TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024112770
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2023213125
出願日2023-12-18
発明の名称水添ブロック共重合体、水添ブロック共重合体組成物、及び成形体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08F 297/04 20060101AFI20240814BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた低反発性及び耐摩耗性を発揮する水添ブロック共重合体を得る。
【解決手段】条件(1)~(3)を満たす水添ブロック共重合体(イ)。
<条件(1)>:
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる水添共重合体ブロック(b)を少なくとも1個含有し、水添共重合体ブロック(b)の含有量が65~95質量%。
<条件(2)>:
水添共重合体ブロック(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量が40~75質量%。
<条件(3)>:
熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析装置により検出したピーク強度Pと、
(式I)により求められるP0の比率g=P/P0が0.75以上。
P0=k×RS (式I)
((式I)中、RSは水添ブロック共重合体(イ)全体に対する、ブロック(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量(質量%)である。
kはRS(質量%)とピーク強度Pを1次近似した際の比例定数を表す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とを含み、
少なくとも1個のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(a)を含有し、
下記<条件(1)>~<条件(3)>を満たす水添ブロック共重合体(イ)。
<条件(1)>:
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる水添共重合体ブロック(b)を、少なくとも1個含有し、前記水添ブロック共重合体(イ)中の、水添共重合体ブロック(b)の含有量が65質量%以上95質量%以下である。
<条件(2)>:
前記水添共重合体ブロック(b)中の、ビニル芳香族単量体単位の含有量が、40質量%以上75質量%以下である。
<条件(3)>:
熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析装置により検出した、ピーク強度Pと、
下記(式I)により求められるP0の比率g=P/P0が0.75以上である。
P0=k×RS (式I)
((式I)中、RSは、水添ブロック共重合体(イ)全体に対する、水添共重合体ブロック(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量(質量%)である。
kは、水添ブロック共重合体(イ)全体に対する、水添共重合体ブロック(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量RS(質量%)と、均一重合の水添ブロック共重合体(イ)を熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析装置で分析した際に得られるピーク強度Pを1次近似した際の比例定数を表す。)
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記ピーク強度Pと、
前記(式I)で求められるP0との比率g=P/P0が、0.9以上である、
請求項1に記載の水添ブロック共重合体。
【請求項3】
前記水添共重合体ブロック(b)中の、ビニル芳香族単量体単位の含有量が、
55質量%以上65質量%以下である、
請求項1に記載の水添ブロック共重合体。
【請求項4】
水添ブロック共重合体(イ)中の、水添共重合体ブロック(b)の含有量が、
75質量%以上85質量%以下である、
請求項1に記載の水添ブロック共重合体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体(イ):1質量%以上50質量%以下と、
少なくとも1種類のオレフィン系樹脂(ロ):5質量%以上90質量%以下と、
少なくとも1種類の熱可塑性樹脂(ハ):1質量%以上50質量%以下と、
少なくとも1種類の軟化剤(ニ):5質量%以上90質量%以下と、
を、含有する、水添ブロック共重合体組成物。
【請求項6】
前記オレフィン系樹脂(ロ)が、少なくとも1種類のポリプロピレン系樹脂を含む、
請求項5に記載の水添ブロック共重合体組成物。
【請求項7】
請求項5に記載の水添ブロック共重合体組成物の成形体。
【請求項8】
