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公開番号2024168252
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023084758
出願日2023-05-23
発明の名称ポリアミド組成物及び成形品
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 77/06 20060101AFI20241128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】吸湿時の剛性低下抑制と塗装性に優れるポリアミド組成物、及び、ポリアミド組成物を成形してなる成形品を提供すること。
【解決手段】ポリアミドと、酸変性エラストマーと、を含むポリアミド組成物であって、ポリアミドは、ジカルボン酸単位を含み、ジカルボン酸単位の総モル量に対する芳香族ジカルボン酸単位の含有率が50mol%より多く、ポリマー単位のC/N比が、6.0より大きく8.0より小さく、JIS-K7121に準じた示差走査熱量測定において、ポリアミド組成物の融解ピーク温度が、310℃以上であり、酸変性エラストマーの量が、ポリアミド組成物100質量%に対して、6質量%未満である、ポリアミド組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミドと、
酸変性エラストマーと、
を含むポリアミド組成物であって、
前記ポリアミドは、ジカルボン酸単位を含み、
前記ジカルボン酸単位の総モル量に対する芳香族ジカルボン酸単位の含有率が50mol%より多く、
ポリマー単位のC/N比が、6.0より大きく8.0より小さく、
JIS-K7121に準じた示差走査熱量測定において、前記ポリアミド組成物の融解ピーク温度が、310℃以上であり、
前記酸変性エラストマーの量が、前記ポリアミド組成物100質量%に対して、6質量%未満である、ポリアミド組成物。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記ポリアミドが、ジアミン単位を含み、当該ジアミン単位の炭素数が4~6である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項3】
前記ジアミン単位が、テトラメチレンジアミン単位を含む、請求項2に記載のポリアミド組成物。
【請求項4】
前記芳香族ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項5】
前記ジカルボン酸単位の総モル量に対する、前記テレフタル酸単位の含有率が、90~100mol%である請求項4に記載のポリアミド組成物。
【請求項6】
充填材をさらに含み、前記充填材が、繊維状充填材である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項7】
充填材をさらに含み、前記充填材が、ガラス繊維または炭素繊維である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項8】
充填材をさらに含み、前記充填材が、炭素繊維である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項9】
前記融解ピーク温度が、325℃以上である、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を成形してなる成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド組成物及び成形品に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自転車部品など強度の求められるスポーツ用品には金属部品が用いられてきた。しかし近年、軽量化を目的とした金属代替部品として、力学特性の高いポリアミドが広く用いられている。
【0003】
スポーツ用品としては自転車部品に限らず、ラケット、スピニングリールなどの用途が知られている。これらの用途での部品は、製造後、ユーザーに渡るまで、運搬等により数週間~数か月の時間を要することに加え、特にスピニングリールなどの水回りでの用途では多湿な環境に曝される。
【0004】
一般的にポリアミドは、親水性のアミド基を有するため吸湿しやすく、これにより剛性が低下することが知られている。このため、低吸水化を目的として長鎖や芳香環骨格を含む骨格を用いるといった工夫がされている(特許文献1、2)。
【0005】
一方、スポーツ用品には意匠性も重視されるため塗装を施されることがあるが、部品に使用される樹脂の親水性が高いほど、溶剤が表面に馴染みやすくなるため塗装性が良いとされている。このため、吸湿性が低い長鎖骨格のポリアミドは塗装性が悪く、吸湿状態での剛性保持と良好な塗装性の両立が課題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第672065号公報
特開2009-215514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に多湿環境で使用される場合、耐熱性が不要なため、融点が低くてもアミド基濃度が低い長鎖骨格のポリアミドが用いられてきた。また、芳香族骨格を有するポリアミドは芳香族に由来した疎水性により吸湿性が低いことが知られていた。しかし、短鎖骨格を有するポリアミドは長鎖骨格を有するポリアミドに比べて吸湿性が高く、吸湿時の物性はより低くなる傾向にあった。
【0008】
そこで、本発明は、吸湿時の剛性低下抑制と塗装性に優れるポリアミド組成物、及び、ポリアミド組成物を成形してなる成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、短鎖骨格を有することでアミド基濃度が高く、芳香族骨格を有する高融点ポリアミドに、酸変性エラストマーを少量添加することで吸湿時の剛性低下を抑制できることを見出した。また、アミド基濃度が高く適度に吸湿することで、長鎖骨格ポリアミドの課題であった塗装性が良好となり、吸湿状態での剛性保持と良好な塗装性を両立できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1]
ポリアミドと、
酸変性エラストマーと、
を含むポリアミド組成物であって、
前記ポリアミドは、ジカルボン酸単位を含み、
前記ジカルボン酸単位の総モル量に対する芳香族ジカルボン酸単位の含有率が50mol%より多く、
ポリマー単位のC/N比が、6.0より大きく8.0より小さく、
JIS-K7121に準じた示差走査熱量測定において、前記ポリアミド組成物の融解ピーク温度が、310℃以上であり、
前記酸変性エラストマーの量が、前記ポリアミド組成物100質量%に対して、6質量%未満である、ポリアミド組成物。
[2]
前記ポリアミドが、ジアミン単位を含み、当該ジアミン単位の炭素数が4~6である、[1]に記載のポリアミド組成物。
[3]
前記ジアミン単位が、テトラメチレンジアミン単位を含む、[2]に記載のポリアミド組成物。
[4]
前記芳香族ジカルボン酸単位がテレフタル酸単位である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリアミド組成物。
[5]
前記ジカルボン酸単位の総モル量に対する、前記テレフタル酸単位の含有率が、90~100mol%である[4]に記載のポリアミド組成物。
[6]
充填材をさらに含み、前記充填材が、繊維状充填材である、[1]~[5]のいずれかに記載のポリアミド組成物。
[7]
充填材をさらに含み、前記充填材が、ガラス繊維または炭素繊維である、[1]~[6]のいずれかに記載のポリアミド組成物。
[8]
充填材をさらに含み、前記充填材が、炭素繊維である、[1]~[7]のいずれかに記載のポリアミド組成物。
[9]
前記融解ピーク温度が、325℃以上である、[1]~[8]のいずれかに記載のポリアミド組成物。
[10]
[1]~[9]のいずれかに記載のポリアミド組成物を成形してなる成形品。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリアミド組成物によれば、成形品としたときの吸湿時の剛性低下抑制と塗装性に優れる。本発明の成形品によれば、吸湿時の剛性低下抑制と塗装性に優れる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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