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公開番号2024154944
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069190
出願日2023-04-20
発明の名称冷却機構
出願人株式会社ディスコ
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類B23Q 11/12 20060101AFI20241024BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】消費電力の無駄を抑制可能な冷却機構を提供する。
【解決手段】第一の経路12と、第二の経路14と、第三の経路16と、第四の経路20とを含む。第二の経路14に可変膨張弁30が配設され、第三の経路16に第一の圧力計32が配設され、第一の経路12に第二の圧力計34が配設されている。蒸発器10から流出した循環液の温度を計測する第一の温度計36と、蒸発器10に流入する循環液の温度を計測する第二の温度計38とが配設されている。制御手段4は、第一の温度計36または第二の温度計38の値が所望の温度になるように可変膨張弁30の開度を制御し、第一の圧力計32の値が第一の圧力値となり、第二の圧力計34の値が第二の圧力値となるように制水弁18の開度と圧縮機6の回転数を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
加工装置で使用する循環液を冷却する冷却機構であって、
制御手段と、
冷媒を圧縮する許容回転数で回転する圧縮機と、
該圧縮機が圧縮した圧縮熱を帯びた冷媒を液化する凝縮器と、
液化した冷媒を気化させ気化熱を生成し加工装置で使用する循環液を冷却する蒸発器と、
該圧縮機と該凝縮器とを連結する第一の経路と、
該凝縮器と該蒸発器とを連結する第二の経路と、
該蒸発器と該圧縮機とを連結する第三の経路と、
該凝縮器に工業用水を導入し制水弁を備えた第四の経路と、
該第一の経路に連結する第一の連結部と該第二の経路に連結する第二の連結部とによって連結され可変バイパス弁を備えたバイパス経路と、
を含み、
該第二の経路には、液化した冷媒の流量を調整する可変膨張弁が該第二の連結部の手前に配設され、
該第三の経路には、冷媒の圧力を計測する第一の圧力計が配設され、
該第一の経路には、該圧縮機によって圧縮された冷媒の圧力を計測する第二の圧力計が該第一の連結部の手前に配設され、
該蒸発器から流出した循環液の温度を計測する第一の温度計と、
該蒸発器に流入する循環液の温度を計測する第二の温度計と、
が配設され、
該制御手段は、該第一の温度計または該第二の温度計の値が所望の温度になるように該可変膨張弁の開度を制御するとともに、該第一の圧力計の値が第一の圧力値となり、該第二の圧力計の値が第二の圧力値となるように該制水弁の開度と該圧縮機の回転数を制御する冷却機構。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
該制御手段は、該加工装置で使用される循環液の必要冷却量を減少させる場合、
該可変膨張弁の開度を小さくして該蒸発器を流れる液化した冷媒の流量を減少させ、
該蒸発器を流れる液化した冷媒の流量を減少させることによって該圧縮機が該許容回転数を下回らないように該バイパス経路の該可変バイパス弁の開度を大きくして該蒸発器に流れる気体の冷媒の流量を増大させて該第一の圧力計の値を該第一の圧力値まで上昇させ、
該可変バイパス弁の開度を大きくすることによって該第二の圧力計の値が低下しないように該制水弁の開度を小さくして工業用水の流量を減少させ該凝縮器による冷媒の液化を抑制して該第二の圧力計の値を該第二の圧力値まで上昇させる請求項1記載の冷却機構。
【請求項3】
該制御手段は、該圧縮機の消費電力を節約する場合、該第一の圧力値と該第二の圧力値との差を所定圧力差よりも小さく設定する請求項1または2記載の冷却機構。
【請求項4】
該制御手段は、該工業用水を節約する場合、該第二の圧力値を所定値よりも高く設定する請求項1または2記載の冷却機構。
【請求項5】
該制御手段は、冷媒の冷えすぎによる該蒸発器内の循環液の凍結を防止する場合、該第一の圧力値を所定値よりも高く設定する請求項1または2記載の冷却機構。
【請求項6】
該制御手段は、該第四の経路の内部腐食を防止する場合、該第二の圧力値を所定値よりも低く設定して該工業用水の流量を増大させる請求項1または2記載の冷却機構。
【請求項7】
該第四の経路には、該凝縮器に該工業用水を導入する側に第三の温度計が配設され、
該制御手段は、該第三の温度計で計測された値に応じて、該第二の圧力値を調整する請求項1または2記載の冷却機構。
【請求項8】
