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公開番号2024129219
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038274
出願日2023-03-13
発明の名称アウトフェージング増幅器
出願人住友電気工業株式会社
代理人個人
主分類H03F 1/02 20060101AFI20240919BHJP(基本電子回路)
要約【課題】特性を向上させることが可能なアウトフェージング増幅器を提供する。
【解決手段】アウトフェージング増幅器100は、第1信号Siaを増幅する第1アンプ10及び第3アンプ12と、第2信号Sibを増幅する第2アンプ11及び第4アンプ13と、第1インピーダンス変換器14と、第2インピーダンス変換器15と、第1整合回路22と、第2整合回路23と、第3整合回路24と、第4整合回路25と、第3アンプが増幅した第1信号と第4アンプが増幅した第2信号とを合成し、合成した信号を出力信号Toutとして出力する合成器16と、を備える。第1整合回路が出力する第1信号に対する第3整合回路に入力する第1信号の第1位相差は、動作周波数帯域の中心周波数において90°未満であり、第2整合回路が出力する第2信号に対する第4整合回路に入力する第2信号の第2位相差は、動作周波数帯域の中心周波数において90°より大きい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1信号を増幅する第1アンプと、
第2信号を増幅する第2アンプと、
前記第1アンプが増幅した前記第1信号を増幅する第3アンプと、
前記第2アンプが増幅した前記第2信号を増幅する第4アンプと、
第1端が前記第1アンプに接続され、第2端が前記第3アンプに接続された第1インピーダンス変換器と、
第1端が前記第2アンプに接続され、第2端が前記第4アンプに接続された第2インピーダンス変換器と、
前記第1アンプの出力インピーダンスと前記第1インピーダンス変換器の入力インピーダンスとを整合させる第1整合回路と、
前記第2アンプの出力インピーダンスと前記第2インピーダンス変換器の入力インピーダンスとを整合させる第2整合回路と、
前記第1インピーダンス変換器の出力インピーダンスと前記第3アンプの入力インピーダンスとを整合させる第3整合回路と、
前記第2インピーダンス変換器の出力インピーダンスと前記第4アンプの入力インピーダンスとを整合させる第4整合回路と、
前記第3アンプが増幅した前記第1信号と前記第4アンプが増幅した前記第2信号とを合成し、前記合成した信号を出力信号として出力する合成器と、
を備え、
前記第1整合回路が出力する前記第1信号に対する前記第3整合回路に入力する前記第1信号の第1位相差は、動作周波数帯域の中心周波数において90°未満であり、
前記第2整合回路が出力する前記第2信号に対する前記第4整合回路に入力する前記第2信号の第2位相差は、前記中心周波数において90°より大きいアウトフェージング増幅器。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記出力信号の電力が動作として用いられる最小の値のときのアウトフェージング角をθboとしたとき、前記第1位相差は、85°-θbo以上かつ95°-θbo以下であり、前記第2位相差は、85°+θbo以上かつ95°+θbo以下である請求項1に記載のアウトフェージング増幅器。
【請求項3】
前記第3アンプから前記第3整合回路を見たインピーダンスは、前記第3整合回路から前記第3アンプをみたインピーダンスの複素共役から、スミスチャート上において時計回りに回転しており、
前記第4アンプから前記第4整合回路を見たインピーダンスは、前記第4整合回路から前記第4アンプをみたインピーダンスの複素共役から、スミスチャート上において反時計回りに回転している請求項1または請求項2に記載のアウトフェージング増幅器。
【請求項4】
前記第1整合回路が出力する前記第1信号に対する前記第3整合回路に入力する前記第1信号の挿入損失は、前記動作周波数帯域の低周波端より前記動作周波数帯域の高周波端の方が大きく、
前記第2整合回路が出力する前記第2信号に対する前記第4整合回路に入力する前記第2信号の挿入損失は、前記低周波端より前記高周波端の方が小さい請求項1または請求項2に記載のアウトフェージング増幅器。
【請求項5】
前記第3整合回路の挿入損失は、前記低周波端より前記高周波端の方が小さく、
前記第4整合回路の挿入損失は、前記低周波端より前記高周波端の方が大きい請求項4に記載のアウトフェージング増幅器。
【請求項6】
前記第1インピーダンス変換器から前記第3整合回路を見たインピーダンスのスミスチャート上の座標を極座標を用い表したとき動径は0.5以下であり、
前記第2インピーダンス変換器から前記第4整合回路を見たインピーダンスのスミスチャート上の座標を極座標を用い表したとき動径は0.5以下である請求項1または請求項2に記載のアウトフェージング増幅器。
【請求項7】
前記第1インピーダンス変換器は、前記中心周波数における波長の1/4の電気長を有する第1伝送線路であり、
前記第2インピーダンス変換器は、前記中心周波数における波長の1/4の電気長を有する第2伝送線路である請求項1または請求項2に記載のアウトフェージング増幅器。
【請求項8】
前記第1整合回路と前記第1伝送線路との間のノードに第1端が接続された第1オープンスタブと、
前記第2整合回路と前記第2伝送線路との間のノードに第1端が接続された第2オープンスタブと、
を備える請求項7に記載のアウトフェージング増幅器。
【請求項9】
前記第1整合回路と前記第1伝送線路との間のノードに第1端が接続され第2端が基準電位に接続されたキャパシタと、
