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公開番号2024150691
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2024119444,2023063336
出願日2024-07-25,2017-08-18
発明の名称DNAメチル化の編集方法
出願人ホワイトヘッド・インスティテュート・フォー・バイオメディカル・リサーチ
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/09 20060101AFI20241016BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】DNAメチル化の編集方法の提供。
【解決手段】本発明は、メチル化活性または脱メチル化活性を有するエフェクタードメインに融合された触媒不活性な部位特異的ヌクレアーゼ、及び1つ以上のガイド配列と細胞を接触させることによって、DNAメチル化を修飾する方法に関する。本明細書では、細胞内の1つ以上のゲノム配列を修飾する方法であって、メチル化活性を有するエフェクタードメインに融合された触媒不活性な部位特異的ヌクレアーゼ、及び1つ以上のガイド配列を細胞に導入し、それによって細胞内の1つ以上のゲノム配列を修飾することを含む方法を開示する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月19日出願の米国仮出願第62/377,520号の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 2,700 文字)【0002】
政府支援
本発明は、米国国立衛生研究所が拠出する助成金番号HD045022に基づく政府支援を受けて実施された。政府は本発明において、ある一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
哺乳動物の5-シトシンにおけるDNAメチル化は、ゲノムインプリンティング、細胞運命決定、クロマチン構造の構成、細胞同一性の維持、及び遺伝子発現の調節を含め、多くの生物学的過程において重要な役割を果たす(Bird,2002年;Cedar and Bergman,2012;Jaenisch and Bird,2003;Smith and Meissner,2013)。遺伝学研究によって、DNAメチル化が哺乳動物の発生及び環境シグナルへの適応に不可欠であることが明らかになった(Jaenisch and Bird,2003;Li et al.,1992;Smith and Meissner,2013)。がん及び神経障害において異常なDNAメチル化が観察されている(Laird and Jaenisch,1996;Robertson,2005)。配列決定技術が進歩した結果、数多くの種類のヒト及びマウスの細胞及び組織について、単一ヌクレオチド分解能のメチル化マップが作成されている(Lister et al.,2009;Schultz et al.,2015)。重要な点として、これらのマップにより、正常発生(Lister et al.,2013)ならびに疾患(De Jager et al.,2014;Doi et al.,2009;Landau et al.,2014)の様々な過程でメチル化可変領域(DMR)を塩基対分解能で同定することが可能になった。しかしながら、DNAメチル化を標的化された方法で効率的に編集できる適切な分子ツールが存在しないため、これらのDMRの機能的意義の研究は依然として困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
哺乳動物のDNAメチル化は、多くの生物学的過程において遺伝子発現ネットワークを調整するエピジェネティックなメカニズムである。しかしながら、特異的メチル化事象の機能を調べることは依然として困難である。Tet1またはDnmt3aと触媒不活性なCas9(dCas9)との融合が、標的化されたDNAメチル化編集を可能にすることが実証されている。メチル化プロモーター配列へのdCas9-Tet1融合タンパク質の標的化、または非メチル化プロモーター配列へのdCas9-Dnmt3a融合タンパク質の標的化はそれぞれ、内因性レポーターの活性化またはサイレンシングを引き起こした。dCas9-Tet1によるBDNFプロモーターIVを標的とする脱メチル化は、有糸分裂後ニューロンにおけるBDNF発現を誘導し、MyoD遠位エンハンサーを標的とする脱メチル化は、MyoDが促進する線維芽細胞の筋芽細胞へのリプログラミングを活性化した。dCas9-Dnmt3aによるCTCFループアンカー部位を標的とするde novoメチル化は、CTCF結合を遮断して、DNAルーピングを妨害し、隣接ループにおける遺伝子発現の変化を引き起こした。最後に、これらのツールはマウスにおいてDNAメチル化を編集できることが示されており、エピジェネティック制御の機能的研究において幅広い有用性を実証している。これらのツールは、遺伝子発現、細胞運命決定、及び高次クロマチン構造の構成などの多様な生物学的過程におけるDNAメチル化の機能的意義について考察を得るのに有用であろう。さらに、これらのツールは、異なるsgRNAライブラリーと組み合わせて、機能特異的なメチル化可変領域(DMR)を同定するスクリーニングプラットフォームを構築する際、及びトランスジェニックマウスを作製して特異的なDNAメチル化事象をin vivoで研究する際に有用であると考えられる。
【0005】
本明細書では、細胞内の1つ以上のゲノム配列を修飾する方法であって、メチル化活性を有するエフェクタードメインに融合された触媒不活性な部位特異的ヌクレアーゼ、及び1つ以上のガイド配列を細胞に導入し、それによって細胞内の1つ以上のゲノム配列を修飾することを含む方法を開示する。
【0006】
本明細書ではまた、細胞内の1つ以上のゲノム配列を修飾する方法であって、脱メチル化活性を有するエフェクタードメインに融合された触媒不活性な部位特異的ヌクレアーゼ、及び1つ以上のガイド配列を細胞に導入し、それによって細胞内の1つ以上のゲノム配列を修飾することを含む方法も開示する。
【0007】
本明細書ではまた、細胞内の1つ以上のゲノム配列のメチル化を調節する方法であって、メチル化活性または脱メチル化活性を有するエフェクタードメインに融合された触媒不活性な部位特異的ヌクレアーゼ、及びガイド配列またはガイド配列をコードする核酸を細胞に導入し、それによって細胞内の1つ以上のゲノム配列のメチル化を調節することを含む方法も開示する。
【0008】
ある特定の態様では、ゲノム配列は、メチル化可変領域、エンハンサー(例えば、MyoDのエンハンサー)、プロモーター(例えば、BDNFプロモーター)、またはCTCF結合部位を含む。いくつかの態様では、エフェクタードメインはTet1を含む。他の態様では、エフェクタードメインはDnmt3aを含む。
【0009】
いくつかの態様では、触媒不活性な部位特異的ヌクレアーゼは、触媒不活性なCasタンパク質(例えば、Cas9タンパク質またはCpf1タンパク質)である。ガイド配列は、リボ核酸ガイド配列であってもよい。ある特定の態様では、ガイド配列は、約10塩基対~約150塩基対の長さである。1つ以上のガイド配列が、2つ以上のガイド配列を含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、細胞内で、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のゲノム配列が修飾される。細胞は幹細胞、ニューロン、有糸分裂後細胞、または線維芽細胞であり得る。いくつかの態様では、細胞はヒト細胞またはマウス細胞である。
(【0011】以降は省略されています)

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