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公開番号2024156655
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-06
出願番号2024102664,2022117433
出願日2024-06-26,2017-06-16
発明の名称多重特異性抗体の精製
出願人ジェネンテック, インコーポレイテッド
代理人園田・小林弁理士法人
主分類C07K 1/16 20060101AFI20241029BHJP(有機化学)
要約【課題】多重特異性抗体を精製する方法、および多重特異性抗体を含む組成物を提供する。
【解決手段】多重特異性抗体を、前記多重特異性抗体及び不純物を含む組成物から精製するための方法であって、前記多重特異性抗体が複数のアームを含み、各アームがVH/VL単位を含み、前記方法が、逐次的な、a)前記組成物を捕獲クロマトグラフィーにかけて、捕獲クロマトグラフィー溶出物を生成するステップと、b)前記捕獲クロマトグラフィー溶出物を第1の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第1の混合モード溶出物を生成するステップと、c)前記第1の混合モード溶出物を第2の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第2の混合モード溶出物を生成するステップと、d)前記多重特異性抗体を含む画分を収集するステップと、を含み、前記方法が、前記組成物の生成物特異的不純物の量を低減する、前記方法である。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
多重特異性抗体を、前記多重特異性抗体及び不純物を含む組成物から精製するための方法であって、前記多重特異性抗体が複数のアームを含み、各アームがVH/VL単位を含み、前記方法が、逐次的な、
a)前記組成物を捕獲クロマトグラフィーにかけて、捕獲クロマトグラフィー溶出物を生成するステップと、
b)前記捕獲クロマトグラフィー溶出物を第1の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第1の混合モード溶出物を生成するステップと、
c)前記第1の混合モード溶出物を第2の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第2の混合モード溶出物を生成するステップと、
d)前記多重特異性抗体を含む画分を収集するステップと、を含み、
前記方法が、前記組成物の生成物特異的不純物の量を低減する、前記方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記捕獲クロマトグラフィー溶出物が、前記第1の混合モードクロマトグラフィーの前にイオン交換またはHICクロマトグラフィーにかけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
多重特異性抗体を、前記多重特異性抗体及び不純物を含む組成物から精製するための方法であって、前記多重特異性抗体が複数のアームを含み、各アームがVH/VL単位を含み、前記多重特異性抗体の各アームが別々に生成され、前記方法が、逐次的な、
a)前記多重特異性抗体の各アームを捕獲クロマトグラフィーにかけて、前記多重特異性抗体の各アームに対する捕獲溶出物を生成するステップと、
b)前記多重特異性抗体を含む組成物を生成するのに十分な条件下で、前記多重特異性抗体の各アームの捕獲溶出物を含む混合物を形成するステップと、
c)前記多重特異性抗体を含む前記組成物を第1の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第1の混合モード溶出物を生成するステップと、
d)前記第1の混合モード溶出物を第2の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第2の混合モード溶出物を生成することと、
e)前記多重特異性抗体を含む画分を収集するステップと、を含み、
前記方法が、前記組成物の生成物特異的不純物の量を低減する、前記方法。
【請求項4】
前記多重特異性抗体を含む前記組成物が、前記第1の混合モードクロマトグラフィーの前にイオン交換またはHICクロマトグラフィーにかけられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記捕獲クロマトグラフィーが、親和性クロマトグラフィーである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記親和性クロマトグラフィーが、プロテインLクロマトグラフィー、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA及びプロテインGクロマトグラフィーである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記親和性クロマトグラフィーが、プロテインAクロマトグラフィーである、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記捕獲クロマトグラフィーが、結合及び溶出モードで実施される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の混合モードクロマトグラフィー及び前記第2の混合モードクロマトグラフィーが、連続的である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の混合モードクロマトグラフィーが、混合モードアニオン交換クロマトグラフィーである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年6月17日出願の米国仮特許出願第62/351,908号の優先権利益を主張するものであり、この仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,300 文字)【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出内容は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる:コンピュータ可読形態(CRF)の配列表(ファイル名:146392036340SEQLIST.TXT、記録日:2017年6月9日、サイズ:32KB)。
【0003】
多重特異性抗体、及び少なくとも1つの生成物-特異的不純物を含む少なくとも1つの不純物を含む組成物からの多重特異性抗体を精製するための方法が提供される。いくつかの実施形態では,生成物-特異的不純物は、例えば、多重特異性抗体の前駆体、凝集体、及び/またはバリアントである。方法に従って精製される多重特異性抗体、及びそのような多重特異性抗体を含む組成物及び製剤もまた提供される。
【背景技術】
【0004】
ヒト患者への投与に許容される組換え生物薬剤学的タンパク質の場合、製造及び精製プロセスによって生じる残留不純物が最終生物学的産物から除去されることが重要である。これらのプロセス構成成分としては、培養培地タンパク質、免疫グロブリン親和性リガンド、ウイルス、内毒素、DNA、及び宿主細胞タンパク質(HCP)が挙げられる。多重特異性抗体などの新しい抗体の形式の開発は、従来の製造及び精製プロセスが、非対抗体のアーム及びミスアセンブリングされた抗体を含む生成物-特異的不純物を十分に除去するために不十分であるため、新しい課題を呈する。
