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公開番号
2024152318
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023066439
出願日
2023-04-14
発明の名称
固体電解質層、固体二次電池、及びその製造方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01B
1/06 20060101AFI20241018BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】大電流での充電の際に短絡を抑制できる固体二次電池を実現可能な、固体電解質層を提供する。
【解決手段】所定の層方向に亘って形成される、固体電解質層であって、
前記固体電解質層は、熱可塑性の材料から構成される支持部を含む支持体と、前記支持部の間に充填される固体電解質と、を有する層(A)を備え、前記層(A)の断面を参照したとき、前記層(A)中に、複数の支持部に亘って連通する空隙が観察されてもよく、観察されなくてもよく、前記空隙が観察される場合、前記空隙及び前記複数の支持部の、前記層方向に沿う長さ(L1)は、固体電解質層の合計厚さ(T1)以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
所定の層方向に亘って形成される、固体電解質層であって、
前記固体電解質層は、
熱可塑性の材料から構成される支持部を含む支持体と、前記支持部の間に充填される固体電解質と、を有する層(A)を備え、
前記層(A)の断面を参照したとき、前記層(A)中に、複数の支持部に亘って連通する空隙が観察されてもよく、観察されなくてもよく、
前記空隙が観察される場合、前記空隙及び前記複数の支持部の、前記層方向に沿う長さ(L1)は、固体電解質層の合計厚さ(T1)以下である、固体電解質層。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
前記長さ(L1)は、0以上、かつ、固体電解質層の合計厚さ(T1)より小さい、請求項1に記載の固体電解質層。
【請求項3】
前記固体電解質層がバインダーを有する、請求項1に記載の固体電解質層。
【請求項4】
前記支持体が、電子的に絶縁性を有する不織布であり、そして前記支持体を構成する繊維の平均径が1μm以上10μm以下である、請求項1に記載の固体電解質層。
【請求項5】
前記支持体を有さずかつ前記層(A)に接して配される層(B)を有する、請求項1に記載の固体電解質層。
【請求項6】
前記支持体を有さずかつ前記層(A)に接して配される層(C)を、前記層(A)に対して前記層(B)の反対側に有する、請求項5に記載の固体電解質層。
【請求項7】
自立強度を有している、請求項1に記載の固体電解質層。
【請求項8】
正極と、負極と、請求項1~7のいずれか1項に記載の固体電解質層と、を備える、固体二次電池。
【請求項9】
前記支持体を有さずかつ前記層(A)に接して配される層(B)を有し、
前記層(B)が負極側に配置されている、請求項8に記載の固体二次電池。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載の固体電解質層を製造する、製造方法であって、以下の工程;
前記支持体の孔中に前記固体電解質を充填する工程と、
前記支持体のガラス転移温度を超える温度、かつ、前記支持体及び前記固体電解質の少なくとも一方の分解温度未満の温度で、前記支持体を加圧する工程と、
を有する、固体電解質層の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質層、固体電解質層を用いた固体二次電池、及び前記固体二次電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
高エネルギー密度を有する二次電池として、リチウムイオン二次電池は幅広く普及している。近年では、カーボンニュートラル達成への有力な手段としてガソリン車の電気自動車への転換が求められており、ゆえにその電池としての利用も加速しつつある。
【0003】
しかしながら、リチウムイオン二次電池を電気自動車に用いる場合、ガソリン車のガソリン充填時間と比較して長時間となる充電時間がその普及にネックとなっており、ゆえにより短時間で充電可能な大電流での充電性能が要求されている。
【0004】
大電流での充電を可能とする技術として、固体の電解質を用いたリチウムイオン固体二次電池(以下、単に「固体二次電池」と称する場合がある。)が提案されている。固体電解質の多くはそのリチウムイオン輸率が1であり、また、近年のイオン伝導度の向上に伴い本質的に大電流を流すのに向いた電池となりつつある。
