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公開番号
2025002037
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023101944
出願日
2023-06-21
発明の名称
水質予測方法及び装置
出願人
オルガノ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C02F
1/32 20230101AFI20241226BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】TOC濃度測定値などに基いて、水処理システムでの尿素に代表される難分解性TOC成分の濃度などの水質を予測する。
【解決手段】紫外線照射装置52の入口水のTOC濃度である入口TOC濃度と、紫外線照射装置52の後段に設けられたイオン交換装置53の出口水のTOC濃度である出口TOC濃度と、被処理水における難分解性TOC成分の濃度と、紫外線照射装置52における紫外線照射量とに基づいてTOC成分の分解を表現するTOC分解モデルを生成し、生成したTOC分解モデルをモデル格納部15に格納する。その後、入口TOC濃度、出口TOC濃度、難分解性TOC成分の濃度及び紫外線照射量である4つのパラメータのうちの3つのパラメータをTOC分解モデルに当てはめて残り1つのパラメータの値を予測する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
被処理水を処理する水処理システムでの水質を予測する水質予測方法であって、
前記被処理水が供給される紫外線照射装置の入口水のTOC濃度である入口TOC濃度と、前記紫外線照射装置の後段に設けられたイオン交換装置の出口水のTOC濃度である出口TOC濃度と、前記紫外線照射装置の入口水及び前記イオン交換装置の出口水の少なくとも一方における難分解性TOC成分の濃度と、前記紫外線照射装置における紫外線照射量との各々の実測値に基づいて前記紫外線照射装置及び前記イオン交換装置におけるTOC成分の分解を表現するTOC分解モデルを生成し、
前記TOC分解モデルの生成後、前記入口TOC濃度、前記出口TOC濃度、前記難分解性TOC成分の濃度及び前記紫外線照射量である4つのパラメータのうちの3つのパラメータを前記TOC分解モデルに当てはめて残り1つのパラメータの値を予測する、水質予測方法。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記TOC分解モデルは、前記難分解性TOC成分と、前記難分解性TOC成分以外の少なくとも1種類のモデルTOC種とを含むTOC成分の分解を、各TOC種の分解が相互に独立であるものとして表現するモデルであり、
前記TOC分解モデルにおいてkを反応速度定数とし、Rを前記紫外線照射量として、TOC種ごとの反応速度定数kが、前記紫外線照射装置の入口水での当該TOC種の濃度の一次関数として表され、
各TOC種の残存率yが
y=exp(-k*R)
として表される、請求項1に記載の水質予測方法。
【請求項3】
前記水処理システムに前記紫外線照射装置及び前記イオン交換装置が備えられている、請求項1または2に記載の水質予測方法。
【請求項4】
前記出口TOC濃度の目標値と前記入口TOC濃度と前記難分解性TOC成分の濃度とを前記TOC分解モデルに当てはめて前記紫外線照射量を算出し、算出された前記紫外線照射量で前記紫外線照射装置を動作させる、請求項3に記載の水質予測方法。
【請求項5】
前記水処理システムとは別個に設けられて前記被処理水が供給される評価用純水製造部に前記紫外線照射装置及び前記イオン交換装置が備えられおり、
前記水処理システムは、前記被処理水が供給される水処理用紫外線照射装置と、前記水処理用紫外線照射装置の後段に設けられた水処理用イオン交換装置とを備える、請求項1または2に記載の水質予測方法。
【請求項6】
前記水処理用イオン交換装置の出口水でのTOC濃度の目標値と前記入口TOC濃度と前記難分解性TOC成分の濃度とを前記TOC分解モデルに当てはめて前記紫外線照射量を算出し、算出された前記紫外線照射量を前記水処理用紫外線照射装置における紫外線照射量に換算し、換算された前記紫外線照射量によって前記水処理用紫外線照射装置を動作させる、請求項5に記載の水質予測方法。
【請求項7】
被処理水を処理する水処理システムでの水質を予測する水質予測装置であって、
前記被処理水が供給される紫外線照射装置の入口水のTOC濃度である入口TOC濃度と、前記紫外線照射装置の後段に設けられたイオン交換装置の出口水のTOC濃度である出口TOC濃度と、前記紫外線照射装置の入口水及び前記イオン交換装置の出口水の少なくとも一方における難分解性TOC成分の濃度と、前記紫外線照射装置における紫外線照射量とに基づいて前記紫外線照射装置及び前記イオン交換装置におけるTOC成分の分解を表現するTOC分解モデルを格納するモデル格納部と、
前記入口TOC濃度、前記出口TOC濃度、前記難分解性TOC成分の濃度及び前記紫外線照射量である4つのパラメータのうちの3つのパラメータを前記TOC分解モデルに当てはめて残り1つのパラメータの値を予測する水質予測部と、
を備える水質予測装置。
【請求項8】
前記入口TOC濃度、前記出口TOC濃度、前記難分解性TOC成分の濃度及び前記紫外線照射量の各々の実測値に基づいて前記TOC分解モデルを作成するモデル作成部をさらに備える、請求項7に記載の水質予測装置。
【請求項9】
前記TOC分解モデルは、前記難分解性TOC成分と、前記難分解性TOC成分以外の少なくとも1種類のモデルTOC種とを含むTOC成分の分解を、各TOC種の分解が相互に独立であるものとして表現するモデルであり、
前記TOC分解モデルにおいてkを反応速度定数とし、Rを前記紫外線照射量として、TOC種ごとの反応速度定数kが、前記紫外線照射装置の入口水での当該TOC種の濃度の一次関数として表され、
各TOC種の残存率yが
y=exp(-k*R)
として表される、請求項8に記載の水質予測装置。
【請求項10】
