TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025078098
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-19
出願番号
2024194769
出願日
2024-11-06
発明の名称
ポリアミド樹脂組成物、成形品、及び成形品の製造方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
77/00 20060101AFI20250512BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明の目的は、耐高温冷媒性、低冷媒吸収性、低温耐衝撃性、高速成形性、押出成形時均肉性、及び周方向引張伸びに優れるポリアミド樹脂組成物およびその成形体を提供することにある。
【解決手段】本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂及び(B)ポリオレフィン樹脂を含み、(A)及び(B)の合計を100質量部としたとき、(B)が55質量部以下であり、(A)100質量部中、単量体単位あたりの炭素原子数が平均して8以上であるポリアミドを50質量部以上含み、(B)は、(A)の末端アミンに対する反応性を有する官能基を持つポリオレフィンを含み、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体を含み、(B)を構成するモノマー単位のうち、α-オレフィン由来単位の質量割合が3~11質量%であり、100℃以上150℃未満の融解ピークを少なくとも1つ示す、ことを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)ポリアミド樹脂及び(B)ポリオレフィン樹脂を含むポリアミド樹脂組成物であって、
前記(A)ポリアミド樹脂及び前記(B)ポリオレフィン樹脂の合計を100質量部としたとき、前記(B)ポリオレフィン樹脂の合計が55質量部以下であり、
前記(A)ポリアミド樹脂100質量部中、単量体単位あたりの炭素原子数が平均して8以上であるポリアミド樹脂を50質量部以上含み、
前記(B)ポリオレフィン樹脂は、前記(A)ポリアミド樹脂の末端アミンに対する反応性を有する官能基を持つポリオレフィン樹脂を少なくとも1種含み、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体を少なくとも1種含み、
前記(B)ポリオレフィン樹脂を構成するモノマー単位のうち、α-オレフィン由来のモノマー単位の質量割合が3質量%以上11質量%以下であり、
示差走査熱量計により23℃から20℃/分で加熱したときに、100℃以上150℃未満の融解ピークを少なくとも1つ示す、
ことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
破断時引取速度が200mm/s以上である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)ポリオレフィン樹脂が、(B-1)前記(A)ポリアミド樹脂の末端アミンに対する反応性を有する官能基を持たないポリオレフィン樹脂、及び(B-2)前記(A)ポリアミド樹脂の末端アミンに対する反応性を有する官能基を持つポリオレフィン樹脂、を含む、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
前記(B-2)成分の重量平均分子量が80,000以下である、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
前記(B-1)成分の重量平均分子量が80,000超である、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項6】
前記(B-1)成分と、前記(B-2)成分との質量比が、(B-1):(B-2)=1:5~5:1の範囲にある、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項7】
前記(B-1)成分の190℃、2.16kgで測定したMFRが0.5g/10分以下であり、前記(B-2)成分の190℃、2.16kgで測定したMFRが0.5g/10分以上である、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項8】
前記(B)ポリオレフィン樹脂が単一の相を形成している、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項9】
前記(B)ポリオレフィン樹脂の分散径について、長径/短径の比が5.0以下である、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項10】
前記(B)ポリオレフィン樹脂が高密度ポリエチレンを含み、前記高密度ポリエチレンの重量平均分子量が100,000以上である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物、成形品、及び成形品の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は機械的特性、熱的特性、耐薬品性に優れるなど、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用を中心として機械部品及び自動車部品、各種電気・電子部品などの用途に広く使用されている。その中でも、今後急速に拡大が見込まれるEV(電気自動車)においては、バッテリーを冷却するための冷媒が通る冷却パイプとして、細径長尺の成形品が求められている。細径長尺の成形品としては、押出成形により得られる直管状の一次成形体を曲げ加工し、一部品として用いることが主流である。しかし、一般的にポリアミド樹脂は、溶融粘度・溶融時伸張性が低いために押出成形が困難である。また、ポリアミドは冷媒によって加水分解を受けるため、強度が低下する課題もある。