該制御手段は、該第一の温度計または該第二の温度計の値の設定値に応じて、該第一の圧力値を調整する請求項1または2記載の冷却機構。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置で使用する循環液を冷却する冷却機構に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、裏面が研削装置によって研削され所定の厚みに形成された後、ダイシング装置、レーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割され、分割された各デバイスチップは携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
ウエーハに加工を施している際に、研削装置またはダイシング装置を構成する加工具が装着されたスピンドルユニットが発熱して熱膨張すると、高精度な研削または切削ができなくなる。そのため、温度制御装置によって、スピンドルユニットの温度を一定するための制御が行われている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-038329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この温度制御装置は、可変膨張弁の開度を変化させることにより、蒸発器に送る冷媒の量を調整して循環液(冷却油)の温度を制御する。また、温度制御装置は、圧縮機の回転数が最低値に達すると、可変バイパス弁を開けて冷媒の凝縮量を低下させることにより、循環液の温度を制御している。したがって、上記温度制御装置においては、圧縮機の吸入圧力と吐出圧力がランダムに変化してしまうことから、消費電力に無駄が生じるという問題がある。
【0006】
また、上記温度制御装置では、凝縮器で使用される工業用水の使用量にも無駄が生じる場合があるとともに、蒸発器に送られる液化した冷媒が0℃を下回ると循環液が凍結するおそれもあり、多くの問題を有している。
【0007】
本発明の課題は、消費電力の無駄を抑制可能な冷却機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記課題を解決する以下の冷却機構が提供される。すなわち、
「加工装置で使用する循環液を冷却する冷却機構であって、
制御手段と、
冷媒を圧縮する許容回転数で回転する圧縮機と、
該圧縮機が圧縮した圧縮熱を帯びた冷媒を液化する凝縮器と、
液化した冷媒を気化させ気化熱を生成し加工装置で使用する循環液を冷却する蒸発器と、
該圧縮機と該凝縮器とを連結する第一の経路と、
該凝縮器と該蒸発器とを連結する第二の経路と、
該蒸発器と該圧縮機とを連結する第三の経路と、
該凝縮器に工業用水を導入し制水弁を備えた第四の経路と、
該第一の経路に連結する第一の連結部と該第二の経路に連結する第二の連結部とによって連結され可変バイパス弁を備えたバイパス経路と、
を含み、
該第二の経路には、液化した冷媒の流量を調整する可変膨張弁が該第二の連結部の手前に配設され、
該第三の経路には、冷媒の圧力を計測する第一の圧力計が配設され、
該第一の経路には、該圧縮機によって圧縮された冷媒の圧力を計測する第二の圧力計が該第一の連結部の手前に配設され、
該蒸発器から流出した循環液の温度を計測する第一の温度計と、
該蒸発器に流入する循環液の温度を計測する第二の温度計と、
が配設され、
該制御手段は、該第一の温度計または該第二の温度計の値が所望の温度になるように該可変膨張弁の開度を制御するとともに、該第一の圧力計の値が第一の圧力値となり、該第二の圧力計の値が第二の圧力値となるように該制水弁の開度と該圧縮機の回転数を制御する冷却機構」が提供される。
【0009】
該制御手段は、該加工装置で使用される循環液の必要冷却量を減少させる場合、
該可変膨張弁の開度を小さくして該蒸発器を流れる液化した冷媒の流量を減少させ、
該蒸発器を流れる液化した冷媒の流量を減少させることによって該圧縮機が該許容回転数を下回らないように該バイパス経路の該可変バイパス弁の開度を大きくして該蒸発器に流れる気体の冷媒の流量を増大させて該第一の圧力計の値を該第一の圧力値まで上昇させ、
該可変バイパス弁の開度を大きくすることによって該第二の圧力計の値が低下しないように該制水弁の開度を小さくして工業用水の流量を減少させ該凝縮器による冷媒の液化を抑制して該第二の圧力計の値を該第二の圧力値まで上昇させるのが好ましい。
【0010】
該制御手段は、該圧縮機の消費電力を節約する場合、該第一の圧力値と該第二の圧力値との差を所定圧力差よりも小さく設定するのが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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