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公開番号2024138451
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-08
出願番号2024111693,2021087956
出願日2024-07-11,2021-05-25
発明の名称蓄電デバイスおよび蓄電デバイス用セパレータ
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01M 50/489 20210101AFI20241001BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】本発明は、リチウムイオン電池の液枯れによる劣化を抑制することができるポリオレフィン微多孔膜と、それを含むリチウムイオン電池用セパレータ及びリチウムイオン電池とを提供することを目的とする。
【解決手段】プロピレンカーボネートの吸液性試験において長手方向(MD)および幅方向(TD)の吸液高さが、1.0mm以上50mm以下であり、MDおよびTDの引張弾性率が3000kgf/cm2以上である、ポリオレフィン微多孔膜が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セパレータと金属負極との間にイオン伝導層が存在する非水電解液電池用セパレータに用いるポリオレフィン微多孔膜であって、
プロピレンカーボネートの吸液性試験において長手方向(MD)および幅方向(TD)の吸液高さが、1.0mm以上50mm以下である、ポリオレフィン微多孔膜。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
積層型セパレータである、請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
【請求項3】
下記の工程:
(1)容器本体と蓋が絶縁されている蓋付きステンレス金属製容器と非水電解液を準備する工程、
(2)プロピレンカーボネートの吸液性試験において長手方向(MD)および幅方向(TD)の吸液高さが、1.0mm以上50mm以下である、ポリオレフィン微多孔膜をセパレータとして準備する工程、
(3)少なくとも一方向面にイオン伝導層が存在する金属負極を準備する工程、
(4)正極を準備する工程、
(5)金属負極のイオン伝導層とセパレータを対向させて、かつ金属負極、セパレータ、正極の順に重ねた積層体を準備する工程、ならびに
(6)前記積層体を、容器本体と蓋が絶縁されている蓋付きステンレス金属製容器に、金属負極および正極が、それぞれ、容器本体および蓋と接するように収納することによりセルを作製し、前記セルを、減圧下、25℃で10時間乾燥させた後、前記容器内に非水電解液を注入して密閉し、電池を製造する工程
を含む、セパレータと金属負極との間にイオン伝導層が存在する非水電解液電池の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィン微多孔膜、リチウムイオン電池用セパレータ、及びリチウムイオン電池に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン微多孔膜(以下、単に「PO微多孔膜」と略記することがある)は、種々の物質の分離のために、又は選択透過分離膜、隔離材等として広く用いられている。その用途としては、例えば、精密ろ過膜;リチウムイオン電池、ポリマー電解質電池、燃料電池等の電池のセパレータ;コンデンサー用セパレータ;機能材を孔の中に充填させ、新たな機能を出現させるための機能膜の母材等が挙げられる。中でも、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル機器、ノート型パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、デジタルカメラ等に広く使用されているリチウムイオン電池用のセパレータとして、PO微多孔膜が好適に使用されている。
【0003】
従来、リチウムイオン電池では、正極板と負極板との間にセパレータを介在させた発電要素に、電解液を含浸させていた。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解液又はイオンが透過する膜として機能することができる。PO微多孔膜を含むセパレータ、又は負極の改良によって、サイクル特性、エネルギー密度、エネルギー容量、充放電特性などの電池特性を向上させ、電池特性の劣化を抑制することが提案されていた(特許文献1~3)。
【0004】
例えば、特許文献1には、親水性又は親水処理を施したセパレータによって、セパレータと非水電解液との濡れ性に優れ、かつ電池容量と充放電特性に優れた非水電解質二次電池を提供することが記述されている。特許文献2には、二次電池の電池特性の劣化を抑制するという観点から、PO微多孔膜を含むセパレータのホワイトインデックス(白色度)及びジエチルカーボネート浸透性が検討されている。
【0005】
例えば、特許文献3には、Li金属を含む第一の層、及びLi金属と合金形成可能又はLi金属中に拡散可能な一時保護金属から成る第二の層を含む負極活性層による負極の表面処理によって、電池製作を容易にし、かつ電池のサイクル寿命とエネルギー密度を向上させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平6-283153号公報
国際公開第2018/078707号
特表2003-515893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リチウムイオン二次電池では、比較的低温で比較的大きな電流での充電などの条件下、負極板にリチウム(Li)が析出して、この負極板から金属Liがデンドライト(樹枝状結晶)として成長することがある。また、電池においてLiイオンの溶解析出反応が繰り返され、その都度新たな電極表面が形成されるために電解液の還元分解が激しくなることがある。電池の充放電サイクルによる電解液の還元分解とデンドライト形成とが進むにつれて電池内の電解液が消費され、電解液が枯渇し、短絡又は発熱だけでなく、電解液の液枯れも発生させる傾向にある。この傾向は、Li析出し易い充放電機構を伴う電池系、又は高容量化が可能な負極を備える電池系において顕著である。
【0008】
しかしながら、特許文献1及び2に記載のセパレータと特許文献3に記載の負極は、Liデンドライトの形成による電池の液枯れに着目するものではなく、液枯れに起因する電池劣化の抑制について更なる改良の余地がある。
【0009】
したがって、本発明は、リチウムイオン電池の液枯れによる劣化を抑制することができるポリオレフィン微多孔膜と、それを含むリチウムイオン電池用セパレータ及びリチウムイオン電池とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、リチウム(Li)デンドライト形成に起因するリチウムイオン電池の液枯れのメカニズムを解明し、ポリオレフィン微多孔膜又はリチウムイオン電池用セパレータの吸液性試験における吸液高さと、引張弾性率とを特定することにより上記課題を解決し得ることを見出して、本発明を完成させた。本発明の実施形態の例を以下に列記する。
<1> プロピレンカーボネートの吸液性試験において長手方向(MD)および幅方向(TD)の吸液高さが、1.0mm以上50mm以下であり、
MDおよびTDの引張弾性率が3000kgf/cm

