TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024143415
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056078
出願日2023-03-30
発明の名称窒化物半導体素子及び窒化物半導体素子の製造方法
出願人旭化成株式会社,国立大学法人東海国立大学機構
代理人個人,個人
主分類H01S 5/042 20060101AFI20241003BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】窒化物半導体素子において、クラッド層の劣化抑制とキャリアの注入効率向上を両立する。
【解決手段】窒化物半導体素子は、Alを含む窒化物半導体基板と、窒化物半導体基板上に配置される半導体積層部と、を備えている。半導体積層部は、第1導電型の窒化物半導体を含む第1導電型クラッド層と、第1導電型クラッド層上に配置され、一つ以上の量子井戸を含む窒化物半導体で形成された発光層と、発光層上に配置され、第2導電型のAlを含む窒化物半導体で形成された第2導電型クラッド層と、を有している。第2導電型クラッド層は、第2導電型クラッド層に含まれる炭素または酸素の濃度プロファイルが少なくとも1か所で窒化物半導体基板から遠ざかるにつれて不連続に減少する領域を有している。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
Alを含む窒化物半導体基板と、
前記窒化物半導体基板上に配置される半導体積層部と、
を備え、
前記半導体積層部は、
第1導電型の窒化物半導体を含む第1導電型クラッド層と、
前記第1導電型クラッド層上に配置され、一つ以上の量子井戸を含む窒化物半導体で形成された発光層と、
前記発光層上に配置され、第2導電型のAlを含む窒化物半導体で形成された第2導電型クラッド層と、
を有し、
前記第2導電型クラッド層は、前記第2導電型クラッド層に含まれる炭素または酸素の濃度プロファイルが少なくとも1か所で前記窒化物半導体基板から遠ざかるにつれて不連続に減少する領域を有する
窒化物半導体素子。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記濃度プロファイルが不連続に減少する領域は、前記第2導電型クラッド層の前記窒化物半導体基板側から5nm以上110nm以下の領域に存在する
請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項3】
前記第2導電型クラッド層のうち前記濃度プロファイルが不連続に減少する領域は、Al

Ga
(1-d)
N(0.80≦d≦1.0)で形成されている
請求項1又は2に記載の窒化物半導体素子。
【請求項4】
前記第2導電型クラッド層の前記濃度プロファイルが不連続に減少する領域よりも前記窒化物半導体基板側の領域における前記炭素の濃度は、1×10
17
cm
-3
以上1×10
18
cm
-3
以下である
請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項5】
前記第2導電型クラッド層は、前記濃度プロファイルが不連続に減少する領域よりも前記窒化物半導体基板側の領域における前記酸素の濃度は、1×10
17
cm
-3
以上1×10
18
cm
-3
以下である
請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項6】
前記窒化物半導体基板は、AlN単結晶基板である
請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項7】
前記第1導電型クラッド層は、Al

Ga
(1-a)
N(0.65<a≦0.9)で形成されている
請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項8】
前記第1導電型クラッド層の厚さは、250nm以上800nm以下である、
請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項9】
前記第1導電型クラッド層と前記発光層との間に配置されて、前記発光層へ光を閉じ込める第1導電型導波路層と、
前記第2導電型クラッド層と前記発光層との間に配置されて、前記発光層へ光を閉じ込める第2導電型導波路層と、
を備える、
請求項1に記載の窒化物半導体素子。
【請求項10】
前記第2導電型クラッド層上に配置され、GaNを含む窒化物半導体で形成された第2導電型コンタクト層を備え、
前記第2導電型クラッド層は、Al

