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公開番号2024128306
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037226
出願日2023-03-10
発明の名称脱塩素ポリマーの製造方法及び脱塩素装置
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 8/26 20060101AFI20240913BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリ塩化ビニリデンの脱塩素を効率的に進行することのできる脱塩素ポリマーの製造方法、並びに、脱塩素装置、当該装置を用いた方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】ポリ塩化ビニリデンに対して、周波数500~1200Hzと周波数1300~2000Hzの電磁波を照射し、脱塩素ポリマーを得る照射工程を有する、脱塩素ポリマーの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリ塩化ビニリデンに対して、周波数500~1200Hzと周波数1300~2000Hzの電磁波を照射し、脱塩素ポリマーを得る照射工程を有する、
脱塩素ポリマーの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記照射工程は、無溶剤下で行う、
請求項1に記載の脱塩素ポリマーの製造方法。
【請求項3】
前記ポリ塩化ビニリデンの平均粒径が、1.0~50mmである、
請求項1に記載の脱塩素ポリマーの製造方法。
【請求項4】
前記照射工程は、電磁波吸収フィラーの共存下で行う、
請求項1に記載の脱塩素ポリマーの製造方法。
【請求項5】
前記照射工程は、塩素吸収剤の共存下で行う、
請求項1に記載の脱塩素ポリマーの製造方法。
【請求項6】
電磁波照射部を備える反応器と、制御部と、を有し、
前記反応器が、前記電磁波照射部を用いて、ポリ塩化ビニリデンに対して、周波数500~1200Hzと周波数1300~2000Hzの電磁波を照射し、脱塩素ポリマーを得るものであり、
前記制御部が、前記脱塩素ポリマーに関する情報に基づいて、前記反応器内の処理条件を制御するものである、
脱塩素装置。
【請求項7】
前記反応器内の処理条件が、電磁波照射時間、電磁波照射強度、及び反応温度の少なくともいずれかを含む、
請求項6に記載の脱塩素装置。
【請求項8】
電磁波照射部を備える反応器と、制御部と、を有する脱塩素装置を用いて、
前記反応器が、前記電磁波照射部を用いて、ポリ塩化ビニリデンに対して、周波数500~1200Hzと周波数1300~2000Hzの電磁波を照射し、脱塩素ポリマーを得るステップと、
前記制御部が、前記脱塩素ポリマーに関する情報に基づいて、前記反応器内の処理条件を制御するステップと、を実行する、
方法。
【請求項9】
電磁波照射部を備える反応器と、制御部と、を有し、
前記反応器が、前記電磁波照射部を用いて、ポリ塩化ビニリデンに対して、周波数500~1200Hzと周波数1300~2000Hzの電磁波を照射し、脱塩素ポリマーを得るものであり、
前記制御部が、前記脱塩素ポリマーに関する情報に基づいて、前記反応器内の処理条件を制御するものである脱塩素装置において、
前記制御部に、脱塩素ポリマーに関する情報に基づいて、前記反応器内の処理条件を制御するステップを実行させる、
プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脱塩素ポリマーの製造方法及び脱塩素装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、合成樹脂のリサイクル方法等については種々の検討がされている。一般的なリサイクル方法の種類としては、廃棄物を原料として再利用するマテリアルリサイクル、廃棄物を化学的に処理して、製品などの化学原料として再利用するケミカルリサイクル、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用するサーマルリサイクルが挙げられる。
【0003】