以上である、
ポリオレフィン微多孔膜。
<2> 気液法によって算出される孔数が70個/μm

以上、500個/μm

以下である多孔質層を有する、項目1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
<3> 前記多孔質層の窒素ガス吸着試験により測定される細孔直径98nm以下の一点法全細孔容積が、全気孔体積の20%以上、85%以下である、項目2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
<4> 前記ポリオレフィン微多孔膜は、温度25℃、圧力10MPa、及び圧縮時間3分間の条件下での圧縮試験において、圧縮率が35%以下であり、かつ圧縮後気孔率が35%以上である、項目1~3のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
<5> 前記ポリオレフィン微多孔膜の主成分が、ポリエチレンであり、かつ
小角X線散乱(SAXS)法により測定される前記ポリエチレンの結晶長周期が、30.0nm以上である、項目1~4のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
<6> 前記ポリオレフィン微多孔膜の主成分が、ポリエチレンであり、かつ
広角X線散乱(WAXS)により測定される前記ポリエチレンの結晶子サイズが、35.0nm以下である、項目1~5のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
<7> プロピレンカーボネートの吸液性試験においてMDおよびTDの吸液高さが1.0mm以上50mm以下であり、MDおよびTDの引張弾性率が3000kgf/cm

以上であるポリオレフィン微多孔膜をセパレータとして備える、リチウムイオン電池。
<8> 前記セパレータと金属負極との間にイオン伝導層が存在する、項目7に記載のリチウムイオン電池。
<9> 前記イオン伝導層が、無機物から成る、項目7又は8に記載のリチウムイオン電池。
<10> 下記1~4:
1.Liイオン濃度が1.3mol/L以上である;
2.ビスフルオロスルホニルイミド構造を有する電解質塩を含む;
3.水素原子がハロゲン原子で置換されたカーボネートを含む;及び
4.電解液がイオン液体である;
のうちの少なくとも1つを特徴とする電解液を含む、項目7~9のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池。
<11> 項目1~6のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜を前記セパレータとして備える、項目7~10のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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