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公開番号
2024154209
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-30
出願番号
2023067920
出願日
2023-04-18
発明の名称
アリールアミン化合物および電子写真感光体の製造方法
出願人
キヤノン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
227/16 20060101AFI20241023BHJP(有機化学)
要約
【課題】少ない工程数で簡便に製造することができるアリールアミン化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】スルホン酸から選択される1つ以上の酸の存在下で、式(A)で表される化合物のベンゼン環上の水素原子が結合した炭素原子に、式(B)で表される化合物を付加反応させて、式(D)の部分構造を含む式(C)で表される化合物を製造するアリールアミン化合物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
スルホン酸から選択される1つ以上の酸の存在下で、下記式(A)で表される化合物のベンゼン環上の水素原子が結合した炭素原子に、下記式(B)で表される化合物を付加反応させて、下記式(D)の部分構造を含む下記式(C)で表される化合物を製造する、ことを特徴とするアリールアミン化合物の製造方法。
JPEG
2024154209000041.jpg
79
161
[式(A)中、R
a1
、R
a2
、R
a3
、R
a4
およびR
a5
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
a1
、R
a2
、R
a3
、R
a4
、R
a5
の内、少なくとも一つは水素原子である。R
aA
およびR
aB
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。
式(B)中、R
b1
、R
b2
およびR
b3
は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。R
b4
は、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。*は、式(A)と結合する炭素原子の位置を表す。
式(C)中、R
c1
、R
c2
、R
c3
、R
c4
およびR
c5
は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、または式(D)で表される一価の基を表す。R
cA
およびR
cB
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。
式(D)中、R
d1
、R
d2
およびR
d3
は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。R
d4
は、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。*は、結合位置を表す。]
続きを表示(約 9,800 文字)
【請求項2】
前記式(A)で表される化合物が、下記式(E)で表される化合物であり、
前記式(C)で表される化合物が、下記式(F)で表される化合物である
請求項1に記載のアリールアミン化合物の製造方法。
JPEG
2024154209000042.jpg
44
164
[式(E)中、R
e1
、R
e2
、R
e3
、R
e4
、R
e5
、R
e6
、R
e7
、R
e8
、R
e9
およびR
e10
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
e1
、R
e2
、R
e3
、R
e4
、R
e5
、R
e6
、R
e7
、R
e8
、R
e9
、R
e10
の内、少なくとも一つは水素原子を表す。R
eA
は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。
式(F)中、R
f1
、R
f2
、R
f3
、R
f4
、R
f5
、R
f6
、R
f7
、R
f8
、R
f9
およびR
f10
は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、または前記式(D)で表される一価の基を表す。R
fA
は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。]
【請求項3】
前記式(E)で表される化合物が、下記式(G)で表される化合物であり、
前記式(F)で表される化合物が、下記式(H)で表される化合物である
請求項2に記載のアリールアミン化合物の製造方法。
JPEG
2024154209000043.jpg
57
161
[式(G)中、R
g1
、R
g2
、R
g3
、R
g4
、R
g5
、R
g6
、R
g7
、R
g8
、R
g9
、R
g10
、R
g11
、R
g12
、R
g13
、R
g14
およびR
g15
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
g1
、R
g2
、R
g3
、R
g4
、R
g5
、R
g6
、R
g7
、R
g8
、R
g9
、R
g10
、R
g11
、R
g12
、R
g13
、R
g14
、R
g15
の内、少なくとも一つは水素原子を表す。
式(H)中、R
h1
、R
h2
、R
h3
、R
h4
、R
h5
、R
h6
、R
h7
、R
h8
、R
h9
、R
h10
、R
h11
、R
h12
、R
h13
、R
h14
およびR
h15
は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、または前記式(D)で表される一価の基を表す。]
【請求項4】
前記式(A)中のR
a1
が水素原子であり、
