TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024167047
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2024040134
出願日2024-03-14
発明の名称多孔質膜、多孔質膜の製造方法、多孔質膜を用いた糖化液の製造方法、及び多孔質膜を用いた濾過方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 71/06 20060101AFI20241122BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】3次元網目構造を有し、ある一定以下の孔径分布を有し、欠陥のない多孔質膜、多孔質膜の製造方法、および多孔質膜を用いた糖化液の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】熱可塑性樹脂aを含む多孔質膜であって、該多孔質膜が、少なくとも第1の溶剤、第2の溶剤および酸化防止剤を含み、前記第1の溶剤及び第2の溶剤が、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、オレイン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、リン酸エステル、炭素数6以上30以下の脂肪酸、およびエポキシ化植物油から選択される少なくとも1種であり、前記第2の溶剤が、前記第1の溶剤と異なり、前記酸化防止剤が、0.05質量%以上0.5質量%以下含まれることを特徴とする、多孔質膜である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂を含む多孔質膜であって、
該多孔質膜が、少なくとも第1の溶剤、第2の溶剤および酸化防止剤を含み、
前記第1の溶剤が、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、オレイン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、リン酸エステル、炭素数6以上30以下の脂肪酸、およびエポキシ化植物油から選択される少なくとも1種であり、
前記第2の溶剤が、前記第1の溶剤と異なり、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、オレイン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、リン酸エステル、炭素数6以上30以下の脂肪酸、およびエポキシ化植物油から選択される少なくとも1種であり、
前記酸化防止剤が、0.05質量%以上0.5質量%以下含まれることを特徴とする、多孔質膜。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項3】
前記多孔質膜の孔径分布(P)を、孔径分布(P)=(最大孔径)/(平均孔径)で表した場合に、
P≦2.4 ・・・ (1)
であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項4】
前記多孔質膜の平均孔径が、0.1μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項5】
前記多孔質膜の膜厚が0.1mm以上0.7mm以下であり、
破裂強度が0.5MPa以上であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項6】
前記多孔質膜の一方の表面の開孔率が20%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項7】
前記多孔質膜が中空糸状であり、前記熱可塑性樹脂がフッ化ビニリデン系樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項8】
単一層構造であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項9】
熱可塑性樹脂、少なくとも第1の溶剤、および第2の溶剤を含む多孔質膜の製造方法であって、
前記第1の溶剤が、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、オレイン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、リン酸エステル、炭素数6以上30以下の脂肪酸、およびエポキシ化植物油から選択される少なくとも1種であり、
前記第2の溶剤が、前記第1の溶剤と異なり、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、オレイン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、リン酸エステル、炭素数6以上30以下の脂肪酸、およびエポキシ化植物油から選択される少なくとも1種であり、
前記熱可塑性樹脂、少なくとも第1の溶剤、および第2の溶剤に加えて、さらに、酸化防止剤を混合することを特徴とする、多孔質膜の製造方法。
【請求項10】
前記酸化防止剤が、孔径及び孔径分布調整用であることを特徴とする、請求項9に記載の多孔質膜の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質膜、多孔質膜の製造方法、多孔質膜を用いた糖化液の製造方法、及び多孔質膜を用いた濾過方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
上水処理および下水処理などのように、被処理液体の除濁操作多孔質膜(「多孔性中空糸膜」とも呼ばれる。)を用いた膜濾過法が普及しつつある。そして、該膜濾過法に用いられる多孔質膜の製造方法としては、熱誘起相分離法が知られている。
【0003】
熱誘起相分離法では熱可塑性樹脂と有機液体を用いる。該熱誘起相分離法では、特に有機液体として熱可塑性樹脂を室温では溶解しないが、高温では溶解する溶剤、すなわち潜在的溶剤(貧溶剤)を用いる方法と、貧溶剤に加えて、高温でも熱可塑性樹脂を溶解しない非溶剤との混合溶剤を用いる方法とが知られている。
後者の方法は、熱可塑性樹脂と有機液体とを高温で混練し、熱可塑性樹脂を有機液体に溶解させた後、室温まで冷却することで相分離を誘発させ、更に有機液体を除去して多孔体を製造する方法であり、以下の利点を持つ。
