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公開番号2024120842
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023207371
出願日2023-12-08
発明の名称ブロック共重合体、アスファルト組成物、及び改質アスファルト混合物
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 293/00 20060101AFI20240829BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】微粒子骨材の分散性が良好なアスファルト組成物が得られ、強度に優れる改質アスファルト混合物が得られる、ブロック共重合体を提供する。
【解決手段】ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)とを含有するブロック共重合体であって、
下記の<条件(1)>~<条件(3)>を満たす、
ブロック共重合体(P)。
<条件(1)>
25℃における5質量%トルエン溶液の粘度が5mPa・s以上45mP・s以下である。
<条件(2)>
マグネシウム元素の含有量が1~200ppmである。
<条件(3)>
カルシウム元素の含有量が100~500ppmである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)とを含有するブロック共重合体であって、
下記の<条件(1)>~<条件(3)>を満たす、
ブロック共重合体(P)。
<条件(1)>
25℃における5質量%トルエン溶液の粘度が5mPa・s以上45mP・s以下である。
<条件(2)>
マグネシウム元素の含有量が1~200ppmである。
<条件(3)>
カルシウム元素の含有量が100~500ppmである。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記ブロック共重合体が水素添加物である、
請求項1に記載のブロック共重合体(P)。
【請求項3】
ビニル芳香族単量体単位の質量割合(TS)が、20質量%以上60質量%以下である、
請求項1に記載のブロック共重合体(P)。
【請求項4】
共役ジエンに由来するビニル結合量が9質量%以上50質量%以下である、
請求項1に記載のブロック共重合体(P)。
【請求項5】
下記式(I)により算出される前記重合体ブロック(A)の質量割合(BS)が10質量%以上40質量%以下である、
請求項1に記載のブロック共重合体(P)。
BS=(重合体ブロック(A)の質量/ブロック共重合体(P)の質量)×100・・・(I)
【請求項6】
前記重合体ブロック(B)が、ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位からなる重合体ブロック(C)であり、
下記式(II)により算出される重合体ブロック(C)中のビニル芳香族単量体単位の質量割合(RS)が3質量%以上50質量%未満である、
請求項1に記載のブロック共重合体(P)。
RS=(TS-BS)/(100-BS)×100 ・・・(II)
(式(II)中、TSは、ブロック共重合体(P)中のビニル芳香族単量体単位の質量割合を示す。BSは、ブロック共重合体(P)中の重合体ブロック(A)の質量割合を示す。)
【請求項7】
前記ブロック共重合体が水素添加物であり、
前記重合体ブロック(B)が、ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位からなる重合体ブロック(C)であり、
下記式(II)により算出される重合体ブロック(C)中のビニル芳香族単量体単位の質量割合(RS)が3質量%以上50質量%未満である、
請求項1に記載のブロック共重合体(P)。
RS=(TS-BS)/(100-BS)×100 ・・・(II)
(式(II)中、TSは、ブロック共重合体(P)中のビニル芳香族単量体単位の質量割合を示す。BSは、ブロック共重合体(P)中の重合体ブロック(A)の質量割合を示す。)
【請求項8】
重量平均分子量が5万以上50万である、
請求項1に記載のブロック共重合体(P)。
【請求項9】
前記ブロック共重合体(P)4質量部と、
TLC-FID JPI法(JPI-5S-70)によるアスファルトの組成分析において、飽和分、芳香族分、レジン分、及びアスファルテン分の合計100質量%に対して、レジン分とアスファルテン分の合計量が30質量%以上であるアスファルト96質量部の混合物における、ASTM D5976による分離性が5℃以下である、
請求項1に記載のブロック共重合体(P)。
【請求項10】
前記共役ジエン単量体単位中の二重結合の水素添加率が95mol%以下である、
請求項1に記載のブロック共重合体(P)。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック共重合体、アスファルト組成物、及び改質アスファルト混合物に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
ブロック共重合体は、アスファルト組成物に広く利用されている。
アスファルト組成物の技術分野においては、道路舗装、遮音シート、アスファルトルーフィング等の各種用途に応じた性能を付加するため、改質剤として種々のブロック共重合体を添加したアスファルト組成物が広く利用されている。
このような改質剤としてのブロック共重合体は、例えば、共役ジエン単量体単位とビニル芳香族単量体単位とを含有するブロック共重合体が知られている。
具体的には、アスファルトに特定の構造を有するブロック共重合体を添加して、アスファルトの諸特性を改良する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平9-12898号公報
特開2004-59781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、道路施工時に用いられる石などの骨材は、一度舗装に使われた骨材をリユースとして使われることが多くある。このため、骨材のリユース過程においては、50%中位径が約20μm程度となり、微粒子が多数存在するようになっている。かかる事情に鑑み、近年、上述した特許文献1、2に開示されているアスファルト組成物よりも、微粒子の分散・凝集を効率よく実現し、強度に優れる道路を実現するアスファルト組成物や、改質アスファルト混合物が望まれている。
また、アスファルトに対するブロック共重合体の溶解速度や、アスファルトに対する骨材分散速度が速いと、アスファルト組成物や改質アスファルト混合物の製造の際のエネルギーの低減に寄与するため、かかるブロック共重合体が望まれている。
【0005】