【0003】
ポリアミド樹脂の耐薬品性を担保しつつ、可撓性・押出成形性を付与する手法として、ポリアミド6を主としたポリアミド樹脂混合物に無水マレイン酸変性エチレン-アクリル酸メチル-無水マレイン酸共重合体を加えることで粘度を向上させる手法が知られている(特許文献1)。また、ポリアミド6/12にポリエチレンおよびエチレン-プロピレン-ジエン共重合体を加えた組成物が押出成形性およびバリア性に優れることが知られている(特許文献2)。また、ポリアミド6に無水マレイン酸グラフトエチレン-ブテン共重合体および低密度線状ポリエチレンを加えたポリアミド樹脂が、バリア性および耐衝撃性に優れることが知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4703962号公報
特開2006-1280号公報
国際公開第2022-039170号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に記載の組成物は押出成形が可能であるものの、高レートでの成形性(高速成形性)と押出成形時均肉性の両立にさらなる課題を有している。また、特許文献3に記載の組成物は耐衝撃性に優れるものの、押出成形が困難である。さらに、特許文献1、3に記載の組成物については、自動車用クーラント水(LLC)に晒された際の耐久性に改善が望まれている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、耐高温冷媒性、低冷媒吸収性、低温耐衝撃性、高速成形性、押出成形時均肉性、及び周方向引張伸びに優れるポリアミド樹脂組成物およびその成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
(A)ポリアミド樹脂及び(B)ポリオレフィン樹脂を含むポリアミド樹脂組成物であって、
前記(A)ポリアミド樹脂及び前記(B)ポリオレフィン樹脂の合計を100質量部としたとき、前記(B)ポリオレフィン樹脂の合計が55質量部以下であり、
前記(A)ポリアミド樹脂100質量部中、単量体単位あたりの炭素原子数が平均して8以上であるポリアミド樹脂を50質量部以上含み、
前記(B)ポリオレフィン樹脂は、前記(A)ポリアミド樹脂の末端アミンに対する反応性を有する官能基を持つポリオレフィン樹脂を少なくとも1種含み、かつ、エチレン・α-オレフィン共重合体を少なくとも1種含み、
前記(B)ポリオレフィン樹脂を構成するモノマー単位のうち、α-オレフィン由来のモノマー単位の質量割合が3質量%以上11質量%以下であり、
示差走査熱量計により23℃から20℃/分で加熱したときに、100℃以上150℃未満の融解ピークを少なくとも1つ示す、
ことを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
[2]
破断時引取速度が200mm/s以上である、[1]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[3]
前記(B)ポリオレフィン樹脂が、(B-1)前記(A)ポリアミド樹脂の末端アミンに対する反応性を有する官能基を持たないポリオレフィン樹脂、及び(B-2)前記(A)ポリアミド樹脂の末端アミンに対する反応性を有する官能基を持つポリオレフィン樹脂、を含む、[1]又は[2]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[4]
前記(B-2)成分の重量平均分子量が80,000以下である、[3]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[5]
前記(B-1)成分の重量平均分子量が80,000超である、[3]又は[4]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[6]
前記(B-1)成分と、前記(B-2)成分との質量比が、(B-1):(B-2)=1:5~5:1の範囲にある、[3]~[5]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[7]
前記(B-1)成分の190℃、2.16kgで測定したMFRが0.5g/10分以下であり、前記(B-2)成分の190℃、2.16kgで測定したMFRが0.5g/10分以上である、[3]~[6]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[8]
前記(B)ポリオレフィン樹脂が単一の相を形成している、[3]~[7]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[9]
前記(B)ポリオレフィン樹脂の分散径について、長径/短径の比が5.0以下である、[3]~[8]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[10]
前記(B)ポリオレフィン樹脂が高密度ポリエチレンを含み、前記高密度ポリエチレンの重量平均分子量が100,000以上である、[1]~[9]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[11]
