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公開番号
2025078773
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-20
出願番号
2025034638,2023527950
出願日
2025-03-05,2022-06-10
発明の名称
樹脂組成物及びその製造方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
101/00 20060101AFI20250513BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】機械特性と、加飾性及び美観とが高度に両立された樹脂組成物、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一態様において、セルロースナノファイバーと、樹脂と、熱分解開始温度が200℃超である液状ポリマーとを含む、樹脂組成物、及びその製造方法が提供される。一態様においては、液状ポリマーが、ジエン系ゴムを含む。一態様においては、液状ポリマーが、ポリブタジエン、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、及びポリクロロプレンからなる群から選択される1種以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
セルロースナノファイバーと、樹脂と、熱分解開始温度が200℃超である液状ポリマーとを含む、樹脂組成物。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記液状ポリマーが、液状ゴムである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記液状ポリマーが、ジエン系ゴムを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記液状ポリマーが、ポリブタジエン、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、及びポリクロロプレンからなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記液状ポリマーの数平均分子量が、1,000~80,000である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記液状ポリマーの25℃での粘度が、100mPa・s~1,000,000mPa・sである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記液状ポリマーが、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体であり、共役ジエン単量体と結合した芳香族ビニル単量体の量が、5モル%~70モル%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記液状ポリマーのガラス転移温度が、-150℃~25℃である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記セルロースナノファイバーが、化学修飾セルロースナノファイバーである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記化学修飾セルロースナノファイバーが、アシル置換度0.1~2.0のアシル化セルロースナノファイバーである、請求項9に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースナノファイバーを含む樹脂組成物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
樹脂材料は、軽く、加工特性に優れるため、自動車部材、電気・電子部材、事務機器ハウジング、精密部品等の多方面に広く使用されているが、樹脂単体では、機械特性、寸法安定性等が不十分である場合が多いことから、樹脂と各種フィラーとをコンポジットしたものが一般的に用いられている。近年、このようなフィラーとして、天然物由来材料であるセルロースナノファイバー(CNF)を使用することが検討されている。CNFは、優れた機械特性を有しながら環境への負荷が小さいという利点を有するが、その微細構造に起因して、乾燥状態では凝集し易いという性質があるため、安定分散が可能な分散液として製造される。例えば、セルロースナノファイバーを各種用途に適用する際には、上記分散液を樹脂と直接混合する場合と、当該分散液を一旦乾燥させた後、分散媒中に分散させ又は乾燥体のままで樹脂と混合する場合とがある。しかしセルロースナノファイバーにおいて、セルロース分子間の水素結合による凝集は極めて強固であることから、従来、セルロースナノファイバーの凝集を抑制するための手法が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、セルロースナノファイバーを凝集させること無く分散可能なセルロースナノファイバー用分散液として、(A)親水性セグメント及び疎水性セグメントを有し、数平均分子量が200~30000の水溶性ポリマーである表面処理剤、(B)ポリウレタン、及び水を含む分散液を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-063408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
セルロースナノファイバーを含む樹脂組成物に要求される特性は年々高度になっており、特に、樹脂組成物を成形してなる成形体には、近年、優れた機械特性のみならず、高い表面平滑性による加飾性及び美麗な外観も求められている。特許文献1に記載される技術は、特定の水溶性ポリマーとポリウレタンとを含む分散液によってセルロースナノファイバーの分散性を高めようとするものであるが、機械特性と、加飾性及び美観とが高度に両立された樹脂組成物の提供においては未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明の一態様は、上記の課題を解決し、機械特性と、加飾性及び美観とが高度に両立された樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の項目を包含する。
[1] セルロースナノファイバーと、樹脂と、熱分解開始温度が200℃超である液状ポリマーとを含む、樹脂組成物。
[2] 前記液状ポリマーが、液状ゴムである、上記項目1に記載の樹脂組成物。
[3] 前記液状ポリマーが、ジエン系ゴムを含む、上記項目1又は2に記載の樹脂組成物。