そこで本発明においては、アスファルトに添加した場合に、微粒子骨材を含有するアスファルト組成物において微粒子の分散性が向上し、これにより、改質アスファルト混合物の強度の向上を図ることができるブロック共重合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討をした結果、粘度、マグネシウム元素の含有量、及びカルシウム元素の含有量を特定したブロック共重合体を用いることにより、上述した従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
【0007】
〔1〕
ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)とを含有するブロック共重合体であって、
下記の<条件(1)>~<条件(3)>を満たす、
ブロック共重合体(P)。
<条件(1)>
25℃における5質量%トルエン溶液の粘度が5mPa・s以上45mP・s以下である。
<条件(2)>
マグネシウム元素の含有量が1~200ppmである。
<条件(3)>
カルシウム元素の含有量が100~500ppmである。
〔2〕
前記ブロック共重合体が水素添加物である、前記〔1〕に記載のブロック共重合体(P)。
〔3〕
ビニル芳香族単量体単位の質量割合(TS)が、20質量%以上60質量%以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のブロック共重合体(P)。
〔4〕
共役ジエンに由来するビニル結合量が9質量%以上50質量%以下である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)。
〔5〕
下記式(I)により算出される前記重合体ブロック(A)の質量割合(BS)が10質量%以上40質量%以下である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)。
BS=(重合体ブロック(A)の質量/ブロック共重合体(P)の質量)×100・・・(I)
〔6〕
前記重合体ブロック(B)が、ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位からなる重合体ブロック(C)であり、下記式(II)により算出される重合体ブロック(C)中のビニル芳香族単量体単位の質量割合(RS)が3質量%以上50質量%未満である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)。
RS=(TS-BS)/(100-BS)×100 ・・・(II)
(式(II)中、TSは、ブロック共重合体(P)中のビニル芳香族単量体単位の質量割合を示す。BSは、ブロック共重合体(P)中の重合体ブロック(A)の質量割合を示す。)
〔7〕
前記ブロック共重合体が水素添加物であり、
前記重合体ブロック(B)が、ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位からなる重合体ブロック(C)であり、
下記式(II)により算出される重合体ブロック(C)中のビニル芳香族単量体単位の質量割合(RS)が3質量%以上50質量%未満である、
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)。
RS=(TS-BS)/(100-BS)×100 ・・・(II)
(式(II)中、TSは、ブロック共重合体(P)中のビニル芳香族単量体単位の質量割合を示す。BSは、ブロック共重合体(P)中の重合体ブロック(A)の質量割合を示す。)
〔8〕
重量平均分子量が5万以上50万である、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)。
〔9〕
前記ブロック共重合体(P)4質量部と、
TLC-FID JPI法(JPI-5S-70)によるアスファルトの組成分析において、飽和分、芳香族分、レジン分、及びアスファルテン分の合計100質量%に対して、レジン分とアスファルテン分の合計量が30質量%以上であるアスファルト96質量部の混合物における、ASTM D5976による分離性が5℃以下である、
前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)。
〔10〕
前記共役ジエン単量体単位中の二重結合の水素添加率が95mol%以下である、前記〔1〕乃至〔9〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)。
〔11〕
前記共役ジエン単量体単位中の二重結合の水素添加率が10mol%以上である、前記〔1〕乃至〔10〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)。
〔12〕
アスファルト100質量部と、
前記〔1〕乃至〔11〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)0.5質量部以上30質量部以下と、
を、含有するアスファルト組成物。
〔13〕
アスファルト100質量部と、
前記〔1〕乃至〔11〕のいずれか一に記載のブロック共重合体(P)0.5質量部以上30質量部以下と、
を、含有し、
前記アスファルトは、TLC-FID JPI法(JPI-5S-70)によるアスファルトの組成分析において、飽和分、芳香族分、レジン分、及びアスファルテン分の合計100質量%に対して、レジン分とアスファルテン分の合計量が30質量%以上である、アスファルト組成物。
〔14〕
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アスファルトに添加した場合に、微粒子骨材を含有するアスファルト組成物において微粒子の分散性が向上し、これにより、強度に優れる改質アスファルト混合物が得られる、ブロック共重合体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について、詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
【0010】
本明細書中、「単量体単位」とは、ブロック共重合体を構成する構成単位をいい、「単量体」とは、ブロック共重合体を構成する材料をいう。
また、本明細書中、「主体とする」とは、重合体ブロック(A)又は重合体ブロック(B)中、所定の単量体単位の含有量が50質量%以上であることをいう。
ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が50質量%以上であればよく、好ましくは70質量%、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは100質量%である。
共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)は、共役ジエン単量体単位の含有量が50質量%以上であればよく、好ましくは70質量%、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは100質量%である。
(【0011】以降は省略されています)

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