発泡体である請求項7に記載の成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水添ブロック共重合体、水添ブロック共重合体組成物、及び成形体に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とからなるブロック共重合体の水素添加物は、加硫をしなくても加硫した天然ゴムや合成ゴムと同様の弾性を常温にて有し、しかも高温では熱可塑性樹脂と同様の加工性を有することから、プラスチックの改質剤、粘接着剤、自動車部品、及び医療器具等の分野で広く利用されている。さらに前記ブロック共重合体の水添物は、耐候性、耐熱性に優れていることから、特に自動車部品や医療器具等の材料として幅広く実用化されている。
【0003】
しかしながら、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とからなるブロック共重合体の水素添加物、例えば水添スチレン系エラストマー(以下、単に「TPS材料」と略記する場合がある。)は、耐摩耗性に劣るため、その用途に制約があるという問題点を有している。
上記問題点に対し、ビニル芳香族単量体単位の含有量が40質量%以上95質量%未満のランダム共重合体スチレン系エラストマーと、ポリプロピレン樹脂との樹脂組成物、及び当該樹脂組成物の成形体が提案されており、当該成形体は耐摩耗性に優れていることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、近年、自動車の新たな方向性として自動運転化やモビリティサービスが注目されている。この潮流により、自動車内装材に要求される性能にも変化が生じている。例えば、自動運転化に伴い、自動車はより居住空間としての意味合いが強くなると予想されている。そのため、搭乗者がより快適に過ごせるような空間づくりが進んでおり、高級感のある触感を出すために、低反発な材料等が求められるようになっている。
また、モビリティサービスの観点からは、カーシェアの浸透に伴い、自動車の長寿命性と清潔性が要求されるようになると考えられている。そのため、自動車内装材は、従来よりも清掃される回数が増加し、自動車内装材の材料となる樹脂組成物には、より高い耐摩耗性が必要となる。
上記のように自動運転化やモビリティサービスの浸透によって、近年では、樹脂組成物の材料である重合体には、従来品以上の高い耐摩耗性、良好な触感が必要とされている。
【0005】
上述したような要求に鑑み、特定の温度領域にtanδ(損失正接)のピークを有する水添ブロック共重合体が提案されており、当該水添ブロック共重合体を用いた樹脂組成物はエネルギー吸収性に優れ、低反発性を発現できることが示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2003/035705号
国際公開第2010/018743号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来提案されている水添ブロック共重合体は、未だ良好な触感すなわち低反発性、耐摩耗性に関して改善の余地があるという問題点を有している。
【0008】
そこで本発明においては、優れた低反発性、及び耐摩耗性を発揮し得る水添ブロック共重合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する水添ブロック共重合体であって、水添ブロック共重合体中のビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる水添共重合体ブロック(b)の含有量、前記水添共重合体ブロック(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量、及び所定のランダム性パラメーターgを特定することで、低反発性と耐摩耗性に優れた水添ブロック共重合体を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
【0010】
〔1〕
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とを含み、
少なくとも1個のビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(a)を含有し、
下記<条件(1)>~<条件(3)>を満たす水添ブロック共重合体(イ)。
<条件(1)>:
ビニル芳香族単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる水添共重合体ブロック(b)を、少なくとも1個含有し、前記水添ブロック共重合体(イ)中の、水添共重合体ブロック(b)の含有量が65質量%以上95質量%以下である。
<条件(2)>:
前記水添共重合体ブロック(b)中の、ビニル芳香族単量体単位の含有量が、40質量%以上75質量%以下である。
<条件(3)>:
熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析装置により検出した、ピーク強度Pと、