該水素原子が結合した炭素原子に選択的に、前記式(B)で表される化合物を付加させて、前記式(D)で表される部分構造を導入し、前記式(C)で表される化合物を製造する、または、
下記式(E)のR
e1
およびR
e6
の内、少なくとも一つは水素原子であり、
該水素原子が結合した炭素原子に選択的に、前記式(B)で表される化合物を付加させて、前記式(D)で表される部分構造を導入し、下記式(F)で表される化合物を製造する、または、
下記式(G)のR
g1
、R
g6
およびR
g11
の内、少なくとも一つは水素原子であり
、
該水素原子が結合した炭素原子に選択的に、前記式(B)で表される化合物を付加させて、前記式(D)で表される部分構造を導入し、下記式(H)で表される化合物を製造する請求項1に記載のアリールアミン化合物の製造方法。
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2024154209000044.jpg
44
164
JPEG
2024154209000045.jpg
57
161
[式(E)中、R
e1
、R
e2
、R
e3
、R
e4
、R
e5
、R
e6
、R
e7
、R
e8
、R
e9
およびR
e10
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
e1
、R
e2
、R
e3
、R
e4
、R
e5
、R
e6
、R
e7
、R
e8
、R
e9
、R
e10
の内、少なくとも一つは水素原子を表す。R
eA
は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。
式(F)中、R
f1
、R
f2
、R
f3
、R
f4
、R
f5
、R
f6
、R
f7
、R
f8
、R
f9
およびR
f10
は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、または前記式(D)で表される一価の基を表す。R
fA
は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。
式(G)中、R
g1
、R
g2
【請求項5】
スルホン酸から選択される1つ以上の酸の存在下で、
下記式(I)で表される化合物のベンゼン環上の水素原子が結合した炭素原子を、下記式(B)で表される化合物に付加反応させて、下記式(D)で表される部分構造を含む下記式(J)で表される化合物を製造する、ことを特徴とするアリールアミン化合物の製造方法。
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2024154209000046.jpg
27
132
JPEG
2024154209000047.jpg
41
159
[式(B)中、R
b1
、R
b2
およびR
b3
は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。R
b4
は、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。*は、式(I)と結合する炭素原子の位置を表す。
式(D)中、R
d1
、R
d2
およびR
d3
は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。R
d4
は、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基を表す。*は、結合位置を表す。
式(I)中、R
i1
、R
i2
、R
i3
、R
i4
およびR
i5
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
i1
、R
i2
、R
i3
、R
i4
、R
i5
の内、少なくとも一つは水素原子である。R
iC
、R
iD
およびR
iE
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはオキシカルボニル基を表す。Ar
i
は、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。
式(J)中、R
j1
、R
j2
、R
j3
、R
j4
およびR
j5
は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、または式(D)で表される一価の基を表す。R
jC
、R
jD
およびR
jE
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。Ar
j
は、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。]
【請求項6】
前記式(I)で表される化合物が、下記式(K)で表される化合物であり、
前記式(J)で表される化合物が、下記式(L)で表される化合物である
請求項5に記載のアリールアミン化合物の製造方法。
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2024154209000048.jpg
41
164
[式(K)中、R
k1
、R
k2
、R
k3
、R
k4
、R
k5
、R
k6
、R
k7
、R
k8
、R
k9
およびR
k10
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
k1
、R
k2
、R
k3
、R
k4
、R
k5
、R
k6
、R
k7
、R
k8
、R
k9
、R
k10
の内、少なくとも一つは水素原子である。R
kC
およびR
kD
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはオキシカルボニル基を表す。Ar
k
は、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。
式(L)中、R
l1
、R
l2
、R
l3
、R
l4
、R
l5
、R
l6
、R
l7
、R
l8
、R
l9
およびR
l10
は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、または式(D)で表される一価の基を表す。R
