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公開番号2025083275
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2024103233
出願日2024-06-26
発明の名称N-フェニルマレイミド化合物及びそれを使用して得られる共重合体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07D 207/448 20060101AFI20250523BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明の目的は、特定量以下の不純物を含有するN-フェニルマレイミドを共重合単量体の少なくとも一成分として用いることにより、得られる共重合体及び成形体の品質を向上させることのできる、N-フェニルマレイミド化合物を提供する。
【解決手段】N-フェニルマレアミン酸(PMA)を0.06質量%以下及び2-アニリノ-N-フェニルスクシンイミド(APSI)を0.01質量%以下含有する、N-フェニルマレイミド(PMI)化合物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
N-フェニルマレアミン酸(PMA)を0.06質量%以下及び2-アニリノ-N-フェニルスクシンイミド(APSI)を0.01質量%以下含有する、N-フェニルマレイミド(PMI)化合物。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
請求項1記載のN-フェニルマレイミド化合物を原料として用いた共重合体。
【請求項3】
請求項1記載のN-フェニルマレイミド化合物を原料として用いたメタクリル系共重合体。
【請求項4】
請求項2又は3のいずれか一項に記載の共重合体を含むことを特徴とする、成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、N-フェニルマレイミド化合物及びそれを使用して得られる共重合体に関する。より詳しくは、マレイミド化合物を製造する際に必然的に発生する化合物の含有量が少ないN-フェニルマレイミド化合物、及び、そのN-フェニルマレイミド化合物を単量体の少なくとも一成分として用いる共重合により得られる共重合体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
マレイミド化合物は、樹脂原料、医薬農薬等の原料として有用な化合物であり、特に、ABS樹脂、AS樹脂、AB樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂等のスチレン系樹脂、及び、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、フェノール樹脂等の耐熱性向上のために、共重合成分の一つとして多く用いられている。その中でも、N-フェニルマレイミド(以下、PMIともいう)が反応性や耐熱性の点で優れることから、特に広く使用されている。
【0003】
マレイミド化合物の製造方法については、無水マレイン酸と第一アミン類とを一段階で脱水反応させることにより得る方法(例えば、特許文献1、2)、無水マレイン酸と第一アミンとからマレアミン酸類を生成させ、このマレアミン酸類の脱水閉環イミド化反応により得る方法(例えば、特許文献3~6)、対応するマレアミン酸モノエステル類の閉環イミド化反応により得る方法(例えば、特許文献7~9)等、従来から多くの方法が知られている。これらの方法のうち、無水マレイン酸と第一アミン類とから一段階で得る方法では、未だ収率が低いため生産性が悪いという問題、また、マレアミン酸モノエステル類より得る方法では、閉環イミド化反応により発生するアルコールが製品中に残存混入するといった問題等があるため、工業的には一般にマレアミン酸類の脱水閉環イミド化反応により得る方法が行われている。なお、N-フェニルマレイミドを製造する際の第一アミン類はアニリンであり、マレアミン酸類はN-フェニルマレアミン酸である。
【0004】
ところで、上記の方法によりN-フェニルマレイミドを製造するにあたっては、中間体としてN-フェニルマレアミン酸(以下、PMAともいう)の生成を経由することになる。このPMAが加水分解を受けるとアニリンとマレイン酸が生成する。生成した(又は原料に由来する)アニリンは、目的生成物であるPMIと反応して、2-アニリノ-N-フェニルスクシンイミド(以下、APSIともいう)を生成することが知られている。また、上述したような樹脂製品を得るための共重合成分の一つとして、これら中間体や副生成物が不純物として存在するPMIを用いた場合、不純物が重合や成形途中にPMI及びその類縁体へと変換されるためか、得られる共重合体が着色あるいは変色したり、共重合体の品質(耐熱性、強度)が低下したりする等の問題点があった。
【0005】
このような問題を解決するために、例えば特許文献10には、閉環イミド化後の反応混合物から触媒層を除去し、該PMI含有有機溶媒層を55℃以上の温度で水洗処理したのち有機溶媒層と水層とを分離し、有機溶媒層から有機溶媒を留去したのちに3mmHgの減圧下160℃で蒸留を行うことにより、不純物PMA、APSI、N-(2,5-ジオキソ-1-フェニル-3-ピロリジニル)-N-フェニルマレアミン酸(PPMA)及びはN-フェニルフマルアミン酸(PFA)の含有総量が0.5質量%以下まで低減されたN-フェニルマレイミドを製造する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献10の実施例2で開示されているように、水洗と蒸留による製造工程だけでは、N-フェニルマレイミドに含まれる不純物PMA、APSI、PPMA及びPFA量の総和が5000ppmと多く存在するため、上述した樹脂製品における問題点を解消するという観点において、PMI中の不純物PMA、APSI含有量は十分に低減されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平5-25129号公報
米国特許出願公開第2005/182260号明細書
特開平3-56463号公報
特開平4-243864号公報
特開平4-295462号公報
特開平5-140095号公報
特開平4-221365号公報
特開平4-290868号公報
特開平6-184105号公報
国際公開第2012/128255号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、共重合体の色調を改善させるN-フェニルマレイミド化合物、及びそのN-フェニルマレイミド化合物を単量体の少なくとも一成分として用いる共重合により得られる共重合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述した従来技術の問題を解決するために鋭意検討した結果、特定の不純物、具体的にはN-フェニルマレアミン酸(PMA)と2-アニリノ-N-フェニルスクシンイミド(APSI)が加熱によって着色成分に変性することを見出し、N-フェニルマレアミン酸(PMA)の含有量を0.06質量%以下に、及び2-アニリノ-N-フェニルスクシンイミド(APSI)の含有量を0.01質量%以下にすることにより、上記課題を解決できることを明らかとした。
【0010】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
N-フェニルマレアミン酸(PMA)を0.06質量%以下及び2-アニリノ-N-フェニルスクシンイミド(APSI)を0.01質量%以下含有する、N-フェニルマレイミド(PMI)化合物。
[2]
[1]に記載のN-フェニルマレイミド化合物を原料として用いた共重合体。
[3]
[1]に記載のN-フェニルマレイミド化合物を原料として用いたメタクリル系共重合体。
[4]
[2]又は[3]のいずれかに記載の共重合体を含むことを特徴とする、成形体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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