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公開番号2025078828
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-20
出願番号2025036895,2019005458
出願日2025-03-07,2019-01-16
発明の名称ポリイミドワニス及びポリイミドフィルム、並びにこれらの製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08L 79/08 20060101AFI20250513BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】改善された製膜性を有する、透明なポリイミドワニスを提供すること。
【解決手段】(a)ポリイミド、と(b)2種以上の溶媒を含む混合溶媒、を含む、ポリイミドワニスであって、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の分散項δd、双極子項δp及び水素結合項δhであらわされる各パラメータにおいて、上記ポリイミドと上記混合溶媒の分散項と水素結合項が、下記数式1:
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025078828000057.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">20</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">167</com:WidthMeasure> </com:Image> {数式1中、δdPIは、上記ポリイミドの分散項であり、δhPIは、上記ポリイミドの水素結合項であり、δdsolvは、上記混合溶媒の分散項であり、そしてδhsolvは、上記混合溶媒の水素結合項である。}を満たす、ポリイミドワニス。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a)ポリイミド、と
(b)2種以上の溶媒を含む混合溶媒、を含む、ポリイミドワニスであって、
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の分散項δd、双極子項δp及び水素結合項δhであらわされる各パラメータにおいて、前記ポリイミドと前記混合溶媒の分散項と水素結合項が、下記数式1:
TIFF
2025078828000045.tif
20
167
{数式1中、δd
PI
は前記ポリイミドの分散項であり、δh
PI
は前記ポリイミドの水素結合項であり、δd
solv
は前記混合溶媒の分散項であり、そしてδh
solv
は前記混合溶媒の水素結合項である。}
を満たす、ポリイミドワニス。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記ポリイミドワニスのポリイミド濃度を20質量%とし、光路長10mm及び波長450nmで測定した場合に、前記ポリイミドワニスの光透過率が55%以上である、請求項1に記載のポリイミドワニス。
【請求項3】
前記混合溶媒の分散項(δd
solv
)、双極子項(δp
solv
)及び水素結合項(δh
solv
)が、下記:
分散項(δd
solv
)≧16.8
双極子項(δp
solv
)≧11.5
水素結合項(δh
solv
)≧6.2
を満たし、かつ
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)が22.5以上26.7以下である、請求項1又は2に記載のポリイミドワニス。
【請求項4】
前記(b)混合溶媒が、(b1)環状エステル及び(b2)環状ケトンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリイミドワニス。
【請求項5】
前記(b1)環状エステル及び前記(b2)環状ケトンの合計質量に基づいて、前記(b1)環状エステルの量が20質量%以上90質量%以下である、請求項4に記載のポリイミドワニス。
【請求項6】
前記(b1)環状エステルが、γ-ブチロラクトンである、請求項5に記載のポリイミドワニス。
【請求項7】
前記(a)ポリイミドが、下記式(B1)で表される2価の有機基を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリイミドワニス。
TIFF
2025078828000046.tif
45
167
【請求項8】
前記(a)ポリイミドが、下記式(B2)で表される2価の有機基を更に含む、請求項7に記載のポリイミドワニス。
TIFF
2025078828000047.tif
42
167
【請求項9】
前記(a)ポリイミドが、下記式(A6)で表される4価の有機基を更に含む、請求項7又は8に記載のポリイミドワニス。
TIFF
2025078828000048.tif
42
167
【請求項10】
前記(a)ポリイミドが、下記式(A1)で表される4価の有機基、並びに下記式(B3)及び(B4)で表される2価の有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリイミドワニス。
TIFF
2025078828000049.tif
45
167
TIFF
2025078828000050.tif
58
167
TIFF
2025078828000051.tif
45
167
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミドワニス及びポリイミドフィルム、並びにこれらの製造方法等に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、フレキシブルディスプレイなどの折り曲げ可能なフレキシブルデバイスや、有機EL照明又は有機ELディスプレイなどの曲面を有する曲面デバイスの開発が進められている。このようなデバイスにおいては、高分子材料からなる折り曲げ可能なフィルム(プラスチックフィルム)を、表面保護層、カラーフィルター、タッチパネル、薄膜トランジスタ(TFT)などを形成する基板として用いることが検討されている。
プラスチックフィルムの中でも、ポリイミドフィルムは、耐熱性、耐薬品性等に特に優れることから、前述の分野における基板材料として期待されている。
芳香族ポリイミドは、イミド環の窒素近傍のジアミンに由来する部位とイミド環のカルボニル基近傍の酸無水物に由来する部位との間の電荷移動錯体(CT錯体)によって着色しており、光学用途には使い難い。また、芳香族ポリイミドは、汎用の有機溶媒に溶け難く加工性に劣り、適用範囲が限定されている。そのため、特に前述の分野において、無色透明であり、かつ有機溶媒への溶解性が高い、ポリイミドが望まれている。
【0003】
特許文献1は、無色透明で有機溶媒への溶解性が高く、かつ高温でも着色しにくいポリイミドを提供することを目的としている。特許文献1は、ポリイミド前駆体として、芳香族ジアミンと、テトラカルボン酸二無水物とから合成されるポリイミド前駆体を含有するポリアミド酸ワニスを基板上に塗布した後、熱イミド化することによって、ポリイミドフィルムを得ることを記載している。
また、特許文献2は、溶媒への溶解性が良好で、加工性に優れるポリイミドを含有し、無色透明であり、靱性に優れるポリイミドフィルム等を提供することを目的としている。特許文献2は、芳香族ジアミンと、テトラカルボン酸二無水物とから合成されるポリイミドを含有するポリイミドワニスを基板上に塗布した後、溶媒を乾燥することによってポリイミドフィルムを得ることを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-72118号公報
