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公開番号
2025076901
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-16
出願番号
2023188850
出願日
2023-11-02
発明の名称
成形体の製造方法及び成形体
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08J
5/18 20060101AFI20250509BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明の目的は、ポリフェニレンエーテル系樹脂を多量に含む原材料から製造される成形体であって、誘電正接が低く、外観にも優れる成形体を、高い製造レートで連続生産を可能にする、成形体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の成形体の製造方法は、ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)55質量%以上100質量%以下と、10GHzにおける誘電正接が0.0015以下である熱可塑性樹脂(b)0質量%以上45質量%以下と、を含む原材料を、単軸往復動押出機を用いて溶融混錬し、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を得る工程1;並びに、前記工程1で得られた溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を、前記単軸往復動押出機の樹脂排出口にギアポンプ又は第二の押出機を介して連結されたダイ又はノズルより押し出して、フィルム、シート、繊維及び不織布からなる群より選択される成形体に加工する工程2;を含むことを特徴としている。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)55質量%以上100質量%以下と、10GHzにおける誘電正接が0.0015以下である熱可塑性樹脂(b)0質量%以上45質量%以下と、を含む原材料を、単軸往復動押出機を用いて溶融混錬し、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を得る工程1;並びに、
前記工程1で得られた溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を、前記単軸往復動押出機の樹脂排出口にギアポンプ又は第二の押出機を介して連結されたダイ又はノズルより押し出して、フィルム、シート、繊維及び不織布からなる群より選択される成形体に加工する工程2;
を含む、成形体の製造方法。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記工程1において、前記単軸往復動押出機の混錬ゾーンにおける内容物温度の最大値が350℃以下であり、かつ、
前記工程1において前記原材料が前記単軸往復動押出機内に供給されてから前記工程2において前記成形体として押し出されるまでの滞留時間の中央値が100秒以下である、
請求項1に記載の成形体の製造方法。
【請求項3】
製造レートが20kg/h以上である、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
【請求項4】
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)の重量平均分子量が30,000以上である、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂(b)が、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、環状オレフィンポリマー、及び液晶ポリエステルからなる群から選択される一種又は二種以上である、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
【請求項6】
前記原材料が、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)と前記熱可塑性樹脂(b)とを除く、その他の添加物(x)を、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)と前記熱可塑性樹脂(b)と前記その他の添加物(x)との合計100質量%に対して、10質量%以下含む、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の成形体の製造方法によって得られ、
示差走査熱量測定において150℃以上250℃以下の温度領域に少なくとも一つのガラス転移温度を有し、
成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)の構造中に含まれるOH基の数が、成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)を構成するモノマー単位100個に対して平均1.3個以下である、成形体。
【請求項8】
前記成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)が、式(1)で表される繰り返し単位構造(i)と、式(2)で表される末端構造(ii)と、式(3)で表される転位構造(iii)と、を含み、
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2025076901000011.tif
33
161
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[式中、R
1
、R
3
、及びR
4
は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1~7の第1級のアルキル基、炭素原子数1~7の第2級のアルキル基、炭素原子数1~7の第3級のアルキル基、及びフェニル基からなる群より選択される一価の基であり、R
2
は、炭素原子数1~7の第1級のアルキル基、炭素原子数1~7の第2級のアルキル基、炭素数1~7の第3級のアルキル基、及びフェニル基からなる群より選択される一価の基であり、R
2
’は前記R
2
より1個の水素原子が引き抜かれた二価の基である。]
前記末端構造(ii)に由来するOH基の数と前記転位構造(iii)に由来するOH基の数との和が、成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)を構成するモノマー単位100個に対して平均1.3個以下である、請求項7に記載の成形体。
【請求項9】
前記末端構造(ii)に由来するOH基の数が、前記成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)を構成するモノマー単位100個に対して平均1.0個以下であり、
前記転位構造(iii)に由来するOH基の数が、前記成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)を構成するモノマー単位100個に対して平均0.3個以下である、
請求項8に記載の成形体。
【請求項10】
前記成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)の重量平均分子量が55,000以上である、請求項7に記載の成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体の製造方法及び成形体に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信の大容量化、及び高速化にともない、通信信号の高周波数化が進んでいる。
信号の伝送損失は、信号の周波数、材料の誘電正接(Df)、及び材料の比誘電率の平方根(√Dk)の積に比例するため、誘電正接と比誘電率がともに低い材料が求められる。
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、誘電正接と比誘電率がともに低く、したがって高周波数帯域における信号の伝送損失が小さく、さらに耐熱性にも優れることから、回路基板等の高分子絶縁材料やアンテナ部品等の電子部品として用いられることが増えている。
例えば、特許文献1には、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含み、1GHz以上の周波数領域で使用される部品用樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、76.5GHzにおける誘電正接が0.003以下である高周波回路基材用フィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-137491号
特開2011-253958号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献で開示された樹脂組成物やフィルムはいずれも、高い製造レートで連続生産する場合、所望の誘電正接を発現しにくいという問題があった。
