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公開番号
2025082434
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-29
出願番号
2023195746
出願日
2023-11-17
発明の名称
複層成形用の熱可塑エラストマー組成物、及び複層成形体
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
53/02 20060101AFI20250522BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】透明性が良好であり、熱接着強度、柔軟性、成形性に優れる複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物、及び複層積層体を得る。
【解決手段】2種類の、各々所定の要件を満たす水添ブロック共重合体(a-1)及び(a-2)と、非芳香族軟化剤(b)を含有する、射出成形で熱融着させる複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物であって、前記水添ブロック共重合体(a-1)、(a-2)の質量比率が、(a-1)/(a-2)=10/90~60/40であり、前記水添ブロック共重合体(a-1)100質量部に対し、前記非芳香族系軟化剤(b)25~400質量部を含有する、複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
2種類の水添ブロック共重合体(a-1)及び(a-2)と、非芳香族軟化剤(b)を含有する、射出成形で熱融着させる複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物であって、
前記水添ブロック共重合体(a-1)が、下記(1-1)~(1-6)の要件を満たし、
前記水添ブロック共重合体(a-2)が、下記(2-1)~(2-6)の要件を満たし、
前記水添ブロック共重合体(a-1)、(a-2)の質量比率が、(a-1)/(a-2)=10/90~60/40であり、
前記水添ブロック共重合体(a-1)100質量部に対し、前記非芳香族系軟化剤(b)25~400質量部を含有する、
複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物。
(1-1):1個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックA1と、1個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックB1と、を含有する。
(1-2):全ビニル芳香族単量体単位の含有量が5質量%以上35質量%未満である。
(1-3):重量平均分子量が150,000~550,000である。
(1-4):重合体ブロックB1中の共役ジエン単量体単位中の水素添加前のビニル結合量が50モル%~95モル%である。
(1-5):共役ジエン単量体単位の二重結合の50モル%以上が水添されている。
(1-6):重合体ブロックA1中のビニル芳香族単量体単位の含有量が90質量%以上である。
(2-1):1個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックA2と、1個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックB2と、を含有する。
(2-2):全ビニル芳香族単量体単位の含有量が35質量%~60質量%である。
(2-3):重量平均分子量が30,000以上150,000未満である。
(2-4):重合体ブロックB2中の共役ジエン単量体単位中の水素添加前のビニル結合量が50モル%~95モル%である、
(2-5):共役ジエン単量体単位の二重結合の50モル%以上が水添されている。
(2-6):重合体ブロックA2中のビニル芳香族単量体単位の含有量が90質量%以上である。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
前記水添ブロック共重合体(a-2)が、
少なくとも2個のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックA2と、少なくとも2個の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックB2と、を有し、
少なくとも1個の前記重合体ブロックB2は、前記水添ブロック共重合体(a-2)の末端にあり、当該末端にある重合体ブロックB2の含有量が、前記水添ブロック共重合体(a-2)中1~10質量%である、
請求項1に記載の複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項3】
前記水添ブロック共重合体(a-1)100質量部に対し、
ポリプロピレン系樹脂(c)10~200質量部を、さらに含有する、
請求項1又は2に記載の複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物の層と、
極性基含有熱可塑性樹脂層と、
を有する複層成形体。
【請求項5】
前記極性基含有熱可塑性樹脂層を構成する極性基含有熱可塑性樹脂が、
ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、
請求項4に記載の複層成形体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複層成形用の熱可塑エラストマー組成物、及び複層成形体に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、熱可塑性エラストマー組成物は設計の自由度の幅が広く、加硫ゴムに比べ成形性、意匠性、衛生性、及びリサイクル性等に優れるという観点から広く様々な分野で使用されている。その中の用途の1つとして複層成形体用途が挙げられる。
前記複層成形体においては、エンジニア・プラスチックと呼ばれる極性基含有熱可塑性樹脂は、耐熱性、機械物性に優れていることから、基材として多く使用されている。前記複層成形体としては、極性基含有熱可塑性樹脂よりなる基材の表層面や一部に熱可塑性エラストマー等の軟質材料を接着させた複層成形体が知られており、例えば、自動車内装の表皮、グリップ類、クッション材、パッキン等のシール部材等、多くの部材が挙げられる。
【0003】
極性基含有熱可塑性樹脂の基材に対する軟質材料の接着方法としては、例えば、接着剤によって接着させる方法や、成形時の熱融着で接着させる方法がある。
接着剤を用いる方法では、接着剤を介して軟質材料と基材とをしっかり接着させることができるが、接着剤を塗布する工程に加えて硬化させる工程が必要となり、生産スピードが遅くなるという問題点を有している。
【0004】
一方、熱融着での接着方法としては、インサート成形や二色成形等といった射出成形での接着方法が挙げられる。これらの射出成形による接着方法では、成形と同時に熱融着させることが可能となるため、生産スピードの大幅な向上が可能であり、近年、射出成形での熱融着による接着方法が増えている。
【0005】