国際公開第2016/158825号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポリイミドワニス(単に「ワニス」ともいう。)を塗布しフィルムを作製する際に、フィルムを作製する工程をできるだけ短時間に行い生産性を高めるため、ポリイミドワニスの溶媒には速乾燥性が求められている。具体的には、溶媒は、低沸点と高い蒸気圧を有することが求められている。
ポリイミド前駆体であるポリアミド酸は、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルアセトアミド、及びN,N-ジメチルホルムアミド等へ溶解することが確認されている。しかしながら、これらの溶媒は、いずれも150℃以上の沸点を有する為、溶媒の乾燥時間を充分に短縮することができなかった。
したがって、本発明の目的の一つは、速乾燥性を有し、したがって改善された製膜性を有する、透明なポリイミドワニスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ポリイミド及び2種以上の溶媒を含むポリイミドワニスであって、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の分散項δd、双極子項δp及び水素結合項δhであらわされる各パラメータが特定の数式を満たすポリイミド及び溶媒組成を用いることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。本発明の実施形態の例を以下の項目[1]~[19]に列記する。
[1]
(a)ポリイミド、と
(b)2種以上の溶媒を含む混合溶媒、を含む、ポリイミドワニスであって、
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の分散項δd、双極子項δp及び水素結合項δhであらわされる各パラメータにおいて、上記ポリイミドと上記混合溶媒の分散項と水素結合項が、下記数式1:
TIFF
2025078828000001.tif
19
167
{数式1中、δd
PI
は、上記ポリイミドの分散項であり、δh
PI
は、上記ポリイミドの水素結合項であり、δd
solv
は、上記混合溶媒の分散項であり、そしてδh
solv
は、上記混合溶媒の水素結合項である。}
を満たす、ポリイミドワニス。
[2]
上記ポリイミドワニスのポリイミド濃度を20質量%とし、光路長10mm及び波長450nmで測定した場合に、上記ポリイミドワニスの光透過率が55%以上である、項目1に記載のポリイミドワニス。
[3]
上記混合溶媒の分散項(δd
solv
)、双極子項(δp
solv
)及び水素結合項(δh
solv
)が、下記:
分散項(δd
solv
)≧16.8
双極子項(δp
solv
)≧11.5
水素結合項(δh
solv
)≧6.2
を満たし、かつ
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)が22.5以上26.7以下である、項目1又は2に記載のポリイミドワニス。
[4]
上記(b)混合溶媒が、(b1)環状エステル及び(b2)環状ケトンを含む、項目1~3のいずれか一項に記載のポリイミドワニス。
[5]
上記(b1)環状エステル及び上記(b2)環状ケトンの合計質量に基づいて、上記(b1)環状エステルの量が20質量%以上90質量%以下である、項目4に記載のポリイミドワニス。
[6]
上記(b1)環状エステルが、γ-ブチロラクトンである、項目5に記載のポリイミドワニス。
[7]
上記(a)ポリイミドが、下記式(B1)で表される2価の有機基を含む、項目1~6のいずれか一項に記載のポリイミドワニス。
TIFF
2025078828000002.tif
48
167
[8]
上記(a)ポリイミドが、下記式(B2)で表される2価の有機基を更に含む、項目7に記載のポリイミドワニス。
TIFF
2025078828000003.tif
42
167
[9]
上記(a)ポリイミドが、下記式(A6)で表される4価の有機基を更に含む、項目7又は8に記載のポリイミドワニス。
TIFF
2025078828000004.tif
42
167
[10]
上記(a)ポリイミドが、下記式(A1)で表される4価の有機基、並びに下記式(B3)及び(B4)で表される2価の有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、項目1~6のいずれか一項に記載のポリイミドワニス。
TIFF
2025078828000005.tif
45
167
TIFF
2025078828000006.tif
58
167
TIFF
2025078828000007.tif
45
167
[11]
上記(a)ポリイミドが、下記式(A2)、(A3)及び(A4)で表される4価の有機基、並びに下記式(B5)で表される2価の有機基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、項目1~6のいずれか一項に記載のポリイミドワニス。
TIFF
2025078828000008.tif
42
167
TIFF
2025078828000009.tif
39
167
TIFF
2025078828000010.tif
42
167
TIFF
2025078828000011.tif
35
167
[12]
項目1~11のいずれか一項に記載のポリイミドワニスを、基材にキャストする工程と、
キャストした上記ポリイミドワニスを乾燥して、自立フィルム形成する工程と、
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、改善された製膜性を有する、透明なポリイミドワニスを提供することができる。本発明のポリイミドワニスは、透明性が高く、かつ屈曲耐性を有するポリイミドフィルムを効率的に製造することができる。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施形態及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本願明細書において、各数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
【0009】
《ポリイミドワニス》
〈(a):ポリイミド〉
本実施形態のポリイミドワニスは、(a)ポリイミドを含む。ポリイミドはワニス保管中の分子量の低下を抑制できる観点から好ましい。
本願明細書において「ポリアミド酸」とは、イミド化率が20%未満であるポリマー、即ち繰り返し単位の80%以上が下記式(P1)であるポリマーを意味する。
本実施形態において「ポリイミド」とは、イミド化率が20%以上であるポリマー、即ち繰り返し単位の20%以上が下記式(P2)であるポリマーを意味する。ポリイミドにおけるイミド化率は、ワニス保管中の分子量低下を抑制できる観点から、40%以上が好ましく、60%以上が更に好ましく、80%以上100%以下が更に好ましい。
【0010】
TIFF
2025078828000013.tif
58
167
(式(P1)中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基であり、nは正の整数である。)
(【0011】以降は省略されています)

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