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公開番号2024146773
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2024026736
出願日2024-02-26
発明の名称ポリエチレンパウダー、成型体及び二次電池用セパレータ
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 10/02 20060101AFI20241004BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高速成型した場合においても機械的強度と熱収縮率のバランスに優れる成型体を得ることのできる、ポリエチレンパウダー等を提供する。
【解決手段】
ISO1628-3(2010)に準拠して測定された極限粘度IVが、1.5dL/g以上15.0dL/g以下であり、
非晶部厚みが、5.3nm以上12.0nm以下であり、
反射法X線回折法により得られる結晶子サイズが、13.9nm以上18.0nm以下である、ポリエチレンパウダー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ISO1628-3(2010)に準拠して測定された極限粘度IVが、1.5dL/g以上15.0dL/g以下であり、
非晶部厚みが、5.3nm以上12.0nm以下であり、
反射法X線回折法により得られる結晶子サイズが、13.9nm以上18.0nm以下である、ポリエチレンパウダー。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
反射法X線回折法により得られる、単斜晶(010面)と斜方晶(110面)の比率が、単斜晶(010)面回折ピーク強度/斜方晶(110)面回折ピーク強度として、1.0以上2.6以下である、請求項1に記載のポリエチレンパウダー。
【請求項3】
Ti含有量が、10ppm以下であり、かつ、Al含有量が、20ppm以下である、請求項1又は2に記載のポリエチレンパウダー。
【請求項4】
篩分法により求められる平均粒子径D
50
が、80μm以上である、請求項1又は2に記載のポリエチレンパウダー。
【請求項5】
α-オレフィンの含有量が、0.03mol%未満である、請求項1又は2に記載のポリエチレンパウダー。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のポリエチレンパウダーを含む、成型体。
【請求項7】
請求項6に記載の成型体を含む、二次電池用セパレータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレンパウダー、成型体及び二次電池用セパレータに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレンパウダーは、シート、フィルム及びその他の形状に成型する等して、様々な用途に使用されており、二次電池のセパレータの原料は、その重要な用途の一つである。セパレータとは、電池内部において正極と負極の直接的な接触による短絡を防ぎ、イオンのみを透過させることを主目的として使用される成型体(典型的には微多孔膜)である。
【0003】
二次電池用セパレータは、上記のとおり、電池の安全性担保に非常に重要な役割を担っており、機械的強度が高いことや熱収縮率が小さいことが求められる。
熱収縮率の観点からは、例えば、特許文献1において、ポリエチレンパウダーの重合に活性点密度を飽和させた触媒を用いることで、熱収縮率の小さい成型体を得られるポリエチレンパウダーが提案されている。
また、機械的強度の観点からは、例えば、特許文献2において、ポリエチレンパウダーの重合に2種類以上の触媒を用い、その活性点密度を変化させて分子の絡み合いの程度を調整することで、高い機械的強度の微多孔膜を得られるポリエチレンパウダーが提案されている。
なお、ポリエチレンは結晶性高分子であり、ポリエチレンの結晶構造はポリエチレンからなる成型体の物性に寄与することが知られている。このような観点からは、例えば、特許文献3において、リチウムイオン二次電池用微多孔膜の機械的強度を向上させるために、超高分子量ポリエチレンパウダーのラメラの厚みを調整する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/241411号
国際公開第2021/153520号
特許第6868355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポリエチレンパウダーを用いて得られる二次電池用セパレータには、高機械的強度と低熱収縮率の両立が重要である。二次電池用セパレータの機械的強度と熱収縮率は、各々、原料の選定や製膜条件の調整により制御が可能であるが、両者はトレードオフの関係にあり、双方を同時に良好な状態にすることは従来技術において困難である。
例えば、特許文献1に記載のポリエチレンパウダーにより得られる二次電池用セパレータは、熱収縮率が優れているが、機械的強度とのバランスの調整はなされておらず、改善の余地がある。
また、特許文献2に記載のポリエチレンパウダーにより得られる二次電池用セパレータは、機械的強度が優れているが、熱収縮率とのバランスの調整はなされておらず、改善の余地がある。
さらに近年では、二次電池用セパレータの生産効率を上げるため、高速成型の検討が進められている。二次電池用セパレータを高速成型するためには、セパレータの製造工程における延伸工程で延伸速度を高める必要がある。ここで、高い延伸速度はセパレータに高い残留応力を与えるため、セパレータの熱収縮率が悪化する傾向にある。
例えば、特許文献1、2のポリエチレンパウダーでは高速成型した場合の機械的強度と熱収縮率のバランスの調整はなされておらず、改善の余地がある。
また、特許文献3に記載のポリエチレンパウダーは、結晶構造を調整することで、得られる成型体の物性が優れるとされているが、前記ポリエチレンパウダーから得られる微多孔膜の機械的強度と熱収縮率のバランス向上のための調整はなされておらず、また、高速成型した場合の機械的強度と熱収縮率のバランスの調整についても検討されておらず、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高速成型した場合においても機械的強度と熱収縮率のバランスに優れる成型体を得ることのできる、ポリエチレンパウダー等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、ポリエチレンパウダーの極限粘度IV、非晶部厚み及び結晶子サイズを特定の範囲に制御することで、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1]
ISO1628-3(2010)に準拠して測定された極限粘度IVが、1.5dL/g以上15.0dL/g以下であり、
非晶部厚みが、5.3nm以上12.0nm以下であり、
反射法X線回折法により得られる結晶子サイズが、13.9nm以上18.0nm以下である、ポリエチレンパウダー。
[2]
反射法X線回折法により得られる、単斜晶(010面)と斜方晶(110面)の比率が、単斜晶(010)面回折ピーク強度/斜方晶(110)面回折ピーク強度として、1.0以上2.6以下である、[1]に記載のポリエチレンパウダー。
[3]
Ti含有量が、10ppm以下であり、かつ、Al含有量が、20ppm以下である、[1]又は[2]に記載のポリエチレンパウダー。
[4]
篩分法により求められる平均粒子径D
50
が、80μm以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリエチレンパウダー。
[5]
α-オレフィンの含有量が、0.03mol%未満である、[1]~[4]のいずれかに記載のポリエチレンパウダー。
[6]
[1]~[5]のいずれかに記載のポリエチレンパウダーを含む、成型体。
[7]
[6]に記載の成型体を含む、二次電池用セパレータ。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高速成型においても機械的強度と熱収縮率のバランスに優れる成型体を得ることのできる、ポリエチレンパウダー等を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう。)について詳細に説明する。なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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