lC
およびR
lD
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。Ar
l
は、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。]
【請求項7】
前記式(I)で表される化合物が、下記式(M)で表される化合物であり、
前記式(J)で表される化合物が、下記式(N)で表される化合物である
請求項5に記載のアリールアミン化合物の製造方法。
JPEG
2024154209000049.jpg
57
164
[式(M)中、R
m1
、R
m2
、R
m3
、R
m4
、R
m5
、R
m6
、R
m7
、R
m8
、R
m9
およびR
m10
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
m1
、R
m2
、R
m3
、R
m4
、R
m5
、R
m6
、R
m7
、R
m8
、R
m9
、R
m10
の内、少なくとも一つは水素原子である。R
mD
およびR
mE
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはオキシカルボニル基を表す。Ar
m
は、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。
式(N)中、R
n1
、R
n2
、R
n3
、R
n4
、R
n5
、R
n6
、R
n7
、R
n8
、R
n9
およびR
n10
は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、または式(D)で表される一価の基を表す。R
nD
およびR
nE
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。Ar
n
は、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。]
【請求項8】
前記式(K)で表される化合物が、下記式(O)で表される化合物であり、
前記式(L)で表される化合物が、下記式(P)で表される化合物である
請求項6に記載のアリールアミン化合物の製造方法。
JPEG
2024154209000050.jpg
55
165
[式(O)中、R
o1
、R
o2
、R
o3
、R
o4
、R
o5
、R
o6
、R
o7
、R
o8
、R
o9
、R
o10
、R
o11
、R
o12
、R
o13
、R
o14
およびR
o15
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
o1
、R
o2
、R
o3
、R
o4
、R
o5
、R
o6
、R
o7
、R
o8
、R
o9
、R
o10
、R
o11
、R
o12
、R
o13
、R
o14
、R
o15
の内、少なくとも一つは水素原子である。R
oD
は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表す。Ar
o
は、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。
式(P)中、R
p1
、R
p2
、R
p3
、R
p4
、R
p5
、R
p6
、R
p7
、R
p8
、R
p9
、R
p10
、R
p11
、R
p12
、R
p13
、R
【請求項9】
前記式(O)で表される化合物が、下記式(Q)で表される化合物であり、
前記式(P)で表される化合物が、下記式(R)で表される化合物である
請求項8に記載のアリールアミン化合物の製造方法。
JPEG
2024154209000051.jpg
58
162
[式(Q)中、R
q1
、R
q2
、R
q3
、R
q4
、R
q5
、R
q6
、R
q7
、R
q8
、R
q9
、R
q10
、R
q11
、R
q12
、R
q13
、R
q14
、R
q15
、R
q16
、R
q17
、R
q18
、R
q19
およびR
q20
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
q1
、R
q2
、R
q3
、R
q4
、R
q5
、R
q6
、R
q7
、R
q8
、R
q9
、R
q10
、R
q11
、R
q12
、R
q13
、R
q14
、R
q15
、R
q16
、R
q17
、R
q18
、R
q19
、R
q20
の内、少なくとも一つは水素原子である。Ar
q
は、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。
式(R)中、R
r1
、R
r2
、R
r3
、R
r4
、R
【請求項10】
前記式(I)のR
i1
は水素原子であり、
該水素原子が結合した炭素原子に選択的に、前記式(B)で表される化合物を付加させて、前記式(D)で表される部分構造を導入し、前記式(J)で表される化合物を製造する、または、
下記式(K)のR
k1
およびR
k6
の内、少なくとも一つは水素原子であり、
該水素原子が結合した炭素原子を選択的に、前記式(B)で表される化合物を付加させて、前記式(D)で表される部分構造を導入し、下記式(L)で表される化合物を製造する、または、
下記式(M)のR
m1
およびR
m6
の内、少なくとも一つは水素原子であり、
該水素原子が結合した炭素原子に選択的に、前記式(B)で表される化合物を付加させて、前記式(D)で表される部分構造を導入し、下記式(N)で表される化合物を製造する、または、
下記式(O)のR
o1
、R
o6
およびR
o11
の内、少なくとも一つは水素原子であり、
該水素原子が結合した炭素原子に選択的に、前記式(B)で表される化合物を付加させて、前記式(D)で表される部分構造を導入し、下記式(P)で表される化合物を製造する、または、
下記式(Q)のR
q1
、R
q6
、R
q11
およびR
q16
の内、少なくとも一つは水素原子であり、
該水素原子が結合した炭素原子に選択的に、前記式(B)で表される化合物を付加させて、前記式(D)で表される部分構造を導入し、下記式(R)で表される化合物を製造する
