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公開番号2024146562
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059543
出願日2023-03-31
発明の名称放熱樹脂シート
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 59/40 20060101AFI20241004BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】熱伝導性を高めつつ、硬化前の放熱樹脂シートの可撓性も良好にできる放熱樹脂シートを提供する。
【解決手段】メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と、融点40℃以下のシアネートエステル化合物を含む放熱樹脂シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と、融点40℃以下のシアネートエステル化合物を含む放熱樹脂シート。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
前記シアネートエステル化合物が、芳香環を含む骨格を有する、請求項1に記載の放熱樹脂シート。
【請求項3】
前記シアネートエステル化合物の分子量が、500以下である、請求項1に記載の放熱樹脂シート
【請求項4】
前記エポキシ樹脂が、ビフェニル骨格を有する、請求項1に記載の放熱樹脂シート。
【請求項5】
無機フィラーを含有する、請求項1に記載の放熱樹脂シート。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の放熱樹脂シートの硬化物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は放熱樹脂シートに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、小型化及び高性能化により発熱量が増大しており、電子デバイスに対して使用される放熱樹脂シートの高放熱化の需要が高まっている。放熱樹脂シートは、無機フィラーの充填率を高めることで、熱伝導性が向上することが可能であるが、無機フィラーの充填率を高めると、硬化前の例えばBステージ状態で、可撓性が低下するという問題がある。放熱樹脂シートは、可撓性が低下すると、保管時にロール状に巻回した際に割れが発生したり、基板などに実装する工程で割れが発生したりする不具合が生じやすくなる。
【0003】
また、放熱樹脂シートは、マトリクス樹脂により熱伝導性を高めることも検討されており、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を使用することが検討されている。メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂は、熱伝導性を高めやすいものの、結晶化しやすいため、流動性が低下してハンドリング性が低下しやすい。そのため、例えば、特許文献1では、ハンドリング性および成形性を良好にしつつ高熱伝導性とするために、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂に加えて、特定の構造を有するフェノール硬化剤、硬化促進剤、及び潜在性触媒を含有させたエポキシ樹脂組成物が開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機フィラーを含み、エポキシ樹脂をオリゴマー化して、二量体及び三量体を一定量にして、熱伝導率と可撓性を優れたものとする高放熱絶縁樹脂シートが開示されている。特許文献2には、エポキシ樹脂としてメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を使用し得ることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2021/161360号
特開2012-67205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、上記のとおり、樹脂の流動性を高めて、ハンドリング性及び成形性が良好になることが示される。しかし、硬化時に一旦エポキシ樹脂を硬化剤と反応させることでオリゴマー化して樹脂の流動性を良好にしているにすぎず、硬化前やBステージ状態での放熱樹脂シートの可撓性を良好にすることは示されない。
また、特許文献2のように、二量体及び三量体を一定量となるようにオリゴマー化すると、その製造工程が複雑となり、実用的ではない。加えて、特許文献2では、硬化剤としてアミン硬化剤やフェノールノボラック系硬化剤を使用しているため、熱伝導率について改良の余地があると考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、製造工程を複雑にすることなく、熱伝導性を高めつつ、硬化前の放熱樹脂シートの可撓性も良好にできる放熱樹脂シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、放熱樹脂シートに、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂に加えて、融点40℃以下のシアネートエステルを含有させることで、上記課題を解決することができることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供する。
[1]メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と、融点40℃以下のシアネートエステル化合物を含む放熱樹脂シート。
[2]前記シアネートエステル化合物が、芳香環を含む骨格を有する、上記[1]に記載の放熱樹脂シート。
[3]前記シアネートエステル化合物の分子量が、500以下である、上記[1]又は[2]に記載の放熱樹脂シート
[4]前記エポキシ樹脂が、ビフェニル骨格を有する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の放熱樹脂シート。
[5]無機フィラーを含有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の放熱樹脂シート。
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載の放熱樹脂シートの硬化物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造工程を複雑にすることなく、熱伝導性を高めつつ、硬化前の放熱樹脂シートの可撓性も良好にする放熱樹脂シートを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を参照しつつ、本発明について説明する。
本発明の放熱樹脂シートは、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と、融点40℃以下のシアネートエステル化合物を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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