[4] 前記液状ポリマーが、ポリブタジエン、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、及びポリクロロプレンからなる群から選択される1種以上である、上記項目1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 前記液状ポリマーの数平均分子量が、1,000~80,000である、上記項目1~4のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 前記液状ポリマーの25℃での粘度が、100mPa・s~1,000,000mPa・sである、上記項目1~5のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] 前記液状ポリマーが、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体であり、共役ジエン単量体と結合した芳香族ビニル単量体の量が、5モル%~70モル%である、上記項目1~6のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] 前記液状ポリマーのガラス転移温度が、-150℃~25℃である、上記項目1~7のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 前記セルロースナノファイバーが、化学修飾セルロースナノファイバーである、上記項目1~8のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 前記化学修飾セルロースナノファイバーが、アシル置換度0.1~2.0のアシル化セルロースナノファイバーである、上記項目9に記載の樹脂組成物。
[11] 前記セルロースナノファイバーの数平均繊維径が、2nm~1000nmである、上記項目1~10のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 前記セルロースナノファイバーの熱分解開始温度が、250℃以上である、上記項目1~11のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13] 前記液状ポリマーが、少なくとも、前記セルロースナノファイバーと前記樹脂との界面の一部に浸入した形態で存在している、上記項目1~12のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14] 前記樹脂組成物の250℃重量減少率が、1.5%以下である、上記項目1~13のいずれかに記載の樹脂組成物。
[15] 前記液状ポリマーの熱分解開始温度T1、及び前記セルロースナノファイバーの熱分解開始温度T2が、以下の関係:
(T1)≧(T2)
を満たす、上記項目1~14のいずれかに記載の樹脂組成物。
[16] 前記T1と前記T2との差T1-T2が、5℃以上である、上記項目15に記載の樹脂組成物。
[17] 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、上記項目1~16のいずれかに記載の樹脂組成物。
[18] 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、及びポリアセタール系樹脂からなる群から選択される1種以上である、上記項目17に記載の樹脂組成物。
[19] 前記液状ポリマーの熱分解開始温度T1、及び、前記熱可塑性樹脂の融点であるか又はガラス転移温度+70℃である温度T3が、以下の関係:
(T1)>(T3)
を満たす、上記項目17又は18に記載の樹脂組成物。
[20] 前記熱可塑性樹脂が結晶性を有する熱可塑性樹脂であり、前記温度T3が前記熱可塑性樹脂の融点である、上記項目19に記載の樹脂組成物。
[21] 前記液状ポリマーの熱分解開始温度T1、及び、前記熱可塑性樹脂の融点であるか又はガラス転移温度+100℃である温度T4が、以下の関係:
(T1)>(T4)
を満たす、上記項目17~19のいずれかに記載の樹脂組成物。
[22] 前記液状ポリマーの50℃における粘度η50と、前記熱可塑性樹脂の融点+20℃における液状ポリマーの粘度ηTmと、前記熱可塑性樹脂の融点+20℃における前記熱可塑性樹脂の溶融粘度ηrとが、以下の関係:
η50/ηTm≧20、且つ
1≦ηr/η50≦1000
を満たす、上記項目17~21のいずれかに記載の樹脂組成物。
[23] 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であり、
前記液状ポリマーの50℃における粘度η50と、前記ポリオレフィン系樹脂の融点+20℃における液状ポリマーの粘度ηTmとが、以下の関係:
η50/ηTm≧20
を満たす、上記項目17~22のいずれかに記載の樹脂組成物。
[24] 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であり、
前記ポリオレフィン系樹脂の融点+20℃における前記ポリオレフィン系樹脂の溶融粘度ηrと、前記ポリオレフィン系樹脂の融点+20℃における液状ポリマーの粘度ηTmとが、以下の関係:
ηr/ηTm≦50000
を満たす、上記項目17~23のいずれかに記載の樹脂組成物。
[25] 前記熱可塑性樹脂が、ポリアセタール系樹脂であり、
前記液状ポリマーの50℃における粘度η50と、前記ポリアセタール系樹脂の融点+20℃における液状ポリマーの粘度ηTmとが、以下の関係:
η50/ηTm≧20
を満たす、上記項目17~22のいずれかに記載の樹脂組成物。
[26] 前記熱可塑性樹脂が、ポリアセタール系樹脂であり、
前記ポリアセタール系樹脂の融点+20℃における前記ポリアセタール系樹脂の溶融粘度ηrと、前記ポリアセタール系樹脂の融点+20℃における液状ポリマーの粘度ηTmとが、以下の関係:
ηr/ηTm≦100000
を満たす、上記項目17~22及び25のいずれかに記載の樹脂組成物。
[27] 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂であり、
前記液状ポリマーの50℃における粘度η50と、前記ポリアミド系樹脂の融点+20℃における液状ポリマーの粘度ηTmとが、以下の関係:
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、機械特性と、加飾性及び美観とが高度に両立された樹脂組成物及びその製造方法が提供され得る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の例示の態様(以下、本実施形態ともいう。)について以下具体的に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。なお本開示の特性値は、特記がない限り、本開示の[実施例]の項に記載される方法又はこれと同等であることが当業者に理解される方法で測定される値である。
【0010】
≪樹脂組成物≫
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、セルロースナノファイバーと、樹脂と、液状ポリマーとを含む。液状ポリマーは、一態様において熱分解開始温度200℃超を有する。液状ポリマーは、液状であることから非液状材料と比べてセルロースナノファイバー凝集抑制能が良好である傾向があるとともに、ポリマーであることから非ポリマー材料と比べて耐熱性が良好である傾向がある。セルロースナノファイバーと樹脂とを含む樹脂組成物に液状ポリマーを含有させることは、当該液状ポリマーによる高いセルロースナノファイバー凝集抑制能と、高い耐熱性の寄与により、樹脂組成物の加工工程における分解ガス等の発生を抑制する点で有利である。このような分解ガス等の発生抑制は、樹脂組成物の表面粗さ低減による、加飾性及び美観の向上に有利である。
(【0011】以降は省略されています)
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