Ga
(1-d)
N(0.1≦d≦1)を含み、前記窒化物半導体基板から遠ざかるにつれてAl組成dが小さくなる組成傾斜を有し、膜厚が500nm以下である
請求項1に記載の窒化物半導体素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は窒化物半導体素子及び窒化物半導体素子の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ライトエミッティングダイオード(LED)およびレーザダイオード(LD)等を形成するための材料として窒化物半導体が用いられている。窒化物半導体は、直接遷移の再結合形態を有することから、高い再結合効率および高い光学利得を得ることができる点で、LEDおよびLDのための材料として適している。このような窒化物半導体が用いられたレーザダイオードの一例として、紫外領域での電流注入型のレーザダイオードを発振させる技術が開示されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Zhang et at., Applied Physics Express 12、124003(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したレーザダイオード等の窒化物半導体素子は、キャリア(電子又は正孔)の注入効率を向上させることはできるものの、クラッド層の劣化抑制が十分でなかった。
本開示の目的は、クラッド層の劣化抑制とキャリアの注入効率向上を両立可能な窒化物半導体素子及び窒化物半導体素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本開示の一態様に係る窒化物半導体素子は、Alを含む窒化物半導体基板と、窒化物半導体基板上に配置される半導体積層部と、を備えている。半導体積層部は、第1導電型の窒化物半導体を含む第1導電型クラッド層と、第1導電型クラッド層上に配置され、一つ以上の量子井戸を含む窒化物半導体で形成された発光層と、発光層上に配置され、第2導電型のAlを含む窒化物半導体で形成された第2導電型クラッド層と、を有している。第2導電型クラッド層は、第2導電型クラッド層に含まれる炭素または酸素の濃度プロファイルが少なくとも1か所で前記窒化物半導体基板から遠ざかるにつれて不連続に減少する領域を有している。
【0006】
また、本開示の他の態様に係る窒化物半導体素子の製造方法は、Alを含む窒化物半導体基板上に、第1導電型の窒化物半導体を含む第1導電型クラッド層を形成し、第1導電型クラッド層上に、一つ以上の量子井戸を含む窒化物半導体により発光層を形成し、ウエハ温度が900℃以上1000℃以下であり、リアクタ圧力が15mbar以上350mbar以下の条件で、第2導電型の窒化物半導体を含む第2導電型クラッド層の一部を形成し、ウエハ温度が1030℃以上1100℃以下であり、リアクタ圧力が15mbar以上350mbar以下の条件で第2導電型クラッド層の残りの一部を形成して、窒化物半導体基板上に半導体積層部を形成する。
なお、上述した発明の概要は、本開示にかかる発明の特徴の全てを列挙したものではない。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、クラッド層の劣化抑制とキャリアの注入効率向上を両立可能な窒化物半導体素子及び窒化物半導体素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の実施形態に係る窒化物半導体素子におけるAl組成比の一構成例を示すグラフである。
本開示の実施形態に係る窒化物半導体素子の第2導電型クラッド層上面の構造を示すAFM写真である。
本開示の実施形態に係る窒化物半導体素子の第2導電型クラッド層上面の構造を示すSEM写真である。
従来の窒化物半導体素子の第2導電型クラッド層上面の構造を示すAFM写真である。
本開示の実施形態に係る窒化物半導体素子の一構成例を示す平面模式図である。
本開示の実施形態に係る窒化物半導体素子の一構成例を示す断面模式図である。
本開示の実施形態に係る窒化物半導体素子の一構成例を示す断面模式図である。
本開示の実施形態に係る窒化物半導体素子の一構成例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を通じて本開示に係る窒化物半導体素子を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
また、以下の説明では、「上」及び「下」は、必ずしも地面に対する鉛直方向を意味しない。つまり、「上」及び「下」の方向は、重力方向に限定されない。「上」及び「下」は、面、膜及び基板等における相対的な位置関係を特定する便宜的な表現に過ぎず、本発明の技術的思想を限定するものではない。例えば、紙面を180度回転すれば「上」が「下」に、「下」が「上」になることは勿論である。
【0010】
1.第1の実施形態
本開示の第1の実施形態に係る窒化物半導体素子について説明する。本実施形態に係る窒化物半導体素子は、例えばレーザダイオードである。
以下、窒化物半導体素子がレーザダイオードである場合について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

旭化成株式会社
多層多孔膜
3日前
旭化成株式会社
自動車内装材
12日前
旭化成株式会社
洗浄剤組成物
3日前
旭化成株式会社
畜肉様加工食品
2日前
旭化成株式会社
ポリアミド組成物
16日前
旭化成株式会社
焼結体の製造方法
4日前
旭化成株式会社
紫外線照射モジュール
3日前
旭化成株式会社
多官能ビニル芳香族共重合体
3日前
旭化成株式会社
誘電体及びこれを含む電気部品
2日前
旭化成株式会社
半導体装置、及びその製造方法
12日前
旭化成株式会社
原料液の濃縮方法及び濃縮システム
2日前
旭化成株式会社
鉛蓄電池用セパレータ、および鉛蓄電池
16日前
旭化成株式会社
解析装置、解析方法及び制御プログラム
13日前
旭化成株式会社
セルロースナノファイバーを含む組成物
2日前
旭化成株式会社
リチウムイオン二次電池、及びその充電方法
9日前
旭化成株式会社
射出成形用メタクリル酸メチル共重合体組成物
9日前
旭化成株式会社
真贋判定装置、情報処理方法、およびプログラム
13日前
旭化成株式会社
脱塩素処理装置、脱塩素処理方法及びプログラム
10日前
旭化成株式会社
窒化物半導体素子及び窒化物半導体素子の製造方法
2日前
旭化成株式会社
窒化物半導体素子及び窒化物半導体素子の製造方法
2日前
旭化成株式会社
窒化物半導体素子及び窒化物半導体素子の製造方法
2日前
旭化成株式会社
ガス分離装置、ガス分離方法、及び精製ガスの製造方法
3日前
旭化成株式会社
情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
3日前
旭化成株式会社
水添共重合体、粘着組成物、粘着性フィルム、及び水添共重合体の製造方法
12日前
旭化成株式会社
樹脂組成物、硬化体及びその製造方法、封止剤、接着剤、並びに、解体性接着剤
10日前
旭化成株式会社
蓄電デバイスおよび蓄電デバイス用セパレータ
5日前
旭化成株式会社
複合成型体及びその製造方法、並びに繊維組成物
2日前
旭化成株式会社
難燃レーザーダイレクトストラクチャリング用樹脂組成物、樹脂成形品及び高周波アンテナ関連部材
19日前
旭化成株式会社
ポリアミド組成物及びその製造方法、並びに、成形品
6日前
旭化成株式会社
二酸化炭素還元電解槽、並びに、当該二酸化炭素還元槽を用いる、一酸化炭素の製造方法及びエチレンの製造方法
13日前
旭化成株式会社
カソード、当該カソードを用いる二酸化炭素還元電解槽、並びに、当該二酸化炭素還元槽を用いる、一酸化炭素の製造方法及びエチレンの製造方法
13日前
旭化成株式会社
カソード、当該カソードを用いる二酸化炭素還元電解槽、並びに、当該二酸化炭素還元槽を用いる、一酸化炭素の製造方法及びエチレンの製造方法
13日前
東レ株式会社
多孔性フィルム
6日前
ローム株式会社
磁気部品
13日前
エイブリック株式会社
半導体装置
13日前
オムロン株式会社
電磁継電器
13日前
続きを見る