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公開番号2024146752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2024013227
出願日2024-01-31
発明の名称樹脂組成物、硬化物、樹脂フィルム、プリプレグ、積層体、及びプリント配線板
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 53/02 20060101AFI20241004BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低誘電率、低誘電正接で、寸法安定性にも優れた硬化物が得られる樹脂組成物を得る。
【解決手段】ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位を有する共重合体(A)、(B)と、成分(I)~(III)の少なくとも一種を含有し、共重合体(A)がMn30000以下であり、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも一つ有し、共重合体(B)がビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも一つ有し、共重合体(B)がMn50000以上であり、共重合体(A)のビニル芳香族単量体単位の含有量(Sa)と、共重合体(B)のビニル芳香族単量体単位の含有量(Sb)との差(ΔS)がΔS=|Sa-Sb|≦25質量%で、共重合体(A)及び(B)のビニル芳香族単量体単位の含有量の平均値が50質量%以上である樹脂組成物。
(I):硬化樹脂
(II):ラジカル開始剤
(III):硬化剤
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位を有する共重合体(A)と、
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位を有する共重合体(B)と、
下記成分(I)~(III)からなる群より選ばれる少なくとも一種の成分と、
を、含有し、
下記<条件(1)>~<条件(6)>を全て満たす、
樹脂組成物。
成分(I):硬化樹脂(共重合体(A)及び共重合体(B)を除く)
成分(II):ラジカル開始剤
成分(III):硬化剤(成分(I)を除く)
<条件(1)>:
前記共重合体(A)の数平均分子量が30,000以下である。
<条件(2)>:
前記共重合体(A)が、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも一つ有する。
<条件(3)>:
前記共重合体(B)が、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも一つ有する。
<条件(4)>:
前記共重合体(B)の数平均分子量が50,000以上である。
<条件(5)>:
前記共重合体(A)のビニル芳香族単量体単位の含有量(Sa)(質量%)と、
前記共重合体(B)のビニル芳香族単量体単位の含有量(Sb)(質量%)との差(ΔS)が、
下記の関係を満たす。
ΔS=|Sa-Sb|≦25
<条件(6)>:
前記共重合体(A)及び前記共重合体(B)の、ビニル芳香族単量体単位の含有量の平均値が50質量%以上である。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記共重合体(A)及び前記共重合体(B)中に含まれる共役ジエン化合物に由来する不飽和二重結合の平均水添率(H)(%)と、平均ビニル結合量(V)(%)が、
下記の関係式を満たす、
請求項1に記載の樹脂組成物。
V+10≦H
【請求項3】
前記共重合体(B)が、一般構造:a1-b1-a2-c1、a1-b1-a2-b2、a1-c1-a2-c2、a1-c1-a2-b1のいずれかで表されるブロック共重合体であり、
a1ブロック及びa2ブロックが、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、
b1ブロック及びb2ブロックがビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位からなるランダム重合体ブロックであり、
c1ブロック及びc2ブロックが、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックである、
請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記共重合体(A)の数平均分子量(Mna)に対する、前記共重合体(B)の数平均分子量(Mnb)の比(Mnb/Mna)が4より大きい、
請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記共重合体(A)の共役ジエンに由来する不飽和二重結合の水添率が、55%以上95%以下である、
請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記共重合体(B)の共役ジエンに由来する不飽和二重結合の水添率が、55%以上95%以下である、
請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記共重合体(A)が一般構造式:d-fで表されるブロック共重合体であり、
dが、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、
fが、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックである、
請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物。
【請求項9】
請求項8に記載の硬化物を含む、プリント配線板。
【請求項10】
請求項8に記載の硬化物を含む、樹脂フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、硬化物、樹脂フィルム、プリプレグ、積層体、及びプリント配線板に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、情報ネットワーク技術の著しい進歩、及び情報ネットワークを活用したサービスの拡大に伴い、電子機器には、情報量の大容量化、及び処理速度の高速化が求められている。
これらの要求に応えるため、プリント基板やフレキシル基板等の、各種基板用材料には、誘電損失の小さい材料が求められている。
【0003】
従来から誘電損失の小さい材料を得るため、低誘電率及び低誘電正接であり、強度、耐熱性等の機械物性に優れたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリフェニレンエーテル系樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とした樹脂硬化物が検討され、開示されている。