前記(B)ポリオレフィン樹脂が低密度ポリエチレンを含み、前記低密度ポリエチレンの重量平均分子量が80,000以上である、[1]~[10]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[12]
前記(A)ポリアミド樹脂の硫酸相対粘度が2.4以下である、[1]~[11]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[13]
前記(A)ポリアミド樹脂及び前記(B)ポリオレフィン樹脂の合計を100質量部に対し、さらに(C)ポリフェニレンエーテルを1~40質量部含む、[1]~[12]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[14]
全樹脂成分100質量部に対し、前記(A)ポリアミド樹脂及び前記(B)ポリオレフィン樹脂の合計含有量が60~100質量部である、[1]~[13]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[15]
[1]~[14]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を用いた成形品。
[16]
[1]~[14]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を、押出成形法またはブロー成形法によって成形する工程を含む、成形品の製造方法。
[17]
自動車用材料部品である、[15]に記載の成形品。
[18]
ブレーキ用ホース、エアコンホース、及び冷却パイプのいずれかである、[15]に記載の成形品。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐高温冷媒性、低冷媒吸収性、低温耐衝撃性、高速成形性、押出成形時均肉性、及び周方向引張伸びに優れるポリアミド樹脂組成物及びその成形体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
(B)ポリオレフィン樹脂の分散径についての長径/短径の測定方法を説明する図である。
(B)ポリオレフィン樹脂の分散径についての長径/短径の測定方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
旭化成株式会社
包装材
19日前
旭化成株式会社
内装吸音材
15日前
旭化成株式会社
車両用シート
20日前
旭化成株式会社
冷却プレート及び構造体
20日前
旭化成株式会社
冷却プレート及び構造体
20日前
旭化成株式会社
軽質オレフィンの製造方法
7日前
旭化成株式会社
ポリアミド組成物、成形品
21日前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
今日
旭化成株式会社
成形体の製造方法及び成形体
18日前
旭化成株式会社
メタクリル系樹脂組成物及び成形体
19日前
旭化成株式会社
N-フェニルマレイミドの精製方法
4日前
旭化成株式会社
深紫外線照射装置及びその製造方法
19日前
旭化成株式会社
難燃性ポリアミド樹脂組成物及び成形体
25日前
旭化成株式会社
ゴム状重合体及びそれを含むゴム組成物
6日前
旭化成株式会社
強化ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
21日前
旭化成株式会社
セルロースナノファイバーを含むゴム組成物
1日前
旭化成株式会社
ブロック共重合体組成物、及び粘着性フィルム
7日前
旭化成株式会社
結晶の製造方法、六方晶系半導体結晶及び素子
21日前
旭化成株式会社
多孔性中空糸膜、及び多孔性中空糸膜の製造方法
1日前
旭化成株式会社
NV検知で濾液量を変化させる電着塗料回収システム
18日前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物、成形品、及び成形品の製造方法
15日前
旭化成株式会社
複層成形用の熱可塑エラストマー組成物、及び複層成形体
5日前
旭化成株式会社
樹脂組成物、樹脂フィルム、プリプレグ及び金属張積層板
4日前
旭化成株式会社
樹脂組成物、樹脂フィルム、プリプレグ及び金属張積層板
4日前
旭化成株式会社
鮮度管理装置、鮮度管理システム、鮮度管理方法、及びプログラム
13日前
旭化成株式会社
鮮度管理装置、鮮度管理システム、鮮度管理方法、及びプログラム
12日前
旭化成株式会社
N-フェニルマレイミド化合物及びそれを使用して得られる共重合体
4日前
旭化成株式会社
樹脂組成物及びその製造方法
14日前
旭化成株式会社
3Dプリンタ用熱可塑性樹脂フィラメント、およびその造形品、並びにその製造方法
1日前
旭化成株式会社
金属顔料、その用途、及び金属顔料の製造方法
今日
旭化成株式会社
高分子電解質膜、膜電極接合体、レドックスフロー電池用セル、レドックスフロー電池、及び巻回体
19日前
旭化成株式会社
高分子電解質膜、膜電極接合体、レドックスフロー電池用セル、レドックスフロー電池、及び巻回体
19日前
旭化成株式会社
含窒素フルオロポリマー液体組成物、含窒素フルオロポリマー樹脂組成物、塗工液、及び液体組成物の製造方法
19日前
旭化成株式会社
含窒素フルオロポリマー液体組成物、含窒素フルオロポリマー樹脂組成物、塗工液、及び液体組成物の製造方法
19日前
旭化成株式会社
ポリイミドワニス及びポリイミドフィルム、並びにこれらの製造方法
14日前
旭化成株式会社
感光性樹脂組成物、並びにこれを用いたポリイミド硬化膜の製造方法及びポリイミド硬化膜
7日前
続きを見る
他の特許を見る