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公開番号
2025084059
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-02
出願番号
2024160357
出願日
2024-09-17
発明の名称
多孔性中空糸膜、及び多孔性中空糸膜の製造方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01D
69/08 20060101AFI20250526BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】
本発明は、濾過用途に好適な阻止性能、透水性能に加え、耐薬品性に優れた多孔性中空糸膜を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するべく、本発明の多孔性中空糸膜は、熱可塑性樹脂からなる多孔性中空糸膜であって、 結晶化開始温度が140℃以下であり、該結晶化開始温度以下での結晶融解エンタルピーが10J/g以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性樹脂からなる多孔性中空糸膜であって、
結晶化開始温度が140℃以下であり、該結晶化開始温度以下での結晶融解エンタルピーが10J/g以下であることを特徴とする、多孔性中空糸膜。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
前記多孔性中空糸膜全体の結晶融解エンタルピーが、58J/g未満であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項3】
前記多孔性中空糸膜の結晶融解メインピークより高温側に発現するピークの結晶融解エンタルピーが、0.1J/g以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項4】
前記多孔性中空糸膜の結晶融解メインピークより高温側に発現するピーク温度が、結晶融解メインピーク温度より10℃以上高いことを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項5】
前記多孔性中空糸膜の結晶化度が、60%未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項6】
前記結晶化開始温度以下での結晶融解エンタルピーが、前記多孔性中空糸膜全体の結晶融解エンタルピーの15%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)が、400kDa以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂が、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項9】
前記多孔性中空膜の、内径が0.75mm未満であり、耐圧縮強度が0.3MPa以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
【請求項10】
前記多孔性中空糸膜の、異種結合率が9%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多孔性中空糸膜。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性中空糸膜、及び多孔性中空糸膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
膜分離技術による水処理は、製薬、医療、食品、半導体、上下水など、様々な産業分野において、幅広く活用されてきた。
近年では、河川水等を除濁し、飲料水や工業用水を製造する上水処理分野、生活排水や産業廃水等を除濁浄化する下水処理分野などへの応用も盛んになってきている。
膜分離の濾材には、加工性に優れる高分子樹脂を中空管状に形成した中空糸膜やシート状に形成した平膜等があり、これらを集合させてなる膜モジュールが利用されている。
【0003】
この中でも、特に河川水や海水の除濁に用いられる多孔性中空糸膜は、大量の水を処理することから、阻止性能に加え、高い透水性能、またさらに濾過面積を大きくする観点から、外圧濾過方式が採用される為、濾過運転中に外側からの圧縮で中空糸膜が潰れない為の耐圧縮強度が要求される。
また、中空糸膜を水処理に継続的に用いると、濾過によって分離された物質によって膜面の閉塞が生じ、透水能力が低下する。その為、一定時間または、一定量の水等を濾過した後に、中空糸膜の洗浄が定期的に行われており、膜面に蓄積した有機物等を、薬品により除去する操作が行われている。
【0004】
しかし、このような薬品による洗浄は、蓄積した有機物のみならず、中空糸膜を構成する高分子をも劣化させる。その為、薬品洗浄を繰返し行うと、中空糸膜が徐々に劣化して、中空糸膜モジュールを長期に亘って連続運転することができなくなる。その為、中空糸膜には、高い耐薬品性も必要である。
【0005】
例えば、特許文献1及び特許文献2には、阻止性能に加え、高い透水性能と膜強度を両立した中空糸膜が提案されている。
しかしながら、運転初期の膜強度が高くても、繰返しの薬品洗浄に対し、十分耐え得るとは云い難い。
【0006】
一方、膜の製造方法としては、熱誘起相分離法(Thermally induced phase separation、TIPS法)が知られている。この製法には、熱可
塑性樹脂と有機液状体を用いる。有機液状体には、熱可塑性樹脂を室温では溶解しないが、高温では溶解する溶剤、即ち潜在的溶剤となるものを用いる。熱可塑性樹脂と有機液状体とを高温で混練し、熱可塑性樹脂を有機液状体に溶解させた後、室温まで冷却することで相分離を誘発させ、さらに有機液状体を除去して多孔体を製造する。この製法は、高温で溶解した後、素早く冷却固化させて製膜するので、特に熱可塑性樹脂が結晶性樹脂である場合、結晶化が促進され、高強度の膜が得られ易い特長があり、多孔性膜の製造方法として多用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5717987号
特許第6824284号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、濾過用途に好適な阻止性能、透水性能に加え、耐薬品性に優れた、多孔性中空糸膜及び多孔性中空糸膜の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
[1]熱可塑性樹脂からなる多孔性中空糸膜であって、
結晶化開始温度が140℃以下であり、該結晶化開始温度以下での結晶融解エンタルピーが10J/g以下であることを特徴とする、中空糸膜。
[2]前記多孔性中空糸膜全体の結晶融解エンタルピーが、58J/g未満であることを特徴とする、[1]に記載の中空糸膜。
[3]前記多孔性中空糸膜の結晶融解メインピークより高温側に発現するピークの結晶融解エンタルピーが、0.1J/g以上であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の中空糸膜。
[4]前記多孔性中空糸膜の結晶融解メインピークより高温側に発現するピーク温度が、結晶融解メインピーク温度より10℃以上高いことを特徴とする、[1]~[3]の何れかに記載の中空糸膜。
[5]前記多孔性中空糸膜の結晶化度が、60%未満であることを特徴とする、[1]~[4]の何れかに記載の中空糸膜。
[6]前記結晶化開始温度以下での結晶融解エンタルピーが、前記多孔性中空糸膜全体の結晶融解エンタルピーの15%以下であることを特徴とする、[1]~[5]の何れかに記載の中空糸膜。
[7]前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)が、400kDa以下であることを特徴とする、[2]~[6]の何れかに記載の中空糸膜。
[8]前記熱可塑性樹脂が、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含有することを特徴とする、[1]~[7]の何れかに記載の中空糸膜。
[9]前記多孔性中空膜の、内径が0.75mm未満であり、耐圧縮強度が0.3MPa以上であることを特徴とする、[1]~[8]の何れかに記載の中空糸膜。
[10]前記多孔性中空糸膜の、異種結合率が9%以上であることを特徴とする、[1]~[9]の何れかに記載の中空糸膜。
[11]中空糸膜を延伸した後、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含有する熱可塑性樹脂の融点-50℃~-40℃で熱処理し、その後、前記熱可塑性樹脂の融点-35℃~-25℃で熱処理する、多段式の熱処理工程を備えることを特徴とする、[1]~[10]に何れかに記載の中空糸膜の製造方法。
[12]前記多孔性中空糸膜は、前記熱可塑性樹脂、有機液状体及び無機微粉体の3成分からなる混合物を、溶融混錬し、押出成形して中空繊維化した後、有機液状体及び無機微粉体を抽出して製造されることを特徴とする、[11]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、TIPS法により製造され、阻止性能に加え、高い透水性能を有すると共に、長期に亘って継続運転可能な高い耐薬品性を有する、多孔性中空糸膜及び多孔性中空糸膜の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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