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公開番号2024132888
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2024016424
出願日2024-02-06
発明の名称水添共重合体、粘着組成物、粘着性フィルム、及び水添共重合体の製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 53/02 20060101AFI20240920BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】粘着性、糊残り性に優れ、フィルム成膜性に優れた水添共重合体、前記水添共重合体を含有する粘着組成物、及び粘着性フィルムを提供する。
【解決手段】ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とを有する共重合体の水添物である水添共重合体(A)と、ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とを有する共重合体の水添物である水添共重合体(B)を含み、前記(A)及び(B)が、それぞれ所定の条件を満たす、水添共重合体(X)。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とを有する共重合体の水添物である水添共重合体(A)と、
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とを有する共重合体の水添物である水添共重合体(B)とを含み、
下記<条件(1)~(9)>を満たす、水添共重合体(X)。
<条件(1)>:
前記水添共重合体(A)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(BS1)と、
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック、又は共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とからなるランダム共重合体ブロックとを有しており、
前記水添共重合体(A)中の全ビニル芳香族単量体単位(TS1)の含有量が10~40質量%であり、
前記水添共重合体(A)中の前記重合体ブロック(BS1)の含有量が10~30質量%である。
<条件(2)>:
前記水添共重合体(A)の数平均分子量(Mn1)が3,000~35,000である。
<条件(3)>:
前記水添共重合体(B)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(BS2)を少なくとも一つと、
共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とからなるランダム共重合体ブロックを少なくとも一つ有しており、
前記水添共重合体(B)中の全ビニル芳香族単量体単位(TS2)の含有量が15~40質量%であり、
前記水添共重合体(B)中の前記重合体ブロック(BS2)の含有量が10~30質量%である。
<条件(4)>:
前記水添共重合体(B)の数平均分子量(Mn2)が130,000~300,000である。
<条件(5)>:
前記水添共重合体(A)中の共役ジエン化合物に由来する水添前のビニル結合量(Va)、及び前記水添共重合体(B)中の共役ジエン化合物に由来する水添前のビニル結合量(Vb)が50~90質量%である。
<条件(6)>:
前記水添共重合体(A)の前記ビニル結合量(Va)と、前記水添共重合体(B)の前記ビニル結合量(Vb)との差が、±20(絶対値が20)質量%以下である。
<条件(7)>:
前記水添共重合体(A)の数平均分子量(Mn1)に対する、前記水添共重合体(B)の数平均分子量(Mn2)の比(Mn2/Mn1)が10以上である。
<条件(8)>:
前記水添共重合体(A)の共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の水添率(Ha)、及び前記水添共重合体(B)の共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の水添率(Hb)が70%以上である。
<条件(9)>:
前記水添共重合体(A)の含有量と、前記水添共重合体(B)の含有量の質量比(A)/(B)が10/90~50/50である。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記水添共重合体(A)の数平均分子量(Mn1)が5,000~15,000である、
請求項1に記載の水添共重合体(X)。
【請求項3】
前記ビニル結合量(Va)及び前記ビニル結合量(Vb)が60~85質量%であり、
前記水添共重合体(A)、及び前記水添共重合体(B)の共役ジエン化合物由来の不飽和二重結合の水添率が85%以上である、
請求項1に記載の水添共重合体(X)。
【請求項4】
前記水添共重合体(A)のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(BS1)の分子量(MnS1)と、前記水添共重合体(B)のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(BS2)の分子量(MnS2)との比(MnS1/MnS2)が、0.05~0.5である、
請求項1に記載の水添共重合体(X)。
(MnS1及びMnS2は下記の方法で算出する。
MnS1=Mn1×BS1
MnS2=Mn2×BS2÷f
BS1:プロトン核磁気共鳴(
1
H-NMR)によって求めた前記水添共重合体(A)のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの含有量
BS2:プロトン核磁気共鳴(
1
H-NMR)によって求めた前記水添共重合体(B)のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの含有量
f:粘度検出器付きGPC-光散乱法測定法によって求めた水添共重合体(B)の分岐度)
【請求項5】
前記水添共重合体(B)の数平均分子量(Mn2)が150,000~250,000である、
請求項1に記載の水添共重合体(X)。
【請求項6】
前記水添共重合体(A)の数平均分子量(Mn1)に対する前記水添共重合体(B)の数平均分子量(Mn2)の比(Mn2/Mn1)が15以上である、
請求項1に記載の水添共重合体(X)。
【請求項7】
前記水添共重合体(A)の含有量と、
前記水添共重合体(B)の含有量との質量比(A)/(B)が、
25/75~50/50である、
請求項1に記載の水添共重合体(X)。
【請求項8】
前記水添共重合体(A)と、前記水添共重合体(B)が、
下記<条件(10)~(11)>を全て満たす、
請求項1に記載の水添共重合体(X)。
<条件(10)>:
