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公開番号2025072332
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2024186195
出願日2024-10-22
発明の名称難燃性ポリアミド樹脂組成物及び成形体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 77/00 20060101AFI20250430BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、低吸水性であり、かつ吸水時の寸法変化率も小さく、難燃性及び機械的強度に優れるポリアミド樹脂組成物及び該ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】(a-1)脂肪族ポリアミドと(a-2)半芳香族ポリアミドとを含む(A)ポリアミド樹脂と、(B)メラミンシアヌレートと、(C)界面活性剤とを含有する難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、難燃性ポリアミド樹脂組成物を100質量%としたときに、(a-1)脂肪族ポリアミドを55~95質量%、(a-2)半芳香族ポリアミドを1~30質量%、(B)メラミンシアヌレートを4~15質量%、(C)界面活性剤を0.01~5.0質量%含むことを特徴とする、難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a-1)脂肪族ポリアミドと(a-2)半芳香族ポリアミドとを含む(A)ポリアミド樹脂と、(B)メラミンシアヌレートと、(C)界面活性剤とを含有する難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、
前記難燃性ポリアミド樹脂組成物を100質量%としたときに、前記(a-1)脂肪族ポリアミドを55~95質量%、前記(a-2)半芳香族ポリアミドを1~30質量%、前記(B)メラミンシアヌレートを4~15質量%、前記(C)界面活性剤を0.01~5.0質量%含む
ことを特徴とする、難燃性ポリアミド樹脂組成物。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記難燃性ポリアミド樹脂組成物の薄片を、デジタルマイクロスコープを用いて倍率100倍で撮影したときに、800μm×800μm四方の画像内に面積100μm

以上の粒子として存在する前記(B)メラミンシアヌレートの割合が、前記画像内の前記(B)メラミンシアヌレート粒子の総量(個数)を100%として、10%未満である、請求項1に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
前記難燃性ポリアミド樹脂組成物の薄片を、デジタルマイクロスコープを用いて倍率100倍で撮影したときに、800μm×800μm四方の画像内に面積10μm

以下の粒子として存在する前記(B)メラミンシアヌレートの割合が、前記画像内の前記(B)メラミンシアヌレート粒子の総量(個数)を100%として、10%以上50%未満である、請求項1又は2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
前記(B)メラミンシアヌレートが前記(C)界面活性剤により表面改質されたものである、請求項1又は2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物を成形してなることを特徴とする、成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性ポリアミド樹脂組成物及び成形体に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ポリアミド樹脂は、機械特性をはじめとして、成形加工性等において優れた特性を有するため、従来から自動車部品、電子電気部品、工業機械部品等、各種部品に広く利用されている。特に、靭性に優れることからコネクターやクリップ等の電気電子製品に用いられている。多くの場合、これらの製品には難燃性が要求される。
【0003】
ポリアミド樹脂に難燃性を付与する方法としては、難燃剤としてハロゲン系有機化合物、さらに難燃助剤としてアンチモン化合物等の金属酸化物を樹脂にコンパウンドする方法が一般的である。しかしながら、特に、環境的観点から非ハロゲン系の難燃剤を用いることが望まれている。さらに、ハロゲン系難燃剤を配合した樹脂組成物は耐トラッキング性などの電気特性が低下するといった問題点を有していた。そこで、近年、これらハロゲンを含まない難燃剤を用いることが強く望まれるようになっている。
【0004】
このような難燃性ポリアミド樹脂の代表例として、メラミンシアヌレートを含む難燃性ポリアミド材料が挙げられ、例えば、電気電子分野のコネクターやクリップ等に使用されている(特許文献1)。また、特許文献2では、特定のリン酸トリエステル、高級脂肪酸金属塩及び多価アルコールを含むポリアミド樹脂組成物が提案されている。また、特許文献3では、脂肪族ポリアミド及び半芳香族ポリアミドを含むヒンジ特性に優れるポリアミド樹脂組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-070808号公報
特開2008-007614号公報
特開2000-26721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
メラミンシアヌレートを用いた難燃性ポリアミド樹脂においては、ポリアミド66やポリアミド6が代表的であるが、これらの樹脂は、吸水時の寸法変化が大きく、一般的に吸水時の寸法精度が必要となる場合に好適でない。また、ポリアミド610やポリアミド612に代表される長鎖ポリアミドは、比較的吸水率が低く、吸水時の寸法変化率も小さい。しかしながら、UL94に基づくV-0レベルの難燃化が難しく、難燃剤を多量に必要とするため、機械的強度と難燃性との両立は困難であった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、低吸水性であり、かつ吸水時の寸法変化率も小さく、難燃性及び機械的強度に優れるポリアミド樹脂組成物、及び該ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)(a-1)脂肪族ポリアミドと(a-2)半芳香族ポリアミドとを含む(A)ポリアミド樹脂と、(B)メラミンシアヌレートと、(C)界面活性剤とを含有する難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、
前記難燃性ポリアミド樹脂組成物を100質量%としたときに、前記(a-1)脂肪族ポリアミドを55~95質量%、前記(a-2)半芳香族ポリアミドを1~30質量%、前記(B)メラミンシアヌレートを4~15質量%、前記(C)界面活性剤を0.01~5.0質量%含む
ことを特徴とする、難燃性ポリアミド樹脂組成物。
(2)前記難燃性ポリアミド樹脂組成物の薄片を、デジタルマイクロスコープを用いて倍率100倍で撮影したときに、800μm×800μm四方の画像内に面積100μm

以上の粒子として存在する前記(B)メラミンシアヌレートの割合が、前記画像内の前記(B)メラミンシアヌレート粒子の総量(個数)を100%として、10%未満である、(1)に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
(3)
前記難燃性ポリアミド樹脂組成物の薄片を、デジタルマイクロスコープを用いて倍率100倍で撮影したときに、800μm×800μm四方の画像内に面積10μm

以下の粒子として存在する前記(B)メラミンシアヌレートの割合が、前記画像内の前記(B)メラミンシアヌレート粒子の総量(個数)を100%として、10%以上50%未満である、(1)又は(2)に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
(4)
前記(B)メラミンシアヌレートが前記(C)界面活性剤により表面改質されたものである、(1)~(3)のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物を成形してなることを特徴とする、成形体。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低吸水性であり、かつ吸水時の寸法変化率も小さく、難燃性及び機械的強度に優れるポリアミド樹脂組成物、及び該ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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