【0005】
標準の抗体の精製と比較した場合、生成培地からの多重特異性抗体の精製は、独特の課題を呈する。標準の単一-特異性二価抗体が、同一の重鎖/軽鎖サブユニットの二量体化から生じる一方で、多重特異性抗体の産生は、少なくとも2つの異なる重鎖/軽鎖サブユニットの二量体化を必要とし、各々が異なる重鎖、ならびに異なる軽鎖を含む。最小限の量の誤対合、ミスアセンブリングされた、または不完全な分子を有する、最終的及び完全な多重特異性抗体の生成及び精製は、異なる課題を呈する。鎖誤対合(例えば、同一の重鎖ペプチドまたは不適当な重鎖/軽鎖会合のホモ-二量体化)は、異なる抗体鎖の不平衡の宿主細胞発現に起因する不完全なタンパク質アセンブリであるため、しばしば観察される。一般に観察される生成物-特異的不純物は、半(1/2)抗体(単一の重鎖/軽鎖対を含む)、4分の3(3/4)抗体(単一軽鎖を欠乏する完全な抗体を含む)、及びホモ二量体を含む。追加の生成物-特異的不純物は、使用される多重特異性の形式に応じて観察され得る。例えば、多重特異性抗体の可変ドメインが、一本鎖Fab(scFab)として構築されている場合、生成物による5/4抗体(追加の重鎖または軽鎖可変ドメインを含む)が観察され得る。そのような対応する生成物-特異的不純物は、標準の抗体生成においては生じない。
【0006】
HCP、DNA、内毒素、ならびに抗体とは非常に異なる特徴及び特性を有する他の物質などのプロセス関連不純物を除去するために設計された従来の精製技術は、多重特異性抗体により類似する不純物を除去するために実行されるときに不十分であり得る。かくして、生成物-特異的不純物を効果的に除去、ならびに十分な量の正しい及び完全な多重特異性抗体を産出する製造及び精製スキームを開発する必要性がある。
【0007】
特許出願及び刊行物を含む、本明細書に引用される全ての参考文献は、それらの全体において参照により組み込まれる。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に説明及び例示されるように、出願者は、最初の捕獲クロマトグラフィーのステップ後の少なくとも2つの混合モード(本明細書でマルチモーダル(multi-modal)またはマルチモーダル(multimodal)とも称される)クロマトグラフィーのステップの使用が、生成物-特異的不純物のより大きな除去をもたらし、多重特異性抗体を精製するためのプロセスを改善したことを発見した。したがって、ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を多重特異性抗体及び不純物を含む組成物から精製するための方法が提供され、多重特異性抗体は複数のアームを含み、各アームはVH/VL単位を含み、方法は、逐次的な、a)組成物を捕獲クロマトグラフィーにかけて、捕獲クロマトグラフィー溶出物を生成するステップ;b)捕獲クロマトグラフィー溶出物を第1の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第1の混合モード溶出物を生成するステップ;c)第1の混合モード溶出物を第2の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第2の混合モード溶出物を生成するステップ;及びd)多重特異性抗体を含む画分を収集するステップを含み、方法は、組成物の生成物-特異的不純物の量を低減する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィー溶出物は、第1の混合モードクロマトグラフィーの前に、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、アニオン交換)または疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけられる。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第2の混合モード溶出物は、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、アニオン交換)または疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけられる。
【0009】
ある特定の実施形態では、多重特異性抗体を多重特異性抗体及び不純物を含む組成物から精製するための方法が提供され、多重特異性抗体は複数のアームを含み、各アームはVH/VL単位を含み、多重特異性抗体の各アームは、別々に生成され、方法は、逐次的な、a)多重特異性抗体の各アームを捕獲クロマトグラフィーにかけて、多重特異性抗体の各アームに捕獲溶出物を生成するステップ、b)多重特異性抗体を含む組成物を生成するのに十分な条件下で、多重特異性抗体の各アームの捕獲溶出物を含む混合物を形成するステップ、c)多重特異性抗体を含む組成物を第1の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第1の混合モード溶出物を生成するステップ、及びd)第1の混合モード溶出物を第2の混合モードクロマトグラフィーにかけて、第2の混合モード溶出物を生成するステップ;及びe)多重特異性抗体を含む画分を収集するステップを含み、方法は、組成物の生成物-特異的不純物の量を低減する。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィー溶出物は、第1の混合モードクロマトグラフィーの前に、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、アニオン交換)または疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけられる。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、第2の混合モード溶出物は、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、アニオン交換)または疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけられる。
【0010】
上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィーは、親和性クロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインLクロマトグラフィー、プロテインAクロマトグラフィー、プロテインGクロマトグラフィー、プロテインA及びプロテインGクロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、親和性クロマトグラフィーは、プロテインAクロマトグラフィーである。上記の実施形態のいずれかによる(または、それらに適用される)いくつかの実施形態では、捕獲クロマトグラフィーは、結合及び溶出モードで実施される。
(【0011】以降は省略されています)

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