請求項5に記載のアリールアミン化合物の製造方法。
JPEG
2024154209000052.jpg
41
164
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2024154209000053.jpg
57
164
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2024154209000054.jpg
55
168
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2024154209000055.jpg
61
168
[式(K)中、R
k1
、R
k2
、R
k3
、R
k4
、R
k5
、R
k6
、R
k7
、R
k8
、R
k9
およびR
k10
は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。R
k1
、R
k2
、R
k3
、R
k4
、R
k5
、R
k6
、R
k7
、R
k8
、R
k9
、R
k10
の内、少なくとも一つは水素原子である。R
kC
およびR
kD
は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、アシル基、またはオキシカルボニル基を表す。Ar
k
は、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基を表す。
式(L)中、R
l1
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はアリールアミン化合物の製造方法および該アリールアミン化合物を用いる電子写真感光体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
有機デバイスに使用される電荷輸送材料の1つとして、製造が容易であり、正孔移動度が高いアリールアミン化合物が知られている。この有機デバイスに使用されるアリールアミン化合物について、様々な機能発現のため種々の置換基を導入するといった手法が採用されている。(特許文献1、2参照)
特許文献1では、水分や放電生成物等に対する親和性を軽減させ、化学的劣化を抑制させる目的で電荷輸送材料をなすアリールアミン化合物の構造中にフッ素原子または特定のフッ化アルキル基を含有させることが提案されている。
【0003】
特許文献2では、有機デバイスの膜強度を高くさせ、耐摩耗性および耐傷性を向上させる目的で、電荷輸送材料をなすアリールアミン化合物に連鎖重合性基を導入することが提案されている。この連鎖重合性基としては、取り扱いの容易さからアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が用いられることが多い。これらの基を導入する手法としては、アクリル酸もしくはアクリル酸ハライドと電荷輸送材料をなすアリールアミン化合物のアルコール体とを縮合させて製造する方法が一般的である。
【0004】
上記電荷輸送材料をなすアリールアミン化合物のアルコール体を得る手法としては、簡便でありかつ汎用的な材料を用いた合成法が提案されている。(特許文献3参照)この手法では、アリールアミン骨格に効率良く炭素鎖を導入することでアルコール体の前駆体を製造する方法が示されている。しかし、ハロゲン化、ヘック反応を経るため製造工程が比較的多くなってしまうという問題がある。また、反応触媒として高価なパラジウム触媒を必要とし、製造にかかるコストが高くなるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-194794号公報
特開2000-66425号公報
特開2010-248099号公報
【非特許文献】
【0006】
Org. Synth. 2012, 89, 210-219
Sugasawa, T.ら J. Am. Chem. Soc. 1978, 100, 4842
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
塩化アルミニウムなどのルイス酸存在下、芳香族炭化水素に対して、アクリル酸またはアクリル酸エステルなどのα,β-不飽和カルボニル化合物を共役付加させる方法は一般的にフリーデルクラフツ反応と呼ばれている。(非特許文献1参照)この反応は、アリールアミンでは反応しないと考えられている。それはルイス酸とアリールアミンが錯体を形成することで、アリールアミンの電子密度が低下することに起因するためである。
このアリールアミンの電子密度の低下を抑えるために、ルイス酸を過剰量用いてα,β-不飽和カルボニル化合物等の反応物を活性化することが考えられる。しかし、これまでそのような成功例は知られていない。
また、ルイス酸を二種類(例えば、塩化アルミニウムと塩化ホウ素)用いる方法でアリールアミンの電子密度の低下を抑える提案もされている。(非特許文献2参照)しかし、この方法は芳香族アミンのオルト位にアシル化を行う反応であり、スルホン酸を用いてα,β-不飽和カルボニル化合物を共役付加させる方法はこれまで知られていなかった。
【0008】
本開示の一態様は上記の点を鑑み、電荷輸送材料をなすアリールアミン化合物にα,β-不飽和カルボニル置換基を共役付加させアルキルエステル化アリールアミン化合物を製造する方法の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様によれば、
スルホン酸から選択される1つ以上の酸の存在下で、下記式(A)で表される化合物のベンゼン環上の水素原子が結合した炭素原子に、下記式(B)で表される化合物を付加反応させて、下記式(D)の部分構造を含む下記式(C)で表される化合物を製造する、ことを特徴とするアリールアミン化合物の製造方法が提供される。
【0010】
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161
(【0011】以降は省略されています)
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