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公開番号2024158243
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073274
出願日2023-04-27
発明の名称ポリイソシアネート組成物、接着性樹脂組成物及び接着性樹脂硬化物
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08G 18/02 20060101AFI20241031BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】接着強度に優れ、且つ耐久性に優れるポリイソシアネート組成物、それを用いた接着性樹脂組成物及び接着性樹脂硬化物の提供。
【解決手段】脂肪族ジイソシアネートと脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種以上から誘導されるポリイソシアネートを含み、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート組成物であって、前記ポリイソシアネートは、式(I)で表される値が31以上55以下であり、前記ポリイソシアネートは重量平均分子量が500以上1200以下である、ポリイソシアネート組成物。[B/(A+B)]×100 ・・・(I)
(式(I)中、Aは前記脂肪族ジイソシアネートに由来する構成成分の重量であり、Bは前記脂環族ジイソシアネートに由来する構成成分の重量である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
脂肪族ジイソシアネートと脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種以上から誘導されるポリイソシアネートを含み、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート組成物であって、
前記ポリイソシアネートは、下記式(I)で表される値が31以上55以下であり、
前記ポリイソシアネートは重量平均分子量が500以上1200以下である、ポリイソシアネート組成物。
[B/(A+B)]×100 ・・・(I)
(式(I)中、Aは前記脂肪族ジイソシアネートに由来する構成成分の重量であり、Bは前記脂環族ジイソシアネートに由来する構成成分の重量である。)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ポリイソシアネート組成物は平均イソシアネート基数が2.6以上3.8以下である、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項3】
前記ポリイソシアネート組成物は、溶剤を含まない状態におけるイソシアネート基の含有率が19.3質量%以上である、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項4】
前記脂環族ジイソシアネートがイソホロンジイソシアネートである、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項5】
前記ポリイソシアネート組成物が、イソシアヌレート基以外にウレタン基、アロファネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基のいずれか1種以上を含み、以下の式(II)で表される値が0.70以上である、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
c/(c+d+e+f+g+h) ・・・(II)
(式(II)中、cはイソシアヌレート基のモル数であり、dはウレタン基のモル数であり、eはアロファネート基のモル数であり、fはウレア基のモル数であり、gはビウレット基のモル数であり、hはウレトジオン基のモル数である。)
【請求項6】
前記ポリイソシアネート組成物は25℃における粘度が20000mPa・s以下である、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項7】
前記ポリイソシアネート組成物の固形分が60%以上である、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項8】
前記ポリイソシアネート組成物は、25℃環境下における樹脂硬化膜のケーニッヒ硬度が110回以上である、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。ただし、前記樹脂硬化膜は、前記ポリイソシアネート組成物をガラス上に塗工し、23℃で168時間養生した、膜厚が40μmの樹脂硬化膜である。
【請求項9】
請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物と架橋性官能基含有化合物を含む、接着性樹脂組成物。
【請求項10】