しかしながら、従来開示されている材料は、低誘電率及び低誘電正接の観点から未だ改良の余地があり、これらをプリント基板に用いた場合、情報量及び処理速度が限定される、という問題点を有している。
【0004】
かかる問題点を改良する目的で、従来から、上述したような熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の改質剤として、各種のゴム成分が提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリフェニレンエーテル樹脂の低誘電正接化及び低誘電率化のための改質剤として、ビニル芳香族化合物とオレフィン系アルケン化合物とのブロック共重合体及びその水素添加物、及びビニル芳香族化合物の単独重合体からなる群より選ばれる、少なくとも1種のエラストマーが開示されている。
また、特許文献2には、エポキシ樹脂の低誘電正接化及び低誘電率化のための改質剤として、スチレン系エラストマーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-147486号公報
特開2020-15861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に開示されている改質剤を用いた樹脂組成物は、未だ低誘電率化、低誘電正接化が十分ではなく、また、改質剤の添加によって熱線膨張係数が悪化し、寸法安定性が低下するという問題点を有している。
【0007】
そこで本発明においては、低誘電率及び低誘電正接であり、熱膨張係数が小さく寸法安定性にも優れた硬化物が得られる樹脂組成物、前記樹脂組成物を用いた硬化物、樹脂フィルム、プリプレグ、積層体、及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物の共重合体であり、所定の構造を有する共重合体(A)、共重合体(B)と、硬化樹脂、ラジカル開始剤及び硬化剤のうち少なくとも一つを含む樹脂組成物によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
【0009】
〔1〕
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位を有する共重合体(A)と、
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位を有する共重合体(B)と、
下記成分(I)~(III)からなる群より選ばれる少なくとも一種の成分と、
を、含有し、
下記<条件(1)>~<条件(6)>を全て満たす、
樹脂組成物。
成分(I):硬化樹脂(共重合体(A)及び共重合体(B)を除く)
成分(II):ラジカル開始剤
成分(III):硬化剤(成分(I)を除く)
<条件(1)>:
前記共重合体(A)の数平均分子量が30,000以下である。
<条件(2)>:
前記共重合体(A)が、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも一つ有する。
<条件(3)>:
前記共重合体(B)が、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも一つ有する。
<条件(4)>:
前記共重合体(B)の数平均分子量が50,000以上である。
<条件(5)>:
前記共重合体(A)のビニル芳香族単量体単位の含有量(Sa)(質量%)と、
前記共重合体(B)のビニル芳香族単量体単位の含有量(Sb)(質量%)との差(ΔS)が、下記の関係を満たす。
ΔS=|Sa-Sb|≦25
<条件(6)>:
前記共重合体(A)及び前記共重合体(B)の、ビニル芳香族単量体単位の含有量の平均値が50質量%以上である。
〔2〕
前記共重合体(A)及び前記共重合体(B)中に含まれる共役ジエン化合物に由来する不飽和二重結合の平均水添率(H)(%)と、平均ビニル結合量(V)(%)が、
下記の関係式を満たす、前記〔1〕に記載の樹脂組成物。
V+10≦H
〔3〕
前記共重合体(B)が、一般構造:a1-b1-a2-c1、a1-b1-a2-b2、a1-c1-a2-c2、a1-c1-a2-b1のいずれかで表されるブロック共重合体であり、
a1ブロック及びa2ブロックが、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、
b1ブロック及びb2ブロックが、ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位からなるランダム重合体ブロックであり、
c1ブロック及びc2ブロックが、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックである、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕
前記共重合体(A)の数平均分子量(Mna)に対する、前記共重合体(B)の数平均分子量(Mnb)の比(Mnb/Mna)が4より大きい、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の樹脂組成物。
〔5〕
前記共重合体(A)の共役ジエンに由来する不飽和二重結合の水添率が、55%以上95%以下である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の樹脂組成物。
〔6〕
前記共重合体(B)の共役ジエンに由来する不飽和二重結合の水添率が、55%以上95%以下である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の樹脂組成物。
〔7〕
前記共重合体(A)が一般構造式:d-fで表されるブロック共重合体であり、
dが、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、
fが、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックである、
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の樹脂組成物。
〔8〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の樹脂組成物の硬化物。
〔9〕
前記〔8〕に記載の硬化物を含む、プリント配線板。
〔10〕
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低誘電率、低誘電正接であり、熱線膨張係数が小さく寸法安定性にも優れた硬化物が得られる、樹脂組成物、前記樹脂組成物を用いた硬化物、樹脂フィルム、プリプレグ、積層体、及びプリント配線板が得られる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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