前記第2整合回路と前記第2伝送線路との間のノードに第1端が接続され第2端が基準電位に接続されたインダクタと、
を備える請求項7に記載のアウトフェージング増幅器。
【請求項10】
前記第1インピーダンス変換器は、前記中心周波数における波長の1/4より短い電気長を有する第1伝送線路であり、
前記第2インピーダンス変換器は、前記中心周波数における波長の1/4より長い電気長を有する第2伝送線路である請求項1または請求項2に記載のアウトフェージング増幅器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アウトフェージング増幅器に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
マイクロ波等の高周波信号を増幅する増幅器としてアウトフェージング増幅器が知られている。アウトフェージング増幅器は、信号処理器、2つのアンプおよび合成器を備えている。信号処理器は、入力された入力信号の振幅に基づきアウトフェージング角を変化させた2つの信号を出力する。2つのアンプは、信号処理器から出力された2つの信号をそれぞれ増幅する。合成器は、2つのアンプが増幅した2つの出力信号を1つの出力信号として合成する合成器を備える。合成器としてシレイ(Chireix)合成器を用いることが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-156023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アウトフェージング増幅器において、並列に接続された2つのアンプをそれぞれ多段とすることが考えられる。多段のアンプを設計する場合、整合回路の設計を容易にするため、2つのアンプ間に、後段のアンプを見たインピーダンスがほぼ基準インピーダンスとなるノードを設けることがある。この場合、アンプの間にインピーダンス変換器を設けることが考えられる。しかしながら、アウトフェージング増幅器において、アンプの間にインピーダンス変換器を設けると、特性が劣化してしまう。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、第1信号を増幅する第1アンプと、第2信号を増幅する第2アンプと、前記第1アンプが増幅した前記第1信号を増幅する第3アンプと、前記第2アンプが増幅した前記第2信号を増幅する第4アンプと、第1端が前記第1アンプに接続され、第2端が前記第3アンプに接続された第1インピーダンス変換器と、第1端が前記第2アンプに接続され、第2端が前記第4アンプに接続された第2インピーダンス変換器と、前記第1アンプの出力インピーダンスと前記第1インピーダンス変換器の入力インピーダンスとを整合させる第1整合回路と、前記第2アンプの出力インピーダンスと前記第2インピーダンス変換器の入力インピーダンスとを整合させる第2整合回路と、前記第1インピーダンス変換器の出力インピーダンスと前記第3アンプの入力インピーダンスとを整合させる第3整合回路と、前記第2インピーダンス変換器の出力インピーダンスと前記第4アンプの入力インピーダンスとを整合させる第4整合回路と、前記第3アンプが増幅した前記第1信号と前記第4アンプが増幅した前記第2信号とを合成し、前記合成した信号を出力信号として出力する合成器と、を備え、前記第1整合回路が出力する前記第1信号に対する前記第3整合回路に入力する前記第1信号の第1位相差は、動作周波数帯域の中心周波数において90°未満であり、前記第2整合回路が出力する前記第2信号に対する前記第4整合回路に入力する前記第2信号の第2位相差は、前記中心周波数において90°より大きいアウトフェージング増幅器である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施例1に係るアウトフェージング増幅器のブロック図である。
図2は、実施例1に係るアウトフェージング増幅器のブロック図である。
図3は、実施例1における出力電力のベクトルの模式図である。
図4は、実施例1における出力電力のベクトルの模式図である。
図5は、比較例1におけるインピーダンスのスミスチャートである。
図6は、実施例1におけるインピーダンスのスミスチャートである。
図7は、比較例2に係るアウトフェージング増幅器の回路図である。
図8は、比較例2のアウトフェージング増幅器におけるインピーダンスを示すスミスチャートである。
図9は、比較例2のアウトフェージング増幅器における周波数に対する通過特性S21を示す図である。
図10は、実施例1のアウトフェージング増幅器におけるインピーダンスを示すスミスチャートである。
図11は、実施例1のアウトフェージング増幅器における周波数に対する通過特性S21を示す図である。
図12は、実施例2のアウトフェージング増幅器におけるインピーダンスを示すスミスチャートである。
図13は、実施例2のアウトフェージング増幅器におけるインピーダンスを示すスミスチャートである。
図14は、実施例2のアウトフェージング増幅器における周波数に対する通過特性S21を示す図である。
図15は、実施例3に係るアウトフェージング増幅器の回路図である。
図16は、実施例4に係るアウトフェージング増幅器の回路図である。
