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公開番号2025076309
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2024173880
出願日2024-10-02
発明の名称メタクリル系樹脂組成物及び成形体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 33/10 20060101AFI20250508BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、優れた全光線透過率、Haze、成形流動性、成形流動安定性、耐熱変形性、黒色に着色した際の耐擦傷性を有し、高い漆黒性を示す成形体及びその製造原料となりうるメタクリル系樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明のメタクリル系樹脂組成物は、メタクリル系樹脂(A)、内部潤滑剤(B)、脂肪酸アミド(C)を含み、メタクリル系樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有率が85質量部超99.9質量部以下であり、内部潤滑剤(B)が脂肪族アルコール、ブチルステアレート、金属石鹸、脂肪酸、及び流動パラフィンからなる群より選ばれる1種以上の化合物であり、メタクリル系樹脂(A)100質量部に対する、内部潤滑剤(B)の質量割合bが0.05~0.6質量部、脂肪酸アミド(C)の質量割合cが0.5~6質量部であり、質量割合b及び質量割合cが特定の関係を満たす、ことを特徴としている。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メタクリル系樹脂(A)、内部潤滑剤(B)、脂肪酸アミド(C)を含み、
前記メタクリル系樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有率が85質量部を超え、99.9質量部以下であり、
前記内部潤滑剤(B)が脂肪族アルコール、脂肪族アルキル、金属石鹸、脂肪酸、及び流動パラフィンからなる群より選ばれる1種以上の化合物であり、
前記メタクリル系樹脂(A)100質量部に対する、前記内部潤滑剤(B)の質量割合bが0.05~0.6質量部、前記脂肪酸アミド(C)の質量割合cが0.5~6質量部であり、前記質量割合b(質量部)及び前記質量割合c(質量部)が以下の式(i)(ii)を満たす、
ことを特徴とするメタクリル系樹脂組成物。
0.025≦b/c≦0.3 ・・・(i)
c+b≦6.15 ・・・(ii)
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記メタクリル系樹脂(A)中のメタクリル酸エステル単量体単位がメタクリル酸メチル単量体単位である、請求項1に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項3】
前記内部潤滑剤(B)が炭素数12~22の脂肪族アルコールである、請求項2に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項4】
前記脂肪族アミド(C)が少なくとも1種の炭素数16~24の脂肪族アミドを含む、請求項3に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項5】
金型磨き番手8000番の金型を用いて成形温度:260℃、金型温度:60℃で厚み3mmの成形体を成形したときに、D65光源、SCE方式、10度視野反射モードで測定した前記成形体の明度L*が1以下である、請求項4に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項6】
赤系染料、黄系染料、緑系染料、青系染料、及び紫系染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の染料を含む染料(D)をさらに含む、請求項5に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項7】
前記染料(D)が、アントラキノン系染料、複素環式化合物系染料、及びペリノン系染料からなる群より選ばれる1種以上の染料を含む、請求項6に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項8】
ISO306 B50法に準拠したビカット軟化温度が95~108℃である、請求項7に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項9】
230℃、3.8kgf荷重、予熱時間4分で30秒ごとに試料採取した2本目~6本目のメルトマスフローレイト(MFR)の平均値が2.4~8.0g/10分であり、試料採取6本目と2本目のMFRの差の絶対値が0.2g/10分未満である、請求項8に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項10】
請求項9に記載のメタクリル系樹脂組成物を含むことを特徴とする、成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メタクリル系樹脂組成物及び成形体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)に代表されるメタクリル系樹脂は、高い透明性を有していることから、光学材料、車両用部品、建築用材料、レンズ、家庭用品、OA機器、照明機器等の分野で幅広く使用されている。特に、車両用途や導光板、液晶ディスプレイ用フィルム等の光学材料等への利用が進んでいる。
【0003】
なかでも車輛用途では従来、自動車の内外装部品向けにハードコート処理が施されたポリカーボネートやABS樹脂、漆黒調に塗装されたASA、ABS樹脂等の成形品が用いられている。しかしながら、ハードコート処理(HC処理)では、コート斑発生による不良や生産性が低いといった問題があり、塗装では塗料に含まれる揮発性有機化合物(VOC)や、塗装工程で発生するエネルギーコストの問題が挙げられる。また、HC処理品ではマテリアルリサイクル又はケミカルリサイクルをする場合、コート層を分離する工程が発生するためリサイクル性が良好ではない。こういった問題を背景にコスト削減の観点から、HC処理や塗装をしない成形品が切望されており、コンパウンドによる樹脂への代替について、近年盛んに検討されている。ここで、重要となる特性としては、表面の耐擦傷性および漆黒性である。
【0004】
これらの特性付与のため、例えば、添加剤を熱可塑性樹脂へ混合する(コンパウンドする)方法が古くより用いられている。熱可塑性樹脂としては、主にメタクリル系樹脂が用いられることが近年多くなっている。その理由は、メタクリル系樹脂が耐候性に優れることと、樹脂の中で最も高い表面鉛筆硬度及び耐傷付き性を有するためである。また、高い透明性を有するために、特に塗装代替の場合、成形品に深みのある良好な着色を発現させることができる。
【0005】
しかし、高い要求特性が表面に課せられる用途においては、メタクリル系樹脂ですら、様々な摩耗現象に耐えることができず、しばしばHC処理をされることが多い。この問題を解決する方法として、例えば、特許文献1では、シリコーン系成分を含むグラフト共重合体と脂肪酸化合物を含有させることにより、機械的特性および耐傷付き性を向上させる技術が提案されている。また、特許文献2では有機変性シリコーンと脂肪酸アミドを含有させることによって光沢性、発色性に優れ耐擦傷性を向上させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2022/085801号
国際公開第2018/016473号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、シリコーン系成分を含むグラフト共重合体と脂肪酸化合物を含有させることにより機械的特性および耐傷付き性を向上させているが、全光線透過率が低下しHazeが上昇する影響で透明性が良好でない。特に漆黒性が求められる用途では好適ではない。また、ゴム成分を含むため耐候性不十分であり特に屋外用途では劣化する課題がある。
【0008】
特許文献2には有機変性シリコーンと脂肪酸アミドを併用することによって光沢性、発色性に優れ耐擦傷性を向上させているが有機変性シリコーン含有のために成形品自体の、全光線透過率が低下しHazeが上昇する影響で透明性が不十分であることや、漆黒材料としたときの漆黒性において改善の余地があった。また、有機変性シリコーンの含有量によっては成形体としたときに薄膜がはがれたような外観不良が生じることがあった。
さらに、一般に有機変性シリコーンのコストが高いため安価で生産できる材料が切望されている。
【0009】
そこで、本発明においては上述の従来技術の問題点に鑑み、優れた全光線透過率、Haze、成形流動性、成形流動安定性、耐熱変形性、黒色に着色した際の耐擦傷性を有し、高い漆黒性を示す成形体及びその製造原料となりうるメタクリル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、メタクリル系樹脂、内部潤滑剤、及び脂肪酸アミドを特定の比率で含むことにより上述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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