前記接着性樹脂組成物は、23℃環境下における硬化物1のケーニッヒ硬度が140回以上である、請求項9に記載の接着性樹脂組成物。ただし、前記硬化物1は、前記接着性樹脂組成物をガラス上に塗工し、80℃で30分加熱後、23℃で168時間養生した、膜厚が40μmの接着性樹脂硬化物である。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイソシアネート組成物、接着性樹脂組成物及び接着性樹脂硬化物に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、金属やプラスチック同士及び異種材料の接着にリベットやボルトの代替として接着剤が普及してきている。このような分野で使用される接着剤には、長期の耐久性や耐熱性を有し、尚且つ高接着強度を達成可能な接着剤が求められている。また、電化製品、ディスプレイ、自動車等、我々を支える日常製品は高機能化し、より高強度、高性能且つ、高耐熱、高耐久なものが求められてきている。
【0003】
例えばウレタン結合を有する接着剤は、柔軟性が高く耐衝撃性に優れるという特徴があるため、弾性接着剤とよばれ35%以上伸びる接着剤に利用させている(例えば特許文献1)。
【0004】
しかしながら、ウレタン結合を有する接着剤は、接着剤自体を硬化させた膜の破断強度が2-6MPa程度であり、一般的なエポキシ接着剤が数10MPaであるのに対し、強度に関しては劣る。そのため、ウレタンの弾性とエポキシ接着剤の高強度の両方を兼ね備える接着剤が求められる。
しかしながら、エポキシ接着剤と同じレベルの高強度を有するウレタン結合を有する接着剤これまで存在しなかった。
【0005】
塗料においては、速乾性向上目的に脂環族イソシアネートを含有するものが見られたが、接着力や塗膜強度の観点からの検討はなされていない(例えば特許文献2)。一般的に脂環族イソシアネートを用いると樹脂硬化物が硬くなることは知られているが一方でもろくなったしまうため、その使用は限定的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平03-084159号公報
国際公開第2005/082966号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
接着剤の利用分野が拡大する状況下において、接着強度に優れ、且つ耐久性に優れる、ポリイソシアネート組成物、それを用いた接着性樹脂組成物及び接着性樹脂硬化物が求められている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、接着強度に優れ、且つ耐久性及び耐熱性に優れるポリイソシアネート組成物、それを用いた接着性樹脂組成物及び接着性樹脂硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1]脂肪族ジイソシアネートと脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種以上から誘導されるポリイソシアネートを含み、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート組成物であって、前記ポリイソシアネートは、下記式(I)で表される値が31以上55以下であり、前記ポリイソシアネートは重量平均分子量が500以上1200以下である、ポリイソシアネート組成物。
[B/(A+B)]×100 ・・・(I)
(式(I)中、Aは前記脂肪族ジイソシアネートに由来する構成成分の重量であり、Bは前記脂環族ジイソシアネートに由来する構成成分の重量である。)
[2]前記ポリイソシアネート組成物は平均イソシアネート基数が2.6以上3.8以下である、[1]に記載のポリイソシアネート組成物。
[3]前記ポリイソシアネート組成物は、溶剤を含まない状態におけるイソシアネート基の含有率が19.3質量%以上である、[1]又は[2]に記載のポリイソシアネート組成物。
[4]前記脂環族ジイソシアネートがイソホロンジイソシアネートである、[1]~[3]のいずれか1つに記載のポリイソシアネート組成物。
[5]前記ポリイソシアネート組成物が、イソシアヌレート基以外にウレタン基、アロファネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基のいずれか1種以上を含み、以下の式(II)で表される値が0.70以上である、[1]~[4]のいずれか1つに記載のポリイソシアネート組成物。
c/(c+d+e+f+g+h) ・・・(II)
(式(II)中、cはイソシアヌレート基のモル数であり、dはウレタン基のモル数であり、eはアロファネート基のモル数であり、fはウレア基のモル数であり、gはビウレット基のモル数であり、hはウレトジオン基のモル数である。)
[6]前記ポリイソシアネート組成物は25℃における粘度が20000mPa・s以下である、[1]~[5]のいずれか1つに記載のポリイソシアネート組成物。
[7]前記ポリイソシアネート組成物の固形分が60%以上である、[1]~[6]のいずれか1つに記載のポリイソシアネート組成物。