本発明者らが検討を行ったところ、ポリフェニレンエーテル系樹脂を多量に含む熱可塑性樹脂組成物を高い製造レートで連続生産する場合、一般的に用いられる二軸押出機で溶融混錬を行うと、せん断発熱が大きくなるためにポリフェニレンエーテル系樹脂の構造変化が進み、ポリフェニレンエーテル系樹脂の特長である低い誘電正接を維持することが困難であることが分かった。また、二軸押出機の押出条件(例えば、シリンダーバレル設定温度、スクリュー混錬ゾーンの合計L/D、スクリュー回転速度、等)を調整したり、或いは単軸押出機を用いたりして、低せん断条件下で溶融混錬を行うと、せん断発熱は抑制されるものの、混錬不十分によるポリフェニレンエーテル系樹脂の未溶融物が発生し、外観不良や性能低下をまねくことが分かった。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、ポリフェニレンエーテル系樹脂を多量に含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形体であって、誘電正接が低く、外観にも優れる成形体を、高い製造レートで連続生産を可能にする、成形体の製造方法、及び当該成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む原材料を、単軸往復動押出機を用いて溶融混錬し、上記単軸往復動押出機の樹脂排出口にギアポンプ又は第二の押出機を介して連結されたダイ又はノズルより押し出して成形体に加工することにより、上記の課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)55質量%以上100質量%以下と、10GHzにおける誘電正接が0.0015以下である熱可塑性樹脂(b)0質量%以上45質量%以下と、を含む原材料を、単軸往復動押出機を用いて溶融混錬し、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を得る工程1;並びに、
前記工程1で得られた溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を、前記単軸往復動押出機の樹脂排出口にギアポンプ又は第二の押出機を介して連結されたダイ又はノズルより押し出して、フィルム、シート、繊維及び不織布からなる群より選択される成形体に加工する工程2;
を含む、成形体の製造方法。
[2]
前記工程1において、前記単軸往復動押出機の混錬ゾーンにおける内容物温度の最大値が350℃以下であり、かつ、
前記工程1において前記原材料が前記単軸往復動押出機内に供給されてから前記工程2において前記成形体として押し出されるまでの滞留時間の中央値が100秒以下である、
[1]に記載の成形体の製造方法。
[3]
製造レートが20kg/h以上である、[1]又は[2]に記載の成形体の製造方法。
[4]
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)の重量平均分子量が30,000以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[5]
前記熱可塑性樹脂(b)が、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、環状オレフィンポリマー、及び液晶ポリエステルからなる群から選択される一種又は二種以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[6]
前記原材料が、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)と前記熱可塑性樹脂(b)とを除く、その他の添加物(x)を、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)と前記熱可塑性樹脂(b)と前記その他の添加物(x)との合計100質量%に対して、10質量%以下含む、[1]~[5]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[7]
[1]~[6]のいずれかに記載の成形体の製造方法によって得られ、
示差走査熱量測定において150℃以上250℃以下の温度領域に少なくとも一つのガラス転移温度を有し、
成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)の構造中に含まれるOH基の数が、成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)を構成するモノマー単位100個に対して平均1.3個以下である、成形体。
[8]
前記成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)が、式(1)で表される繰り返し単位構造(i)と、式(2)で表される末端構造(ii)と、式(3)で表される転位構造(iii)と、を含み、
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[式中、R
1
、R
3
、及びR
4
は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1~7の第1級のアルキル基、炭素原子数1~7の第2級のアルキル基、炭素原子数1~7の第3級のアルキル基、及びフェニル基からなる群より選択される一価の基であり、R
2
は、炭素原子数1~7の第1級のアルキル基、炭素原子数1~7の第2級のアルキル基、炭素数1~7の第3級のアルキル基、及びフェニル基からなる群より選択される一価の基であり、R
2
’は前記R
2
より1個の水素原子が引き抜かれた二価の基である。]
前記末端構造(ii)に由来するOH基の数と前記転位構造(iii)に由来するOH基の数との和が、成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)を構成するモノマー単位100個に対して平均1.3個以下である、[7]に記載の成形体。
[9]
前記末端構造(ii)に由来するOH基の数が、前記成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)を構成するモノマー単位100個に対して平均1.0個以下であり、
前記転位構造(iii)に由来するOH基の数が、前記成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)を構成するモノマー単位100個に対して平均0.3個以下である、
[8]に記載の成形体。
[10]
前記成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)の重量平均分子量が55,000以上である、[7]~[9]のいずれかに記載の成形体。
[11]
前記成形体中のポリフェニレンエーテル系樹脂(a’)の重量平均分子量が70,000以上である、[7]~[10]のいずれかに記載の成形体。
[12]
[1]~[6]のいずれかに記載の成形体の製造方法によって得られ、
示差走査熱量測定において150℃以上250℃以下の温度領域に少なくとも一つのガラス転移温度を有し、
10GHzにおける誘電正接が0.0025以下である、成形体。
【発明の効果】
【0008】
本発明の成形体の製造方法は、ポリフェニレンエーテル系樹脂を多量に含む熱可塑性樹脂組成物からなる成形体であって、誘電正接が低く、外観にも優れる成形体を、高い製造レートで連続生産を可能にする。得られる成形体は、低い誘電正接、及び高い耐熱性を有し、外観、靭性、及び耐薬品性にも優れ、フィルム、シート、繊維、並びに不織布として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0010】
(成形体の製造方法)
本実施形態の成形体の製造方法は、原材料100質量%に対して、ポリフェニレンエーテル系樹脂(a)55質量%以上100質量%以下と、10GHzにおける誘電正接が0.0015以下である熱可塑性樹脂(b)0質量%以上45質量%以下と、を含む原材料を、単軸往復動押出機を用いて溶融混錬し、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を得る工程1;並びに、上記工程1で得られた溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を、上記単軸往復動押出機の樹脂排出口にギアポンプ又は第二の押出機を介して連結されたダイ又はノズルより押し出して、フィルム、シート、繊維、及び不織布からなる群より選択される成形体に加工する工程2;を含む。
本実施形態の成形体の製造方法は、上記工程1及び上記工程2のみからなる製造方法であってもよいし、さらに他の工程を含んでいてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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