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公開番号2024171671
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023088811
出願日2023-05-30
発明の名称電解装置
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C25B 9/00 20210101AFI20241205BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】変動電力を用いて電気分解を行ってガスを生成する際、効率良くガスを生成する。
【解決手段】本開示に係る電解装置10は、電流が供給されることによって分解されてガスを発生させる液体を収容する複数の電解槽11-1~11-nと、複数の電解槽11-1~11-nのそれぞれに設置され複数の電解槽11-1~11-nのそれぞれに電流を供給する複数の整流器12-1~12-nと、複数の整流器12-1~12-nが複数の電解槽11-1~11-nに供給する電流の分配量を制御する制御部16と、を備える。制御部16は、複数の電解槽11-1~11-nの全体に供給する電力を指示する電力指令を取得し、電力指令に基づいて、複数の電解槽11-1~11-nが発生するガスの発生量の総和が最大になるように電流の分配量を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電流が供給されることによって分解されてガスを発生させる液体を収容する複数の電解槽と、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれに電流を供給する複数の整流器と、
前記複数の整流器が前記複数の電解槽に供給する電流の分配量を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の電解槽の全体に供給する電力を指示する電力指令を取得し、
前記電力指令に基づいて、前記複数の電解槽が発生する前記ガスの発生量の総和が最大になるように前記電流の分配量を制御する、電解装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電解装置において、
前記電力指令が指示する前記電力は、時間とともに変動する電力である、電解装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電解装置において、
前記電力指令が指示する前記電力は、再生可能エネルギーによる発電量に依存して時間とともに変動する電力である、電解装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれについて温度ごとの電流-電圧特性を格納している記憶部と、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの温度を検出する複数の温度センサと、
をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の温度センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの温度に対応する前記電流-電圧特性を前記記憶部から読み出し、読み出した前記複数の電解槽の前記電流-電圧特性に基づいて前記電流の分配量を制御する、電解装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電解装置において、
前記制御部は、前記電力指令と、前記複数の電解槽の前記電流-電圧特性とに基づいて、前記ガスの発生量の総和が最大になるように非線形計画問題を解いて前記電流の分配量を制御する、電解装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電解装置において、
前記制御部は、逐次2次計画法、ペナルティ関数法、拡張ラグランジュ関数法及び内点法のいずれかを用いて前記非線形計画問題を解く、電解装置。
【請求項7】
請求項1に記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの電圧を検出する複数の電圧センサをさらに備え、
前記制御部は、
前記複数の電圧センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの電圧と、前記電力指令とに基づいて、前記複数の電解槽に供給する電流の総和を算出し、
前記電流の総和と、前記電解槽の許容電流値の下限値とに基づいて、前記複数の電解槽のうち電流を供給する電解槽の個数を算出する、電解装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれについて温度ごとの電流-電圧特性を格納している記憶部と、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの温度を検出する複数の温度センサと、
をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の温度センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの温度に対応する前記電流-電圧特性を前記記憶部から読み出し、読み出した前記複数の電解槽の前記電流-電圧特性と、前記複数の電解槽のうち電流を供給する電解槽の個数とに基づいて、前記複数の電解槽のうちどの電解槽に電流を供給するかを選択する、電解装置。
【請求項9】
請求項4に記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの電圧を検出する複数の電圧センサをさらに備え、
前記制御部は、前記電圧センサが検出した電圧と、前記記憶部から読み出した前記電流-電圧特性から算出される、前記電流の分配量に応じた前記電解槽の電圧の推定値との差分に基づいて、前記記憶部が格納している前記電流-電圧特性を更新する、電解装置。
【請求項10】
請求項1に記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの電流を検出する複数の電流センサと、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの電圧を検出する複数の電圧センサと、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記複数の電流センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの電流と、前記複数の電圧センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの電圧とに基づいて、前記複数の電解槽の使用電力の総和の実績値を算出し、
前記電力指令と前記実績値との差分に基づいて、前記差分を補償するように前記電流の分配量を制御する、電解装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電解装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、水を電気分解して水素及び酸素を発生させる電解装置が知られている。通常、電解装置は電解槽を備え、電解槽において水を電気分解する。大型の電解装置においては、複数の電解槽を同時に動作させて、大量の水素を発生させることが多い。
【0003】
