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公開番号
2024145406
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023057734
出願日
2023-03-31
発明の名称
クリーンルームの空調システム
出願人
三機工業株式会社
代理人
弁理士法人山田特許事務所
主分類
F24F
7/06 20060101AFI20241004BHJP(加熱;レンジ;換気)
要約
【課題】省スペース且つ安価にて好適にクリーンルームを実現し得るクリーンルームの空調システムを提供する。
【解決手段】装置5を内部に設置する対象空間Sと、装置5よりも上レベルに空間を形成する調整部8と、空気を下向きに送り出すファンフィルタユニット2と、空気を温調するドライコイル6と、調整部8の内部空間と対象空間Sと調整部側部とを連通する吸込口8bとを備え、調整部8は、ファンフィルタユニット2と吸込口8bを備えた箱状の構造物として構成され、ファンフィルタユニット2から床13に向かって送り出された空気A1の流れは、床13に沿ってファンフィルタユニット2の配列方向と直交する目的の向きに誘導されるよう構成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
熱負荷を周囲空気に与えつつ自身の温度を所定の範囲に保つ必要がある装置を内部に設置する対象空間と、
床の上方に設けられ、対象空間と区画され、前記装置よりも上レベルに空間を形成する調整部と、
前記調整部の下面に設けられ、前記床に向かって空気を下向きに送り出すファンフィルタユニットと、
前記調整部の側面に設けられ、ファンフィルタユニットの稼働により空気を流通されて該空気を温調するドライコイルと、
前記調整部の内部空間と対象空間と前記調整部側部とを連通する吸込口と
を備え、
前記調整部は、前記ファンフィルタユニットと前記吸込口を備えた箱状の構造物として構成され、前記ファンフィルタユニットから前記床に向かって送り出された空気の流れは、前記床に沿って前記ファンフィルタユニットの配列方向と直交する目的の向きに誘導されるよう構成されていること
を特徴とするクリーンルームの空調システム。
続きを表示(約 260 文字)
【請求項2】
前記ファンフィルタユニットから前記床に向かって送り出され、前記床に沿って誘導される空気の流れは、別のファンフィルタユニットから送り出される空気の流れまたは壁により水平方向の向きを遮られることで目的の向きに誘導されるよう構成されていること
を特徴とする請求項1に記載のクリーンルームの空調システム。
【請求項3】
前記調整部の下面には、前記ファンフィルタユニットの吹出口近傍から下方に伸びる垂れ壁が設けられていること
を特徴とする請求項1に記載のクリーンルームの空調システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンルームの空調システムに関する。さらには、階高が低い建屋において適用しやすい工業用クリーンルームの空調システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
図11はクリーンルームにおける空調システムの一例を示している。対象空間Sはボールルーム方式の工業用クリーンルームとして構成されており、天井1には複数のファンフィルタユニット2が設置されている。ファンフィルタユニット2は、天井1の上方の空気をファンにより筐体内に吸い込んで筐体下方全面を覆うフィルタに吹き付け、該フィルタを通って浄化された空気を室内空気A1として下方の対象空間Sへ送り出すようになっている。
【0003】
対象空間Sの床3は、パンチングパネルやグレーチング等を素材とする上げ床として構成されている。ファンフィルタユニット2から対象空間Sに室内空気A1として送り込まれた空気は、床3の開孔を通って還気A2として床下の空間に抜け、床下と天井裏を連通するレタンシャフト4を通って天井裏の空間へ送られ、再度ファンフィルタユニット2から室内空気A1として対象空間Sに供給される。
【0004】
工業用クリーンルームである対象空間Sでは生産装置等の機器(装置)5が稼働しており、室内空気A1は、機器5の排熱を受け取り昇温した状態で、還気A2として床下へ抜ける。昇温した還気A2は、床下から天井裏へ戻って再度ファンフィルタユニット2から送り出されるまでの間に、機器5の稼働に適した温度まで冷却される必要がある。ここに示した例では、レタンシャフト4の入口付近にドライコイルである冷却ユニット6を備え、対象空間Sの床3を抜けた後の還気A2を冷却するようになっている。
【0005】
こうして、図11に示す空調システムでは、対象空間Sにおいては清浄な空気をファンフィルタユニット2から供給しつつ、対象空間Sを含む設備全体で空気を循環させるようになっている。このような空気の循環において、ファンフィルタユニット2は対象空間Sに対し空気を概ね下向きに送り出すようになっているが、天井1にはファンフィルタユニット2はまばらに設置されていて、これによって形成される気流は一方向の押し出し流ではなく、室内で生じた塵埃を清浄空気により希釈混合するような非一方向の気流である。
【0006】
尚、ここに示した例は模式化した図であって、実際の工業用クリーンルームには、図示されている以外に、例えば外調機や循環経路内ファン付き加湿器といった設備がさらに設けられることが通常であるが、ここでは図示を省略している。
【0007】
この種のクリーンルームの空調システムに関連する、古いトンネル式クリーンルームの例としての先行技術文献としては、例えば、下記の特許文献1等がある。トンネル式クリーンルームはボールルーム方式よりも清浄度は高いが、構成としては似ており、例示として示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開昭62-194140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述の如き従来のボールルーム方式クリーンルームでは、空気の循環のためあるいはドライコイルへの風路確保等のため、対象空間Sの周囲に、該対象空間Sから区画されたレタンシャフト空間が必要である。また、そのレタンシャフトで持ち上げた空気を、ファンフィルタユニット2のファンにて吹き降ろすために、多数のファンフィルタユニット2の設置面である天井1の上方(天井裏)には、ファンフィルタユニット2への空気の流れを確保し、且つファンフィルタユニット2のメンテナンスのためのキャットウオークの空間確保を可能とするため、ある程度の平面積と高さを有する空間を設けなくてはならない。
【0010】
また、対象空間Sに上述の如きファンフィルタユニット2を用いてまばらに設置し非一方向の気流を広く供給するためには、ファンフィルタユニット2の設置面として広い面積の天井1をフィルタの載置に最適なセル天井、つまりシステム天井として構築する必要がある。結局まばらに設置としてもパネル天井の一部にファンフィルタユニット2を設置するとしても一定の間隔で配置するためにかえって設備コストが上がるため、全面セル設置してブランクパネルでふさぐことを通常行う。
(【0011】以降は省略されています)
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