ポリ塩化ビニリデンは酸素と水蒸気の両方に対して優れたバリア製を持つという特性から、保存食 品用の包装フィルムや家庭用ラップなど、日用品に広く利用されている。ポリ塩化ビニリデンの一部はサラン繊維としてマテリアルリサイクルされ、一部は、触媒によって脱塩素を行い、再利用可能な物質にリサイクルすることが検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ハロゲン含有プラスチック回収物からハロゲン原子を短時間で除去することのできるハロゲン含有プラスチック回収物の処理方法を提供することを目的として、ハロゲン含有プラスチック回収物とアルカリとアルキレングリコールとを含有するアルキレングリコール分散液をマイクロ波照射によって130~150℃に5~35分加熱して、ハロゲン含有プラスチック回収物からハロゲン原子を、エステル系可塑剤を含んだハロゲン含有プラスチック回収物からはハロゲン原子と共にエステル系可塑材を除去することを特徴とするハロゲン含有プラスチック回収物の処理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-328123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、実施例において軟質ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩素方法が示されており、ハロゲン含有プラスチック回収物の対象としてポリ塩化ビニリデンについても例示されている。しかしながら、従来の方法では、ポリ塩化ビニリデンの脱塩素は効率的に進行しなかった。
【0007】
この理由は、ポリ塩化ビニルが-(CH
2
-CHCl)-という構成単位を有するのに対して、ポリ塩化ビニリデンは-(CH
2
-CCl
2
)-という構成単位を有するためと考えられる。つまり、ポリ塩化ビニルの-(CH
2
-CHCl)-から1つの塩素を引き抜く機構と、ポリ塩化ビニリデンの-(CH
2
-CCl
2
)-から1つの塩素を引き抜き、さらに、-(CH
2
=CCl)-からもう1つの塩素を引き抜く機構が相当程度異なるため、特許文献1に記載の方法では、ポリ塩化ビニリデンの脱塩素は効率的に進行しなかったものと考えられる。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ポリ塩化ビニリデンの脱塩素を効率的に進行することのできる脱塩素ポリマーの製造方法、並びに、脱塩素装置、当該装置を用いた方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、ポリ塩化ビニリデンの脱塩素される構造に着目して所定の周波数の電磁波を照射することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
ポリ塩化ビニリデンに対して、周波数500~1200Hzと周波数1300~2000Hzの電磁波を照射し、脱塩素ポリマーを得る照射工程を有する、
脱塩素ポリマーの製造方法。
〔2〕
前記照射工程は、無溶剤下で行う、
〔1〕に記載の脱塩素ポリマーの製造方法。
〔3〕
前記ポリ塩化ビニリデンの平均粒径が、1.0~50mmである、
〔1〕又は〔2〕に記載の脱塩素ポリマーの製造方法。
〔4〕
前記照射工程は、電磁波吸収フィラーの共存下で行う、
〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の脱塩素ポリマーの製造方法。
〔5〕
前記照射工程は、塩素吸収剤の共存下で行う、
〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の脱塩素ポリマーの製造方法。
〔6〕
電磁波照射部を備える反応器と、制御部と、を有し、
前記反応器が、前記電磁波照射部を用いて、ポリ塩化ビニリデンに対して、周波数500~1200Hzと周波数1300~2000Hzの電磁波を照射し、脱塩素ポリマーを得るものであり、
前記制御部が、前記脱塩素ポリマーに関する情報に基づいて、前記反応器内の処理条件を制御するものである、
脱塩素装置。
〔7〕
前記反応器内の処理条件が、電磁波照射時間、電磁波照射強度、及び反応温度の少なくともいずれかを含む、
〔6〕に記載の脱塩素装置。
〔8〕
電磁波照射部を備える反応器と、制御部と、を有する脱塩素装置を用いて、
前記反応器が、前記電磁波照射部を用いて、ポリ塩化ビニリデンに対して、周波数500~1200Hzと周波数1300~2000Hzの電磁波を照射し、脱塩素ポリマーを得るステップと、
前記制御部が、前記脱塩素ポリマーに関する情報に基づいて、前記反応器内の処理条件を制御するステップと、を実行する、
方法。
〔9〕
電磁波照射部を備える反応器と、制御部と、を有し、
前記反応器が、前記電磁波照射部を用いて、ポリ塩化ビニリデンに対して、周波数500~1200Hzと周波数1300~2000Hzの電磁波を照射し、脱塩素ポリマーを得るものであり、
前記制御部が、前記脱塩素ポリマーに関する情報に基づいて、前記反応器内の処理条件を制御するものである脱塩素装置において、
前記制御部に、脱塩素ポリマーに関する情報に基づいて、前記反応器内の処理条件を制御するステップを実行させる、
プログラム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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