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公開番号
2024138040
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2024114816,2020088144
出願日
2024-07-18,2020-05-20
発明の名称
ポリアミド組成物及びその製造方法、並びに、成形品
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
77/10 20060101AFI20240927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】非ハロゲン難燃剤を含み、難燃性及び長期耐熱性が良好な成形品が得られるポリアミド組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリアミド組成物は、(A)ポリアミド、(B)リン系難燃剤、及び、(C)スチレン共重合体を含有するポリアミド組成物であって、前記(C)スチレン共重合体の含有量が前記(A)ポリアミド、前記(B)リン系難燃剤、及び(C)スチレン共重合体の合計質量に対して0.1質量%以上7.0質量%以下である。ポリアミド組成物の製造方法は、前記ポリアミド組成物を製造する方法であって、前記(A)ポリアミド、前記(B)リン系難燃剤及び前記(C)スチレン共重合体を含有する原料成分を溶融混練する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)ポリアミド、
(B)リン系難燃剤、及び、
(C)スチレン共重合体
を含有するポリアミド組成物であって、
前記(C)スチレン共重合体の含有量が前記(A)ポリアミド、前記(B)リン系難燃剤、及び(C)スチレン共重合体の合計質量に対して0.1質量%以上7.0質量%以下である、ポリアミド組成物。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記(A)ポリアミドが、(A1)脂肪族ポリアミドと、(A2)ジアミン単位及びジカルボン酸単位を含有する半芳香族ポリアミドとを含有する、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項3】
前記(A2)半芳香族ポリアミドが、前記(A2)半芳香族ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を50モル%以上含有する、請求項2に記載のポリアミド組成物。
【請求項4】
前記(A2)半芳香族ポリアミドが、前記(A2)半芳香族ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を75モル%以上含有する、請求項2又は3に記載のポリアミド組成物。
【請求項5】
前記(A2)半芳香族ポリアミドが、前記(A2)半芳香族ポリアミドを構成する全ジカルボン酸単位中、イソフタル酸単位を100モル%含有する、請求項2~4のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項6】
前記(C)スチレン共重合体が、アクリロニトリル単位及びスチレン単位を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項7】
前記(C)スチレン共重合体が、アクリロニトリル単位及びスチレン単位を含有し、
前記アクリロニトリル単位の含有量が(C)スチレン共重合体の構成単位の総質量に対して30質量%以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項8】
前記(B)リン系難燃剤が、下記一般式(1)で表されるホスフィン酸塩、下記一般式(2)で表されるジホスフィン酸塩及びこれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のホスフィン酸塩類を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
TIFF
2024138040000005.tif
87
170
(一般式(1)中、R
11
及びR
12
はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基又は炭素数6以上10以下のアリール基である。M
n11+
はn11価の金属イオンである。Mは元素周期表の第2族若しくは第15族に属する元素、遷移元素、亜鉛又はアルミニウムである。n11は2又は3である。n11が2又は3である場合、複数存在するR
11
及びR
12
はそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
一般式(2)中、R
21
及びR
22
はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基又は炭素数6以上10以下のアリール基である。Y
21
は、炭素数1以上10以下のアルキレン基又は炭素数6以上10以下のアリーレン基である。M’
m21+
はm21価の金属イオンである。M’は元素周期表の第2族若しくは第15族に属する元素、遷移元素、亜鉛又はアルミニウムである。n21は1以上3以下の整数である。n21が2又は3である場合、複数存在するR