図17は、実施例5に係るアウトフェージング増幅器の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、第1信号を増幅する第1アンプと、第2信号を増幅する第2アンプと、前記第1アンプが増幅した前記第1信号を増幅する第3アンプと、前記第2アンプが増幅した前記第2信号を増幅する第4アンプと、第1端が前記第1アンプに接続され、第2端が前記第3アンプに接続された第1インピーダンス変換器と、第1端が前記第2アンプに接続され、第2端が前記第4アンプに接続された第2インピーダンス変換器と、前記第1アンプの出力インピーダンスと前記第1インピーダンス変換器の入力インピーダンスとを整合させる第1整合回路と、前記第2アンプの出力インピーダンスと前記第2インピーダンス変換器の入力インピーダンスとを整合させる第2整合回路と、前記第1インピーダンス変換器の出力インピーダンスと前記第3アンプの入力インピーダンスとを整合させる第3整合回路と、前記第2インピーダンス変換器の出力インピーダンスと前記第4アンプの入力インピーダンスとを整合させる第4整合回路と、前記第3アンプが増幅した前記第1信号と前記第4アンプが増幅した前記第2信号とを合成し、前記合成した信号を出力信号として出力する合成器と、を備え、前記第1整合回路が出力する前記第1信号に対する前記第3整合回路に入力する前記第1信号の第1位相差は、動作周波数帯域の中心周波数において90°未満であり、前記第2整合回路が出力する前記第2信号に対する前記第4整合回路に入力する前記第2信号の第2位相差は、前記中心周波数において90°より大きいアウトフェージング増幅器である。これにより、第1整合回路から第1インピーダンス変換回路を見たインピーダンスおよび第2整合回路から第2インピーダンス変換回路を見たインピーダンスのリアクタンス成分を抑制でき、アウトフェージング増幅器の特性を向上できる。
(2)上記(1)において、前記出力信号の電力が動作として用いられる最小の値のときのアウトフェージング角をθboとしたとき、前記第1位相差は、85°-θbo以上かつ95°-θbo以下であり、前記第2位相差は、85°+θbo以上かつ95°+θbo以下であってもよい。これにより、アウトフェージング角がθboにおける特性を向上できる。
(3)上記(1)または(2)において、前記第3アンプから前記第3整合回路を見たインピーダンスは、前記第3整合回路から前記第3アンプをみたインピーダンスの複素共役から、スミスチャート上において時計回りに回転しており、前記第4アンプから前記第4整合回路を見たインピーダンスは、前記第4整合回路から前記第4アンプをみたインピーダンスの複素共役から、スミスチャート上において反時計回りに回転していてもよい。これにより、広帯域化できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記第1整合回路が出力する前記第1信号に対する前記第3整合回路に入力する前記第1信号の挿入損失は、前記動作周波数帯域の低周波端より前記動作周波数帯域の高周波端の方が大きく、前記第2整合回路が出力する前記第2信号に対する前記第4整合回路に入力する前記第2信号の挿入損失は、前記低周波端より前記高周波端の方が小さくてもよい。これにより、第1位相差を90°未満とし、第2位相差を90°以上にできる。
(5)上記(4)において、前記第3整合回路の挿入損失は、前記低周波端より前記高周波端の方が小さく、前記第4整合回路の挿入損失は、前記低周波端より前記高周波端の方が大きい。これにより、広帯域化できる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記第1インピーダンス変換器から前記第3整合回路を見たインピーダンスのスミスチャート上の座標を極座標を用い表したとき動径は0.5以下であり、前記第2インピーダンス変換器から前記第4整合回路を見たインピーダンスのスミスチャート上の座標を極座標を用い表したとき動径は0.5以下であってもよい。これにより、整合回路の設計が容易となる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記第1インピーダンス変換器は、前記中心周波数における波長の1/4の電気長を有する第1伝送線路であり、前記第2インピーダンス変換器は、前記中心周波数における波長の1/4の電気長を有する第2伝送線路であってもよい。これにより、インピーダンス変換器を実現できる。
(8)上記(7)において、前記第1整合回路と前記第1伝送線路との間のノードに第1端が接続された第1オープンスタブと、前記第2整合回路と前記第2伝送線路との間のノードに第1端が接続された第2オープンスタブと、を備えてもよい。これにより、第1位相差を90°未満とし、第2位相差を90°以上にできる。
(9)上記(7)において、前記第1整合回路と前記第1伝送線路との間のノードに第1端が接続され第2端が基準電位に接続されたキャパシタと、前記第2整合回路と前記第2伝送線路との間のノードに第1端が接続され第2端が基準電位に接続されたインダクタと、を備えてもよい。これにより、第1位相差を90°未満とし、第2位相差を90°以上にできる。
(10)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記第1インピーダンス変換器は、前記中心周波数における波長の1/4より短い電気長を有する第1伝送線路であり、前記第2インピーダンス変換器は、前記中心周波数における波長の1/4より長い電気長を有する第2伝送線路であってもよい。これにより、第1位相差を90°未満とし、第2位相差を90°以上にできる。
【0010】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態にかかるアウトフェージング増幅器の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(【0011】以降は省略されています)

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