(a)室温で溶解できる適当な溶剤のないポリエチレン等のポリマーでも製膜が可能になる。
(b)非溶剤と貧溶剤の混合溶剤を用いて、高温で溶解したのち冷却固化させて製膜するので、3次元網目構造を有し、耐薬品性、および機械的強度に優れた膜が得られやすい。
【0004】
例えば、特許文献1では、貧溶剤に少なくとも1種の非溶剤を混合することで、高い耐薬品性、および機械的強度を発現する3次元網目構造の多孔性中空糸膜およびその製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2017/155004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の多孔性中空糸膜では、被処理液体の除濁用途として用いた場合に、孔径分布が広いことにより孔径が大きい側で濁質漏れが発生したり、欠陥があるために濁質漏れが発生したりする問題があった。
【0007】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、3次元網目構造を有し、ある一定以下の孔径分布を有し、欠陥のない多孔質膜、該多孔質膜の製造方法、該多孔質膜を使用した糖化液の製造方法、及び該多孔質膜を用いた濾過方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
公知の技術では、熱誘起相分離を用いて、耐薬品性および機械的強度に優れた多孔質膜を作製するために、熱可塑性樹脂を含む原材料に非溶剤および貧溶剤を用いるが、本発明者らは、鋭意検討した結果、非溶剤および貧溶剤(又は良溶剤)に加え、酸化防止剤を添加することで、ある一定以下の孔径分布を有し、欠陥のない多孔質膜、その製造方法、その多孔質膜を用いた糖化液の製造方法、及びその多孔質膜を用いた濾過方法の発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の発明を提供する。
【0010】
[1] 熱可塑性樹脂を含む多孔質膜であって、
該多孔質膜が、少なくとも第1の溶剤、第2の溶剤および酸化防止剤を含み、
前記第1の溶剤が、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、オレイン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、リン酸エステル、炭素数6以上30以下の脂肪酸、およびエポキシ化植物油から選択される少なくとも1種であり、
前記第2の溶剤が、前記第1の溶剤と異なり、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、アセチルクエン酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、オレイン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、リン酸エステル、炭素数6以上30以下の脂肪酸、およびエポキシ化植物油から選択される少なくとも1種であり、
前記酸化防止剤が、0.05質量%以上0.5質量%以下含まれることを特徴とする、多孔質膜。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

旭化成株式会社
電解装置
1か月前
旭化成株式会社
樹脂組成物
23日前
旭化成株式会社
情報処理装置
10日前
旭化成株式会社
窒化物半導体素子
23日前
旭化成株式会社
エポキシ樹脂組成物
1か月前
旭化成株式会社
樹脂組成物及び成形体
23日前
旭化成株式会社
生体電極及びその用途
17日前
旭化成株式会社
ノズルおよびノズル装置
1か月前
旭化成株式会社
光照射装置、及び光処理方法
1か月前
旭化成株式会社
配合組成物、塗料組成物、及び塗膜
10日前
旭化成株式会社
ポリカーボネートポリオール共重合体
1か月前
旭化成株式会社
ポリカーボネートポリオール共重合体
1か月前
旭化成株式会社
セルロースナノファイバーを含むゴム組成物
3日前
旭化成株式会社
蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス
25日前
旭化成株式会社
固体電解質層、固体二次電池、及びその製造方法
1か月前
旭化成株式会社
ポリイソシアネート組成物、樹脂組成物及び硬化膜
1か月前
旭化成株式会社
ポリマー処理装置、プログラム及びポリマー処理方法
1か月前
旭化成株式会社
発酵状態管理システム、発酵状態管理方法及びプログラム
24日前
旭化成株式会社
硬化性組成物、硬化性組成物の硬化物、及び硬化物の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
ネガ型感光性樹脂組成物及び硬化レリーフパターンの製造方法
10日前
旭化成株式会社
ポリウレタン弾性繊維、並びにそれを含む布帛、及び衛生材料
10日前
旭化成株式会社
接着層用組成物、接着層、接着層付きセパレーター及び二次電池
3日前
旭化成株式会社
成形体、電子機器用シールド筐体及び電子機器用シールドプレート
23日前
旭化成株式会社
感光性樹脂組成物
24日前
旭化成株式会社
ポリイソシアネート組成物、接着性樹脂組成物及び接着性樹脂硬化物
23日前
旭化成株式会社
感光性樹脂組成物、転写フィルム、パターンの形成方法、及び硬化物
10日前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物、成形品、及びポリアミド樹脂組成物の製造方法
2日前
旭化成株式会社
ヘッドマウントディスプレイ
25日前
旭化成株式会社
ブロックポリイソシアネート組成物、樹脂組成物、樹脂硬化膜及び塗料硬化膜
1か月前
旭化成株式会社
微細セルロース繊維及び樹脂複合体
10日前
旭化成株式会社
エアバッグ用基布及びその製造方法
1か月前
旭化成株式会社
二酸化炭素吸着材、二酸化炭素の吸着・分離・回収用モジュール及び直接空気回収方法
1か月前
旭化成株式会社
多孔質膜、多孔質膜の製造方法、多孔質膜を用いた糖化液の製造方法、及び多孔質膜を用いた濾過方法
2日前
旭化成株式会社
ネガ型感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた硬化レリーフパターンの製造方法、硬化膜及び層間絶縁膜
4日前
旭化成株式会社
ゴム改質用マスターバッチ、及び低分岐共役ジエン系重合体組成物
16日前
旭化成株式会社
ポリフェニレンエーテル、その製造方法、熱硬化組成物、プリプレグ、及び積層体
1か月前
続きを見る