TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025011702
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023113963
出願日
2023-07-11
発明の名称
廃水の生物処理装置、及び、曝気風量を制御する装置及び方法
出願人
三機工業株式会社
,
独立行政法人国立高等専門学校機構
代理人
弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
主分類
C02F
3/12 20230101AFI20250117BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】好気槽内での有機物の分解に悪影響を与えることなく、アンモニア態窒素の硝化によって発生するN
2
Oの排出量を確実に低減できるようにする。
【解決手段】曝気装置30の曝気風量と、好気槽4で処理される廃水の水量と、好気槽4の溶存態N
2
O又はガス態N
2
Oの濃度とをそれぞれ測定する。そして、水量の測定値と曝気風量の測定値と溶存態N
2
O又はガス態N
2
Oの濃度の測定値とに基づいて単位処理水量当たりN
2
O排出量を算出する。制御装置10は、単位処理水量当たりN
2
O排出量が所定の閾値以上である場合、曝気風量を低下させるように曝気装置30を操作する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
好気槽を用いた生物処理装置であって、
前記好気槽内を曝気する曝気装置と、
前記曝気装置の曝気風量を測定する風量センサと、
前記好気槽で処理される廃水の水量を測定する水量センサと、
前記好気槽の溶存態N
2
O又はガス態N
2
Oの濃度を測定するN
2
O濃度センサと、
前記曝気装置の操作によって前記曝気風量を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記水量の測定値と前記曝気風量の測定値と前記溶存態N
2
O又はガス態N
2
Oの濃度の測定値とに基づいて単位処理水量当たりN
2
O排出量を算出することと、
前記単位処理水量当たりN
2
O排出量が所定の閾値以上である場合、前記曝気風量を低下させることと、を実行するように構成されている
ことを特徴とする廃水の生物処理装置。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の生物処理装置であって、
前記N
2
O濃度センサは溶存態N
2
Oの濃度を測定するセンサであって、前記好気槽のアンモニア硝化領域の水中に設置されている
ことを特徴とする廃水の生物処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の生物処理装置であって、
前記N
2
O濃度センサはガス態N
2
Oの濃度を測定するセンサであって、前記好気槽のアンモニア硝化領域の水面に設置されたガス捕集装置に接続されている
ことを特徴とする廃水の生物処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の生物処理装置であって、
前記好気槽は少なくともアンモニア硝化領域と他の領域とが隔壁で分離され、
前記曝気装置は前記アンモニア硝化領域内の前記曝気風量を前記他の領域とは独立して変更可能に構成され、
前記N
2
O濃度センサは前記アンモニア硝化領域の溶存態N
2
O又はガス態N
2
Oの濃度を測定するように配置され、
前記制御装置は、前記単位処理水量当たりN
2
O排出量が前記閾値以上である場合、前記アンモニア硝化領域内の前記曝気風量を低下させる
ことを特徴とする廃水の生物処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生物処理装置であって、
前記制御装置は、前記単位処理水量当たりN
2
O排出量を前記閾値未満に抑えつつ、前記曝気風量を所定の設定値に近付けるように前記曝気風量を制御するように構成されている
ことを特徴とする廃水の生物処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生物処理装置であって、
前記制御装置は、前記単位処理水量当たりN
2
O排出量を前記閾値未満に抑えつつ、前記水量の測定値に対する前記曝気風量の測定値の比を所定の設定値に近付けるように前記曝気風量を制御するように構成されている