例えば特許文献1は、複数のセルスタック(電解槽)を備え、各セルスタックに作用する電圧及び電流が所定範囲内となるようにセルスタックの使用数を選定する水素製造設備を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-126792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
太陽光及び風力のような再生可能エネルギーによって発電された電力を用いて水を電気分解すると、二酸化炭素の排出を低減して水素を生成することができる。
【0006】
再生可能エネルギーによって発電される電力は、時間とともに変動する電力である。このような変動電力を用いて電気分解を行って水素などのようなガスを生成する際、効率良くガスを生成することが望ましい。
【0007】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、変動電力を用いて電気分解を行ってガスを生成する際、効率良くガスを生成することを可能とする電解装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
電流が供給されることによって分解されてガスを発生させる液体を収容する複数の電解槽と、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれに電流を供給する複数の整流器と、
前記複数の整流器が前記複数の電解槽に供給する電流の分配量を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の電解槽の全体に供給する電力を指示する電力指令を取得し、
前記電力指令に基づいて、前記複数の電解槽が発生する前記ガスの発生量の総和が最大になるように前記電流の分配量を制御する、電解装置。
[2]
[1]に記載の電解装置において、
前記電力指令が指示する前記電力は、時間とともに変動する電力である、電解装置。
[3]
[1]又は[2]に記載の電解装置において、
前記電力指令が指示する前記電力は、再生可能エネルギーによる発電量に依存して時間とともに変動する電力である、電解装置。
[4]
[1]から[3]のいずれかに記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれについて温度ごとの電流-電圧特性を格納している記憶部と、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの温度を検出する複数の温度センサと、
をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の温度センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの温度に対応する前記電流-電圧特性を前記記憶部から読み出し、読み出した前記複数の電解槽の前記電流-電圧特性に基づいて前記電流の分配量を制御する、電解装置。
[5]
[1]から[4]のいずれかに記載の電解装置において、
前記制御部は、前記電力指令と、前記複数の電解槽の前記電流-電圧特性とに基づいて、前記ガスの発生量の総和が最大になるように非線形計画問題を解いて前記電流の分配量を制御する、電解装置。
[6]
[1]から[5]のいずれかに記載の電解装置において、
前記制御部は、逐次2次計画法、ペナルティ関数法、拡張ラグランジュ関数法及び内点法のいずれかを用いて前記非線形計画問題を解く、電解装置。
[7]
[1]から[6]のいずれかに記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの電圧を検出する複数の電圧センサをさらに備え、
前記制御部は、
前記複数の電圧センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの電圧と、前記電力指令とに基づいて、前記複数の電解槽に供給する電流の総和を算出し、
前記電流の総和と、前記電解槽の許容電流値の下限値とに基づいて、前記複数の電解槽のうち電流を供給する電解槽の個数を算出する、電解装置。
[8]
[1]から[7]のいずれかに記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれについて温度ごとの電流-電圧特性を格納している記憶部と、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの温度を検出する複数の温度センサと、
をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の温度センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの温度に対応する前記電流-電圧特性を前記記憶部から読み出し、読み出した前記複数の電解槽の前記電流-電圧特性と、前記複数の電解槽のうち電流を供給する電解槽の個数とに基づいて、前記複数の電解槽のうちどの電解槽に電流を供給するかを選択する、電解装置。
[9]
[1]から[8]のいずれかに記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの電圧を検出する複数の電圧センサをさらに備え、
前記制御部は、前記電圧センサが検出した電圧と、前記記憶部から読み出した前記電流-電圧特性から算出される、前記電流の分配量に応じた前記電解槽の電圧の推定値との差分に基づいて、前記記憶部が格納している前記電流-電圧特性を更新する、電解装置。
[10]
[1]から[9]のいずれかに記載の電解装置において、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの電流を検出する複数の電流センサと、
前記複数の電解槽のそれぞれに設置され前記複数の電解槽のそれぞれの電圧を検出する複数の電圧センサと、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記複数の電流センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの電流と、前記複数の電圧センサが検出した前記複数の電解槽のそれぞれの電圧とに基づいて、前記複数の電解槽の使用電力の総和の実績値を算出し、
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る電解装置によれば、変動電力を用いて電気分解を行ってガスを生成する際、効率良くガスを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一実施形態に係る電解装置の概略構成図である。
電解槽の電流-電圧特性の一例を示す図である。
一実施形態に係る電解装置の動作の一例を示すフローチャートである。
電解槽の個数が2個である場合の電流-電圧特性の一例を示す図である。
電解槽の個数が2個である場合の水素製造量の最大化の一例を示す図である。
電解槽を選択する動作の一例を示すフローチャートである。
電解槽の電流-電圧特性を更新する動作の一例を示すフローチャートである。
電解槽の電流-電圧特性を更新する様子を模式的に示す図である。
電力指令と使用電力の実績値との差分を補償する動作を示す概念図である。
変形例に係る電解装置の概略構成図である。
変形例に係る電解装置の動作の一例を示すフローチャートである。
電解槽の個数が2個である場合の電流-電圧特性の一例を示す図である。
電解槽の個数が2個である場合の使用電力量の最小化の一例を示す図である。
ガス製造指令とガス製造量の実績値との差分を補償する動作を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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