21
、R
22
及びY
21
はそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。m21は2又は3である。xは1又は2である。xが2の場合、複数存在するM’は同一であってもよく、異なっていてもよい。n21、x及びm21は、2×n21=m21×xの関係式を満たす整数である。)
【請求項9】
前記(B)リン系難燃剤の含有量が、前記(A)ポリアミド、前記(B)リン系難燃剤及び前記(C)スチレン共重合体の合計質量に対して、0.1質量%以上30質量%以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項10】
前記ポリアミド組成物のtanδピーク温度が、90℃以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド組成物及びその製造方法、並びに、成形品に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
脂肪族ポリアミドをベースとする組成物は、卓越した特性プロファイルを有しているため、極めて多くの用途において成形品を製造するために使用されている。難燃特性を有するポリアミド組成物は、特に適切な防火を保証するため、電気及び電子産業における構成要素のために必要とされる。
【0003】
ポリアミドは、ハロゲン化合物の添加によって難燃処理が施されることが多い。しかし、最近は、RoHS(Restriction of Hazardous Substances)及びPoHS(Prohibition on Certain Hazardous Substances in Consumer Products)等の有害物質規制によって、ハロゲン系化合物が含まれる製品を電気電子部品に使用しないようにする各種規制が定められている。このため、ポリアミドのための数種の非ハロゲン難燃剤が開発されている。
【0004】
非ハロゲン難燃剤としては、例えば、リン化合物が挙げられる。特許文献1には、ポリアミド用の難燃剤としてのホスフィン酸又はジホスフィン酸のカルシウム塩及びアルミニウム塩を使用することが開示されている。これら非ハロゲン難燃剤を含み、組成物の総質量に対して30質量%のガラス繊維で強化したポリアミド組成物から製造された、試料厚さ1.2mmの試験片は、UL94による燃焼性分類V-0を達成する。
【0005】
特許文献2には、UL94の燃焼性分類V-0を達成するために、ポリアミド6を主成分とするガラス繊維強化ポリアミド組成物においては、組成物の総質量に対して20質量%をはるかに超える量、ポリアミド66を主成分とするガラス繊維強化ポリアミド組成物においては、30質量%超のホスフィン酸アルミニウムが必要とされることが開示されている。このように、ホスフィン酸系難燃剤を用いて、燃焼性分類V-0を達成するには多量に添加しなければならず、それにより機械物性に悪影響を与えることが問題となる。
【0006】
そこで、特許文献3には、難燃剤としてホスフィン酸塩を含有する脂肪族ポリアミドと半芳香族ポリアミドとの混合物をベースとしたポリアミド組成物が開示されている。半芳香族ポリアミドを添加することで難燃剤の使用量を低減でき、引張伸びが改善することが報告されている。
【0007】
また、特許文献4には、難燃剤にホスフィン酸塩を用い、芳香族ポリアミドを含むポリアミドとポリフェニレンサルファイドとの混合物をベースとしたポリアミド組成物が開示されている。芳香族ポリアミドを含むポリアミドに難燃性に優れるポリフェニレンサルファイドを添加することで難燃剤の使用量を低減でき、難燃剤に由来するアウトガスの排出量を低減できることが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第3947261号公報
特許第4698789号公報
特許第4614959号公報
特開2009-270107号公報
特開2005-179362号公報
欧州特許出願公開第699708号明細書
特開平08-073720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献3に記載のポリアミド組成物は、難燃剤の使用量を低減することで引張破断伸びは改善されるものの、自動車及び各種電気部品に要求される長期耐熱性等において改良の余地がある。
また、特許文献4に記載のポリアミド組成物は、ポリフェニレンサルファイドを添加することで難燃剤の使用量を低減し、アウトガスを低減しているものの、芳香族ポリアミドに対する脂肪族ポリアミドの割合を増やすと、UL94による燃焼性分類V-0を維持することが難しくなることが懸念される。
このように、従来技術では、非ハロゲン難燃剤を用いつつ、難燃性と長期耐熱性を両立したポリアミド組成物は未だ知られていない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、非ハロゲン難燃剤を含み、難燃性及び長期耐熱性が良好な成形品が得られるポリアミド組成物及びその製造方法、並びに、前記ポリアミド組成物からなる成形品を提供する。また、難燃助剤としてスチレン共重合体を添加する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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