ことを特徴とする廃水の生物処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生物処理装置であって、
前記好気槽の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素濃度センサをさらに備え、
前記制御装置は、前記単位処理水量当たりN
2
O排出量を前記閾値未満に抑えつつ、前記溶存酸素濃度の測定値を所定の設定値に近付けるように前記曝気風量を制御するように構成されている
ことを特徴とする廃水の生物処理装置。
【請求項8】
好気槽内を曝気する曝気装置の曝気風量を制御する制御装置であって、
前記曝気風量の測定値を取得することと、
前記好気槽で処理される廃水の水量の測定値を取得することと、
前記好気槽の溶存態N
2
O又はガス態N
2
Oの濃度の測定値を取得することと、
前記水量の測定値と前記曝気風量の測定値と前記溶存態N
2
O又はガス態N
2
Oの濃度の測定値とに基づいて単位処理水量当たりN
2
O排出量を算出することと、
前記単位処理水量当たりN
2
O排出量が所定の閾値以上である場合、前記曝気風量を低下させるように前記曝気装置を操作することと、を実行するように構成されている
ことを特徴とする曝気風量の制御装置。
【請求項9】
好気槽の曝気風量の制御方法であって、
前記曝気風量を測定することと、
前記好気槽で処理される廃水の水量を測定することと、
前記好気槽の溶存態N
2
O又はガス態N
2
Oの濃度を測定することと、
前記水量の測定値と前記曝気風量の測定値と前記溶存態N
2
O又はガス態N
2
Oの濃度の測定値とに基づいて単位処理水量当たりN
2
O排出量を算出することと、
前記単位処理水量当たりN
2
O排出量が所定の閾値以上である場合、前記曝気風量を低下させることと、を含む
ことを特徴とする曝気風量の制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、好気槽内への曝気により有機物を酸化分解する廃水の生物処理装置と、その曝気風量を制御する装置及び方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
下水を含む廃水の処理には、好気性微生物を活用した生物処理装置が用いられている。生物処理装置が備える好気槽(あるいは曝気槽)内には好気性微生物がフロック化した活性汚泥が浮遊している。ここに有機性の廃水が酸素を含む空気等の気体とともに供給されることで、廃水中の有機物は酸化分解されて廃水は浄化される。
【0003】
ただし、酸素を含む気体の供給、すなわち、曝気は非常に動力を要する。例えば、下水処理場の使用電力の約半分が曝気に起因している。曝気風量は送風量、送風倍率、及び溶存酸素濃度(DO)のいずれかを一定とするように制御されるのが一般的な方法である。
【0004】
生物処理装置の処理方式には、標準法、AO法、A2O法等のように目的に応じたいくつかの方式が存在する。一般的な処理方式である標準法とAO法では、N-BODが問題となる場合、その対策として硝化促進運転が行われている。硝化促進運転により、廃水中のアンモニア態窒素を硝酸態窒素まで酸化することができる。ただし、硝化促進運転では、曝気風量が硝化抑制運転の1.7倍程度に増加する。そのため、N-BODが問題とならない場合は、省エネのために硝化抑制運転が行われる。
【0005】
ところが、硝化抑制運転を行う場合、有機物が十分処理されたことを示す指標とするため、部分硝化が進行するよう運転が行われるケースがある。また、送風量一定制御、送風倍率一定制御、或いはDO一定制御で曝気風量が制御される結果、意図せず部分硝化が進行してしまうケースもある。
【0006】
図17は、廃水を標準法で処理した場合の好気槽内の各地点における水質の測定例を示している。測定点は流入水、有機物吸着・分解領域、有機物分解領域、アンモニア硝化領域、及び処理水の五地点である。測定した水質は有機物濃度、DO、無機態窒素、及び溶存態の亜酸化窒素(N
2
O)である。この図に示すように、曝気により供給される酸素は、まず、有機物の酸化分解のために消費される。そして、有機物の分解が十分に達成されるとDOが上昇し、その領域においてアンモニア態窒素の硝化が進む。アンモニア態窒素の硝化が進むアンモニア硝化領域では、亜硝酸態窒素、及び硝酸態窒素が発生するとともに、N
2
Oも発生する。
【0007】
アンモニア態窒素の硝化には、図18に示すように、ヒドロキシルアミンの酸化によって亜硝酸態窒素を経て硝酸態窒素に至るルートとヒドロキシルアミンの酸化によって副生成物としてN