【0005】
固体の電解質を用いた固体二次電池において、固体電解質は粉末であったり、ゲル状であったりする。それら固体電解質を有し、そしてセパレータとなる固体電解質層は、エネルギー密度を向上させるために薄く形成することが好ましい。同時に、有機系の電解液を用いた既存のリチウムイオン二次電池に使われているポリオレフィン系のセパレータと同様、少なくともその一部が自立化して取り扱えることが望ましい。固体電解質層の少なくとも一部が自立化していることで、粉末状又はゲル状である固体電解質の取り扱いが容易となり、これにより、電池の大面積化、及び量産性の向上を図り易くなる。
【0006】
この点、貫通孔を多数有するシートを支持体として用いた固体電解質層が提案されている(例えば、特許文献1~4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2016-31789号公報
特開2017-208250号公報
特開2021-150204号公報
特開2021-163759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1~4に記載の固体電解質シート(固体電解質層)を用いた従来例の固体二次電池では、特に大電流での充電の際に短絡が生じ易いという問題があった。従って、大電流での充電の際に短絡を抑制できる固体二次電池、また、これを達成できる固体電解質層を実現することが求められていた。
【0009】
そこで、本発明は、大電流での充電の際に短絡を抑制できる固体二次電池を実現可能な、固体電解質層を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる固体電解質層を構成要素として備える固体二次電池、及び該固体二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、下記のとおりである。
[1]
所定の層方向に亘って形成される、固体電解質層であって、
前記固体電解質層は、
熱可塑性の材料から構成される支持部を含む支持体と、前記支持部の間に充填される固体電解質と、を有する層(A)を備え、
前記層(A)の断面を参照したとき、前記層(A)中に、複数の支持部に亘って連通する空隙が観察されてもよく、観察されなくてもよく、
前記空隙が観察される場合、前記空隙及び前記複数の支持部の、前記層方向に沿う長さ(L1)は、固体電解質層の合計厚さ(T1)以下である、固体電解質層。
[2]
前記長さ(L1)は、0以上、かつ、固体電解質層の合計厚さ(T1)より小さい、項目1に記載の固体電解質層。
[3]
前記固体電解質層がバインダーを有する、項目1又は2に記載の固体電解質層。
[4]
前記支持体が、電子的に絶縁性を有する不織布であり、そして前記支持体を構成する繊維の平均径が1μm以上10μm以下である、項目1~3のいずれか1項に記載の固体電解質層。
[5]
前記支持体を有さずかつ前記層(A)に接して配される層(B)を有する、項目1~4のいずれか1項に記載の固体電解質層。
[6]
前記支持体を有さずかつ前記層(A)に接して配される層(C)を、前記層(A)に対して前記層(B)の反対側に有する、項目1~5のいずれか1項に記載の固体電解質層。
[7]
自立強度を有している、項目1~6のいずれか1項に記載の固体電解質層。
[8]
正極と、負極と、項目1~7のいずれか1項に記載の固体電解質層と、を備える、固体二次電池。
[9]
前記支持体を有さずかつ前記層(A)に接して配される層(B)を有し、
前記層(B)が負極側に配置されている、項目8に記載の固体二次電池。
[10]
項目1~7のいずれか1項に記載の固体電解質層を製造する、製造方法であって、以下の工程;
前記支持体の孔中に前記固体電解質を充填する工程と、
前記支持体のガラス転移温度を超える温度、かつ、前記支持体及び前記固体電解質の少なくとも一方の分解温度未満の温度で、前記支持体を加圧する工程と、
を有する、固体電解質層の製造方法。
[11]
前記加圧する工程では、
加圧時の温度が前記支持体の溶融温度未満の温度である、項目10に記載の固体電解質層の製造方法。
[12]
前記充填する工程では、
前記固体電解質のスラリーを前記支持体の孔中に所定の溶媒の存在下で導入した後、前記溶媒を除去する、項目10又は11に記載の固体電解質層の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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