前記水添共重合体(A)が、一般構造式:a-b又は、a-cで表されるブロック共重合体である。
<条件(11)>:
前記水添共重合体(B)が、一般構造式:d-e-d-a-b又は、d-e-d-a-cで表されるブロック共重合体である。
(前記一般構造式中、a及びdはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、b及びeはビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位からなるランダム共重合体ブロックであり、cが共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックである。)
【請求項9】
前記水添共重合体(A)と、前記水添共重合体(B)の一般構造式が、
下記(ア)又は(イ)である、
請求項1に記載の水添共重合体(X)。
(ア):前記水添共重合体(A)が、一般構造式:a-bで表され、かつ、前記水添共重合体(B)が、一般構造式:d-e-d-a-bで表されるブロック共重合体である。
(イ):前記水添共重合体(A)が、一般構造式:a-cで表され、かつ、前記水添共重合体(B)が、一般構造式:d-e-d-a-cで表されるブロック共重合体である。
(前記一般構造式中、a及びdはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、b及びeはビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位からなるランダム共重合体ブロックであり、cが共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックである。)
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の水添共重合体(X)を含有する、粘着組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水添共重合体及、粘着組成物、粘着性フィルム、及び水添共重合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体は、加硫をしなくても加硫された天然ゴムや合成ゴムと同様の弾性を常温下にて有し、しかも高温下では熱可塑性樹脂と同様の加工性を有していることから、従来から、履物、プラスチック改質、アスファルト改質、粘接着剤等の分野、家庭用製品、家電・工業部品等の包装材料、玩具等の分野において広く利用されている。
また、前記ブロック共重合体の水添物は、耐候性、耐熱性に優れていることから、上述した用途分野以外に、自動車用部品や医療器具等の分野においても幅広く利用されている。
【0003】
近年、スマートフォン、タブレット、薄型テレビの普及が進んでおり、これらを構成する光学フィルムや光学用樹脂板の加工・運搬時における汚れの付着や傷つきを防止するために表面保護フィルムが多用されている。
表面保護フィルムは、従来から、建材用の合成樹脂板やステンレス板、アルミ板、化粧合板、鋼板、ガラス板、家具、什器、家電製品、精密機械、自動車、及び光学部材として用いられているプリズムシート等の表面を、傷や埃、汚れから保護する目的で用いられている。
表面保護フィルムは、所定の支持体上に粘着層が形成された構成を有しており、粘着層を構成する粘着剤に関し、従来から各種の提案がなされている。
【0004】
表面保護フィルムの粘着層に用いられる粘着剤としては、従来から、アクリル系粘着剤や、天然ゴム及びポリイソブチレン等のゴムを主体とするゴム系粘着剤が主として使用されている。
前記粘着剤を所定の支持体上に塗布する方法としては、粘着剤を溶剤に溶かした粘着剤溶液を、ロール、スプレー等を用いて塗布する方法が用いられている。前記塗布方法は、支持体上に粘着剤層を均一に、かつ薄く塗工できるというメリットを有しているが、溶剤を使用するため、大気汚染、製造時の労働安全衛生性、経済性等の観点からは好ましくないという問題点を有している。
【0005】
上述したような問題点に鑑み、最近では、表面保護フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂製の基材層と水添スチレン系エラストマーやオレフィン系エラストマーを含有する粘着層とが一体となった、共押し出しフィルムが好適に用いられている。
【0006】
また、表面保護フィルムの被着体は近年多様化が進んでおり、前記被着体の表面が平滑なものだけでなく、表面に複雑な凹凸を有するものも存在している。表面に凹凸を有する被着体としては、例えば光学部材として用いられるプリズムシートや建材用のエンボス加工された鋼板等が挙げられる。このような表面に凹凸を有する被着体に対して、良好な粘着力を発現させるためには、接触面積が小さくても十分な粘着力が得られるように表面保護フィルムを構成する粘着層の粘着力を高くする必要があり、かかる観点から、従来から粘着層を構成する各種の材料が提案されている。
【0007】
例えば、特許文献1には、粘着剤を構成する材料として、ビニル芳香族単量体単位からなる重合体ブロックA又は共役ジエン単量体単位からなり特定のビニル結合量の水添重合体ブロックCを少なくとも一つ含有し、かつビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなり特定ビニル結合量の水添ランダム共重合ブロックBを少なくとも一つ含有する構成の水添共重合体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2017/126469号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示されている水添共重合体は、平滑なアクリル板に対する粘着力に優れ、粘着強さの経時の変化が少なく、糊残りによる汚染も少ない、という利点を有している。一方において、建材用のエンボス加工された鋼板等の粘着しにくい被着体に対しては、粘着力が不足しやすい、という問題点を有している。
かかる問題点に鑑み、使用上十分な粘着力を得るために、水添共重合体に粘着付与剤を混和して粘着剤を製造する方法が知られているが、粘着付与剤の配合の影響により、ロール巻き付き、厚み斑、機器汚染、機器故障等が生じており、成膜性、耐熱性、及び糊残り性に関して未だ改善の余地がある、という問題点を有している。
【0010】
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題に鑑み、粘着付与剤を低減し、又は使用しなくても、十分な粘着性と糊残り性という、相反する特性に優れ、フィルム成膜性にも優れた水添共重合体、前記水添共重合体を含有する粘着組成物、及び粘着性フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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