2
Oに至るルートがある。前述のような部分硝化を進行させる運転はN
2
Oの発生の原因となる。N
2
Oは二酸化炭素の約300倍の温暖化係数を持つ温室効果ガスであるため、地球温暖化の防止のためにはN
2
Oの排出を抑制することが求められる。
【0008】
図19はN
2
Oの排出量を経時的にモニタリングした結果の一例を示す。この例ではDO一定制御で曝気風量が制御されている。時間が経過することでN
2
Oの排出量は低下する傾向にはあるが絶えず増減を繰り返しておりゼロに近い値まで収束するには至っていない。つまり、N
2
Oの排出量の低減を目的とした何らかの積極的な制御を行わない限り、成り行きによるN
2
Oの排出量の低減には限界がある。
【0009】
特許文献1には、N
2
Oの排出量を制御することを目的とした技術が開示されている。特許文献1に開示されている従来技術では、ガス態N
2
Oの濃度をモニタリングし、その濃度の上昇に基づいて反応槽内に供給する曝気風量を減少させることが行われている。しかし、N
2
Oは当初は溶存態として液中に存在し、曝気空気との濃度差や気液接触によるストリッピングでガス態へ移行し大気中へ排出される。そのため、液とガスの濃度差の他、廃水の水量と曝気風量のバランスもガス態N
2
Oの濃度に影響を与える因子となる。また、水量や曝気風量は時々刻々と変化し、常に一定ではない。そのため、ガス態N
2
O濃度の上昇に基づいた曝気風量の制御では、N
2
Oの絶対量を確実に減らすことができるとは限らないし、曝気風量を過度に減少させて有機物の分解に悪影響を及ぼしてしまう虞もある。つまり、特許文献1に開示されている従来技術には改善の余地がある。
【0010】
特許文献1の他にも、本出願の出願時の技術レベルを知る上での参考となりうる先行技術文献として、例えば、特許文献2乃至4を列挙することができる。しかし、特許文献1と同様、特許文献2乃至4の何れにも、好気槽内での有機物の分解に悪影響を与えることなく、アンモニア態窒素の硝化によって発生するN
2
Oの排出量を確実に低減できる技術は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
三機工業株式会社
廃水の生物処理装置、及び、曝気風量を制御する装置及び方法
6日前
株式会社Deto
浄水器
13日前
株式会社ノーリツ
電解水生成装置
21日前
個人
水処理用フィルター
6日前
大阪瓦斯株式会社
造水器
6日前
栗田工業株式会社
超純水製造装置
23日前
オルガノ株式会社
水質予測方法及び装置
21日前
京都市
水質管理指標出力装置及び水質管理指標出力方法
10日前
株式会社フロム工業
排水処理装置
14日前
栗田工業株式会社
排ガス処理設備排水の処理装置
15日前
株式会社竹中工務店
浄化方法
10日前
株式会社フジテクノ
道路橋排水樋水質改善部材および水質改善具
21日前
ルーセントC株式会社
排水処理システム及び排水処理方法
13日前
国立大学法人神戸大学
水処理方法及び水処理装置
21日前
栗田工業株式会社
純水製造システムおよび純水製造方法
13日前
カッパー工業株式会社
担体ろ材の生物処理槽
10日前
株式会社加藤建設
脱水装置
今日
株式会社明電舎
水質判定装置および水質判定方法
10日前
オルガノ株式会社
電気式脱イオン水製造装置及び純水製造方法
今日
JFEスチール株式会社
検知方法、検知装置およびプログラム
今日
王子ホールディングス株式会社
可搬式浄水装置
8日前
フジクリーン工業株式会社
廃水処理方法
今日
株式会社クボタ
水処理設備および水処理方法
6日前
オルガノ株式会社
水処理システム、イオン交換装置および測定方法
6日前
水ing株式会社
水処理施設の流出物質の吸着除去方法
21日前
住友重機械エンバイロメント株式会社
し渣搬送装置及び搬送方法
13日前
オルガノ株式会社
水処理装置および水処理方法
22日前
オルガノ株式会社
水処理装置および水処理方法
6日前
オルガノ株式会社
水処理装置および水処理方法
22日前
株式会社ノーリツ
除菌装置及び温水装置
13日前
オルガノ株式会社
水処理方法及び水処理システム
6日前
株式会社ノーリツ
除菌装置及び温水装置
13日前
オルガノ株式会社
水処理方法及び水処理装置並びに水処理装置の設計方法
22日前
株式会社日本トリム
水処理装置
6日前
株式会社日本トリム
水処理装置
6日前
JFEスチール株式会社
排水の中和装置および排水の中和方法
10日前
続きを見る
他の特許を見る