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公開番号2024145988
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058639
出願日2023-03-31
発明の名称ドハティ増幅回路
出願人株式会社村田製作所
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類H03F 1/02 20060101AFI20241004BHJP(基本電子回路)
要約【課題】ドハティ増幅回路における高周波出力信号の品質の低下を抑制する。
【解決手段】ドハティ増幅回路は、高周波信号を増幅するキャリアアンプと、高周波信号を増幅し、かつ、ドライバ段のピークアンプと、前記ドライバ段のピークアンプの出力を入力とするパワー段のピークアンプと、を含むピークアンプと、前記キャリアアンプのドライブレベルを検出するドライブレベル検出回路と、前記ドライブレベル検出回路によって検出されるドライブレベルを示すドライブレベル信号に基づいて、前記ドライバ段のピークアンプのバイアスを設定するための信号を出力する制御回路と、前記ドライバ段のピークアンプの動作状態に応じた電流または電圧を生成する生成回路と、を含み、前記生成回路で生成された前記ドライバ段のピークアンプの動作状態に応じた電流または電圧に基づいて、前記パワー段のピークアンプの動作状態が制御される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
高周波信号を増幅するキャリアアンプと、
高周波信号を増幅し、かつ、ドライバ段のピークアンプと、前記ドライバ段のピークアンプの出力を入力とするパワー段のピークアンプと、を含むピークアンプと、
前記キャリアアンプのドライブレベルを検出するドライブレベル検出回路と、
前記ドライブレベル検出回路によって検出されるドライブレベルを示すドライブレベル信号に基づいて、前記ドライバ段のピークアンプのバイアスを設定するための信号を出力する制御回路と、
前記ドライバ段のピークアンプの動作状態に応じた電流または電圧を生成する生成回路と、
を含み、
前記生成回路で生成された前記ドライバ段のピークアンプの動作状態に応じた電流または電圧に基づいて、前記パワー段のピークアンプの動作状態が制御される
ドハティ増幅回路。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記生成回路は、前記ドライバ段のピークアンプから出力される高周波信号に応じた検出電流または検出電圧を生成する検出回路であり、
前記検出回路はさらに、前記検出電流または前記検出電圧に基づいて、前記パワー段のピークアンプの動作状態を制御する制御信号を前記パワー段のピークアンプに出力する、
請求項1に記載のドハティ増幅回路。
【請求項3】
前記制御回路は、
入力信号が無い時または低い時に、前記キャリアアンプのバイアス点より低いバイアス点を前記ドライバ段のピークアンプに設定し、
あるバックオフレベルより高いドライブレベルにおいて、前記ドライバ段のピークアンプのバイアス点を上昇させ、
前記ドライバ段のピークアンプの飽和状態におけるバイアス点を、前記入力信号が無い時または低い時より高いバイアス点に設定し、
前記ドライバ段のピークアンプの動作がAB級となるように前記バイアス点を設定する
請求項2に記載のドハティ増幅回路。
【請求項4】
前記制御回路は、さらに、前記パワー段のピークアンプの状態を制御する制御信号を出力する
請求項2または請求項3に記載のドハティ増幅回路。
【請求項5】
前記パワー段のピークアンプは、前記制御信号によって、動作状態または非動作状態に制御される
請求項4に記載のドハティ増幅回路。
【請求項6】
前記生成回路は、前記ドライバ段のピークアンプの供給電流に応じたモニタ電流を生成する電流モニタ回路であり、
前記モニタ電流に基づいて、前記パワー段のピークアンプのバイアスを設定するバイアス回路
をさらに含み、
前記バイアス回路が設定するバイアスにより、前記パワー段のピークアンプの動作状態が制御される、
請求項1に記載のドハティ増幅回路。
【請求項7】
前記電流モニタ回路は、前記ドライバ段のピークアンプの電流を複製した電流を出力するカレントミラー回路を含み、
前記バイアス回路は、前記カレントミラー回路によって複製された電流に基づいて、前記パワー段のピークアンプのバイアスを設定する
請求項6に記載のドハティ増幅回路。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドハティ増幅回路に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
高効率な電力増幅回路として、ドハティ(Doherty)増幅回路が知られている。ドハティ増幅回路は、一般的に、入力信号の電力レベルにかかわらず動作するキャリアアンプと、入力信号の電力レベルが小さい場合はオフとなり、大きい場合にオンとなるピークアンプとが並列に接続された構成である。当該構成では、高周波入力信号の電力レベルが大きい場合、キャリアアンプが飽和出力電力レベルで飽和を維持しながら動作する。これにより、ドハティ増幅回路は、通常の電力増幅回路に比べて効率を向上させることができる。
【0003】
下記の特許文献1から特許文献3までには、ピークアンプのバイアスを制御する技術が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の技術は、キャリアアンプの飽和をキャリアアンプのバイアス回路を介して検出し、検出信号に応じてピークアンプのバイアス回路を制御するものである。
【0005】
特許文献2に記載の技術は、キャリアアンプの飽和をキャリアアンプの出力信号によって検出し、検出信号に応じてピークアンプのバイアス回路を制御するものである。
【0006】
特許文献3に記載の技術は、ドハティ増幅回路に入力される高周波入力信号レベルまたはキャリアアンプに入力される高周波入力信号レベルに応じて、ピークアンプのバイアス回路を制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
米国特許出願公開第2016/0241209号明細書
米国特許出願公開第2020/0028472号明細書
特開2019-41277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1および特許文献2に記載の技術では、キャリアアンプの飽和を検出するための回路が応答するまでの時間として、数十ns程度を要する。従って、次のような不都合が生じ得る。例えば、瞬間的(数十nsよりもかなり短い時間)な電力の増加がある高周波入力信号がドハティ増幅回路に入力された場合、キャリアアンプが飽和を開始してからピークアンプのバイアス点が変動するまでの数十nsの間に、キャリアアンプが飽和している時間が発生し得る。これにより、ドハティ増幅回路の高周波出力信号の品質を高く保てないことがあり得る。また、当該ドハティ増幅回路が通信装置に適用されている場合、通信品質を高く保てないことがあり得る。
【0009】
特許文献3に記載の技術は、高周波入力信号レベルに応じて動作するものの、高周波入力信号レベルをバイアス回路で検出しており、基本的に応答速度は低速であると考えられ、ドハティ増幅回路の高周波出力信号の品質を高く保てないことがあり得ると考えられる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ドハティ増幅回路における高周波出力信号の品質の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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