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公開番号2024126572
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035006
出願日2023-03-07
発明の名称固形状ポリアミドの製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08G 69/46 20060101AFI20240912BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明によれば、溶解したポリアミドを析出することによりポリアミドを固形状ポリアミドの形態で得るための方法を提供することができる。
【解決手段】ポリアミド樹脂組成物を、金属塩化物およびアルコール類を含む金属塩化物アルコール溶液で加熱溶解して、ポリアミド加熱溶解液を得る工程、及び前記ポリアミド加熱溶解液を、水含有溶液に添加して、前記ポリアミド加熱溶解液が添加された前記水含有溶液の液表面に固形状ポリアミドを析出させる工程を含み、金属塩化物アルコール溶液中の金属塩化物の濃度、ポリアミド加熱溶解液中のポリアミドの濃度、水含有溶液の質量、及び水含有溶液中の水の濃度が、所定範囲内である、固形状ポリアミドの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
工程1:ポリアミド樹脂組成物を、金属塩化物およびアルコール類を含む金属塩化物アルコール溶液で加熱溶解して、ポリアミド加熱溶解液を得る工程、及び
工程2:前記ポリアミド加熱溶解液を、水含有溶液に添加して、前記ポリアミド加熱溶解液が添加された前記水含有溶液の液表面に固形状ポリアミドを析出させる工程
を含み、
工程1における金属塩化物アルコール溶液中の金属塩化物の濃度が15~45質量%であり、
工程1におけるポリアミド加熱溶解液中のポリアミドの濃度が5~15質量%であり、
工程2における水含有溶液の質量が、ポリアミド加熱溶解液の質量に対して、1~100倍であり、
工程2における水含有溶液中の水の濃度が、50~100質量%である、
固形状ポリアミドの製造方法。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
工程3:前記固形状ポリアミドを、前記液表面から回収する工程
をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記金属塩化物が、塩化亜鉛または塩化カルシウムである、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記アルコール類が、メタノールである、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記工程2が、前記ポリアミド加熱溶解液を、水含有溶液に滴下することにより行われる、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項6】
工程2における水含有溶液の温度が、10~60℃である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記固形状ポリアミドが、シート状である、請求項1または2に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固形状ポリアミドの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
代表的なエンジニアリングプラスチックである、ポリアミド6、ポリアミド66をはじめとしたポリアミドは、耐熱性や良好な力学的特性を持ち、繊維や自動車部品、電気製品部品などに幅広く用いられており、現代社会において代替の効かない材料の一つである。
【0003】
近年では、省資源、カーボンニュートラルを目的としてプラスチックのリサイクルに関する技術開発がなされているが、ポリアミドも例外ではない。特に、ポリアミドの一つであるポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)は生産量が多く、優先してリサイクルするべきポリアミドの一つである。
【0004】
リサイクルとしては、マテリアルリサイクルと呼ばれる、一度成形したものを再度ペレット化するものと、ケミカルリサイクルと呼ばれる解重合によりモノマーを再利用するものに大別される。マテリアルリサイクルは成形品に含まれるポリマーの劣化や添加成分がそのままリサイクルポリマーに残るため、品質が安定化しないことが懸念されるものの、化学反応を伴わず、また必要とする副原料も少ないため、投入する資源、エネルギーは少なくて済むことから、用途を固定して循環する場合などはマテリアルリサイクルが選択される。また、ケミカルリサイクルを実施する前にも、工場や市場から回収した加工済み、使用済みポリアミドから添加物、コーティングなどを取り除く場合には、マテリアルリサイクルと同様に清浄なポリアミドを回収する工程を経るため、マテリアルリサイクル技術は、ケミカルリサイクルを行うためにも有用な技術である。
【0005】
使用済みポリアミドを、その夾雑物を取り除いて清浄な状態にする物理的な方法としては、回収物を破砕後に比重分離する方法などが挙げられる(特許文献1)。この方法は少ないエネルギーで分離はできるものの、エアバッグのコーティングのようにポリアミドと夾雑物が混合、接合、接着などにより、強く結びついている場合には分離することは難しい。また、不要な夾雑物を溶媒により一部、またはすべてを溶解し、除去する方法も存在する。しかし、一般的に夾雑物はポリアミドに添加または塗布されている場合が多く、それらの一部または全部はポリアミドの構造体の内部に存在しており、夾雑物をすべて溶解することは難しい。
【0006】
別の方法としては、ポリアミドを溶媒で一度溶解し、夾雑物を不溶物として除去したのちに何らかの方法でポリアミドを析出させ、回収するという方法も考えられる。しかし、ポリアミドを溶解する溶媒は、ギ酸、硫酸などの腐食性の高い強酸やHFIPのような入手性の低い溶媒など、工業的に用いる溶媒としては適していないものが多い。工業的に使用しやすい溶媒の使用例としては、エチレングリコールによる溶解回収方法がある(特許文献2)。しかし、この方法では、非常に高温の反応が必要であるため、ポリアミドのグリコリシスの懸念があるとともに、使用した溶媒をシャーベット状の固体からすべて留去・乾燥する必要があるため、反応時の加熱と合わせて多くのエネルギーを必要とすると考えられる。そこで、低温かつ汎用的な原料を用いた方法として塩化カルシウム等の金属塩化物のアルコール溶液による溶解方法も存在する。例えば、シリコーンが塗布されたポリアミドの布を塩化カルシウムのメタノール溶液を用いて処理し、ポリアミドを溶解し、大量の水またはメタノールで希釈して目的のポリアミドを粉末として得る方法が特許文献3に記載されている。
【0007】
このように、溶解したポリアミドを析出して得られたポリアミドは粉末等の形態にあるので、シート等の形態にするには、得られたポリアミドを溶融させる等高温で加熱することといった過酷な条件が必要となる。一方、溶解したポリアミドを析出する時点で、ポリアミドを、粉末やシャーベット状、多孔質、綿状等の形態ではなく、シート等の内部に空隙等を含まないひとまとまりの固体(固形状ポリアミド)の形態で得ることができれば、このような固形状ポリアミドを穏和な条件で得られると期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第5841598号公報
特開2018-172618号公報
特許第5110704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、溶解したポリアミドを析出することによりポリアミドを固形状ポリアミドの形態で得るための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、
ポリアミド樹脂組成物を所定の金属塩化物アルコール溶液で加熱溶解してポリアミド加熱溶解液を得る工程、及び前記ポリアミド加熱溶解液を水含有溶液に添加する工程を行うことにより、ポリアミドを液表面に析出した固形状ポリアミドとして得ることができ、高温での加熱溶融等の過酷な工程を要さない穏和な条件で固形状ポリアミドを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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