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公開番号
2024151726
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023065356
出願日
2023-04-13
発明の名称
拡張装置
出願人
株式会社ディスコ
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01L
21/301 20060101AFI20241018BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】被加工物を支持するフレームの位置の変動を抑制可能な拡張装置を提供する。
【解決手段】被加工物と、被加工物に固定された拡張可能なシートと、シートの外周部が固定された環状のフレームと、を含む被加工物ユニットのシートを拡張する拡張装置であって、フレームを支持する支持ユニットと、フレームを支持ユニットに固定する固定ユニットと、フレームが固定ユニットによって支持ユニットに固定された状態でシートを拡張する拡張ユニットと、を備え、支持ユニットは、固定ユニットによる固定が解除された状態のフレームを固定することによってフレームの位置の変動を抑制可能な固定部を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
被加工物と、該被加工物に固定された拡張可能なシートと、該シートの外周部が固定された環状のフレームと、を含む被加工物ユニットの該シートを拡張する拡張装置であって、
該フレームを支持する支持ユニットと、
該フレームを該支持ユニットに固定する固定ユニットと、
該フレームが該固定ユニットによって該支持ユニットに固定された状態で該シートを拡張する拡張ユニットと、を備え、
該支持ユニットは、該固定ユニットによる固定が解除された状態の該フレームを固定することによって該フレームの位置の変動を抑制可能な固定部を含むことを特徴とする拡張装置。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
該シートのうち該被加工物又は該フレームに固定されていない領域を加熱して収縮させる加熱ユニットを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の拡張装置。
【請求項3】
該固定部には、該フレームを固定する電磁石が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の拡張装置。
【請求項4】
該固定部には、該フレームを吸引する吸引溝が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の拡張装置。
【請求項5】
該固定部には、該フレームの側面に接触して該フレームの位置を調節する接触部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の拡張装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物に固定されたシートを拡張する拡張装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
デバイスチップの製造プロセスでは、互いに交差する複数のストリート(分割予定ライン)によって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウェーハが用いられる。このウェーハをストリートに沿って分割することにより、デバイスを備えるチップ(デバイスチップ)が得られる。デバイスチップは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
【0003】
ウェーハの分割には、環状の切削ブレードで被加工物を切削する切削装置が用いられる。また、近年では、レーザー加工によってウェーハを分割するプロセスの開発も進められている。例えば、ウェーハに対して透過性を有するレーザービームをウェーハの内部で集光させつつ、レーザービームをストリートに沿って走査することにより、ウェーハの内部に改質層がストリートに沿って形成される。ウェーハの改質層が形成された領域は、他の領域よりも脆くなる。そのため、改質層が形成されたウェーハに外力を付与すると、改質層が分割起点として機能し、ウェーハがストリートに沿って分割される。
【0004】
ウェーハへの外力の付与には、例えば拡張可能なシート(エキスパンドシート)が用いられる。ウェーハにシートを固定した後、シートを引っ張って拡張することにより、ウェーハに外力が放射状に付与される。シートの拡張は、手作業で行うこともできるが、専用の拡張装置(エキスパンド装置)によって実施されることもある。拡張装置を用いると、シートの拡張作業が自動化され、ウェーハの処理効率が向上する。
【0005】
なお、ウェーハが複数のデバイスチップに分割された後にシートの拡張を解除すると、シートに弛みが生じる。このシートの弛みは、デバイスチップの位置ずれ、デバイスチップ同士の衝突による損傷等の不都合が生じる原因となる。そこで、シートの拡張を解除した後、シートの弛みが生じた領域を加熱して熱収縮させる、ヒートシュリンクと称される処理が実施されることがある(特許文献1、2参照)。ヒートシュリンクを施すと、シートの弛みが解消され、デバイスチップの位置ずれや損傷が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-206136号公報
特開2020-177951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
拡張装置を用いてウェーハ等の被加工物を分割する場合には、被加工物が拡張可能なシート(エキスパンドシート)を介して環状のフレームによって支持されることにより、被加工物ユニットが構成される。また、拡張装置には、被加工物ユニットのフレームを下側から支持する支持ユニットと、フレームを上側から押さえて支持ユニットに固定する固定ユニットとが搭載される。
【0008】
支持ユニットと固定ユニットとによってフレームを挟み込んで固定した状態で、シートを介して被加工物を上方に押し上げることにより、シートが放射状に拡張される。その結果、シートに固定されている被加工物に外力が付与され、被加工物が分割される。そして、シートの拡張が完了すると、固定ユニットによるフレームの固定が解除され、必要に応じてシートに加熱処理(ヒートシュリンク)が施された後、被加工物ユニットが所定の場所へ搬送される。
【0009】
しかしながら、シートの拡張後にフレームの固定が解除される際には、支持ユニット上でフレームの意図しない位置の変動が生じやすい。例えば、シートを引っ張って拡張すると、シートに応力が生じる。そして、フレームの固定が解除される際にシートの応力が解放されてフレームに外力が作用し、フレームの位置がずれることがある。特に、被加工物を多数の小型チップに分割するために被加工物の突き上げ量(シートの拡張量)を大きくした場合や、伸縮しにくいシートを用いた場合には、シートに生じる応力も大きくなり、フレームの位置の変動がより生じやすくなる。
【0010】
フレームの位置が変動すると、被加工物の分割によって得られたチップの配列が乱れたり、その後のシートの加熱処理や被加工物ユニットの搬出処理等の円滑な実施が妨げられたりするおそれがある。そのため、フレームの位置の変動は、被加工物ユニットの処理効率が低下する要因となり得る。
(【0011】以降は省略されています)
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