前記水処理システムに前記紫外線照射装置及び前記イオン交換装置が備えられている、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の水質予測装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理水を処理する水処理システムにおいて、尿素に代表される難分解性TOC成分の濃度などの水質値を予測する水質予測方法及び装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば原水から超純水を生成する超純水製造システムなどの水処理システムでは、水処理システムに供給される原水の水質にも関心を払う必要がある。例えば超純水製造システムでは、原水に含まれる有機物質(TOC(全有機炭素:Total Organic Carbon)成分)を除去するために、紫外線を照射して原水中の有機成分を酸化させる紫外線酸化処理と、紫外線酸化処理で生じた炭酸成分や有機酸をイオン交換によって除去するイオン交換処理とが実施される。しかしながら有機成分には、これらの処理によって除去しやすい成分とそうではない成分とが存在する。後者の成分は難分解性TOC成分とも呼ばれるが、中でも尿素は、紫外線酸化処理とそれに引き続くイオン交換処理によっては除去することが難しい成分であり、水処理システムから得られる処理水の水質に大きな影響を及ぼす。特に近年、水資源の有効活用のため、工場排水などを一次処理して再利用する再生水や回収水を原水として使用するようになってきているが、再生水や回収水は、水道水や工業用水などに比べて尿素を多く含む可能性がある。再生水や回収水を水処理システムの原水として使用したときにその原水に尿素が多く含まれていれば、水処理システムからの処理水に尿素が含まれる可能性が高くなる。
【0003】
水処理システムの原水に尿素が多く含まれていると処理水の水質を維持することができないので、例えば、回収水や再生水を原水の一部として使用する場合であれば、その回収水や再生水の受け入れを停止するなどの対策をとる必要がある。したがって、水処理システムに供給される原水に含まれる尿素の濃度や水処理システムからの処理水に含まれる尿素の濃度を的確に評価できることが望まれている。
【0004】
特許文献1は、超純水製造システムなどの水処理システムの運転管理のためにその水処理システムへの原水を評価する水処理管理装置を開示している。水処理管理装置は、TOC成分の除去のための単位操作を実行するTOC除去機器を備える評価用純水製造部を備えている。評価用純水製造部は、水処理システムとは別個に設けられるものであって、評価対象の原水が供給される。評価用純水製造部の入口及び出口を含む評価用純水製造部における複数の測定点でTOC濃度を測定し、これらの複数のTOC濃度測定値を解析することによって、原水の水質の評価を行うことができる。
【0005】
水処理システムの原水や処理水における尿素濃度の連続的な定量を行うことに適した分析装置として特許文献2は、ジアセチルモノオキシムを用いる比色法による尿素の定量をフローインジェクション分析によって実行する装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-155275号公報
特開2018-179545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
難分解性TOC成分の中でも尿素は分解が特に困難な化合物の1つであり、水処理システムの処理水への影響も大きいことから、原水や処理水における尿素濃度の評価を行うことが重要である。特許文献1に記載されるように紫外線酸化処理とイオン交換処理とを経た処理水のTOC濃度に基づいて尿素濃度の評価を行った場合、尿素以外の難分解性TOC成分が含まれている可能性があるので、正確な尿素濃度を評価できるとは言えず、TOC濃度に基づいて紫外線照射量の制御を行なった場合に過剰な紫外線照射となる可能性がある。尿素以外の難分解性TOC成分であっても、水処理システムの処理水への影響も大きい場合には、原水や処理水におけるその難分解性TOC成分の濃度の評価を行うことが必要である。一方、特許文献2に記載される尿素定量用の分析装置は、反応試薬を消費するとともにその冷蔵が必要であって、尿素濃度を連続的に測定するためにはランニングコストが高いという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、TOC濃度測定値などに基いて水処理システムでの尿素に代表される難分解性TOC成分の濃度などの水質を予測することができる水質予測方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、紫外線酸化処理と紫外線酸化処理の出口水に対するイオン交換処理とを実行する水処理システムに対応させて、(a)紫外線酸化処理の入口水におけるTOC濃度、(b)イオン交換処理の出口水におけるTOC濃度、(c)紫外線酸化処理での紫外線照射量、及び、(d)難分解性TOC成分の濃度の4つのパラメータ間の関係を記述するモデルを構築する。このモデルは、紫外線酸化処理とイオン交換処理とによるTOC成分の分解をモデル化したTOC分解モデルである。このようなモデルが構築されば、4つのパラメータのうちの3つのパラメータが与えられれば残りの1つのパラメータを決定できるから、尿素などの難分解性TOC成分の濃度を予測することが可能になる。ここで難分解性TOC成分の濃度は、紫外線酸化処理の入口水とイオン交換処理の出口水との少なくとも一方での当該成分の濃度である。
【0010】
したがって本発明の水質予測方法は、被処理水を処理する水処理システムでの水質を予測する水質予測方法であって、被処理水が供給される紫外線照射装置の入口水のTOC濃度である入口TOC濃度と、紫外線照射装置の後段に設けられたイオン交換装置の出口水のTOC濃度である出口TOC濃度と、紫外線照射装置の入口水及びイオン交換装置の出口水の少なくとも一方における難分解性TOC成分の濃度と、紫外線照射装置における紫外線照射量との各々の実測値に基づいて紫外線照射装置及びイオン交換装置におけるTOC成分の分解を表現するTOC分解モデルを生成し、TOC分解モデルの生成後、入口TOC濃度、出口TOC濃度、難分解性TOC成分の濃度及び紫外線照射量である4つのパラメータのうちの3つのパラメータをTOC分解モデルに当てはめて残り1つのパラメータの値を予測する。
(【0011】以降は省略されています)
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