しかしながら、熱融着による接着方法では、極性基含有熱可塑性樹脂の基材に対して接着させる軟質材料の親和性が重要な因子となり、軟質材料として非極性の組成物を用いた場合においては、接着強度が弱くなる、という問題点を有している。そのため、接着強度を向上させる目的で、軟質材料として、官能基を有する熱可塑性エラストマーや変性成分を含む熱接着用の組成物や、前記組成物を用いた接着体に関する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、水添熱可塑性スチレン系エラストマー、炭化水素系ゴム用軟化剤、ポリプロピレン、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、及び酸変性水添スチレン系エラストマーを含有する熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。
また、特許文献2には、熱可塑性エラストマー、ポリビニルアセタール樹脂及び/又は極性基含有ポリプロピレン系樹脂を含有する熱可塑性重合体組成物、及び前記熱可塑性重合体組成物とインサート部材からなる接着体に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-209273号公報
特開2014-168940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている熱可塑性エラストマー組成物は、上述したように、水添熱可塑性スチレン系エラストマーと、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含有しているが、これらは非相容であり、屈折率も異なるため、得られた熱可塑性エラストマー組成物は不透明であり、透明性を要求される用途には不向きであるという問題点を有している。
また、特許文献2に開示されている熱可塑性重合体組成物は、上述したように、熱可塑性エラストマーとポリビニルアセタール樹脂及び/又は極性基含有ポリプロピレン系樹脂を含有しているが、前記熱可塑性エラストマーとポリビニルアセタール樹脂も同様に非相容であり、屈折率も異なるため、得られた熱可塑性重合体組成物は不透明であり、特許文献1に開示されている熱可塑性エラストマー組成物と同様に、透明性を要求される用途には不向きであるという問題点を有している。
上述したように、従来提案されている熱可塑性エラストマー組成物や熱可塑性重合体組成物からなる熱接着用の組成物は、透明性の観点から、改善の余地がある、という問題点を有している。
【0008】
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題に鑑み、透明性に優れ、熱接着強度、柔軟性、成形性に優れる複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物、及び複層成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するべく鋭意検討した結果、所定の構造を有する水添ブロック共重合体と、非芳香族系軟化剤と、ポリプロピレン系樹脂を、所定の比率で含有する熱可塑性エラストマー組成物が上述した従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0010】
〔1〕
2種類の水添ブロック共重合体(a-1)及び(a-2)と、非芳香族軟化剤(b)を含有する、射出成形で熱融着させる複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物であって、
前記水添ブロック共重合体(a-1)が、下記(1-1)~(1-6)の要件を満たし、
前記水添ブロック共重合体(a-2)が、下記(2-1)~(2-6)の要件を満たし、
前記水添ブロック共重合体(a-1)、(a-2)の質量比率が、(a-1)/(a-2)=10/90~60/40であり、
前記水添ブロック共重合体(a-1)100質量部に対し、前記非芳香族系軟化剤(b)25~400質量部を含有する、
複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物。
(1-1):1個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックA1と、1個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックB1と、を含有する。
(1-2):全ビニル芳香族単量体単位の含有量が5質量%以上35質量%未満である。
(1-3):重量平均分子量が150,000~550,000である。
(1-4):重合体ブロックB1中の共役ジエン単量体単位中の水素添加前のビニル結合量が50モル%~95モル%である。
(1-5):共役ジエン単量体単位の二重結合の50モル%以上が水添されている。
(1-6):重合体ブロックA1中のビニル芳香族単量体単位の含有量が90質量%以上である。
(2-1):1個以上のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックA2と、1個以上の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックB2と、を含有する。
(2-2):全ビニル芳香族単量体単位の含有量が35質量%~60質量%である。
(2-3):重量平均分子量が30,000以上150,000未満である。
(2-4):重合体ブロックB2中の共役ジエン単量体単位中の水素添加前のビニル結合量が50モル%~95モル%である、
(2-5):共役ジエン単量体単位の二重結合の50モル%以上が水添されている。
(2-6):重合体ブロックA2中のビニル芳香族単量体単位の含有量が90質量%以上である。
〔2〕
前記水添ブロック共重合体(a-2)が、
少なくとも2個のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックA2と、少なくとも2個の共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックB2と、を有し、
少なくとも1個の前記重合体ブロックB2は、前記水添ブロック共重合体(a-2)の末端にあり、当該末端にある重合体ブロックB2の含有量が、前記水添ブロック共重合体(a-2)中1~10質量%である、
前記〔1〕に記載の複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物。
〔3〕
前記水添ブロック共重合体(a-1)100質量部に対し、
ポリプロピレン系樹脂(c)10~200質量部を、さらに含有する、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物。
〔4〕
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の複層成形用の熱可塑性エラストマー組成物の層と、
極性基含有熱可塑性樹脂層と、
を有する複層成形体。
〔5〕
前記極性基含有熱可塑性樹脂層を構成する極性基含有熱可塑性樹脂が、
ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、
前記〔4〕に記載の複層成形体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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