下記(式I)により求められるP0の比率g=P/P0が0.75以上である。
P0=k×RS (式I)
((式I)中、RSは、水添ブロック共重合体(イ)全体に対する、水添共重合体ブロック(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量(質量%)である。
kは、水添ブロック共重合体(イ)全体に対する、水添共重合体ブロック(b)中のビニル芳香族単量体単位の含有量RS(質量%)と、均一重合の水添ブロック共重合体(イ)を熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析装置で分析した際に得られるピーク強度Pを1次近似した際の比例定数を表す。)
〔2〕
前記ピーク強度Pと、
前記(式I)で求められるP0との比率g=P/P0が、0.9以上である、
前記〔1〕に記載の水添ブロック共重合体。
〔3〕
前記水添共重合体ブロック(b)中の、ビニル芳香族単量体単位の含有量が、
55質量%以上65質量%以下である、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の水添ブロック共重合体。
〔4〕
水添ブロック共重合体(イ)中の、水添共重合体ブロック(b)の含有量が、
75質量%以上85質量%以下である、
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体。
〔5〕
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体(イ):1質量%以上50質量%以下と、
少なくとも1種類のオレフィン系樹脂(ロ):5質量%以上90質量%以下と、
少なくとも1種類の熱可塑性樹脂(ハ):1質量%以上50質量%以下と、
少なくとも1種類の軟化剤(ニ):5質量%以上90質量%以下と、
を、含有する、水添ブロック共重合体組成物。
〔6〕
前記オレフィン系樹脂(ロ)が、少なくとも1種類のポリプロピレン系樹脂を含む、前記〔5〕に記載の水添ブロック共重合体組成物。
〔7〕
前記〔5〕に記載の水添ブロック共重合体組成物の成形体。
〔8〕
発泡体である前記〔7〕に記載の成形体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

旭化成株式会社
衣服
16日前
旭化成株式会社
電解装置
10日前
旭化成株式会社
エポキシ樹脂組成物
5日前
旭化成株式会社
ノズルおよびノズル装置
3日前
旭化成株式会社
ポリアセタールの製造方法
19日前
旭化成株式会社
光照射装置、及び光処理方法
3日前
旭化成株式会社
誘電体及びこれを含む電気部品
23日前
旭化成株式会社
原料液の濃縮方法及び濃縮システム
23日前
旭化成株式会社
ポリカーボネートポリオール共重合体
9日前
旭化成株式会社
ポリカーボネートポリオール共重合体
9日前
旭化成株式会社
セルロースナノファイバーを含む組成物
23日前
旭化成株式会社
固体電解質層、固体二次電池、及びその製造方法
9日前
旭化成株式会社
窒化物半導体素子及び窒化物半導体素子の製造方法
23日前
旭化成株式会社
ポリイソシアネート組成物、樹脂組成物及び硬化膜
3日前
旭化成株式会社
窒化物半導体素子及び窒化物半導体素子の製造方法
23日前
旭化成株式会社
組立支援方法、プログラムおよび組立支援システム
16日前
旭化成株式会社
ポリマー処理装置、プログラム及びポリマー処理方法
3日前
旭化成株式会社
ポリエチレンパウダー、成型体及び二次電池用セパレータ
19日前
旭化成株式会社
硬化性組成物、硬化性組成物の硬化物、及び硬化物の製造方法
9日前
旭化成株式会社
ブロックポリイソシアネート組成物、樹脂組成物、樹脂硬化膜及び塗料硬化膜
10日前
旭化成株式会社
樹脂組成物、硬化物、樹脂フィルム、プリプレグ、積層体、及びプリント配線板
18日前
旭化成株式会社
樹脂組成物、硬化物、樹脂フィルム、プリプレグ、積層体、及びプリント配線板
19日前
旭化成株式会社
エアバッグ用基布及びその製造方法
11日前
旭化成株式会社
二酸化炭素吸着材、二酸化炭素の吸着・分離・回収用モジュール及び直接空気回収方法
11日前
旭化成株式会社
複合成型体及びその製造方法、並びに繊維組成物
23日前
旭化成株式会社
ポリフェニレンエーテル、その製造方法、熱硬化組成物、プリプレグ、及び積層体
16日前
フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ.
リサイクル炭素繊維と熱可塑性マトリックスから複合材料を製造するための最適化されたプロセス
17日前
東ソー株式会社
配管材
1か月前
東レ株式会社
フィルム
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
3日前
東ソー株式会社
ゴム組成物
3日前
東ソー株式会社
樹脂組成物
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
2か月前
東レ株式会社
フィルムロール
1か月前
東レ株式会社
多孔質フィルム
2か月前
日本化薬株式会社
樹脂微粒子
19日前
続きを見る