造する「ボトルtoボトル」と称されるリサイクル技術が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、回収されたポリエステル系樹脂成形品をフレーク状に粉砕してなる樹脂フレークを除染し、これを溶融して作製された樹脂ペレットを固相重合した後に射出成形装置に搬送して、プリフォームを製造する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-98350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、上記背景技術に鑑みて、ポリエステル系樹脂成形品、特に、使用済みのPETボトルを回収し、これをメカニカルリサイクルによるリサイクル材料として再利用して、リサイクル品としてプリフォームを製造するにあたり、当該プリフォームの品質低下を抑制するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプリフォームの製造方法は、回収されたポリエステル系樹脂成形品をフレーク状に粉砕してなる樹脂フレークを用意し、円筒状の旋回容器内で、流動媒体とともに前記樹脂フレークを旋回させて、これによって生じる旋回流を利用して、前記樹脂フレークに混入した不溶性異物を取り除く工程と、前記樹脂フレークを減圧条件下で加熱処理する工程とを経た後に、前記樹脂フレークを可塑化してなる溶融樹脂を射出成形装置に供給してプリフォームを射出成形する方法としてある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ポリエステル系樹脂成形品を回収し、これをメカニカルリサイクルによるリサイクル材料として再利用して、リサイクル品としてプリフォームを製造するにあたり、当該プリフォームの品質低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態が好適に実施される装置全体を概念的に示す説明図である。
本発明の実施形態において、不溶性異物を取り除く旋回容器の一例を示す説明図である。
本発明の実施形態において、不溶性異物を取り除く旋回容器が備える導入管の一例を示す説明図である。
本発明の実施形態において、樹脂フレークに加熱処理を施す装置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0010】
本実施形態にあっては、ポリエステル系樹脂成形品、特に、使用済みのPETボトルを回収し、これをメカニカルリサイクルによるリサイクル材料として再利用する。使用済みのPETボトルに混入した、オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの異種材料からなるプラスチック容器を選別して排除するのが好ましいのはいうまでもないが、近年、植物由来のポリ乳酸をジカルボン酸成分とする脂肪族ポリエステル系樹脂製の透明ボトルが知られている。ポリ乳酸は加水分解性が高く、ポリ乳酸をセグメントに含む脂肪族ポリエステル系樹脂は、芳香族ポリエステ系樹脂に比べて性能も劣るため、リサイクル材料から排除されるのが好ましい。例えば、回収されたPETボトルのベール(PETボトルを圧縮した塊)を水蒸気で加熱処理し、ポリ乳酸をセグメントに含む脂肪族ポリエステル系樹脂製の透明ボトルを選択的に加水分解することによって脆弱化させ、機械的刺激で粉砕して物理的に分級するなどして排除することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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