[8]前記ポリイソシアネート組成物は、23℃環境下における樹脂硬化膜のケーニッヒ硬度が110回以上である、[1]~[7]のいずれか1つに記載のポリイソシアネート組成物。ただし、前記樹脂硬化膜は、前記ポリイソシアネート組成物をガラス上に塗工し、23℃で168時間養生した、膜厚が40μmの樹脂硬化膜である。
[9][1]~[8]のいずれか1つに記載のポリイソシアネート組成物と架橋性官能基含有化合物を含む、接着性樹脂組成物。
[10]前記接着性樹脂組成物は、23℃環境下における硬化物1のケーニッヒ硬度が140回以上である、[9]に記載の接着性樹脂組成物。ただし、前記硬化物1は、前記接着性樹脂組成物をガラス上に塗工し、80℃で30分加熱後、23℃で168時間養生した、膜厚が40μmの接着性樹脂硬化物である。
[11]前記接着性樹脂組成物は、チャック間距離20mm、剥離速度20mm/minでの23℃環境下における硬化物2の引張強度が62MPa以上ある、[9]又は[10]に記載の接着性樹脂組成物。ただし、前記硬化物2は、前記接着性樹脂組成物を剥離フィルム上に厚みが40μmとなるよう塗工し、80℃で30分加熱後、23℃で168時間硬化させた接着性樹脂硬化物である。
[12]前記接着性樹脂組成物は、チャック間距離20mm、剥離速度20mm/minでの60℃環境下におけるTgが0℃以上の架橋性官能基含有化合物を用いて作製した硬化物2の引張強度が26MPa以上ある、[9]~[11]のいずれか1つに記載の接着性樹脂組成物。ただし、前記硬化物2は、前記接着性樹脂組成物を剥離フィルム上に厚みが40μmとなるよう塗工し、80℃で30分加熱後、23℃で168時間硬化させた接着性樹脂硬化物である。
[13]前記接着性樹脂組成物は、チャック間距離20mm、剥離速度20mm/minでの60℃環境下における、Tgが0℃以上の架橋性官能基含有化合物を用いて作製した硬化物2の引張試験の伸び率が7%以上である、[9]~[12]のいずれか1つに記載の接着性樹脂組成物。ただし、前記硬化物2は、前記接着性樹脂組成物を剥離フィルム上に厚みが40μmとなるよう塗工し、80℃で30分加熱後、23℃で168時間硬化させた接着性樹脂硬化物である。
[14]前記接着性樹脂組成物は、以下の条件で製造した試験片の試験速度50mm/minで測定したせん断接着強度が19MPa以上である、[9]~[13]のいずれか1つに記載の接着性樹脂組成物。
[試験片の製造条件]
20mm幅×100mm長さの2枚の電着板を、前記接着性樹脂組成物を使用して貼り合わせる。この時、2枚の電着板の接着面積は5mm×20mmとする。貼り合わせ後、80℃で30分加熱後、23℃で336時間養生し、試験片を製造する。
[15]前記接着性樹脂組成物はシランカップリング剤を含み、前記接着性樹脂組成物の全固形分100質量部に対する前記シランカップリング剤の配合量は0.01重量部以上5.0重量部以下である、[9]~[14]のいずれか1つに記載の接着性樹脂組成物。
[16]前記架橋性官能基含有化合物は水酸基、カルボキシ基、アミノ基の少なくとも1種以上の官能基を含み、且つガラス転移温度が0℃以上100℃以下の化合物である、[9]~[15]のいずれか1つに記載の接着性樹脂組成物。
[17][1]~[8]のいずれか1つに記載のポリイソシアネート組成物と架橋性官能基含有化合物を含む、接着性樹脂硬化物。
[18]ゲル分率が90%以上である、[17]に記載の接着性樹脂硬化物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接着強度に優れ、且つ耐久性及び耐熱性に優れるポリイソシアネート組成物、それを用いた接着性樹脂組成物及び接着性樹脂硬化物を提供することができる。
本発明において、接着強度に優れることは、ポリイソシアネート組成物から形成した樹脂硬化膜のケーニッヒ硬度、ポリイソシアネート組成物を含む接着性樹脂組成物から形成した硬化物のゲル分率、ケーニッヒ硬度、23℃における引張強度、23℃における伸び率、60℃における引張強度及びせん断接着強度により評価する。また、耐熱性の評価には、60℃環境下での引張強度の結果を簡易評価として採用する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
なお、本明細書において、「ポリオール」とは、一分子中に2つ以上のヒドロキシ基(-OH)を有する化合物を意味する。
また、本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基(-NCO)を有する単量体化合物が複数結合した反応物を意味する。
また、本明細書において、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」は、メタクリルとアクリルとを包含し、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートとアクリレートとを包含するものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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